文藝春秋作品一覧

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  • 高倉健、最後の季節。
    3.5
    「僕のこと、書き残してね」―― 2014年正月。いつも、出された食事を残さないことを心がけている「剛さま」(貴月は高倉健のことをそう呼んでいた)が、珍しく食事を残した。 2月、風邪のような症状を訴え、急速に体調が悪化していく。 病院に行きたがらない高倉を、泣き落としで無理やり連れていき、さまざまな検査を行う。 下された診断は「悪性リンパ腫」。 高倉は尋ねた。「何もしないとどうなるんでしょうか」。医師の答えは、「死にます」。 そこから、高倉と貴月、二人三脚での闘病が始まった――。 同年11月に死去するまで、何があったのか。二人の間で、どのようなやり取りが交わされていたのか。 そして、最後の一年を書ききるために、なぜ8年の歳月が必要だったのか。 人知れず、稀代の俳優に17年寄り添った女性が綴る手記。 ◇目次◇ コロナ禍をみつめて まえがき 第一章 冬うらら 第二章 花曇り 第三章 青時雨 第四章 夏の霜 第五章 山眠る あとがき 高倉健、最後の手記 スペシャル寄稿 編集部からの10の質問に高倉健自らが筆をとった高倉健一問一答 高倉健 没後の活動記録 2014~2023
  • 高倉健、その愛。
    4.0
    最後の十七年間を支えた著者が、健さんの肉声を元に綴る、出逢い、二人の生活、撮影秘話……初めて明かされる素顔。 「僕のこと、書き残してね。僕のこと一番知ってるの、貴だから」 2014年11月に永眠した孤高の映画俳優・高倉健には、最後に愛した女性がいた。 共演者や監督との思い出をはじめ、日々の食事からこだわりのお洒落まで―― 人知れず17年間をともに暮らした著者が、ヴェールに覆われた銀幕スターの素顔を綴った貴重な手記。 ※この電子書籍は2019年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 高倉健の愛した食卓
    3.0
    高倉健没後10年企画 高倉健さんに17年寄り添ったパートナーの小田貴月による、健さんが生前召し上がっていた家庭料理を紹介するフォトエッセイ集。 健さんは、貴月さんと出会う前は、「100%外食、足りない分はサプリメントで補う」という食生活。そんな生活から、100%お家で食べるという生活に変わりました。 毎日の食事だけでなく、夜食やスイーツまで全て手作り。「一日中キッチンにいるような生活でした」と貴月さん。 朝昼兼用のブランチでは、サラダだけでも5種類、肉まんやピザ、太巻き、お稲荷さんと、旬の彩り豊かな食材や果物をたっぷりと摂り入れ、和食、洋食、中華、フレンチ、イタリアンとバラエティに富んだ献立となっています。 食卓に出すものは、あたたかいものか常温のもの、魚料理とアルコールはNG。お肉が大好きで、毎日必ず豆腐を召し上がっていました。とにかく健康で、太らないよう、体力と気力を万全にしておく。「鉄道員」に主演する前と後とでは映画で観る健さんの顔色ツヤが全く違うというくらい、俳優業に専念できる環境を整えるための食事を、真心をこめて作られていることが伝わってきます。 お二人が共に食べたおよそ13,000食の中からメニューを選び、四季折々の食材を使い、料理した234品を紹介。健さんが生前愛用していた食器や思い出の品も紹介。幼少期の食の思い出や、出演作にまつわるエピソードを織り交ぜながら、お家ごはんを楽しんでいる様子は、スクリーンの中の高倉健さんのイメージとは180度違うことにも気がつかされます。 健さんの食にまつわるエピソード満載の心和む1冊です。
  • 高倉健の美学 今に生きる201の言葉
    -
    「義理人情は無理じいするものじゃない」「カッコいいとは、哀しく儚くなければならない」「勝っても負けても戦ったってのが大事」――。昭和を代表する映画スター、高倉健が遺した201の言葉を集めた。真っ直ぐに生きた男の真骨頂! ※電子版では、紙版に収録されている写真のいくつかが掲載されておりません。ご了承ください。 【目次より】 秘蔵アルバム「高倉健の肖像」  まえがき  第1章 プロフェッショナルとは 第2章 出会いとは 第3章 達人とは――あの人との思い出 第4章 ハリウッドとは 第5章 生きるとは 第6章 男とは 第7章 女とは 第8章 旅とは 第9章 趣味とは――闘牛、闘拳、買い物、珈琲 第10章 カッコよさとは 高倉健 年譜
  • 高台の家
    5.0
    「どうぞ、お上りあそばして」と若い未亡人は客を迎えた。南麻布の高台の洋館──そこには老夫婦と、早逝した息子の嫁とが住んでいる。美しい未亡人に惹かれてか、その家のサロンには次々と青年たちが出入りする。老夫婦はなぜ嫁に青年たちを歓迎させるのか? 奇妙な豪邸の正体を暴く表題作。キャリア女性ばかりが住む、一見華やかな世田谷の独身アパートの浴場の湯槽で起こった殺人事件に潜む人間関係を描く「獄衣のない女囚」。昭和の色濃いサスペンス2篇!
  • 貴乃花 我が相撲道
    4.0
    “平成の大横綱”が全てを明かす! 半年間の密着インタビューに基づく、回想録の決定版が誕生。 「卒業の時代を迎えたと言いますか……真実の部分を残しておく必要があると考えていました。私がずっと内に秘めていた心境をここまで詳らかに語ったことはありません」(貴乃花) 2018年、衝撃的な形で相撲界を去った貴乃花。角界きっての名門に生まれ、大横綱に登り詰めていく姿は平成の時代を彩った。 「千代の富士と激突」 「ライバル・曙との死闘」 「宮沢りえとの婚約と破局」 「若乃花との兄弟対決」 「洗脳騒動の真相」 「野球賭博と八百長」 「日馬富士暴行事件の内幕」……など。 いまだかつて明かすことのなかった波乱に満ちた相撲人生の全てを、貴乃花本人が語り尽くす。
  • 鷹ノ目
    -
    罪人を捕らえて金を稼ぐ一人の男…… 時代は戦国。一匹の痩せ馬に乗り、斑鳩をゆく一人の男がいた。 渡辺条四郎、メリケンでいえば賞金稼ぎ、本邦では勧賞目当ての素浪人のていである。 諸国を旅しながら、高札にかかげられた勧文に記された手配書に従って、下手人を捕え金品を得ることで糊口をしのぐ。 しかし本当は仇討の大望が……。 解説・末國善己
  • 高橋藍 カラフルデイズ
    -
    1巻1,900円 (税込)
    バレーボール人気No.1選手初めてのフォトエッセイ バレーボール日本代表若手ナンバー1の高橋藍、初めてのフォトエッセイ。写真は1年がかりで撮影。110pにわたり、春、夏、秋とパートがわかれる。春は東京で、夏は彼の故郷の京都で、秋はイタリアでパドヴァの試合を撮影。見ごたえ充分。 エッセイは、2021年~2022年の彼の成長を記録したもの。一部書き下ろし。
  • 高峰秀子の言葉
    5.0
    名女優が遺した嘘いつわりのない言葉、その生き方 「他人(ひと)の時間を奪うことは罪悪なんです」「苦労は、磨き粉みたいなもんだね」「何でも、まず、やってみせること」――高峰秀子の言葉には嘘や飾り、蛇足がなかった。思わず笑ってしまうウイットに富み、あらゆる心情をさらりと口にした。それは彼女の生き方そのものだった。今も鮮烈な記憶を残す名女優が発した、心に刻まれる30の言葉。 目次より 「返事を書きたい手紙には、住所がない」 「一時が万事ということがあります」 「食べる時は一所懸命食べるといいよ」 「いつも心のノートを真っ白にしておきたいの」 「緊張してたら太りませんッ」 「男の人は職場で見るに限ります」 ※この電子書籍は2014年1月に新潮社より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 高峰秀子の引き出し
    -
    生誕100年――高峰秀子が大切にしまっていたものとは?  昭和の大女優は、夫との慎ましやかな日常を何より大事にした。数々の思い出と宝物が詰まった引き出しを開けていく、珠玉のエッセイ。 「いつ死んでもいいように」クローゼットの引き出しには〈カシミアセーター〉〈タキシードの小物〉などと書いた小さな紙片を貼り、一目瞭然に分類していた。台所、食器棚、鏡台にも、好みにあったものだけが収まっていた。でも一番美しかったのは、高峰秀子という人間が持つ“引き出し”。名女優との忘れがたき思い出を、養女が綴る。 ※この電子書籍は2015年4月にマガジンハウスより刊行された単行本の文春文庫版を底本としています。
  • タカラジェンヌの美の秘密、教えます 宝塚式「品格」レッスン
    -
    元宝塚歌劇団男役スターの初嶺麿代が、 品格を身につけるための美の習慣を教えます! 2017年にオープンしたフィットネススタジオ「ジェンヌスタイル」は、 講師は全員、元タカラジェンヌという日本初の試みでスタート。 総合プロデュースしているのは、宙組発足メンバーで、 宝塚歌劇団男役スターとして活躍した著者・初嶺麿代。 「多くの女性を虜にするタカラジェンヌの美しさのカギは、“品格”にある」 そう考える著者が、心も体も美しく磨くためのジェンヌ式メソッドを紹介します。 「自分を変えたい。でもなかなか変えられない」 「タカラジェンヌのように美しくなりたい」 「キラキラと輝く自分になりたい」 そんな悩みを抱えている女性におすすめの、日常生活で自分に美のスイッチを入れる方法、自分を変えるための思考レッスンや、 美しい歩き方、呼吸法、女優オーラが身につく美顔エクササイズ、話し相手に好印象を与える美声レッスンなどのメソッド実践編を収録。 「美のスイッチは挨拶から」 「常にイメージする女性は美しい」 「宝塚の伝統・心を整える掃除」 「演じることで壁を乗り越える」 「歌で気持ちをコントロールする」 「何度も鏡で自分の表情をチェックする」 美しい挨拶の仕方や階段でのスカートさばきなど、今すぐ役立つものや、 男役・娘役、それぞれタカラジェンヌになりきって表情筋や体幹を鍛えるレッスンなども。 豊富な写真で楽しい内容となっています!
