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若さにしがみつき、老いはいつも他人事。どうして日本人は年を取るのが下手になったのだろうか――。バブル時の借金にあえぎ、過労で倒れて入院、数万人に 一人の難病患者となった作家が、自らの「貧・病・老」を赤裸々に綴りながら、「老い」に馴れるためのヒントを伝授する。「楽な人生を送れば長生きする」「新しいことは知らなくて当然」「貧乏でも孤独でもいい」など、読めば肩の力が抜ける、老若男女のための年寄り入門。
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Posted by ブクログ
始めにいきなり「老いとはまず他人事である」との命題が提示されるが、結局これが老いとは何か?に答える究極の結論なんだと気付いた。 自分は昔から老けているので、実年齢が上がるとそれに応じて見た目の年齢と近づいて行くから歳を取るのは嬉しかったりする。それでも『老人』という響きにはやっぱり抵抗がある。それは...続きを読むどこまでも他人事なのだ。 しかしこういう老いと死に関するテーマを著者の死後に読むのは複雑だ。読みながらつい余計な事を考えてしまう。
これは、若い女性に向かって言った言葉ではなく、老いに向かっていく自分に対しての言葉。 体は確実に老いていくのに、そして体は何度もその信号を送っているのに、脳がそれを認めない。 人間というのは幼いころから成長曲線が右肩上がりで、いざ下り始めると、新しい出来事を記憶しにくくなってしまう。 だから、若...続きを読むかったころの、できたときの自分の感覚で考えるから、齟齬を生じるらしい。 子どもの運動会に参加して転ぶのは、若いころにスポーツをしていたお父さんが多いのもそのせいだと聞いたことがある。 頭は若い時の感覚で指令を出すけれど、体は全然追いつかないのだそうだ。 “「自分」とは、アクのようなものだ。 アクが溜まって大人になる。大人になるということは、そのように「自分」が蓄積していくことで、「自分」が溜まってしまうと、そう簡単に身動きが出来なくなる。体が重くなるし、思考もまた重くなる。” “年寄りは意図的にならなければならない。一々脳の指示を仰がなければヘマを仕出かしがちになる。だから動きがノタノタと遅くなる。” 若いころは反射神経でいけたことが、年を取ると脳の判断を仰ぎながらじゃないとできない。 あれ?それって、なんかちょっとかっこよくない? だって、脳が働いているってことだよ。 記憶力が衰えるっていうのは、付箋紙の接着力が劣化するのと同じことだと橋本治は言う。 劣化していることを意識して、きちんと貼ればいいのだと。 それを、今までどおりにテキトーにペタッと貼っつけるから、付箋紙はひら~っとはがれてどこかに落ちてしまうのだと。 「栄耀(えよう)に餅の皮を剥く」という言葉をこの本で知りました。 金持ちは表面が固くなった餅の皮を剥いて、中の柔らかいところだけを食べる。 だけど古くからの金持ちなら、餅の皮なんか剥かずに「新しく餅を搗け」と命令すればいい。 急に豊かになって働く必要がなくなり、暇を持て余した結果、「することもないから餅の皮でも剥いとくか」となったのでは?と橋本治は考察します。 そして、「古くなったお肌の角質を剥いて若返らせる」美容整形のピーリングは、まさに「栄耀に餅の皮を剥く」行為だと、毒を吐く。 格好いいなあ。 潤沢な知識をもって毒を吐く年寄り。うっとり。 橋本治の語る老いについて、思い当るところは多々あって。 だけど老いへの道は片道切符。 泣いても笑っても、誰もが老いていくのだから、できればまあ、笑いながら老いていければいいなあと思います。
