文藝春秋作品一覧

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  • 桃中図 自選短篇集
    4.0
    人生のせつなさ、ふしぎさ 生きること、生かされること。そのせつなさ、不思議さが、よみがえる……。宮城谷昌光が傘寿を迎えて自ら選んだ中国歴史小説の珠玉。 【収録作品】 桃中図 歳月 指 布衣の人 買われた宰相 侠骨記 宋門の雨(単行本・文庫未収録作品) 花の歳月
  • 東南アジア式 「まあいっか」で楽に生きる本
    3.9
    この本は、日本がなんだか辛いな、苦しいなと思っている方のための本です。 野本さんはマレーシアに家族で移住して10年。いまは海外教育や海外移住について書いたコラムやラジオ、講演会で大人気です。 一見不便で給与水準も低いのに、楽しそうな人が多いマレーシアという東南アジアの国。この国で学んだ人生を楽しく暮らす方法を紹介します。 ―ほとんどのことには正解がない ―他人に期待しないと怒らなくて済む ―他人はコントロールできない ―精神のコントロールは自分でする ―白黒つけるのをやめる ―80%くらいの完成度で世の中に出す ―スピードの方が大事 ―他人を助けると自分に返ってくる 日本人は圧倒的に「ちゃんとしなくては」で苦しんでる人が多すぎる。しかし世界を見ると、そこまで厳しく緻密さや正確さは求められていないのです。海外進出する企業や学校教育の現場において、感情をコントロールすることの大切さをユニークな視点で書いたエッセイ。
  • 糖尿病S氏の豊かな食卓
    -
    ある日、糖尿病の数値がガクッと悪くなった。血糖値を下げる努力の仕方が間違っていたらしい。「ああ、これからはご飯がまともに食べられなくなる」と思い悩み、そこから陶芸家S氏のおいしい一日1800キロカロリー料理生活が始まった。糖尿病ならずとも食べたくなるS氏の日常の食とは?その15年の変遷をレシピつきで公開。S氏こと坂本素行は1950年、東京都五日市町(現あきるの市)生まれ。自動車メーカーのデザイナーから、陶芸家に転じる。象嵌や灰釉の作品は、その緻密な技と造形で、現代陶芸家の中でも屈指の斬新さを持つひとり。フツーの「おいしさ」が詰まった一冊。
  • 糖尿病で死ぬ人、生きる人
    -
    血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)に一喜一憂することなかれ――。腎症、失明、壊疽の三大合併症は、薬や手術で治る時代になった。合併症をチェックし、糖尿病の人がなりやすい、がん、心筋梗塞、脳卒中などを早期発見・早期治療すれば、100歳まで生きられる! 目からウロコの最新医療を気鋭の専門医が紹介し「合併症が治る」というミラクルな話を分かりやすく解説した朗報の書。
  • 逃北 つかれたときは北へ逃げます
    3.8
    嫌なことがあった日のストレス解消って? ヤケ食い、フテ寝、買い物とさまざまな発散方法があるけれど、私の現実逃避は「北」へ逃げること。北海道、青森、岩手、宮城からグリーンランドまで、私を待っていたのは自らのルーツを巡るアレコレで……。北を求めた10年間を描いた“逃北エッセイ”。俳優・千葉雄大との特別対談も収録。
  • 逃亡
    4.1
    戦争に圧しつぶされた人間の苦悩を描いた傑作 戦時下の緊迫した海軍航空隊で、若き整備兵が背負った過酷な運命とは? 軍用飛行機をバラせ……その男の言葉に若い整備兵は青ざめた。昭和19年、戦況の悪化にともない、切迫した空気の張りつめる霞ヶ浦海軍航空隊で、苛酷な日々を送る彼は、見知らぬ男の好意を受け入れたばかりに、飛行機を爆破して脱走するという運命を背負う。初期の力作長篇が待望の再登場。 解説・杉山隆男
  • 逃亡者
    3.6