  • 鏨師
    3.0
    無銘の古刀に名匠の偽銘を切って高価な刀剣にする鏨師。その並々ならぬ技術を見破る刀剣鑑定家。火花を散らす名人同士の対決に、恩愛のきずながからむ厳しい世界をしっとりと描いた第41回直木賞受賞作「鏨師」のほか、「神楽師」「つんぼ」「狂言師」「狂言宗家」など、著者が得意とする芸の世界に材を得た、平岩弓枝の世界のエッセンスが味わえる珠玉の初期作品集。あとがきに収められた、直木賞受賞時の初々しいエッセイと師匠・長谷川伸の暖かい序文も、平岩ファンには必読。
  • タクシー王子、東京を往く。 日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」
    3.9
    桜にNのマークで知られるハイヤー・タクシー会社日本交通の三代目に就任した川鍋一朗氏だったが、MBAも取得した若社長を待っていたのは多額の負債を抱えた社の現実だった。改革を訴えリストラも断行した川鍋氏が次に考えたのだが、自らがタクシー運転手として勤務してみること。しかし、方向音痴を自認し、接客も不慣れな新人ドライバーに世間の風は甘くなく……。涙あり、笑いありの社長兼新人ドライバーの奮闘記。
  • タクマとハナコ(1) ある日、夫がヅカヲタに!?
    完結
    4.0
    全2巻865~866円 (税込)
    ヅカ愛! 「ハマる」ってこんなに楽しい!! 根っから宝塚オタクのハナコは、合コンで出会ったタクマと意気投合し、そのまま電撃結婚。真面目を絵に描いたようなタクマだったが、結婚生活を送る中で、いつの間にかハナコも驚くほどの、たいそう立派なヅカヲタへと成長していき……。宝塚オッカケ夫婦愛コミック!
  • 猛き艨艟 太平洋戦争日本軍艦戦史
    -
    二度と戻れないことを承知で、真珠湾の奥深く向った特殊潜航艇「甲標的」の搭乗員。敵潜水艦の危険を知りつつ、魔の海峡に突入した高雄型重巡戦隊。滅び去ることを目的に沖縄への特攻出撃を命じられた戦艦大和。幕末からわずか七十年足らずで世界三大海軍の一角を占めるようになりながら、3年8カ月の太平洋戦争によって消え去った日本の「いくさぶね」の姿が日米全調査で甦る。
  • 孟司と誠の 健康生活委員会
    4.2
    「日本人は世界一、健康だ!」 OECDの調査で、「自分を健康だと思う人」の数が世界一少ない日本。世界に冠たる長寿国でなぜ? 医の賢人二人が、そのカラクリを説き明かす。 ・長生きは医療のおかげ、ではなかった! ・血圧を下げると死亡率は3割上がる ・血糖値をコントロールすると早死にする ・腸内フローラはコントロールできない ・サプリメントの成分は胃でバラバラに溶ける ・ピロリ菌の除去で総死亡率は上がる ・女性の長生きは水道水の消毒から ・がんが「病気」とは限らない ・患者が死ぬのを見たことがない医者 ・放っておけば治るものと老化現象に薬を使う ・医者が「このままでは死ぬよ」とウソをついて脅す ・一粒で長い間効く薬は危ない 深刻なのは健康状態ではなく、医療の劣化だ。
  • 武田三代
    4.0
    信虎追放、信玄陣没、勝頼自刃――。 天下に名をとどろかせた甲斐の武田家。風林火山を旗印にしたこの強大な騎馬軍団は如何にして生まれ、そして滅んだのか。信虎、信玄、勝頼という武田三代にまつわるさまざまなエピソードから、埋もれた真実が明らかになる! 著者の代表作『武田信玄』の基礎をなしたともいえる七篇を集めた短篇集。
  • 武満徹・音楽創造への旅
    4.8
    世界的な名声を得た現代音楽の巨星、武満徹。 その生い立ち、青春、恋愛から創作の秘密まで、 「知の巨人」立花隆が迫った傑作ノンフィクション。 「ぼくはあの人にだったら、全部しゃべってしまおうと思っているんです」(武満徹) 6年間にわたって雑誌「文學界」に連載された伝説の超ロングインタビューが、 完結から18年のときを経て、没後20年目、ついに書籍化。 【おもな目次】 <第1部> 食糧基地で聞いたシャンソン/敗戦とヤミ屋と貸しピアノ/早坂文雄の棺 瀧口修造と「実験工房」/浅香夫人との結婚/結核と貧困の時代 黛敏郎からピアノを贈られる/ミュージック・コンクレートの夢/「ソン・カリグラフィ」と村上華岳 武満と安保闘争/ジョン・ケージ・ショック/六十年代の草月アートセンター 尺八奏者・横山勝也と琵琶奏者・鶴田錦史/海童道祖と「すき焼きの音」 調性の彼方へ/天才指揮者、小澤征爾/「ノヴェンバー・ステップス」初日 ほか <第2部> 突然の訃報に接し/「時間の園丁」/ブラームスを再評価する/F#の神秘 追悼演奏会と「秋」/宮内庁楽部の高い評価/雅楽の影響/ぼくの音楽の作り方 名門オーケストラの反応/音に個性を取り戻せるか/クセナキスと、バリ島で 巨匠メシアン/日本的引き算のアプローチ/ジャスパー・ジョーンズのこと いい演奏、悪い演奏  ほか
  • タコの丸かじり
    3.6
    獲れたてのタコをがしがしと丸かじりして「いけない……うまいもの食ってると嫉妬される」とおびえながらもついうっとり。フライ一族の中でトンカツの次に偉いのはメンチカツとハムカツのどっち? カレー専門店は明るいのに牛丼屋の雰囲気はなぜ暗い? ヒラメとエビ入りネコ缶の味わいとは? うまくて凄いショージ君の日常は、読むほどにしみじみじんわり、笑いの涙がにじみます……。あくなき探求心と鋭い観察眼が捉えた抱腹絶倒の食べ物エッセイ「丸かじり」シリーズ。
  • 他者が他者であること
    -
    文学から趣味まで、宮城谷昌光の素顔 二十代の頃、歴史小説を侮蔑していた――。いかにして現代を代表する歴史作家への道が拓けたのか。創作への思いが見えるエッセイ集。
  • 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ
    3.7
    『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の大人の続編本! 「自分が生きやすい」社会に必要なのものとは?  感情的な共感の「シンパシー」ではなく、 意見の異なる相手を理解する知的能力の「エンパシー」。 この概念を心理学、社会学、哲学など様々な学術的分野の研究から繙く。 うまく活用するために、自治・自立し相互扶助のアナキズムを提唱。 新しい思想の地平に立つ刺激的な一冊。 他者はあまりに遠い。“共感”だけではたどり着けない。 ジャンプするために、全力で「考える」知的興奮の書!  ――東畑開人 ※この電子書籍は2021年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 「田島道治日記」を読む 昭和天皇と美智子妃 その危機に
    3.0
    天皇退位か、謝罪か――戦後皇室最大の危機を読み解く 初代宮内庁長官・田島道治は敗戦からまもない昭和23年、その職に就きます。東京裁判の判決を間近に控え、天皇退位問題に揺れる占領下の皇室。その戦後皇室の「危機の時代」を、田島の日記をもとに描くのが本書です。 占領下の天皇退位問題、「謝罪詔勅」の真相、マッカーサー解任の衝撃、宰相・吉田茂との連携……。そして皇太子妃選びから美智子妃の苦悩まで、昭和史の新たな地平が見えてきます。
  • 襷がけの二人
    3.9
    1巻1,900円 (税込)
    オール讀物新人賞で注目を浴びた新鋭、初の長編小説 裕福な家に嫁いだ千代と、その家の女中頭の初衣。 「家」から、そして「普通」から逸れてもそれぞれの道を行く。 「千代。お前、山田の茂一郎君のとこへ行くんでいいね」 親が定めた縁談で、製缶工場を営む山田家に嫁ぐことになった十九歳の千代。 実家よりも裕福な山田家には女中が二人おり、若奥様という立場に。 夫とはいまひとつ上手く関係を築けない千代だったが、 元芸者の女中頭、初衣との間には、仲間のような師弟のような絆が芽生える。 やがて戦火によって離れ離れになった二人だったが、 不思議な縁で、ふたたび巡りあうことに…… 幸田文、有吉佐和子の流れを汲む、女の生き方を描いた感動作!