老いについて、著者の経験を交えながらいろいろ考えた本。どこか他人事というか、楽観的な部分も大いにあったように思う。 若い→まだ若い→もうそんなに若くない→若くない→老人、という五段階変化は納得。物忘れが多くなるのは、脳がいっぱいになってきて、覚える気もなくなってくるからというのもなんとなく納得。そし...続きを読むて、皆んな、自分の老いに対してはアマチュアだということも。きっと、いろいろ思い悩みながら、徐々に受け入れ、老いに慣れていくしかないのだと。人生ってそんなもの。でも年を取るのは皆んな同じで、老いを経験した諸先輩方はたくさんいると思えば、老いるのはそんなに恐いこともありませんね。とりあえず、いまは健康でいることに感謝して、日々一生懸命生きたいと思います。
橋本治流の「老いのリアル」についての報告と考察です。 著者は以前『橋本治の思考論理学―考えるワシ』(マドラ出版)で「ハゲ」についての思索を展開しており、そこでは著者の「中年」論をうかがうことができましたが、本書はそれにつづく「老人」論というべき内容です。 著者がバブル期に多額の借金を抱え込むことに...続きを読むなり、その後仕事に追われつづけてきたということは、あちこちで書かれていますが、本書でもその経緯が振り替えられるとともに、その後難病に罹患し、老いに向きあわなければならなくなったこと、そのなかではじめて気づいたことなどが綴られています。
著者のファンでない人には、それほど面白い本ではない。 誰もが年をとることについてアマチュア。 著者はバブル崩壊で多額の借金を背負った。
全体として特に何を言っているわけでもなく、だらだらと話が続くんだけど、部分部分に注目するととても鋭い考察がある、という橋本節は健在。 好き嫌いが別れると思うけど、けっこう僕は好き。 それにしても橋本治、そんなことになっていたのか。結構壮絶だな。。。
人が老人と言われるのを嫌がるのと同じくらい中年と言われるのををいやがるのは、そうなると若さとは無関係の生き物になってしまうからではないにかと思って、それで私は、人というものは若さの後にいきなり若くないを持って来ずに、まだ若いという留保期間を置き、更にもうそんなに若くないがあって、やっともう付きの若く...続きを読むないを置くのではないかと思うのです。 人とはそのように往生際の悪いものであるというのではなくて、若い段階で人格形成が起こってしまうから、事の必然として自分=若いという考えが自分の中心に埋め込まれてしまうのだと思います。
著者の橋本治さんといえば桃尻娘・・・。アラ50男子はみんな知っている・・・? 若さに軸を置いた社会の価値観と、否応なく訪れる老いとのギャップを、自身の老いの進行状態を見せ、世の中に見る老い方を観察し、『老い』あるいは、『老い方』を哲学されている。 私自身が、最近『老いる』や『残された時間』、『健康...続きを読む寿命』等、考える時間が増えてきているので、面白く考えさせらた。 『なるほど、この先はこんな風に考えていけば良いんだ・・・。でも俺って、まだ歳の割に若い方だから大丈夫。』ってセリフを笑い飛ばせ!
なんだかとりとめのない語りだなあと思って気乗りせずに読んでいたら、第六章「老いの貧苦」が驚きの内容。「余は如何にして貧となりしか」と題して億単位の借金を抱えることになった経緯が記されている。これだけでもすごいのだが、さらに、第七章「病気になる」では、免疫系の難病を発症し、それでもなお借金返済のために...続きを読む入退院を繰り返しながら働いていることが綴られていて、なんともまあ壮絶である。あるのだが、しかし、そこが橋本治であって、あっけらかんと、というか、飄々と、というか、形容に困るのだけれど独特の語り口なので、あらまあそうなの?という感じで読まされてしまう。 自分より十歳ほど年上の、いわゆる団塊の世代の方たちが、「高齢者」の仲間入りをしつつある。従来の「年寄り」という概念が崩れている今、どう年をとっていくか、参考にしたくて注目している方たちがいるのだが、著者もその一人だ。「老・病・貧・孤」という状況を抱えつつこの境地。とてもじゃないが自分には無理だけれど、どこか気持ちを楽にしてくれるのは確かだ。
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橋本治
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