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心を病んだ恋人との生活に耐えきれず、ストロングゼロに頼る女。年下彼氏の若さに当てられ、整形へ走る女。夫からの逃げ道だった、不倫相手に振り回される女。推しのライブ中止で心折れ、彼氏を心中に誘う女。恋人と会えない孤独な日々で、性欲や激辛欲が荒ぶる女――。絶望に溺れて掴んだものが間違っていたとしても、それは、今を生き抜くための希望だった。女性たちの疾走を描く鮮烈な五編。(解説・朝井リョウ)
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Posted by ブクログ
自分で自分のことをコントロールできないくらいに客観性を喪失した人、病的なまでにアンバランスな人が僕は大好きだ。客観性を失えば失うほど そこに人としての魅力が醸成されてくる。何かにつけて 依存的になりやすい人は その「制御不能性」によってたいてい怖がられるものだけれど、僕はその 見通しのきかない怖さが...続きを読む 好きなんだろうと思う。依存的で病的でぜんぜんかまわない、なにしろ僕自身 いろんな方向に 依存的で病的で 制御不能な人間だから。毒を食らわば皿まで。いいじゃない、どっぷり溺れようよ。
◎ストロングゼロ 苦しい苦しい。 ソーシャルディスタンス、マジでない。 どうか、主人公に干渉しないでほしい。 1人にしてあげてほしい。 でも、人間、何かに誰かに頼りたいんだよね。だからこうなる。 物語の終盤、54ページからは主人公の魂の悲鳴が聞こえた。そして結末はなんとも、惨め。あー。苦しい。 ◎...続きを読むデバッガー これも苦しい。 自分を見てるみたいだった。私も毎日仕事中、常に鏡を見てしまう醜形恐怖症。 ずっと自分は病気だなぁと思ってたけど、小説で他人の生活を客観的に見ると、共感できるところと、助けてあげたい気持ち、自分が1番言われてきた「気にしなくていいんだよ」という言葉をかけてあげたくなる。。 好きな人の前で自分が納得した綺麗で痛いから整形を重ねる主人公。 これはねえ、、、分かる。本当に。 他人がどうこうじゃなくて、自分が納得したいんだよね、、、。 それができないから、永遠と終わらないんだよね、、、。 自分と距離を置いてほしいお話でした。 ◎コンスキエンティア これは痛い。 典型的なダメ男製造機の主人公。 自分を正しくあたかも自分がなりたい自分でいるために磨き上げてるように見えるが実際は自分を求める男たちの為に身体が自然に動いている。 あらゆることから、逃げ出したいのに逃げられない。逃げたいと心の底から思っておらず、誰かに求められることで自分の生存価値を、見出していくタイプ。。 どんなに外見が綺麗でも中身のない空虚な人間の様を表していて切ない。 ◎アンソーシャル ディスタンス シンプルに共依存のお話。 でも最後のセックスシーンは儚くて綺麗で昔の燃え上がる盲目な恋をしてた時のことが思い出せた。 自分にはこの人しかいない、この人じゃないとダメなんだと、他人に依存してしまうその感覚。懐かしいというか、羨ましいというか。一定数こういう人は世の中に存在すると思う。 多分いつか、気づいた時には散ってるこの恋愛が俯瞰すると純粋でピュアなもんなんだなと。 ◎テクノブレイク 抑えられない性欲と食欲が絡み合う金原ひとみ先生らしい作品。人間の「欲」が分かりやすく、詳細に描かれていて、ゾワゾワした。文体全体から伝わるこの疾走感が堪らなかった。これを5話目に持ってきたのは正解。こういう話を順序立てて、ひとつの物語として、経験していない人間が作り出すってものすごい想像力なんだろなと思う。 解説で朝井リョウ先生がおっしゃるように、「とにかくキマるから読め!!!!!」 はい、読みました。 ありがとうございました。 最高です。笑
短編より長編派だけど、これはおもしろい!! 人間の心の中の有象無象をここまで言語化できるのは、金原ひとみだけだ 登場人物たちはみな何かしらの中毒に溺れているが、この小説自体も中毒性ありすぎた
男性である自分には知りうることができない、女性特有のダークな部分の感情に直で触れられる稀有な作品だと思う。自分はよく女心が分かっていないといわれるが、これは絶対わかりようがない。
5篇ある短編のすべてで、はたから見るとヤバいやつ、暴走しているやつの内面が一人称視点で描かれているのだけれど、どの主人公もなぜここまでヤバくなってしまったのかという背景や自分の中でのロジックが語られ、そこに切実な説得力が感じられるため、なぜか応援したい気持ちになる。 生きているだけで常に忙しかったり...続きを読む将来に焦りを感じたりする機会が多い今の社会では、この小説が突拍子もない物語では全くなくて、自分のすぐ隣に広がっている世界のようにも感じられた。個人が抱える闇を社会の問題と結びつけて語られていて、その点は朝井リョウの「どうしても生きてる」という短篇集に近しいものを感じた(くしくも本書の文庫版の解説は朝井リョウが担当している)。
