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心を病んだ恋人との生活に耐えきれず、ストロングゼロに頼る女。年下彼氏の若さに当てられ、整形へ走る女。夫からの逃げ道だった、不倫相手に振り回される女。推しのライブ中止で心折れ、彼氏を心中に誘う女。恋人と会えない孤独な日々で、性欲や激辛欲が荒ぶる女――。絶望に溺れて掴んだものが間違っていたとしても、それは、今を生き抜くための希望だった。女性たちの疾走を描く鮮烈な五編。(解説・朝井リョウ)
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Posted by ブクログ
そうそうそうそう、これこれ。 こういう極端でじわじわと悪い方向へどんどんどんどん進んで出口が見えなくなって救いようのないような作品、大好きなんだな。中庸とか、平衡とか、バランスとか、効率とか、要領良くとか、出来ればそうありたいところではあるけれど、私が本当に本当に大好きなのは、極端であること。 本...続きを読む当に人に勧められないような、自分で何でこれがいいんだろうと思っていてもどうしてもたまらなく欲してしまうのは、こういう作品なんだよな。 どうしてそんなに悪い方向にしか考えられないの?どうしてそんなに依存してしまうの?どうしてそんなに過剰なの?よくないよくないよくないよくないよ……悪循環だよ、とハラハラしながら読み進める。こういった作品がたまらなく好きな自分は一体何だ? でもいいもん。少なくとも一人、朝井リョウはこんなズブズブのいけすかない作品を評価している一人だし、言いたいことはほとんど朝井リョウが解説で言語化してくれてるんだから、いいもん。
始まりはみんな普通 自分で自分を狭量に定義付けて、自ら剣山の仕込まれている穴に向かっていくような女性たち 過激な行動と思想だけど、身に覚えがあるものばかり そうなりそうだったから子供を産んだのかもしれないなと思う自分に気付く 最高でした
短編集ですらすら読めた! とにかく過激で鬱鬱鬱な色々なことを抱えている女の人たち! 依存するってやっぱり恐ろしいなって思った。 ストロングゼロもこうやって人ってアル中になっていくんだなってすごく感じた。 共感できない部分も多かったけどどれもついつい読んじゃう話だった。
どの登場人物たちにも共感できるところがある。アンソーシャルディスタンスが個人的に刺さった。厭世的でいながら、抗うほどの燃料も積んでない、生きているのか死んでいるのか分からなくてそんな自分が嫌いで。それでも生きなきゃいけなくて辛いなー。 自分のことが嫌いだとか、死にたいみたいな気持ちを著者は否定しない...続きを読むし、肯定もしない。読んでる時は心がザワザワしてすごく苦しいけど1番救われる。めちゃくちゃ面白かった!
■はじめに 今年は小説をよく読んだ。押しも押されもせぬおっさんになってからは、社会評論やノンフィクションに手が伸び、小説を買ってもエンタメ系—そんな読書傾向が続いていた。 ところが、なぜか今年は小説、それも所謂「純文学」作品を読む機会が増えた、正しくは復活した。 純文学と書いた途端、そもそも純文...続きを読む学とは何なの?エンタメ作品との違いは? その境目はどこにあるのか?—そんな疑問が頭をもたげてくる。 僕の中での純文学の定義は「物語の“結果(結末)”よりも、人間の“ありよう”そのものを引き受けようとするのが純文学」である。 描かれるのは、人間の業(ごう)そのもの。弱さ、矛盾、欲望、逃避、欠落、そして壊れていく過程。人が“そうなってしまう理由”を、裁かず、説明しすぎず、ただただ見つめる。そこに善悪も教訓も基本的には提示されない。もちろん、「こう生きるべきだ」などという訓示めいた指針も答えもない。 またエンタメ作品に見られる「伏線」も、純文学では未回収や放置も散見する。エピローグに救いがないことは「欠点」ではなく、むしろ作者の姿勢なのだと思う。 思うに、伏線未回収・宙ぶらりんの結末・読後のモヤモヤ—それらって人生そのものなんですな。人生は回収されない伏線だらけで、理不尽に溢れ、納得もできぬまま生き続ける。そのありのままを作品の構造として組み込んでいるのが純文学なんだと思う。(一応、結論めいたものを提示できた)。 せめて小説ぐらいは半沢直樹の痛快な啖呵を聞いてスカッとしたい!という人もいれば、小説のエグさを読んで「俺の人生、小説よりマシやなあ」と思う人もいるわけで。 さて、長い講釈はこのあたりにして、金原ひとみさんの『アンソーシャル ディスタンス』に移ろう。 ■内容 本書は5つの短編からなる。 『ストロングゼロ』 一緒に暮らす彼が心を病み、引きこもりとなる。ヒモ同然の関係が引き金となり、口当たりの良さゆえにジュース感覚で飲める高アルコール飲料に溺れ、やがて仕事中にも飲み始めてしまう主人公。 『デバッガー』 職場の後輩から好意を寄せられ交際が始まるも、自身のルックスに自信を持てず、プチ整形依存に陥る。週末の度に美容整形を繰り返す主人公。 『コンスキエンティア』 コミュニケーション不全に陥った夫婦。夫から逃避するかのように不倫を重ねる妻。誰と身体を重ねても、自身の中の空洞は埋まらない主人公。 