「三島由紀夫」とはなにものだったのか(新潮文庫)

「三島由紀夫」とはなにものだったのか(新潮文庫)

737円 (税込)

3pt

“同性愛”を書いた作家ではなく、“同性愛”を書かなかった作家。恋ではなく、「恋の不可能」にしか欲望を機能させることが出来ない人――。諸作品の驚嘆すべき精緻な読み込みから浮かび上がる、天才作家への新しい視点。「私の中で、三島由紀夫はとうの昔に終わっている」と語って憚らない著者が、「それなのになぜ、私は三島が気になるのか?」と自問を重ね綴る。小林秀雄賞受賞作。

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「三島由紀夫」とはなにものだったのか(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2013年01月16日

    橋本治が、三島由紀夫という異彩を放つ作家の依拠する論理(ロジック)の特異性を、各作品のテクストから丹念に読み込みながら解き解していきます。特筆すべきは、ほとんど他の文芸評論家の引用や孫引きもなく、ひたすら自分の言葉で 「三島由紀夫」論を展開している点です。作家論が成功しているか否かは読み手の判断に依...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    三度読み返して、そのたびにやるせなくなる評論です。著者は三島作品を深く読みこむことで三島由紀夫特有のロジックを把握し、そこから、「なぜ『三島由紀夫』は死んだか?」「『三島由紀夫』とはなぜそうしなければならない人物だったか?」という問いに答えを与えていきます。その過程は面白く、読み応えがあります。しか...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    「すごい」の一言。筆者の三島作品に対する思い入れと愛を感じたのは私だけでしょうか?ここまで深く作品を洞察して三島由紀夫の表現したかったことを詳細に読み取る(あくまで橋本氏の見解であり、真実かどうかはわかりませんが)ことができたのは橋本氏の中に、三島由紀夫に共感できる本質があったから、ではないかとまで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    なにぶんここまで分厚い評論を読んだことがなかったのでだいぶ時間を掛けた。が、それ相応に得たものは大きい。自分はあまり賢くないので三島の言いたいことをすべて曖昧模糊にとっていたが、筆者のおかげで的確な言葉を与えられ、三島文学における理解がさらに深まった。

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    Posted by ブクログ 2012年06月23日

    おもしろい論考です。難しいことを平明な文章で語らせたら橋本さんは本当に巧い。三島は全作品読んだわけではないのですが、幸い本書で取り上げられているいくつかの作品は既読で、何とかついて行けました。こうなると「豊饒の海」シリーズ読みたいですよね〜。三島の文体が装飾過剰なのは「それはそんなもの」とアッサリ考...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年07月18日

    橋本治の「『三島由紀夫』とはなにものだったのか」(新潮社 2002年)を読んで(全体の20%しか読まなかったが)ホッとしたところである。

    三島由紀夫は1925年に生まれ1970年に死んでいる。
    私は彼の著作を殆ど読んでいない。彼は文学者としてスター作家であり常に時の人であった。ましてやあの死にざ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年05月26日

    誰かの言葉を借りない、筆者独自の三島論はとても説得力がある。
    切腹事件に振り回されて(幻惑されて)いないことも、当然なのですが爽快。

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    Posted by ブクログ 2012年09月26日

    「小林秀雄の恵み」同様、なかなか、難しい課題に、橋本は、良く挑戦したものである。それにしても、良くも、これ程、膨大な三島の著作を、読み返したものである。こちらは、全部が、全部、読破したモノではないから、その論旨が、果たして、どうなのかは、自分が読んだことのある著作に関しては、ある程度、理解出来るが、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年10月11日

    三島由紀夫に対する橋本さんの批評に驚きました。私も三島由紀夫さんの作品をいくつか読んでいますが、あまり深く考えずに読んでいて不思議な物語だな程度しか認識していませんでした。同じ文章を読んでいるのにこの解釈の違い、なんか恥ずかしい気持ちがしました。

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    Posted by ブクログ 2012年12月15日

    自分がこれまで読んだ三島論のなかで最も面白かった

    [目次]
    第1章 『豊饒の海』論(二人の三島由紀夫―檜俊輔と南悠一;『金閣寺』の二人 ほか);
    第2章 同性愛を書かない作家(松枝清顕の接吻;同性愛を書かない作家 ほか);
    第3章 「女」という方法(三島由紀夫の「戦後」;囚われの人 ほか);
    終章...続きを読む

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