  • 助けてと言えない 孤立する三十代
    4.0
    誰もが「助けて」と言える社会を構築するための提言の書、電子版刊行。 コロナ禍で進む弱者切り捨てに異議申し立て! 孤独死した39歳の男性が、便箋に残した最後の言葉は「たすけて」だった──。社会から孤立する三十代、なぜ彼らは「助けて」と声が上げないのか? 派遣切り、ホームレス、孤独死……過酷な現実に直面しつつも、「自己責任」という呪縛にとらわれ続ける就職氷河期世代。その孤独な実態を掘り下げて取材し、幅広い共感を呼んだ話題作が、電子化された。 同世代の作家・平野啓一郎の提言と、NPO「北九州ホームレス機構」代表・奥田知志の活動も収録。誰もが「助けて」と言える社会を構築するために、いま求められるものとは何か。 コロナ禍で弱者切り捨てが懸念される現在、改めて注目されるべき一冊。 【目次より】 第1章 「助けて」と言えなかった──孤独死した三十九歳の男性 第2章 ホームレス化する三十代──炊き出しに集まる若者たち 第3章 「何が悪いって、自分が悪い」──三十二歳の“イケメン”ホームレス 第4章 ネットで広がった共感の声──「他人事ではない」「明日は我が身」 第5章 手遅れになる前に──NPO代表・奥田知志さんの闘い 第6章 大小三十代の危機──平野啓一郎 第7章 「助けて」と言った後に──3・11後の伴走型支援
  • 尋ね人の時間
    3.3
    1巻440円 (税込)
    第九十九回芥川賞受賞作。「ある日、気がつくと、自分の内部に昔はたしかにあった筈の主体としての<われ>が失われていたのだ。わが心のうちなる岡にのぼって、いくら自分の名を呼んでみても、いたずらにただ山彦がかえってくるばかり。<われ>に置き去りにされて抜け殻になった<われ>のがらんどうの中を、うそ寒い風が通り過ぎて行くばかり。そうは思いませんか。小説“尋ね人の時間”とは、自分捜しの物語なのかもしれない」(あとがきより)
  • 黄昏のために
    4.4
    1巻1,800円 (税込)
    描くことは、生きること。一人の画家の“生”を描き出す魂の小説集。 画家である「私」は、今日も独り、絵を描いている。 モチーフは人形、薔薇、動物の頭骨、階段…… 裸婦は描くが、風景画は描かない。 物は物らしく、あるべき姿を写し取る。 ふた月に一度アトリエに訪れる画商・吉野に絵を売り、 腹が減ったら肉を焼いて食べる。 秋には山で枯れ葉を集め、色を採集する。 対象を見、手指を動かす。 自分がほんとうに描きたいものを見出すまで――。 *** 「誰もがいいと思うから、絵は売れるのだ。  しかし、ほんとうは誰にもわからない。  そんな絵が、描けないものか」 ――「穴の底」より *** “究極の絵”を追い求める一人の画家の“生”を、 一つひとつ選び抜いた言葉で彫琢した、魂の小説集です。 孤高の中年画家が抱える苦悶と愉悦が行間から匂い立つ、 濃密な十八篇がここに。
  • 黄昏のベルリン
    3.6
    1988年「週刊文春傑作ミステリーベスト10」第1位! ナチの収容所で生れた日猶混血児がたどった運命とは? 流麗な筆致で東西ベルリンに集まるスパイ群像を描いた幻の傑作がいま甦る
  • 黄昏旅団
    4.3
    “他人の人生”を歩く青年・グンが見た驚異の風景。 ありえない世界を歩きぬけ! 極限のロードノベル。 人生の大半を路上で過ごしてきた、ろくでなしの青年・グン。 妻・娘ともに施設に入所した檜山優作が、幼い息子だけを置き去りにしたのは何故なのか。 心象風景=〈道〉を歩いたグンは、驚愕の真実に突き当たる……。 古より存在する「歩く者」たちと、世界の壮大な意味。 圧巻のロードノベル登場! 解説・恒川光太郎
  • 闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由
    3.6
    叩かれてもうまくいかなくても、しなやかに強く輝き続ける方法 私はずっと、私のためだけに存在する 私の椅子が欲しかった―― 一条ゆかり(漫画家) めげず腐らず、花を咲かせた 13人の女たちに聞いた「私」の見つけかた。 ――――――――――――― よく知られている13人の女性たちが歩んだ道について聞いた、初のインタビューエッセイ。 つまずきにもめげず腐らず、自分らしい花を咲かせた女性たちに、初めから特別な人はいませんでした。 *毎日働いて、明日にバトンをつなぐだけで精一杯 *「自分なんて」とつい諦めてしまう *人生が上手くいく人は自分とは違う人 *自分を信じることができない人… そんな女性にもぜひ読んでほしい1冊です。 ■お話を聞かせていただいた13人 齋藤薫/柴田理恵/君島十和子/大草直子/吉田羊/野木亜紀子/浜内千波/辻希美/田中みな実/山瀬まみ/神崎恵/北斗晶/一条ゆかり 「週刊文春WOMAN」連載を加筆・編集したインタビューエッセイ!
  • タタタタ旅の素
    3.8
    トラブルがあってこそ、旅は楽しい! 幼少時からの放浪癖、ホテルの備品にめっぽう弱い吝嗇(りんしょく)癖、父親から受け継いだ乗り物好きのDNA、それに持ち前の好奇心と大雑把な性格が掛けあわさって、アガワの旅にはドタバタ喜劇が付いてまわるのだった…。「あの旅行は本当にきつかった、エライ目に遭ったと語れるものほど思い出深い」と開き直り、また旅仕度。オトボケ爆笑エピソード、プライベート写真も満載。ありとあらゆる旅を詰め込んだ、旅エッセイ集。
  • ただいま「かくれ人見知り」が平静を装って生活しております。
    3.5
    三十路を迎えてから、なぜか止まらない「人見知り」! 実は「かくれ人見知り」の漫画家の花津ハナヨさん。知らない人は怖いけど、社交術を身に着ければ、きっと真っ当な大人になれる!? 本邦初の、人見知り克服コミックエッセイ 【目次】 知らない人が怖いんです… 私が旅に出られない理由 私は「かくれ人見知り」 行きつけの店がほしい その1 自己紹介ってどうするの? 大人になってからの人見知り 行きつけの店がほしい その2 旅先でわかった私が人見知りな理由 人見知り克服年間計画表 ボイトレに行ってみた 友達がほしい…! 人見知り克服演習3連発 仕事場を探して 非常事態と人見知り ツイッターでも人見知り 「質問力」を鍛えたい! 「二度見知り」する女たち 大人数の飲み会での対処法 小さな変化 人見知り克服のショック療法!? ホームパーティでの学び はじめての海外一人旅 その1 はじめての海外一人旅 その2 はじめての海外一人旅 その3 はじめてのホームパーティー 人見知り克服イベント サヨナラ、かくれ人見知り!? あとがき
  • 漂う子
    4.0
    『デフ・ヴォイス』で話題の著者による傑作長篇! 現代社会が抱える闇のひとつ――「居所不明児童」とは? 恋人の教え子・紗智が父親とともに突然姿を消した。 彼女を探すことになった二村直は、ただ一つの手掛かりをもとに名古屋へ向かう。 所在がわからない子供、「居所不明児童」という社会の闇を知るうちに、直は重大な決断を迫られる――。 子を持つとは、親になるとはどういうことか。 話題作『デフ・ヴォイス』の著者が描く感動のミステリー! 解説・大塚真祐子(書店員) ※この電子書籍は2016年10月に河出書房新社より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 立ち上がれ、何度でも
    4.0
    1巻880円 (税込)
    「強さ」を求める二人の熱き青春小説! 小学校でのいじめを経て成長した二人はプロレスのリングに上がる。天性のスターか不遇のヒーローか。想いを乗せたゴングが鳴る。 ※この電子書籍は2018年8月に文藝春秋より刊行された単行本『ストロング・スタイル』を加筆・改題した文庫版を底本としています。
  • 建売住宅温泉峡
    -
    「新築分譲格安値ローン可電乞早勝」飛びついて買った、その建売住宅に温泉が噴き出たから、さあタイヘン。ご近所の人にも、と自宅を公開したら「水着で人妻と混浴もOK」という週刊誌の記事までとび出して、全国津々浦々から押すな押すなの遊山客ラッシュ。歓楽街だよ、温泉峡! 桃源郷だよ、温泉狂! 奇想天外な表題作ほか、漫画の世界を文字で描いて見せる「旗本御多忙男」、通勤ラッシュがオアシスになる「早朝特急クラブ」など、アイデアが光る、ユーモア満載のSF異色作品集。
  • たとへば君 四十年の恋歌
    4.6
    乳癌で逝った妻、そのすべてを見届けた夫――2010年8月、乳癌のため64歳で亡くなった歌人の河野裕子さん。没後、歌集が異例の増刷を重ね、新聞でもたびたび特集が組まれるなどの反響が続いている。河野さんは夫の永田和宏さんと、出会いの頃から何百首もの相聞歌を作ってきた。大学での出会いから、結婚、子育て、発病、再発、そして死まで、先立つ妻と交わした愛の歌。「一日に何度も笑ふ笑ひ声と笑ひ顔を君に残すため」(河野裕子)遺された夫、和宏さんの巻末エッセイに涙が止まらない。
  • 田中角栄 その巨善と巨悪
    3.5
    田中真紀子の父、田中角栄は、戦後日本の生んだ、まぎれもない天才である。雪ぶかい新潟の田舎の貧しい出身、小学校卒業の学歴、すべてのハンディを跳ね除けて総理大臣の座を掴みとった、まるで小説のような人生。悲願の日中国交回復を実現し、「日本列島改造」をブチあげ、ロッキード事件で失脚した後もなお、隠然たる権力と資力を持っていた。スケール大きく生きた、毀誉褒貶相半ばする男。悪と共存する善、田中角栄の真実の姿を、膨大な取材に基づくエピソードで描き出す。
  • 田中角栄 最後のインタビュー
    3.5
    抜群の記憶力、発想、決断力、そして人情…… 未公開インタビュー記録をもとによみがえる天才宰相の知性と魅力! 没後23年を経てもなお日本人の心を惹きつけてやまない田中角栄。 その角栄はロッキード事件発覚後、マスコミをシャットアウトし、「闇将軍」として権勢を振るっていたが、ひそかに13時間半ものロングインタビューに応じ、みずからの思いを世に出そうとしていた。当時、海外通信社の記者を務めていた著者は、ロングインタビューに立ち会ったほか、約4年間、講演や会議における角栄の発言を記録してきた。 本書はそれらの記録をもとに、著者独自の目線で「天才・角栄」の政治理念を解き明かした作品である。 全編、角栄の名調子が冴え渡る。 「合理性だけを追求してきた日本の頭脳集団は、人間の本質を忘れている」 「総理大臣になってから『勉強します』は許されない」 「外交は“叩き上げ”同士で」 「道徳観のない政治家に人はついてこない」 「俺は自分の選挙区のことは5メートル単位で把握している」 「恋人の電話番号は手帳に書くな。手帳を見ながらダイヤルを回すのでは、恋の成就もおぼつかない」 現代日本の閉塞的な経済状況や、東アジアの安全保障危機をズバリ予言している指摘もあり、角栄の慧眼には驚くばかりだ。人情の機微を知り尽くした滋味深い言葉も、読む人の心にしみわたる。 脳梗塞に倒れる10カ月ほど前におこなわれた最後のインタビューでは、政治と人生に対する達観した思いを吐露しており、枯淡の境地を感じさせる。 どこから読んでも面白くためになり、すべての人に勇気を与えてくれる一冊である。
  • 田中清玄 二十世紀を駆け抜けた快男児
    -
    右も左もあるものか! 戦前は武装共産党の委員長として警官を襲撃し、逮捕。 獄中、母の諌死を契機に転向すると、戦後は学生やごろつきを集めて共産党を襲撃。 なんとも振れ幅の大きな前半生から、やがて国際的な資源外交を裏で操るフィクサーへ。 資本主義の真っただ中で暗躍しながらも、学生運動に援助を続けるなど、 普通では理解しがたい人生を送った男。 「俺は法螺は吹くが嘘はつかない!」。 その言葉は、出鱈目だけどどこか痛快。こんな男が昭和にはいたのである。 昭和天皇にも拝謁し、その藩屏となることを誓ったというが、どこまで本当なのか……。 筆者は、終戦直後から田中の死まで秘書を務めた人物に出会い、その素顔を知る。 また、英国外務省の機密文書から、田中の国際的な活動の実態、 そしてヨーロッパの貴族を巻き込んで情報を収集し、 それを昭和天皇に届けていたという事実を知る。 東京タイガー。海外の諜報機関では田中のことをそう呼んでいた。 田中清玄は自伝を残しているが、その内容は虚実入り乱れ、本当の姿を伝えていない。 筆者によって、昭和の怪物の姿が初めて明らかになる。 田中の葬儀には、時の総理大臣から右翼、左翼の大物、そして暴力団大幹部の姿もあった。 その人脈こそが、彼の起伏に富んだ人生を表していた。 令和の現代では絶対にお目にかかれない、昭和の快男児の生涯!