『アンソーシャル ディスタンス』 推しのLIVEが新型コロナウイルスの流行で中止となり心が折れ、交際中の彼を心中を目的とした旅へと誘う主人公。 『テクノブレイク』 未知のウイルスの蔓延に怯え、彼に会えない孤独な日々。抑えられない性欲と、激辛料理への欲求が絡み合い、暴発へと向かう主人公。 ■感想 いずれの作品も、都会で働き、ひとりで暮らす女性が主人公。ある出来事を境に、内面が徐々に侵食され崩れ始めていく過程の一切が、一人称の視点で語られる。 その崩壊の傾斜は加速度を増し、結界を超えた瞬間から著者の筆致はドライブ感を帯び、転落していく様を細やかなカット割り描写で、リアルに仔細に刻み込んでいく。 読んでいる最中、共感とも嫌悪ともつかない感情が、喉の奥に溜まり続ける感覚が何度もあった。赤裸々で、明け透けな描写は人間の業のあり様を容赦なく執拗にエグり出し、後ろから頭をガツンと殴られたような気持ちになった。 ■最後に 初めて読んだ…金原ひとみ。恐れ入りました。 一気に読み、しかもじっくり読んだにもかかわらず、眼前を猛烈なスピードで通り過ぎていった列車をただ呆然と眺めていたような奇妙な印象が、今なお残っている。 読む者の足元を揺さぶり、立ち止まる暇も与えない。そんな得難い読書体験をもたらす一冊。
「ソーシャルディスタンス」って、今やもう懐かしい言葉だ。 未知のウイルスに世の中が怯えていたあの頃、基準を設けられた社会的な距離は、ある程度他人が決めてくれたからある意味で分かりやすかった。今思えば異常だったと思う面もあるけれど、当時は怖かったのだからしょうがない。 だけどこれは、アンソーシャル。確...続きを読むかにあの頃も、親しい間柄での距離感は社会の基準よりずっと近かったし、信用できたのはほぼ100%心理作用によるものだったと思う。ウイルスなんて、目には見えないのに。 5篇の短篇集。金原ひとみ作品らしく、すべて主人公は女性で、そして様々なかたちで病んでいる。 表題作はまさしくコロナウイルスが猛威をふるっていた頃。コロナ禍でも「適切な距離」なんて保たず、心も身体も濃厚接触(この言葉も懐かしい…)を続けて突っ走る沙南と幸希の物語。 元々厭世的で、10代のときにリスカや脱法ドラッグなどで一度社会からフェードアウトしたものの、大検を受けどうにか大学生になった沙南と、対照的に様々なことを上手くすり抜け切り抜けてきた同じく大学生の幸希。幸希は一見真っ当に見えるけれど、実は沙南と似たような魂の持ち主であったことで、2人は惹かれ合う。 他には、私生活(主に恋愛)が上手くいかずストロングゼロで気を紛らすのが癖になり、ついには仕事中でも飲むようになって破滅に向かう主人公や、若くして夫とセックスレスになったのがきっかけで不倫を始めたがその相手が病んで執着心を強めていき…という物語、10歳以上歳下の後輩と恋愛関係になった途端自分の老いが気になりだし美容医療のドツボにはまっていく35歳の女性など、いろんなかたちで自分を追い詰めていく女性たちの物語群。 ラストの「Technobrake」は、コロナ前には良好に付き合っていた1組のカップルがコロナをきっかけにだんだんと関係性を変えていくお話。主人公の芽衣がウイルスに敏感になりすぎて恋人の蓮二にまで要求を強くしてしまったことから…という。 こういうことは実際あったかもしれないな、思う。私自身、コロナ禍当時飲食店を経営していたし高齢の母もいるから普通より気をつけなきゃいけない立場だったけれど、その頃付き合っていた彼は無頓着で飲みや集まりを頻繁にしていたから、それを責めはしなかったけれど一時的に距離を置かざるを得なくなった。その直後くらいに結局別れてしまったのは、コロナが直接的な原因ではなかったけれど、意識の違いが浮き彫りになったことも一因としてあったと思う。 そういう意味でコロナって、色んな関係性の意識の差を浮き上がらせた出来事だったと思うし、試される場面も多かった。混沌としていて、振り回されて、おかしな時期だった。 …ということを、読みながら思い出していた。病んだり、執着したり、破滅に向かったりなんて、何がきっかけか分からない。他人から見たら順風満帆に見えても、実はどうなのかなんて本当のところはその人にしか分からない。 またあんな風に大々的に試されるような出来事が起きたりするのだろうか。普段からもっと些細な出来事で、試されてはいるのだけど。
あまりにもな言語化の嵐で、共感とか理解はなくても、沈むように引きづり込まれた。身に覚えがない体験に相乗りした気分。
おもしろかった!! ストロングゼロ、整形、不倫、、 このままでいいわけないのに、どんどん深みにハマっていく。 一人称の女性たちの疾走感がたまらない。 暗く、辛い話と思いきや、 テンポよく、どんどん読める。
短編集。どの話も上手くいってない女性の心情の吐露が秀逸。アルコール依存、整形、不倫…あまり共感したくはなかったけど、何か歯車が狂うとこうなるし、秩序だてて生きていても、人の欲とか焦燥感はそう簡単に抑えられるものではないことが泥沼にはまっていく登場人物の様子から強く感じた。
文章がえぐるように鋭くて深い。特に最初の3つは当事者になった気分が味わえるのでおすすめ。最後の2つはちょっと常軌を逸していてあまり共感はせず。
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