    時効直前で逮捕された「松山ホステス殺人事件」の福田和子をモデルに、魔術師・折原氏ならではの四転五転のトリックが冴える叙述ミステリー。結末を読むのが怖い、大人気「――者」シリーズ! 同僚だった女に持ちかけられた交換殺人の提案に乗り、一面識もないその夫を殺した罪で逮捕された友竹智恵子。だが、警察の不手際から脱走に成功した彼女は、整形手術で顔を造り変え、身分を偽り、逃亡を続ける。時効の壁は15年。DVの夫、そして警察による執念の追跡から、智恵子は逃げ切ることができるのか? 運命の日の朝、驚くべき真実の扉が開く――。
  • 洞爺丸はなぜ沈んだか
    4.7
    昭和二十九年の青函連絡船洞爺丸沈没事故。タイタニックに匹敵する多くの犠牲者を出したこの事故の全貌を、時間の経過を追って克明に再現し、事故の真因にせまる。
  • 遠い勝鬨
    3.0
    江戸幕府の三代将軍・徳川家光の時代に幕政を宰領し『徳川の平和(パックス・トクガワーナ)』の礎を築いた「知恵伊豆」こと松平伊豆守信綱。信綱には我が子のごとく慈しんだ少年・小太郎がいた。小太郎は南蛮医としての将来が嘱望されたが、決して知られてはならない秘密を抱えていた。信綱との固い絆の行方は如何に。やがて二人に最大の試練「島原の乱」が迫りくる――。
  • 遠い接近
    4.3
    松本清張の軍隊経験が垣間見られる数少ない作品! 過去の徴兵検査で第二乙種不合格、そして三十二歳となった今、兵隊にとられることはないと確信していた山尾に、召集令状が届く。この一枚の紙が、山尾のみならず家族の運命までも大きく狂わすことに。古兵の制裁にも耐え復員したが、すべてを失った山尾は、召集令状を作成した区役所兵事係への復讐を誓う――。
  • 遠きにありて
    4.1
    新たなるスポーツエッセイの名作誕生! スポーツ観戦が唯一の趣味の著者が、その悲喜こもごもを温かくも鋭く描いた傑作エッセイ集。 広島出身、カープ愛溢れる作品群も必読! オリンピック・パラリンピック/五輪エンブレム問題/大相撲/ ラグビーW杯/イチロー/WBC/箱根駅伝/大谷翔平/ 伊達公子/高校野球/なでしこJAPAN/北島康介/ 星野仙一/三浦和良/新井貴浩/衣笠祥雄/広島東洋カープ……。 スポーツを、アスリートを見つめて、感じたこと、考えたこと。
  • 遠くて浅い海
    3.9
    人を殺し、その人の生きて来た痕跡まで消してしまう「消し屋」。ひとつ仕事をやり遂げた船旅のおわり、オカマの蘭子と沖縄へ向かう消し屋に、奇妙な依頼が舞い込んだ。ターゲットは若き天才。しかし殺すのでなく、自殺に追い込んでほしいという。若くて健康で金持ちの天才を、どうやって自殺させる? 天才の邸の客となった消し屋が、彼の人生を辿りはじめると、忌まわしくも哀しい記憶がゆっくりと蘇ってきた…大藪春彦賞受賞の傑作。『消し屋A』の続篇。
  • 遠くへ行きたい
    -
    「昭和八年に神田で生れ、浅草の寺で育った。このことが今の僕と、どうかかわりあっているのかが気になる。学童疎開に始まって生活の半分以上が常に旅の暮しになってしまった。このタイトルの中で、下町と、小さな寺の暮しと、旅の中の僕を見つけたい」……。ちょいと町内を歩いてみるのも旅のうちだし、飛行機を乗り継いで6日間で世界一周をするのも、またしかり。出かけては戻ってくる、さまざまな旅に明け暮れる著者が、本音で語る“男の旅”とは……。
  • 遠野伝説殺人事件
    3.7
    早池峰(はやちね)山、カッパ淵、曲り家……。岩手県遠野市の里山を散策する悠々自適の退職者に見えた被害者の足どりは、一体何を意味するのか。奥軽井沢にあるM研究所のHPの掲示板に残された批判のメッセージとは。次々と起きる殺人を被害者の娘は食い止めることができるのか。現代医学の闇を衝いた十津川警部シリーズの傑作。
  • 遠花火  [分冊版]
    -