  • 棚からつぶ貝
    4.1
    等身大のイモトが綴る、大好きな人達のこと イモトアヤコの初エッセイ集! 妊娠・出産・育児の怒濤の日々についての「文庫版あとがき」も文庫で新しく収録! イモトさんは全力だ。まっすぐだ。人に対しても、経験に対しても。 彼女をどうしても愛してしまう理由が、このエッセイを読んで分かった。 ―-西 加奈子 鳥取から上京後、芸能界に入り活躍の場を広げる著者。 世界中を飛びまわる日々のなか、仕事にいつも一生懸命なイモトが、 「背中で見せる理想の上司」「拝啓 安室奈美恵さま」「おもしろ女優」など、 家族や芸能界の友人たちについて綴ったエッセイ集。 ※この電子書籍は2020年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 棚橋弘至が語る「2011年の新日本プロレス」【文春e-Books】
    3.0
    プロレス界の100年に一人の逸材、棚橋弘至。いまでは新日本プロレスのエースとして、団体を背負う人気レスラーとなった棚橋だが、デビュー時はプロレス冬の時代。いい試合をしても、ファンにはなかなか認めてもらえなかった。そんな彼が、どうやって団体のエースとなり、ファンの人気を獲得していったのか。エースになろうと決意した理由、永遠のライバル・中邑真輔への想いなど、ノンフィクションライター・柳澤健が、棚橋本人に鋭く迫った。2017年6月に行われたトークショーを、再構成したオリジナル電子書籍!
  • 田辺聖子 十八歳の日の記録
    4.0
    75年の時を超えて発見された奇跡の日記文学――田辺聖子版「アンネの日記」 我が家の焼失、敗戦、早すぎる父の他界……。 すべてを失った彼女はそれでも、小説家への夢だけは諦めなかった。 2019年に惜しまれつつこの世を去った国民的作家・田辺聖子。 没後2年の今年、1945年から47年までの青春期を綴った日記が発見された。 記されていたのは、「大空襲」「敗戦」「父の死」「作家への夢」……。 戦時下、終戦後のままならない日々を、作家志望の18歳はいかに書き過ごしたのか。 月刊「文藝春秋」に掲載されるや、たちまち新聞・テレビ等で大反響となった、 田辺文学の源泉にして、一級の時代の証言。 雑誌未掲載原稿、中短篇4作を収録したほか、梯久美子氏の解説をはじめ、 注釈、年譜なども加えた完全版、ついに刊行。
  • 谷から来た女
    3.7
    1巻1,800円 (税込)
    「わたしの背中、こわいですか」気高く生きる女との邂逅を描いた大人の物語 アイヌ紋様デザイナー・赤城ミワ。 彼女といると、人は自分の「無意識」に気づいてしまう。 自分の気持ちに、傷ついてしまう――。 そして、彼女は去ってゆく。忘れられない言葉を残して。 桜木紫乃の真骨頂、 静かに刺してくる大人の物語。 (収録作) 「谷から来た女」…2021年。大学教授の滝沢は、テレビ局の番組審議会でミワと出会う。大人の恋愛を楽しむ二人だったが…。 「ひとり、そしてひとり」…2004年。アクセサリーショップとセクシーパブで働く千紗は、夜のすすきのでデザイン学校の同期・ミワと再会する。 「誘う花」…1999年。教育通信の記者・譲司は、取材で出会ったミワの弟・トクシがいじめられていることに気づく。 「無事に、行きなさい」…2015年。レストランシェフの倫彦は、ミワとの将来を信じながらも、どこか遠さを感じている。 「谷へゆく女」…1982年。母を亡くした中川時江は、高校卒業と同時に、文通相手の赤城礼良を頼って北海道へ向かう。 「谷で生まれた女」…2023年。北海道テレビプロデューサーの久志木は、ミワのドキュメンタリーを撮影するが…。
  • 谷川浩司 精選詰将棋 「光速流」からの挑戦状
    4.0
    これが「光速流」の神髄だ!  華麗にして玄妙。 十七世永世名人にして詰将棋の名手・谷川浩司九段による九~十九手詰の珠玉の100番! 脳が汗をかくほど、「深く読む力」を鍛える。 詰将棋は実戦の役に立つか、は 昔から議論されていることですが、 私は有意義だと考えています。 詰将棋を数多く解くことによって、 詰め手筋を身に付けることができますし。 慣れてくれば直感で詰みがあるかが 分かるようになります。(本文より)
  • たのしい・わるくち
    3.8
    「わたしは負け犬でーす。きゃいーん」とおなかを見せて開き直り、淡々と人生を歩む「自称・年寄」の酒井順子が女のウソを看破。「つきあおう、とか言われて困っちゃって」「アタシってぼーっとしちゃってるからー」「○○ちゃんって、すっごくいい子なのよ」「お医者さまに行ったほうがいいわ」「いいなあ、田舎がある人って」──だまされてはいけません。こんな台詞のウラにも、毒や悪意が隠されているのです。痛快きわまりないわるくちの数々。
  • 旅芝居殺人事件
    -
    「桔梗座」の奈落は人を喰う。そしてその壁には死んだ役者の、消えた役者の憎悪と悲哀が塗りこめられている──芝居小屋「桔梗座」の市川蘭之助劇団の興行で起こった殺人事件が十五年後、新たな殺人事件を引き起こす。旅芝居の妖気に満ちた世界を怪味たっぷりに描きだし、謎ときの興奮へと誘いこみ、想像を超えた結末へと導く、一九八五年度日本推理作家協会賞受賞の異色長篇ミステリー。ほかに芝居を材に繰り広げられる快作六篇を収める。
  • 旅路 上
    3.5
    池波正太郎のヒロイン、仇討の旅 彦根藩の勘定方・三浦芳之助が斬殺された。 下手人は御目付方・近 藤虎次郎らしい。 男は逃亡し、藩庁は三浦の若妻・三千代に実家へ戻るようにと沙汰した。 納得出来ぬ三千代は敵討ちのため故郷を出奔、 道中危難に見舞われるが、堀本伯道と名乗る謎めいた老人に救われる。 美しくしなやかな武家の女の数奇な運命を描く傑作長編。
  • 旅する江戸前鮨 「すし匠」中澤圭二の挑戦
    5.0
    鮨職人たちが選ぶ最も尊敬する鮨職人のアンケート一位に選ばれ、多くの食通たちを心酔させてきた四ツ谷『すし匠』の中澤圭二氏。国内の評価を不動のものとしていたにもかかわらず、中澤氏は2016年、53歳でハワイのリッツ・カールトンに進出する。築地からネタを空輸するのではなく、地元ハワイやアメリカ大陸沿岸の魚をつかって、一流の鮨を握るという前途多難な試みに挑んだのだ。それを可能にしたのは、素材の魅力を極限まで引き出す、200年の歴史をもつ江戸前鮨の技法だった――。 中澤氏に出会って以来、その人柄と仕事に惚れ込んだノンフィクション作家の一志治夫氏が15年以上にわたる取材の蓄積から描き出す、熱き男の物語である。江戸時代に握り鮨を考案した華屋與兵衛の時代から、戦前戦後の鮨文化、ここ数十年の海外での展開まで、ダイナミックな変遷を浮き彫りにしつつ、江戸前鮨という食文化の奇跡を浮き彫りにした、鮨ファン垂涎の一冊。
  • 旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三
    4.3
    第28回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。 民俗学者・宮本常一の人と業績を、財界人・渋沢敬三との交流から描いた傑作評伝。 日本中の村と島を歩き尽くした男がいた――。 瀬戸内海の貧しい島で生まれ、日本列島を隅から隅まで旅し、柳田国男以来最大の業績を上げた民俗学者・宮本常一。 「日本資本主義の父」渋沢栄一の孫として生まれ、財界人として活動する一方で、パトロンとして物心両面で宮本を支え続けた渋沢敬三。 対照的なふたりの30年に及ぶ交流を描き、宮本民俗学の輝かしい業績に改めて光を当てた傑作評伝。 第28回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。 解説・稲泉連 電子書籍化にあたり、新稿「素晴しき「助平」たち――渋沢栄一と宮本常一」を収録した。
  • 旅猫リポート
    4.6
    1巻1,257円 (税込)
    子供の頃から引越しを繰り返してきたサトルは、相棒猫ナナを連れて、懐かしい人々を訪ねる旅に出る。家業を継いだものの妻が家出中の幼馴染、今や立派な農業家となった中学時代の親友、高校・大学の同級生同士で結婚してペンションを営む友人カップル……行く先々で思い出を語る時間は、サトルとナナを迎える人々の胸の内にもささやかだが大切な変化を芽吹かせてゆく。旅の果てに1人と1匹が見る風景とは。現代最強のストーリーテラーが贈る、光あふれる傑作長篇!※本作品は文藝春秋、講談社で同一タイトルの作品が販売されております。本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。
  • 旅の闇にとける
    4.0
    物語が生まれ、動きはじめる 心の割れ目から、じわじわと切なさがこみあげてくる…。不意に訪れる恐怖と、意外な人からもたらされる優しさと。地球を旅する物語。
  • 旅人たちの南十字星
    -
    荒涼とした大地で忍耐を強いられ、事件ではつねに被害者となるブラジル日系移民たちに戦慄すべきニュースが入る。運送会社社長と常務が従業員らに巨額の保険をかけ、暴力団と組んで次々と殺害、台湾を経由してパラグアイからブラジルに入国したという。南米社会の複雑怪奇な構造と、犯罪に手を染める男たちの心理をみごとに絡めながら“史上最大の保険金詐取殺人”として耳目を驚かせた事件を題材に、著者が彼らの逃避行を徹底取材して描く迫真の犯罪小説。
  • 旅をする木
    4.4
    広大な大地と海に囲まれ、正確に季節がめぐるアラスカで暮すエスキモーや白人たちの生活を独特の味わい深い文章で描くエッセイ集。 解説・池澤夏樹。 ※この電子書籍は1995年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • たべもの歳時記
