太平洋の試練 レイテから終戦まで 上

太平洋の試練 レイテから終戦まで 上

小説・文芸
2,800円 (税込)

14pt

4.3

史上最大の海の戦いは悲劇のクライマックスへ。
前人未踏の太平洋戦史トリロジー、遂に完結――。

第一部、第二部に続き、5年の執筆期間を費やして描き切られた、太平洋戦争最後の1年間。あまりに巨大かつ濃密なドラマが、かつてなかった戦史の掉尾を飾る。

太平洋戦争はその最終盤においては、初期よりもはるかに大規模に、そしてはるかに政治的になっていた。真珠湾、ミッドウェイ、ガダルカナルといったそれぞれの海戦戦記だけでは決してわからない、終戦に向かう巨大なうねりを可視化するには、本書が描き出す無数の人々の群像劇が必要不可欠だった。

それを象徴するエピソードが、本書上巻冒頭で描かれる、1944年7月のホノルル戦略会議である。この会議は、これまでの歴史書や伝記ではなおざりにされてきた。
しかし著者は新資料に基づいてこの会議の内実を余すところなく描写する。フィリピン解放を主張する陸軍・マッカーサー、台湾攻撃を支持する海軍・キング。そして前例のない4期目をめざす大統領選出馬を表明したばかりのローズヴェルト。

海軍と陸軍の縄張り争い、国内政治の綱引き、アジアの新勢力図をにらんだ国際政治――日本をどうやって降伏させるかは、単なる軍事的な問題を超えて、微妙な思惑が交錯する政治イシューになっていた。
ともあれ、多くの人々の運命を飲み込む決断は下された。そして動き出した奔流のなかで、ニミッツ提督はミンダナオ島を迂回してレイテを攻撃するという劇的な大転換を決意。それに対し、超戦艦武蔵と大和を擁する栗田提督は、レイテ侵攻に全力で対抗する動きを見せる。
太平洋戦争最後の艦隊決戦の幕が上がろうとしていた――。

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  • 太平洋の試練 レイテから終戦まで 上
    2,800円 (税込)
    史上最大の海の戦いは悲劇のクライマックスへ。 前人未踏の太平洋戦史トリロジー、遂に完結――。 第一部、第二部に続き、5年の執筆期間を費やして描き切られた、太平洋戦争最後の1年間。あまりに巨大かつ濃密なドラマが、かつてなかった戦史の掉尾を飾る。 太平洋戦争はその最終盤においては、初期よりもはるかに大規模に、そしてはるかに政治的になっていた。真珠湾、ミッドウェイ、ガダルカナルといったそれぞれの海戦戦記だけでは決してわからない、終戦に向かう巨大なうねりを可視化するには、本書が描き出す無数の人々の群像劇が必要不可欠だった。 それを象徴するエピソードが、本書上巻冒頭で描かれる、1944年7月のホノルル戦略会議である。この会議は、これまでの歴史書や伝記ではなおざりにされてきた。 しかし著者は新資料に基づいてこの会議の内実を余すところなく描写する。フィリピン解放を主張する陸軍・マッカーサー、台湾攻撃を支持する海軍・キング。そして前例のない4期目をめざす大統領選出馬を表明したばかりのローズヴェルト。 海軍と陸軍の縄張り争い、国内政治の綱引き、アジアの新勢力図をにらんだ国際政治――日本をどうやって降伏させるかは、単なる軍事的な問題を超えて、微妙な思惑が交錯する政治イシューになっていた。 ともあれ、多くの人々の運命を飲み込む決断は下された。そして動き出した奔流のなかで、ニミッツ提督はミンダナオ島を迂回してレイテを攻撃するという劇的な大転換を決意。それに対し、超戦艦武蔵と大和を擁する栗田提督は、レイテ侵攻に全力で対抗する動きを見せる。 太平洋戦争最後の艦隊決戦の幕が上がろうとしていた――。
  • 太平洋の試練 レイテから終戦まで 下
    2,800円 (税込)
    かつてない太平洋戦史トリロジー、いよいよフィナーレへ。 連戦連勝の虚報の裏で、特攻隊の悲劇がはじまり、日本国民の士気は失われてゆく。一方、銃後のアメリカは未曾有の戦時景気に湧き、大量の飛行機が生産されていた。 日本を降伏に追い込むには、これらの飛行機で本土を直接空襲し、戦意をさらに削り取ることだ。だがそれには本土までの飛行を可能にする飛行場が必要だ。かくして、硫黄島の地獄の攻防戦がはじまった。 その少し前、マッカーサーが奪回を宣言したマニラでは、残存日本軍が狂気の殺戮を繰り広げていた。 本土空襲は可能になったもののいまひとつ成果があがらないなか、この残虐行為がルメイの夜間無差別爆撃への転換を正当化し、東京大空襲が実行された。 そしてついに沖縄上陸作戦がはじまり、日本海軍は名誉のためだけに最後の艦隊を出撃させる。援護する航空兵力も皆無、なすすべなく海の藻屑と消える巨艦大和。敗北が不可避なことは日本軍高官の誰もがわかっていたにもかかわらず、曖昧な権力構造が合理的な決断を妨げていた。 果たして日本をどう降伏させればいいのか。実はトラブルの連続で薄氷を踏むように投下された長崎の原爆、そして野望をむき出しにするソ連とのポツダム会談。軍事的には事実上勝敗は決していたが、アメリカ内部では終戦に向けていよいよ様々な思惑が渦巻いていた。 なぜ、負けたのか。 日米双方が体験した、太平洋の試練とは何だったのか。 アメリカ人著者だからこそ渉猟できた膨大な米国側資料から、私たちにまったく新しい視点を提示し、大いなる問いを投げかける巨弾戦史が、沖縄返還50周年の年に完結する――。

