Posted by ブクログ
2013年04月26日
えげつなく面白かったです(笑)
大阪を舞台にした小説を大阪にいるうちにもうちょっと読んでおこうと思って、手にとった本です。
(電子書籍なんで手には取れないんですが)。
1960年代と思しき大阪。老舗の木綿問屋が舞台。
代々女子ばかり生まれ、能力のある男を婿にとって続いてい女系家族。
つまりは女性...続きを読むが権力を持っているわけです。
冒頭、当主の葬式から。奥さんはもう死んでます。
という訳で相続争い勃発。
①わがままで婿取りを嫌がり嫁に行ったのに離婚して出戻ってきて長女として惣領のプライドを持つ長女。
②長女の割を食って婿取りし、家に残っている次女。
③若くてまだまだぶらぶらしている三女。
④その三女を取り込む、分家の叔母。
⑤三代に仕えすべての商売を知悉している老いた大番頭。
⑥長女のバックに着く、野心家の若い踊りの師匠。
⑦死んだ当主が囲っていた妾。
などなどが怒涛に入り乱れる。えげつない心理描写。欲望のエレクトリックパレード(笑)。よく取材されたディティール。
面白くないわけがない。さすが山崎豊子。
しかしまあ・・・えげつないったら(笑)。ザ・ドロドロ。でも語り口は絶妙のサスペンス。
そして小説ならではの心理描写の醍醐味。
うまい。
で、あと、当然地名などが大阪なんでちょっと面白い。
あと、関西弁ってこうなると、効果抜群。
一つ悔やまれるのは和服の知識があったら、倍くらい面白いだろうな、ということ。
女性陣の服に意味や心意気が溢れている。んだろうな、きっと。
多分、電子書籍でどこでも読めるので、下巻も怒涛に読んでしまいそうな予感。
実は何年か前に米倉涼子さんでテレビドラマになったらしいんですが、不勉強で全く知りません。
ただまあ、こりゃあ、原作の方が面白いに決まってるなあ、と勝手に感じながら読んでいます(笑)。