    -
    春夏秋冬は毎年かわりなく巡ってくるのに、食べものの旬(シュン)はいつの間にか忘れさられてしまった。しかし養殖や温室栽培の技術がいくら進んでもシュンの味というものは人間には作りだせない。トマト、ハマチ、ドジョウ、ワカメなど二百数十種類の食べものと季節の関係を面白くわかりやすく綴った本。人気テレビ番組「料理の鉄人」にて審査員をつとめた、食通の中の食通として有名な著者が、クオリティのある知識を駆使して、平明な文章でつづる。
  • 食べ物連載 くいいじ
    3.9
    激しい〆切中でもやっぱり美味しいものが食べたい!  漫画家・安野モヨコが自らのどうにも止まらない「喰い意地」を描いた、初の食べ物エッセイ集。 口癖は「お腹へった」。昼ごはんを食べながら夕食のメニューを考えるほどの食いしん坊な漫画家・安野モヨコさん。激しく〆切中なのに編集者の目を盗んでディナーの予約を入れ、数々の差し入れをモグモグ。友人が遊びに来れば、冷蔵庫が空っぽになるまで料理をし、ベジタリアンの夫の好物である豆を煮る。散歩のときに何か食べたくなって鎌倉のお店を食べ歩き、おいしいものを存分に食べるため、絶食ダイエットに挑戦……。こんな、どうにも止まらない自らの「くいいじ」を描いたエッセイ集。安野流簡単レシピやお気に入りの調味料、器もちょこっと紹介します。
  • 食べる私
    3.7
    食について語れば、人物の核心が見えてくる。樹木希林、ギャル曽根、宇能鴻一郎に堀江貴文らが語る、豊穣なる食べ物の話には、人生も文化も家族もある。小説のような対話集。 「おいしいものは無駄」(デーブ・スペクター)、「レシピは、人格が出る」(土井善晴)、「山に登るときは、わさびと海苔がマスト」(田部井淳子)。女優、作家、スポーツ選手、経営者ら各界で活躍する29人が、思い出の味や好きなメニュー、さらには食にまつわる幸福と孤独の原点について、誠実にありのままに語る。 【本書に登場する面々】 デーブ・スペクター/林家正蔵/ハルノ宵子/黒田征太郎/ヤン ヨンヒ/伊藤比呂美/ギャル曽根/美木良介/土井善晴/辻芳樹/松井今朝子/安藤優子/ジェーン・スー/渡部建/光浦靖子/堀江貴文/大宮エリー/高橋尚子/吉田秀彦/高橋大輔/田部井淳子/山崎直子/畑正憲/小泉武夫/服部文祥/宇能鴻一郎/篠田桃紅/金子兜太/樹木希林 解説・岩下尚史
  • たまさか人形堂物語
    4.0
    1~2巻580~722円 (税込)
    OLをリストラされたことをきっかけに、祖母の形見の零細人形店「玉阪人形堂」を継ぐことになった澪。 押しかけ従業員で人形マニアの冨永くん、高い技量を持つ謎の職人・師村さんに助けられ、なんとかお店を切り盛りしている。 「諦めてしまっている人形も修理します」 こんな広告をみて、今日も傷ついた人形を抱えたお客さんがやってくる。 人形と大事な思い出を修理すべく、三人の活躍が始まる。ほのぼのミステリ。 【目次】 毀す理由 恋は恋 村上迷想 最終公演 ガブ スリーピング・ビューティ
  • 玉三郎 勘三郎 海老蔵 平成歌舞伎三十年史
    3.3
    玉三郎、勘三郎、海老蔵を通して描く歌舞伎現代史。 昭和の名優たちの「神々の黄昏」として始まった平成歌舞伎。歌右衛門が選んだ後継者は玉三郎だった。その玉三郎が、次の阿古屋を発見するまでの物語と並走する、勘三郎の歌舞伎の可能性への奮闘と、その断ち切られた未来。そして、悲劇を乗り越えて團十郎へと向かう海老蔵。 歌舞伎座では舞台に一緒に立つ機会がごくわずかしかなかった三人を、本の上で共演させた、ここにしかない、平成歌舞伎。 【目次】  第一話 神々の黄昏 第二話 二人阿古屋──歌右衛門から玉三郎 第三話 勘九郎の国盗り物語 第四話 若き獅子たち──海老蔵と勘三郎 第五話 歌舞伎座さよなら公演の向こう側 第六話 澤瀉屋の「恩讐の彼方」 第七話 三つの悲劇
  • 魂を撮ろう ユージン・スミスとアイリーンの水俣
    4.8
    20歳の時、51歳の伝説のフォトジャーナリスト、 ユージン・スミスと出会ったアイリーン・美緒子・スプレイグ。 二人は、チッソの工場排水が引き起こす 未曽有の被害に苦しむ水俣を目指した。 世界に衝撃を与えた、人生最後の一枚を撮るために。 取材開始から十余年、それぞれの運命を背負った二人が、 近代化の傷と再生の瞬間を切り取った 濃密な三年間に迫る大河ノンフィクション。
  • 球は転々宇宙間
    -
    1980年代終わり、日本のプロ野球は3リーグ18チームの時代を迎えていた。原は横浜、江川は浦和、掛布は千葉へとそれぞれにトレードされていく。大都市集中ではない地元密着のチーム、それは日本の真の地方の時代の幕開きでもあった……。根っからの野球好きである著者が、自らの夢を託し、プロ野球の将来の発展を願って書いたこの処女作は、吉川英治文学新人賞を受賞し、野球ファンからも熱烈に歓迎された。いわば走者一掃の三塁打的後味さわやか近未来野球小説である。
  • たまゆらに
    4.1
    舞台は文化3年の江戸・日本橋。青菜売りの朋乃は、橋で五十両もの大金入りの財布を拾った。この財布を巡って思いがけぬ長い一日が始まる――欲深い人間たち、真摯に生きる価値を描ききる傑作時代小説。江戸情緒満点、正直と粋の人生応援歌!
  • 田宮模型の仕事
    4.3
    戦車のプラモデルのために東西冷戦下のソ連大使館と直談判し、 車の模型を作ろうと実物のポルシェを解体してしまう。 そんな本気がタミヤを世界一の模型メーカーにした! 自らリンゴ箱の上で模型の図面を描いた社長が綴る涙と笑いの奮戦記。 解説=リチャード・クー ※本書は、2000年5月に刊行された文春文庫の電子書籍版です。
  • ためらいもイエス
    3.6
    仕事が好きだ。会社に連泊するのも、冷めかけたピザを仕事仲間と食べる夜食も。仕事は自由をくれた。わたしの人生に男はいらない。仕事漬けの日常を気に入っていたはずの三田村奈津美、28歳(じつは処女)に突然訪れた人生初のモテ期! 3人の男を前に、棒に振った思春期を取り戻せるか? 強すぎる母から逃れようと、人生を迷走する3姉妹の次女として、頑なな努力を続けた日々を卒業できるか? 愛すべき恋愛音痴のための、可笑しくて切ないラブストーリー。
  • 樽屋三四郎 言上帳  男ッ晴れ
    4.0
    江戸開府以来の特権町人「町年寄」樽屋の新当主は、23歳の熱血漢・三四郎。時の将軍・吉宗から「百眼(ひゃくまなこ)をよろしく頼む」と謎の言葉をかけられたが──。奉行所の目が届かない庶民の事情をすくい上げ、事件の予兆を捉えつつ智恵と人情で問題を解決。時には権力に逆らいながらも江戸の町の安泰を図る三四郎の活躍を描く、書き下ろし時代小説新シリーズ第1弾!
  • タレントその世界
    -
    「先代三津五郎ははやっている芸を絶対にみとめなかった。理由は『駄目になるから流行るんだ』」そのほか、「たくさん税金が払いたい」(三波春夫)、「私は天才です」(ジョン・レノン)、「私の神様はお嬢なんです」(加藤喜美枝)、「妻帯者は信用出来ない」(三国連太郎)……などなど、東西のタレントが次々に登場する。好評『芸人その世界』に続いて、永六輔が豊富な資料と貴重な聞書きで綴る芸人の世界の可笑しくも哀しい挿話と語録。
  • 戯れの魔王
    4.0
    1巻1,732円 (税込)
    甲斐駒ケ岳の山岳地帯に作業場をかまえ、鉄のゲージツ家として活動を続けてきたオレ。後期高齢者となった今は、畑に野菜を作って猿や鹿との攻防を繰り広げ、奈良のお寺から蓮の根をわけてもらい、美しい花を咲かせるのに熱中する日々だ。 そんな作業場へ、サングラスを掛けたスキンヘッドの男たちがやってきた。 「ああ、そうか。マロの一味だな」 「はい、弟子の舞踏者です」 目をやると、テンガロンハットに黒い革のコートをまとった「中央線の魔王」が、桜の木に寄りかかっていた。オレの作品のガラスの柱を舞台に使わせてほしいと言うのだ。 「クマ、一緒に踊るか」 「オレが? マロと?」 子どもの頃から歌も踊りも苦手なオレだが、マロに「ダイジョーブ、俺が演出するんだ。素直な躰ひとつ、お持ちいただけるだけでよろしいので」とまで言われて怯むのは「私に生きる才能は残っておりません」と白旗を掲げるようなものだ。・・・ こうして白塗りのメイクで、麿赤児率いる大駱駝艦の初舞台を踏む「戯れの魔王」。 母の死を看取り、蓮の花が開いて散るまでの4日間を見届けて送り火を焚く「蓮葬り」。 日本アルプス屈指の名峰・甲斐駒ケ岳の初登山に、靴ずれしながら挑みきる「アマテラスの踵」。 鉢植えの蓮を野生の多年草に戻そうと、池を掘って腰をやられた。頑丈な肉体にも老いはしのびよる。そんな作業場に仔猫が迷い込む「ささらほーさら」。 話題作『骨風』のKUMAさん、生きる実感に満ちあふれた最新小説集。
  • 探検家の事情
    3.8
    『極夜行』で第1回 Yahoo!×本屋大賞 ノンフィクション本大賞&大佛次郎賞のW受賞! いまもっとも注目される熱い探検家の素顔は… 「じつは私、こんなにイケナイ人間なのです」 「先日、不惑をむかえた。四十歳。いわれてみれば、たしかに今回は惑わなかったなという気がする。惑えなかったということは、私の人生から惑いの原因となる何かが失われてしまったということでもある。この十年間で私の皮膚の内側から何が剥げてしまったのか――。」 探検とは日常を飛びだし、非日常の世界で未知をさぐる行為である。しかし、探検家といえども、四六時中、非日常の領域にいるわけではない。不惑をむかえた探検家が、セイウチに殺されかけたりしつつも、妻とケンカしたり、娘を叱ったりする日常についても綴った珠玉のエッセイ集。 宮坂学ヤフー会長との、冒険とビジネスと「脱システム」をめぐる対談も収録!