    十四歳のときの花火大会の夜。憧れのおねえさんとした、初めてのキス――。大学生となった和也は、ひとまわりうえの叔母・紗枝にあの日のキスの理由を問う。 ※この電子書籍には、単行本「MILK」所収の短篇「遠花火」が収録されています。
  • トオリヌケ キンシ
    4.2
    人生の途中、はからずも厄介ごとを抱えることになった人々。 でも、「たとえ行き止まりの袋小路に見えたとしても。根気よく探せば、どこかへ抜け道があったりする。」(「トオリヌケ キンシ」より) 他人にはなかなかわかってもらえない困難に直面した人々にも、思いもよらぬ奇跡が起きる時がある――。 短編の名手・加納朋子が贈る六つの物語。 (収録作品) ・高校に入ってから不登校・引きこもりになってしまったある少年。ある日彼の家に、一人の少女がやってきた。少女はかつて少年に助けてもらってもらったことがあるという――。『トオリヌケ キンシ』 ・「ある形」を見つけてしまう能力以外はごくごく平凡な女子高生。そのふしぎな力を生物の先生は「共感覚」と分析した……。『平穏で平凡で、幸運な人生』 ・やさしかった母がある日豹変、家の中でいじめられるようになってしまったタクミ。つらい日々の救いは、イマジナリーフレンド(想像のお友達)の存在だった。『空蝉』 ・人の顔が識別できない――「相貌失認」の「僕」は、高校入学を機にそのことをカミングアウトする。あろうことかその後「僕」はある女の子から「好きです」と告白される。不思議な始まりの恋の行方は? 『フー・アー・ユー』 ・長く連れ添った夫人を突然に亡くし、気落ちする亀井のおじいちゃん。家の中でひとりのはずが、ある日「座敷童がいる」と言い出した!『座敷童と兎と亀と』 ・前日に高熱を出して受験に失敗した「俺」は、ある場所に引きこもり、自分でコントロール可能な「明晰夢」を見る日々を過ごしている。そんな中で出会った女の子「ミナノ」、彼女は夢だったのか、それとも?『この出口の無い、閉ざされた部屋で』
  • トカイナカに生きる
    3.3
    都心から郊外に向かって人の流れが「逆流」し始めている。 東京都からの転出者数が増える一方で、移住や二拠点生活の希望地に首都圏とその隣接県があがるようになった。 コロナ後の時代では、「下り列車」に揺られて幸せな未来をつくる生活様式こそが新しい生き方だ。 人生や働き方を変える/トカイナカで起業する/ローカルプレイヤーになる/よそ者力を発揮する/有機農業をする/パラレルワークする/古民家生活をする――。 目次 はじめに  第1章 トカイナカで生き方、働き方を変える ─神奈川県鎌倉市、長野県軽井沢町 第2章 トカイナカでローカルプレイヤーになる─千葉県富津市金谷 第3章 トカイナカで起業する─埼玉県ときがわ町 第4章 トカイナカで古民家暮らしをする─千葉県匝瑳市、埼玉県ときがわ町 第5章 トカイナカでよそ者力を発揮する─千葉県いすみ市 第6章 トカイナカを六次化する農業─埼玉県小川町・ときがわ町一帯 終章 この国の再生は地方から
  • 朱鷺の遺言
    4.7
    ニッポニア・ニッポン──日本国を象徴する学名をもつ、哀しいまでに美しい鳥、トキ。かつては日本全土に生息したが、2003年に最後の1羽が死亡、純日本種は絶滅した。トキの保護に立ち上がった人々の軌跡を追った本書は、人間と自然の相克を問い、いのちをいとおしむ心の大切さを説いた不朽の名作であり、記録性の高い貴重なドキュメントである。第30回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
  • ときめく台湾みやげ【bunshun trip e-guide】
    -