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太平洋の試練 レイテから終戦まで 上 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    イアン・トール著『太平洋の試練』は、太平洋戦争を主としてアメリカ側の視点から描いた大著である。三部作の第三部にあたる『レイテから終戦まで』は上下二分冊で、本書はその上巻。サイパン、グアムなどマリアナ諸島をアメリカに奪われ、日本の敗色が決定的となった時期から、終戦までの戦いを描いている。
    上皇ご夫妻も慰霊の旅に訪れたパラオ・ペリリュー島での、日本軍による玉砕覚悟の激闘。日本本土攻撃への足がかりとして台湾攻略を目指すか、それともマッカーサーの悲願であるフィリピン奪還を優先するかをめぐる、アメリカ軍内部の激しい攻防。そして、日本の連合艦隊が最後に組織的な戦闘を行ったレイテ沖海戦と、神風特別攻撃隊による特攻作戦の始まり。
    詳細な資料をもとに描かれるイアン・トールの戦場描写は圧巻である。
    さらに本書の魅力は、人物描写の巧みさにもある。フランクリン・ルーズベルト大統領とマッカーサーの確執。アメリカ太平洋艦隊の指揮をめぐるスプルーアンスとハルゼーの激しいライバル関係。当時、同じ太平洋艦隊をスプルーアンスが率いると第五艦隊、ハルゼーが率いると第三艦隊と呼び分け、二人が交代で指揮を執る体制がとられていた。性格が正反対のこの二人の提督の対比が実に面白い。
    そして、ハワイのオアフ島から全体を統括したアメリカ太平洋艦隊司令長官チェスター・ニミッツ。その冷静沈着な人間像も印象に残る。
    特に興味深いのは、ルーズベルト大統領の「タヌキ親父」的なしたたかな政治的行動、マッカーサーの目立ちたがり屋な性格、そして従軍記者を巧みに利用してアメリカ国内での人気を高めようとする数々のスタンドプレーである。
    一方、冷静沈着なスプルーアンス、面倒見がよく男気のある一方で、レイテでは大きな判断ミスを犯してしまうハルゼー。それぞれの人物が、イアン・トールの筆力によって実に生々しく描き出されている。
    戦場で繰り広げられる激闘だけでなく、戦争を動かした人物たちの人間臭さまで楽しむことができ、長大な戦史でありながら、飽きることなく読み通すことのできる一冊である。