  • 探検家の憂鬱
    4.0
    「生のぎりぎりの淵をのぞき見ても、もっと行けたんじゃないかと思ってしまう」 探検家にしてノンフィクション作家の角幡唯介が、みずからの性とジレンマを描き尽くす。 冒険とは何なのか。 生きるとはどういうことか。 自分はいったい何者なのか。 極限状況において、自らに問い続けた果てに、しぼりだされた珠玉のことば。 いま最も期待される探検家、はじめてのエッセイ。
  • 誕生日の雨傘
    -
    1巻1,599円 (税込)
    天気予報はハズレ。雨の誕生日―― 私だけの、心のお守りを見つけるのも悪くない 突然はじまった学校でのいじめは一向に止む気配がない。理由も分からないまま、夏美はひとり、14歳の誕生日を迎えた。雨の公園でいじめっ子たちに責められていた彼女に訪れた転機とは?(「誕生日の雨傘」) ままならない毎日に、それでも前を向く勇気を与えてくれる、お守りのような小説集
  • 探偵映画
    3.3
    新本格の雄、初期の傑作! 新作の撮影中に謎の失踪を遂げた鬼才映画監督、大柳登志蔵。すでにラッシュは完成、予告篇も流れているが、実はこの時点で作品の結末を知るのは監督のみ。残されたスタッフは、撮影済みのシーンからスクリーン上の「犯人」を推理しようとするが……。『探偵映画』というタイトルの映画をめぐる本格推理小説。
  • 担当の夜
    3.0
    1巻1,200円 (税込)
    漫画編集者って、なんてかっこわるい仕事なんだ! 人気投票と評価、そして売れ行きの間で煩悶する漫画家と漫画編集者。 不人気の果て、開き直って描いた官能漫画がようやくヒット、しかし創作のエゴイズムから逃れられない漫画家。 その矛先は担当編集に当然のように向けられる。 「俺の漫画に関われるだけでありがたいと思え」。 漫画家と編集者との共闘、そして決裂までを描いた『担当の朝』。 担当編集はまるで修行のような態度で臨まなければならない、現在では不人気となってしまった鬼才の大巨匠。 それでも「破門」される日はやって来る。 その理不尽さ、恩と怨念を描いた『担当の夜』。 有望な新人のはずなのに、なかなか新作を描かない漫画家。 その驚くべき「描かない理由」としたたかすぎる生命力を描く『最後の担当』。 今日もまた訃報が届く――。 なぜか早死にする漫画編集者たちへの痛切なレクイエム『俺酒』。 元青年漫画誌の編集長だった著者が描く、知られざる青年漫画の熱かった季節。 表紙・巻末マンガ:すぎむらしんいち
  • 胆斗の人 太田垣士郎 黒四(クロヨン)で龍になった男
    4.7
    日本にはこんな経営者がいた 黒四ダム建設に心血を注いだ関西電力初代社長・太田垣士郎の本格的評伝。 果敢にリスクを取り次世代のために投資した経営者の素顔。 全身これ胆かという関西電力初代社長・太田垣士郎。 彼の決断と覚悟によって黒部第四ダムは完成し、関西の復興は成し得られた。 社会のために命を削って大いなる賭けに挑み、 “経営の神様”松下幸之助をも脱帽せしめた男の生き様がいま甦る!
  • 歎異抄 救いのことば
    4.0
    コロナで逼塞する現代人に必読の書! 現代人が読んで心を打たれる、それが『歎異抄』。金言・箴言に満ちたこの書は、思想的には難しい。平易な解説で深みまで導きます。 <目次> 【はじめに】 『歎異抄』が与えた影響/数多の謎を持つ『歎異抄』 ほか 【第一章】『歎異抄』を読んでも仏教はわからない 【第二章】近代知性が痺れてしまう 親鸞のオリジナリティ・縦のつながりと横の広がり/「念仏して地獄におちたりとも」/勘当した息子・善鸞 ほか 【第三章】「悪人こそが救われる」が持つ破壊力 悪人こそが救われる?/「悪人成仏」のインパクト/罪と悪と救いの問題 ほか 【第四章】親鸞に弟子は一人もいない? 今までの仏教の枠を外した法然/明恵の法然批判/親鸞直筆の手紙・家族への思い ほか 【第五章】念仏して喜びがなくてもいい? 宗教の源泉は大洋性/阿弥陀仏信仰と一神教信仰の神の違い/他力のややこしさ ほか 【第六章】 信仰と無信仰について 親鸞の思想の最も深い味わい/信仰の「加害者性」/無信仰の「当事者性」 ほか 【第七章】 仏教の生命観と人間観 親鸞と善鸞/「宿業」の捉え方 ほか 【第八章】 悟りとは何だろう 「臨終正念」をひっくり返した法然親鸞/宗教の善悪・社会の善悪 ほか 【第九章】 倫理と宗教を深掘りする 仏教という光に触れて柔らかくなる心と体/現代倫理学の義務論・功利主義 ほか 【第十章】 「迷える私」が信心を生む 「仏法」と「迷える私」の共同作業 ほか
  • タンノイのエジンバラ
    3.9
    1巻550円 (税込)
    人が一日に八時間働くというのが信じられない。八という数字はどこからきたのだろうか。なんだか、三時間でいいんじゃないかもう……(「夜のあぐら」より)。なぜか隣室の小学生の娘を預かることになった失業中の俺のちぐはぐな一夜を描く表題作。真夜中に実家の金庫を盗むはめになった三姉妹を描く「夜のあぐら」。ロードムービーの味わいの「バルセロナの印象」。そして20代終わりの恋をめぐる「三十歳」。リアルでクールな、芥川賞受賞後初の短篇集。
  • 丹野智文 笑顔で生きる ―認知症とともに―
    4.5
    39歳で若年性アルツハイマー病を宣告されたトップセールスマン。 家族、同僚、仲間たち…笑顔を取り戻すまでの感動ドキュメント! 〈目次〉 第1章 異変 体の異変を感じた/お客さんの顔がわからなくなった/上司に注意される日々 スタッフの名前も忘れてしまった/ストレスのせい?…… 第2章 告知 大学病院でアルツハイマーと告知/妻は静かに泣いていた 二年後には寝たきりになる?/主治医への相談/アリセプト服用…… 第3章 いまの生活 告知を受けて四年/見た目は普通でも認知症です/朝起きたらコーヒー 私のスケジュール管理/運転免許証を返納する時の辛さ/車の運転についての私の考え 娘は反抗期でも、私は普通のパパ/日常生活ではいつも失敗だらけ 間違えても自分で買い物する/徘徊する理由…… 第4章 仕事 ネッツトヨタ仙台に就職/入社して恋愛、結婚/車が売れなかった新人時代 トップセールスマン/販売実績一位になる工夫 社内の雰囲気/丹野式ノートの利用術/働き続ける条件…… 第5章 仲間たち 診断から百八十度変わった私の人生/「家族の会」が私の支え 最高のパートナーとの出会い/部活の仲間に助けられた…… 第6章 発信することの大切さ 私の中にも偏見がある/区役所の対応に違和感/市長への手紙 JR東海の事故と保険/病気をオープンにする 「おれんじドア」の立ち上げ/脳トレに効果はあるか…… 第7章 認知症とともに生きる旅 スコットランドへの旅/「自立」を助けるツールがある 認知症と診断されたあとの運転免許証 私たちからお願いしたいこと/認知症らしさとは……
  • タンマ君 発奮篇【文春e-Books】
    5.0
    日本を代表する漫画の中のサラリーマンといえば? 島耕作? 金太郎? いやいや、タンマ君こと丹間一郎その人です! ……なにしろ週刊文春で『タンマ君』の連載が始まったのが昭和43年。以来、島耕作のように出世街道を駆け上がっていくこともなく、45年間ずっとヒラ社員。上司からは小言をくらい、女性社員たちからは見下され、しかしタンマ君はそんなことどこ吹く風で、今日も昼食はざるそばか盛りそばかのチョイスに懊悩し、同僚と飲み代の支払いを巡ってセコく争い、自分に秋波を送ろうとしない女性たちの見る目のなさを嘆きます。そう、タンマ君こそ会社社会の大半を占めるどうということはないサラリーマン、つまり私たちの代表。だからこそ、東海林さだおさんが描くこの2ページの漫画は、45年にわたり読者の熱い支持を受け続けているのです。 本書は『タンマ君』の週刊文春2012年掲載分を丸々一冊にパッケージ。通勤のお伴に、休憩時間のリフレッシュに最適です。これを読めば、仕事上の小さな悩みなんて吹き飛びます。いや、それどころか、貴方のサラリーマン人生の新たな指針も隠されているかもしれませんよ(ちょっと言い過ぎ)。
  • タンマ君 馬耳東風篇【文春e-Books】
    完結
    -
    1968年の連載開始以来、一貫して平社員。東海林さだおさんが愛情込めて描き続ける『タンマ君』を電子書籍で賞味しませんか? タンマ君に欠かせないサブキャラクターといえば、例のメガネ上司。ネチネチとタンマ君に嫌味を言い、でもその間、タンマ君の脳内は晩飯のメニューの検討に余念がない。この見事な馬耳東風っぷりこそ、タンマ君をストレスフリーな万年平社員たらしめている要因です。そう、時代は“聞く力”の一歩先を行く“聞き流す力”。週刊文春2013年掲載分を一冊にパッケージした本書を読めば、あなたも聞き流す力が身についてハッピーになる……かもしれませんよ。
  • タンマ君 和気藹々篇【文春e-Books】
    完結
    -