こんなに荒んだ内容なのに読んだ後はサッパリしてなんだかキレイになった気さえするんだよな(°▽°) 金原さんの小説には浄化作用あるんだろな(°▽°)
主人公たちがどんどん狂っていく様が読んでいて苦しかった。鬱描写もいくつかあり、辛くなった。 あと、みんなセックスしすぎ。 金原さんの文章は本当にすごい。 読んでよかった。 朝井リョウの解説もとてもよかった。
金原ひとみさんの人間の感情、心のうちを言語化する力に脱帽。 色々なタイプの本を読んできたけど、この衝撃は朝井リョウさん以来かも。 刺激的な文章、絶対自分では思いつけない表現、まさに天才です。 内容もなにかしらの中毒でもがいている女性達5人が出てきて、面白すぎてすぐに読んでしまった。 こういう方が...続きを読む天才っていうのだなと。 本当にどうやったらこういう表現思いつくんだろう。
2021年第57回谷崎潤一郎賞受賞の短編集。 収録された五編はいずれも文芸誌『新潮』に2019年から2021年にかけて発表された作品です。 コロナ禍を振り返って描いた小説ではなく、その時代の まさに”ライブ”のような短編集でした。 「ストロングゼロ」 アルコールに詳しくない私でも、その商品名だ...続きを読むけは知っていました。 精神的に不安定な同居人に寄り添い続けるうち、自らも共感疲労にも似た状態へと追い込まれ、ストロングゼロに依存していく女性。読んでいて、この息苦しさや閉塞感をどこまで計算されて描かれているのかと考えずにはいられませんでした。 「デバッガー」 年下の恋人との年齢差という”バグ”を修正しようとするかのように、美容整形へと依存していく女性。 若さは、ときにホラーです。思わず「わかる」と頷いてしまう心理描写でした。 ラストはぜひ読んで味わっていただきたいのですが、林真理子のある小説を思い出しました。設定は異なるものの、年齢差への不安がたどり着く結末には、どこか共通するものを感じました。その重なりが、とても印象に残りました。 「コンスキエンティア」 初出時のタイトルは「アンコンシャス」。単行本化にあたり改題されています。 「無意識」から「良心」「自覚」「自己認識」へ。対照的なタイトルの変化が、この作品に何を与えているのか考えさせられました。 夫との関係を存続させるため、不倫という関係性に依存していく女性。 ここまでエネルギーを注ぎ続けられることに、私はただ「元気だな」と思ってしまいました。 「アンソーシャル ディスタンス」 タイトルを見て「どこかで聞いた言葉だな」と思いました。それもそのはず。コロナ禍であれほど耳にした「ソーシャルディスタンス」をもじったタイトルです。 コロナ禍での恋愛、対話、触れ合い。閉塞感に満ちた社会に押しつぶされる前の、必死の逃避にも思えました。 若さと無知は、同罪ではない。そんな気がしました。 「テクノブレイク」 今回、この小説で初めて「テクノブレイク」という言葉の俗語的な意味を知りました。 その意味を知ると、このタイトルが作品そのものを表していることがよくわかります。 今回も 金原さんは攻めていました。
恋愛小説かと思ったらそんなことなかった。 「これでこそ感情だ。人間だ。」というのを嫌というほど感じさせる物語だった。 何のためにこんなことをしているのか、続けているのかもはやよく分からない、けど衝動や無意識が自分を突き動かす。これでこそ人間だ。 主人公の中にはわたしが軽蔑しているようなタイプもいた...続きを読む。そのような行動をする彼女らの一人称で語られることで、喜び、怒り、悲しみ、戸惑い、諦念、虚脱感、葛藤など一つでは言い表すことの出来ない感情について、理解は出来なくとも知ることができた。 私がこれを理解しないというのは、理解するのが怖いということでもあり、本当は理解できるし知っている感情達なのだと思う。 整形沼に陥る主人公も最初は整形する人の気持ちが分からないと言っていたのに、気付いたらその沼にハマってしまっている。後戻りできない世界に飛び込んでしまったんだと言っている。 当事者から見る世界がこれでもかと視野狭窄に描かれていて疾走感や焦燥感がすごい。 人間が隠している、抑えている部分がこれでもかといくほど溢れ出していた。 タイトルの通りコロナの話も出てくるのだけれど、コロナが怖かったのは、個人の考え方や価値観の違いが浮き彫りになるところだったな、と改めて思い出したりもした。 朝井リョウさんが解説の中で主人公達の視野狭窄について触れており、イン・ザ・メガチャーチと通ずるものがあった。
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アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)
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金原ひとみ
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