    0
    2026年07月30日

    Posted by ブクログ

    アメリカ側の視点で見た太平洋戦争。 全6巻シリーズの5、6冊目の完結編。上巻はガダルカナル後からレイテ沖海戦まで、フィリピン戦も含む。 下巻はレイテ海戦後から沖縄戦、本土攻略、終戦までを描く。 上巻の前半はアメリカの政治的な話が多かったが、後半は日本の戦史本では読んだ事が無い様々なエピソードや出来事が詳細に考察されていて、大変面白かった。 日本側の戦史本では、米軍が物量と作戦で日本を圧倒したような記述が多いけれど、実は米軍も指揮官の判断ミスや失敗、予想外のことが起きていて、相当苦労しながら戦っていたらしい。 日本の陸海軍の仲が悪かったのと同様に、米軍も陸海軍の仲は良くなかった。 上級の指揮官のうち、誰が主導権を握るかで政治的な駆け引きがあったりして、日本軍と同じような状況だった。 レイテ海戦の栗田中将の謎の反転は有名な話だが、著者の考察には納得する部分が多かった。 つまり栗田中将のトラウマが原因であり、本当は特攻作戦だったが、現場は全く承知していなかったことなど。また日本の戦史本にはあまり出てこないフィリピン戦の状況も詳しく書かれている。下巻では台風でアメリカ艦隊に被害が出ていた話、台湾侵攻を中止した話、九州侵攻のオリンピック作戦や関東侵攻のコロネット作戦なども紹介されていた。 下巻のハイライトは、戦艦大和の沖縄特攻、沖縄戦と日本本土空襲、原爆までの話。政治的、大局的な話から沖縄戦、広島長崎の市民の声まで緻密に取材されていて、大変読み応えがあった。 日本と米国のそれぞれの視点で書かれた歴史を知ると、よりこの戦争が立体的に見えてくる。 戦争は、勝者敗者に分かれるのではなく、どちらも敗者になるのかもと思った。現在進行中のウクライナ戦争も勝者はいないだろう。

    0
    2022年10月07日

    Posted by ブクログ

    三部作の最後は硫黄島、沖縄戦と上陸作戦が描かれる。
    あらためてアメリカの物量と兵站能力に驚かされる。沖縄戦に参加した海軍の艦艇数は1500。そしてそれを支える燃料・弾薬と整備班。
    初めて知ったのは、沖縄戦では海兵よりも海軍の方が犠牲が大きかったってこと。それが特攻の結果だ。それと台風の被害も大きかったらしい。神風は吹いたわけだ。でも1500からすれば、てんでなんだけどね。
    日本軍の奮闘はアメリカにとっては、脅威だった。この結果から、本土上陸作戦前に原爆を使用することになる。軍の犠牲を考慮してだ。アメリカの合理性が怨めしい。

    0
    2022年06月01日

    Posted by ブクログ

    今まで知らなかったアメリカ側についての知識が得られて、おもしろかった。マッカーサー、ハルゼーなどのことが詳しく知ることができた。

    一方で、文書の組み立てが下手。語り口も冗長で読みずらい。
    時折ムダな小話を入れてきて、今何について語られているのか混乱させられる箇所が多い。
    大局的な構成なのに、枝葉末節なエピソードを大きく取り上げる癖もあって、バランスが悪い。

    最後に翻訳の問題点。
    いつも思うのだが、どうしてフィート・ポンドをそのまま使うのか。特にフィートをそのまま使われると全く距離感がつかめなくなる。
    日本人名をちゃんと漢字に直しているんだから、フィートだってメートルに換算し直してくれてもいいはずだ。
    それと、欧米人の著者らしく船の代名詞として「彼女」と使っているが、そこも翻訳するときは「それ」で良いと思う。
    読者に対する思いやりのある翻訳を私はしてほしい。

    0
    2026年03月27日

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