    週刊文春連載47年目! 日本を代表する漫画の中のサラリーマン、『タンマ君』を電子書籍でお届けします。 タンマ君は半沢直樹にも島耕作にもなれない(なる気もない)ミスター平社員。同僚とどうでもいい世間話に花を咲かせ、女性社員に色目を使い、思い出したようにちょっと仕事をし、夕方になればタダ酒にありつくチャンスを虎視眈々と窺う。少なくとも本人は楽しそう。貴方の周りにもいるでしょう、そんな人。出世や倍返しももちろん大事。でも、タンマ君のようにダラ~ンと会社社会を遊泳するのも、それはそれでアリなんじゃないか……。きっと誰しもそう思う一瞬があるはず。だからこそ東海林さだおさんが愛情込めて描き続けるこの2ページの漫画は、読者の熱い支持を受け続けているのです。本書は、『タンマ君』の週刊文春2011年掲載分を一冊にパッケージ。タンマ君の天性のお気楽さを、貴方にもおすそ分けします。
  • ターミナルタウン
    4.2
    1巻1,018円 (税込)
    静原町はターミナルタウンとして鉄道と共に発展してきたが、乗り換え路線の廃止により、ほぼ全ての列車がこの駅を通過するようになってしまった。鉄道と共に衰退しつつあった町にある時再興の兆しが現れる。見えないが「ある」タワー、不思議な「隧道」の存在――誰も見たことのない「町興し」がいま始まる。解説・伊藤氏貴
  • 第一次世界大戦はなぜ始まったのか
    3.8
    第一次世界大戦の開戦から100年。戦争とは、自らの意思に関係なく巻き込まれることがある――。オーストリアとセルビアによる「限定戦争」のはずだった戦いは、なぜヨーロッパ文明を破壊するに至る大戦争となったのか。ドイツを軸にした各国の動きを、軍事史の鬼才が存分に描く。尖閣、西沙諸島における中国との緊張、ロシアとウクライナの衝突を目の当たりにした今、第一次大戦の起源を考えることは、日本の外交や安全保障を考えるうえで多くの示唆に富む。集団的自衛権に関する世界史の教訓、最良のテキスト。
  • 大田舎・東京 都バスから見つけた日本
    3.6
    もしかして、東京を「大都会」だと思っていませんか……? 気鋭の社会学者が、地上2.3メートルの “ちょっとだけ上から目線”で綴る、東京=日本論。 バスの窓から見つけた、東京の秘密100。 小池百合子都知事との対談も収録 【東京には、こんな秘密が隠されていた!】 六本木はまるでスラム街/セーラームーンの舞台は、麻布十番/スカイツリーにはお墓が似合う/ポケモンGOが伝える悲惨な東京史/池袋は埼玉の植民地である/浅草も千住も「下町」ではなかった/高齢者だけが使える秘密の都バス年間パスポートがある/地方出身者が西東京に住む理由/新宿はかつて上野にバカにされていた/心霊を気にしていたら東京には住めない/東京の街の色は、ほとんどが看板の色だった/等 僕は数々の都バスに乗ることで、東京を「ちょっとだけ上から目線」で堪能してきた。その記録が、本書ということになる。(中略)結果、たどり着いたのが「東京のほとんどが田舎である」という仮説だ。「田舎」というのには二つの意味がある。一つは、見た目としての「田舎」。二つ目は気質や制度とし ての「田舎」だ。 (はじめにより) ◯著者プロフィール 1985年東京都生まれ。専攻は社会学。日本学術振興会「育志賞」受賞。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。内閣官房「クールジャパン推進会議」メンバー、朝日新聞信頼回復と再生のための委員会外部委員などを歴任。著書に『希望難民ご一行様』(光文社新書)、『絶望の国の幸福な若者たち』『誰も戦争を教えられない』(講談社)、『だから日本はズレている』(新潮新書)、『保育園義務教育化』(小学館)など多数。
  • ダイエットの女王 なぜ私はずっとやせられなかったのか?
    3.7
    TV・雑誌で大人気「伊達式ダイエット」のカリスマ栄養士、伊達友美。しかし、太りやすい体質もあり、その半生は失敗の連続だった。かけたお金は5000万円以上。栄養失調から茶色を通り越して緑色の髪、ニキビで紫色の顔。食べないのに増える体重に自殺まで考えたが、「やせられなかったのは食べ過ぎていたからではなく、足りないものがあったから」という栄養学の考えに出会って、20キロの減量に成功。自分に合った食べ物を摂ってやせる、これぞ真のダイエット!
  • 代官山コールドケース
    3.8
    ドラマ化決定! 巨匠の警察小説大作! 神奈川県警より先に、しかも隠密に17年前の代官山で起きた女性殺しを解決せよ。警察小説の巨匠の『地層捜査』シリーズ第二弾。
  • 大学入試問題で読み解く 「超」世界史・日本史
    4.0
    大学入試の歴史の良問は、本当は大人のためにある! 慶応義塾大学教授で、思想史の新たな視座を提示してきた著者が、有名大学の記述式入試問題に挑む。 【世界史】 ・十字軍が与えた影響(慶応義塾大学) ・オランダ400年史から近代が見える(東京大学) ・女性参政権が1920年前後に実現した理由(一橋大学) ・補講「キリスト教はなぜ世界を支配できたのか」 ……など 【中国史】 ・科挙が日本に入っていたら?(京都大学) ・清朝はなぜ近代化できなかったのか?(早稲田大学) ・共産党が中国を統一できたのはなぜか?(京都大学) ……など 【日本近代史】 ・統帥権の独立とは?(一橋大学) ・昭和恐慌の経済政策(東京大学) ・日本はなぜ中国大陸で失敗したのか(慶應義塾大学) ……など 【昭和の戦争】 ・大日本帝国憲法と日本国憲法(一橋大学) ・1920年代の米国がつくった国際秩序(京都大学) ・戦争責任と東京裁判(一橋大学) ……など 【戦国時代】 ・南北朝内乱が戦国時代の種を播いた(東京大学) ・「日本の村」の起源(一橋大学) ・一向宗とキリスト教(東京大学) ……など
  • 大岩壁
    3.8
    立ちはだかる世界最大の壁……。緊迫の山岳小説 ヒマラヤで“魔の山”と畏怖されるナンガ・パルバットで友を亡くした立原。決着を付けるべく、再び難攻不落のその頂に挑むが……。 解説・市毛良枝(俳優)
  • 第三次世界大戦はもう始まっている
    4.1
    ロシアによるウクライナ侵攻を受けての緊急出版。  戦争を仕掛けたのは、プーチンでなく、米国とNATOだ。 「プーチンは、かつてのソ連やロシア帝国の復活を目論んでいて、東欧全体を支配しようとしている」――西側メディアでは、日々こう語られているが、「ウクライナのNATO入りは絶対に許さない」とロシアは明確な警告を発してきたのにもかかわらず、西側がこれを無視したことが、今回の戦争の要因だ。  ウクライナは正式にはNATOに加盟していないが、ロシアの侵攻が始まる前の段階で、ウクライナは「NATOの“事実上”の加盟国」になっていた。米英が、高性能の兵器を大量に送り、軍事顧問団も派遣して、ウクライナを「武装化」していたからだ。ロシアが看過できなかったのは、この「武装化」がクリミアとドンバス地方(親露派が実効支配するウクライナ東部)の奪還を目指すものだったからだ。 「我々はスターリンの誤りを繰り返してはいけない。手遅れになる前に行動しなければならない」とプーチンは注目すべき発言をしていた。つまり、軍事上、今回のロシアの侵攻の目的は、何よりも日増しに強くなるウクライナ軍を手遅れになる前に破壊することにあった。  ウクライナ問題は、元来は、国境の修正という「ローカルな問題」だったが、米国の政策によって、ウクライナ問題は「グローバル化=世界戦争化」した。  いま人々は「世界は第三次世界大戦に向かっている」と話しているが、むしろ「すでに第三次世界大戦は始まった」。  米国はウクライナ人を“人間の盾”にしてロシアと戦っているのだ。
  • 第三の大国 インドの思考 激突する「一帯一路」と「インド太平洋」
    3.7
    キープレーヤーはインドだ “ポストGゼロ”“ポスト米中対立”の「新グレートゲーム」のキープレーヤーとなるのはインド――。 2023年中に14億人を突破し人口世界第1位に躍り出るとされ、軍事費では現在世界第3位、きたる2047年に建国100年を迎えるインド。「米中に次ぐ第三の超大国」は、伝統的非同盟を堅持しつつ米中に対して自ら独立した“局”となる戦略的自立で存在感を増している。 ウクライナ侵攻をめぐる国連安保理でのロシア非難決議案採決を棄権し衝撃を与えたインド。そして各国による経済制裁のさなかにもロシアから石油を爆買いし、普通なら風当たりが強くなりそうなものだが、実際に起きたのは独自の立場を貫くインドへの主要国トップによる“モディ詣で”だった。 貿易協定、サプライチェーン、エネルギー、半導体、インフラ整備、感染症対策……。あらゆる分野で激しさを増す米中を軸とする覇権争いにおいて、中国主導のAIIB(アジア・インフラ投資銀行)にも非加盟で中国と距離を置きつつ、安全保障上はクアッド(日米豪印戦略対話)の枠組みにある日米とも是々非々の独自路線を採る。 インドと中国、インドとロシア、そしてインドと日米――。今まさに東半球を舞台に激突する「一帯一路」vs.「自由で開かれたインド太平洋」の2大経済圏構想。この“新たなグレート・ゲーム”の帰趨が21世紀後半のパラダイムを規定する。
  • 大修院長ジュスティーヌ
    3.0
    「童貞を守る必要はないと思います。私は、性行為を不浄だとは思いません。それは、人間らしいことです。もっと言えば聖職者にも、人間として性を楽しむ権利があると思います」(本文より)。性愛を肯定する異端の女子修道院長は、聖女か淫蕩の魔女か? フランス革命下に生きた3人の豪胆な女たち…大修院長ジュスティーヌ、侯爵夫人ドニッサン、娼婦ティティーヌ。美貌を駆使し、熱狂と快楽と陶酔の波をどう切り抜けてゆくのか。エロティシズム溢れる歴史ロマン官能3篇!