    CREA WEBの人気連載が1冊に! これさえあれば台湾みやげは完璧です! 電子書籍ガイドブックシリーズ「bunshun trip e-guide」第3弾は台湾買いもの編! 台湾茶にパイナップルケーキ、自然派コスメにかわいい雑貨まで。 買いもの天国の台湾だからこそ、おみやげはセンスのいいお店で選びたいもの。 そこで、台湾在住20年のコーディネーター&ライターが 台北のとっておきの「アイテム×ショップ」リストをご紹介します。 自分用にも欲しくなること間違いなし! 〈かわいいもの編〉 チャイナシューズも鄭さんのウェアも! 自分みやげの本命ショップ「富錦樹355」 レトロ×モダンな「台湾花磚博物館」のマジョリカタイル柄グッズ 花布やナイロンバッグなどリバイバル雑貨は「來好」へ ほか 〈おいしいもの編〉 台湾最大のオーガニックスーパー「天和鮮物」で買うべきもの 「THREE LEAFS」のリラックスできる台湾茶 バターたっぷり。「but. we love butter」の新感覚パイナップルケーキ ほか 〈よくばり編〉 話題の漢方ブランド「DAYLILY」で美肌を手に入れる 予算500円で買える! リピーターも喜ぶお手軽みやげ ほか
  • 時をかけるヤッコさん
    3.0
    スタイリストの草分けにして現役73歳! デヴィッド・ボウイ、イギー・ポップ、布袋寅泰、忌野清志郎、YMOからももクロまで! ロックをごくごく飲み干した日々を綴る。
  • 徳川家康 弱者の戦略
    4.1
    徳川幕府が250年隠してきた真実を暴く!  信長、信玄、そして秀吉。圧倒的な強者を相手にしてきた家康はつねに「弱者」だった。それがなぜ天下人となったのか? そこには弱者だから取り得た戦略、ライバルからの旺盛な「学び」があった。第一人者が家康の実像に迫る。 はじめに――家康はどうしたのか! 第一章 「境目の土地」三河という運命 第二章 信長から学んだ「力の支配」とその限界 第三章 最強の敵・信玄がもたらした「共進化」 第四章 二つの滅亡 長篠の合戦と本能寺の変 第五章 天下人への道
  • 徳川将軍の側近たち
    -
    徳川幕府の生々しい権力構造がわかる! 約260年続いた江戸時代、将軍、老中などの幕閣、そして側近がいかなる力関係にあったか。代々の側近を通して見えてくる幕府政治。
  • 特撮家族
    3.7
    THE ALFEE高見沢俊彦の小説第3弾! 戦国武将を愛する“レキジョ”の田川美咲。兄は特撮映画オタクで、妹は変身ヒーロが大好き。神道学者の父は怪獣フィギュアの収集家で、田川家にはフィギュアが溢れている。 美咲に恋のチャンスが到来かと思いきや、父が急逝し―― 恋×特撮×神様(!?) THE ALFEE高見沢俊彦が贈る、家族の物語
  • 特殊詐欺と連続強盗 変異する組織と手口
    3.7
    ワルとカネのクロニクル ネット上で実行部隊を集め、海外の拠点からITを使って 詐欺や強盗を行なわせる―― こうした犯罪グループは、突然、出現したわけではない。 地上げ、ヤミ金融から最新の匿名犯罪まで、 長年、アウトローと経済事件の取材を重ねてきた著者が、 変異し続けるワルとカネの実態を暴く! 【目次】 序章 「デフレ型犯罪」としての特殊詐欺と連続強盗 第1章 ルーツとしての五菱会事件 第2章 バブルと地上げ 第3章 総会屋から企業テロまで 第4章 ヤクザマネー包囲網とITバブル 第5章 関東連合の六本木進出と半グレの準暴力団化 終章  特殊詐欺はどこへ向かうのか
  • 督促OL 修行日記
    4.1
    「今度電話してきたら、ぶっ殺す!!」。1時間60本ノルマの電話をすれば、怒鳴られ、脅され、泣き落とされ・・・。人見知りで話しベタで気弱なOLが、年間2000億円の債権を回収するまで。日本一つらい職場で生き抜く技術。自分に向いてない仕事やストレスフルな仕事をする全ての方に読んでほしい本。
  • 特派記者ドッポ 1
    完結
    -