  • 嵐・松本潤裏切りの“4年恋人”【文春e-Books】
    1.0
    「なんでオレこんなに会いたくなっちゃうんだろう」――。SMAP解散後のジャニーズを担う超人気グループ「嵐」。メンバーの松本の自宅に、毎週のように深夜に通っていたのは、世間公認の恋人・あの女性ではなかった。いまや芸能界の頂点に立つアイドルの“禁じられた恋”の相手とは? 衝撃のスクープと、その後の関係者たちの反応は……。週刊文春2017年1月5・12日号、1月19日号の記事を再構成した電子書籍オリジナルコンテンツ。※本文中に登場する人物の年齢・肩書き等は初出時のものです。※本文中に人物写真は収録されておりません
  • 大丈夫。人は必ず生まれ変われる。
    -
    23歳、ヤクザの組長になる。24歳で覚醒剤を初体験。27歳、2度も指を落とすが、覚醒剤を止められない。33歳、ヤクザをクビになり、日本で有数の売人になる。妻子は去った。41歳、ついに覚醒剤所持で逮捕。それでも覚醒剤を止められなかった。──21年間、覚醒剤漬けだった男が薬物依存者のための社会復帰施設DARC(ダルク)に出会い、1700人以上の子を預かり、再生の道を歩むまでの血みどろの人生、そして薬物やシンナーについて、命がけのメッセージ。
  • 大世界史 現代を生きぬく最強の教科書
    3.9
    『新・戦争論――僕らのインテリジェンスの磨き方』に続く、最強コンビによる第2弾! いま世界は激動の時代を迎え、これまでの秩序が揺れ動いています。こうした混迷の時代こそ歴史を学ばなければいけません。現在の世界の動きをとらえ、各地で起きている事態を読み解くためには、その背景を知ることが必要なのです。高校時代、世界史が苦手だったという著者の一人、池上彰さんは、「歴史」を知るとは、生きていくために「自分」を知ることだと、いま感じているといいます。 もう一人の筆者、佐藤優さんは、歴史を学ぶことは、主婦やビジネスパーソンにも意味がある、といいます。歴史を学ぶことで、自分では実際に経験できないことを代理経験することは、組織の理不尽さに直面したときにものをいうというのです。歴史を学ばない人は、どんな成功者やエリートであっても意外に脆いものだとか。 中東、トルコ、中国、沖縄、ロシア、アメリカ、ドイツ……大きな節目にある「世界の今」を、「大世界史」でとらえなおし、そこからビリギャルの世界史的意義や日本の教育問題までの議論を収録した一冊。現代を生き抜くためには必要な知識をもたらす最強の教科書です。「最強の世界史勉強法」も巻末についています。
  • 大地の子(一)
    4.4
    1~4巻652円 (税込)
    松本勝男は、敗戦直後に祖父と母を喪い、妹と生き別れた。戦争孤児となった少年は、死線をさまよう苦難を経て、中国人教師に拾われ、中国人「陸一心」として育てられる。しかし、成人した一心を文化大革命の波が襲う。日本人の出自ゆえにリンチを受け、スパイの罪状で労働改造所送りに。終わりのない単調な重労働に明け暮れる日々、一心が思い起こすのは、養父・陸徳志の温情と、重病の自分を助けた看護婦・江月梅のことだった。NHKでドラマ化された山崎豊子の感動巨編。
  • 大転生時代
    3.6
    純文学×異世界転生=前代未聞の冒険小説 自分の本当の居場所はここじゃない。 自分にはもっとふさわしい世界がある。 そう思っている方は、転職、転校、移住もいいけど、 思い切って転生! ある夜、横溝時雨が町中華で再会した中学時代の旧友・三浦杜子春は、自分を「子どもの国」バルナランドからの転生者だと語った。 半信半疑で杜子春に関わるうち、時雨は新橋の雑居ビルを拠点にひそかに活動する「転生者支援センター」にたどりつき、想像を絶する冒険が始まる―― ライトノベル的想像力の彼方へ読者を運ぶ本格S F長篇。
  • 大盗禅師
    3.4
    大坂落城から三十年。摂津住吉の浦で独自の兵法を磨く浦安仙八の前に、ひとりの僧が現れる。妖しの力をあやつる怪僧と、公儀に虐げられる浪人の集団が、徳川幕府の転覆と明帝国の再興を策して闇に暗躍する。これは夢か現か―全集未収録の幻想歴史小説が、三十年ぶりに文庫で復活。
  • 台所のオーケストラ
    4.4
    戦前戦後の日本映画界を駆け抜けた大女優・高峰秀子は大の食いしんぼうで料理上手。そのレパートリーのなかから「3分から小一時間ほど」で出来あがるレシピを選び、素材別に紹介。料理初心者にも最適な、和食、中華、洋風、その他129レシピ収録。
  • 大なり小なり
    完結
    4.3
    人気イラストレーター、初の漫画単行本! 同じ、ひらが名。同じような同居生活経験者として申し上げます。このバディ漫画にはマジ、グッときました!(みうらじゅんさんの帯コメントより) 手と手を取り合ってそのままダンスしちゃう女性ふたりの、ゆるくて愉快で最高の日々! 理想の暮らしです♪(つづ井さんの帯コメントより) 小柄な小田さん(30歳)。高身長の大原さん(30歳)。 大学の同級生として出会って10年、東京で一人暮らしをしていた二人が同居を始めて、お互いの知らなかった部分をどんどん発見していく。 得意料理を披露したり、仕事の疲れを発散しようとカラオケで歌いまくったり、時には一人の時間が必要だったり……。 そして、通常は公にされることのない「同居する友人同士のオナラ事情」にも切り込んでいく! いつも通りの日常だけど、普通の日なんて一日もなかった二人の日々。 疲れたり、落ち込んだりもするけれど、食べて喋って時々歌って……これで明日も頑張れる! リアルでコミカルな「ささやかな日常」に共感の嵐! 初めて漫画の単行本を描き下ろすなら一番身近なところから……と思い、私の暮らしを土台にした漫画を描き始めました。 描き終わるまでずいぶん時間がかかってしまったのですが、時間をかけたからこそ、自然と浮かび上がってきたテーマがあります。 それは「変化」と「家族」でした。(「あとがき」より) たなかみさき 1992年生まれ。生活や人物を風通し良く描くイラストレーター。作品集に『ずっと一緒にいられない』『あ~ん スケベスケベスケベ??』(共に PARCO 出版)がある。現在ラジオパーソナリティとしても活動中。
  • 大難産
    -
    1巻1,100円 (税込)
    50歳目前で双子を授かった元・鬼畜漫画家の、超大変&ドラマティックな出産・育児コミック。電子版はカラー&モノクロ構成。 元・鬼畜漫画家の“やすお”が50歳を目前にようやく授かった双子は、胎内でTTTS(双胎間輸血症候群)という一卵性双生児特有の病気にかかっていた。妻の“クチ子”は「特殊漫画家のお前がせっせと描いた鬼畜漫画のカルマ返りだ」と憤慨し、やすおは「二人の血液型は適合してるんでしょうか」とトンチンカンな疑問を呈する……。 病院をたらい回しされた末、ついに最先端医療設備と名医たちに出会う。クチ子は双子の命を救うべく、レーザー手術に臨む。胎児の心音を耳にしたやすおは、窓の外にみじんこが浮遊する光景を幻視する……。 手術は無事成功するが、クチ子は身体にチューブや介助器具が取り付けられた「スパゲティー状態」に。身動きも寝返りも許されず、一つ間違えば流産の危険が迫る「暗黒の4日間」が始まる。その枕元へ、死去したはずの伯父さんが神主姿で現われ、「なーんもすんぱいね。もーすぐ夜が明けっから」とのたまうのだった……。 いよいよ出産間近。再入院したクチ子は、予定日前に破水する。すぐにやすおに電話するが、泥酔していたやすおは起きる気配がない。翌朝、緊急の帝王切開手術が開始される。果たしてお腹の双子の運命やいかに……! 1998年に元妻のねこぢるが死去した後、再婚した山野一が、双子生誕までの超“こっぴどい”日々を克明に、かつ自虐と諧謔を交えて描く。 ※本書中の「大難産1~7」は、Kindle版『そせじ(2)~(4)』に所収されたものです。
  • 【分冊版】大難産(1)
    完結
    5.0
    全30巻40円 (税込)
    50歳目前で双子を授かった元・鬼畜漫画家の、超大変&ドラマティックな出産・育児コミック。電子版はカラー&モノクロ構成。
  • 第二音楽室
    3.8
    学校×音楽シリーズ第一弾。 音楽が少女を、優しく強くあたたかく包んでいく。 校舎の屋上にある音楽室に集まる鼓笛隊の落ちこぼれ組を描いた表題作など、少女が語り手となる四つの物語。 嫉妬や憧れ、恋以前の淡い感情、思春期のままならぬ想いが柔らかな旋律と重なり、あたたかく広がってゆく。 学校と音楽をモチーフに少年少女の揺れ動く心を瑞々しく描いたSchool and Musicシリーズ第一弾。 解説・湯本香樹実
  • 第二次世界大戦 アメリカの敗北 米国を操ったソビエトスパイ
    5.0
    二人のスパイを軸に描くアメリカ現代史の闇 第二次世界大戦の勝者アメリカ。しかしソ連によるスパイ戦争には完敗していた! ケインズを手玉に取った経済学者、国際連合設立を仕切った実力官僚――。ソビエトのスパイがアメリカの政権の中枢を蝕んでいた! 大戦後の体制を形作った重要な局面で、彼らはどのような役割を果たしたのか? そしてチャーチル、トルーマンが認めざるを得なかった「敗北」とはなんだったのか? 戦後史がいま覆る!
  • 大日本史
    4.3
    博学無双の黄金タッグが幕末から太平洋戦争までの「日本の最も熱い時代」を縦横無尽に徹底討論。「日本とは何か」「日本人とは何か」が見える! この『大日本史』は、日本史を軸に世界史を考え、日本史との関連で世界史を理解する人びとの参考になることを願っている書物である。(「まえがき」より)

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