    これぞ「文春砲」の原点!? 週刊誌の内幕を完全漫画化! 週刊事実の新米記者、藪独歩が、事件取材を通して、ジャーナリズムの面白さに目覚めていく。知られざる週刊誌編集部の内幕、海千山千の特派記者たちの群像を、リアルなタッチで描く意欲作。
  • 徳光流生き当たりばったり
    -
    国民的名司会者の、80歳にしてますます楽しくなる人生お気楽術! コミュニケーションの達人、徳光和夫80歳。人生のコツは非まじめ、でも一生懸命! 長嶋茂雄、美空ひばりとの交流ほか、芸能界の生き字引が語る。
  • 秋葉断層
    3.5
    27年前の轢き逃げ事案、あれは〈殺し〉だったのか? 電気街・秋葉原に眠る“ある一族の秘密”が、時を経ていま目覚める―― 警察小説の巨匠・佐々木譲が描く未解決事件【コールドケース】 ◆あらすじ 1997年10月、神田明神下の路地で起こった轢き逃げ事案。被害者は秋葉原【アキバ】に根を下ろす一族経営の電器店の常務だった。 未解決のままだったこの事案に、2024年11月、〈殺し〉の可能性が浮上する。 警視庁捜査一課特命捜査対策室の刑事・水戸部と、地元・万世橋署の“やる気のない年上部下”柿本のバディは、電気街の歴史をかき分け真実をつかめるのか!? 主演・松重豊でドラマ化も果たした〈特命捜査対策室〉シリーズ、待望の最新刊! ◆シリーズ既刊 『地層捜査』 『代官山コールドケース』 (ともに文春文庫刊)
  • トコとミコ
    3.9
    6歳から96歳まで、歴史に翻弄された二人のヒロイン。 伯爵家の令嬢・燈子と、遊び相手に選ばれた使用人の娘、美桜子。 ふたりはトコとミコと呼び合い、友情を育みながら、大人への階段を上っていく。 だが、終戦を境に伯爵家は没落、才気煥発な美桜子は実業界で成功し、燈子とその家を支えていく。 時に慈しみ、時に妬み傷つけ合いながらともに歩んだふたりの90年を描く、感動の大河ロマン! ※この電子書籍は2016年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 都市伝説セピア
    4.1
    人間の怖さ、哀しさを描いた、直木賞受賞作家のデビュー作 自ら“都市伝説”の主人公になろうとする狂気を描く「フクロウ男」、友人を失った少年が時間を巻き戻そうとする「昨日公園」など5篇
  • 年の残り
    3.8
    69歳の病院長が最近しきりに思うのは、遠い若き日々と自らの老い、そして死んでしまった友人知人たち。患者の少年を診るにつけ、その昔縁談のあった少年の美貌の伯母を思い出す。死が淡く濃く支配する、人生の年輪が刻み込んだ不可知の世界を、丸谷才一ならではの巧緻きわまりない小説作法と仄かなユーモアで描き出す、第59回芥川賞受賞作の表題作。他に、「川のない街で」「男ざかり」「思想と無思想の間」の佳作三篇を収録。いずれも小説の醍醐味を味わえる、珠玉の短篇集。
  • 年はとるな
    4.7
    週刊文春好評連載エッセイ ワハハと笑って、フムフム考えて、日々悩む これぞ、究極のアンチエイジング!? 若いつもりがいつの間にか年をとり、気になるのは日常生活のあれこれ。 「引きこもり予防法」「人は見た目が10割」「人工知能に対抗するには」「笑いは不謹慎か」「手紙の伝わり方」「毒の効用」など、笑って、考えて、悩むうちに刻まれる顔の皺のかわりに得るものとは――。 哲学的思考で大笑いの脳トレ60篇。 ツチヤ教授が指南する究極の若返り法がいっぱい?の文庫オリジナルエッセイ集。
  • 図書館の外は嵐 穂村弘の読書日記
    4.1
    カーテンの向こうは、激しい雨と風と稲妻。 でも、平気。 だって、私はここにいる。 ――穂村弘の心を捉えて離さない本たち。 「週刊文春」の好評連載「私の読書日記」3年間分を書籍化。 エッセイや評論、絵本や翻訳など幅広く活躍している、歌人・穂村弘が、 絵本、歌集や句集、名作文学に、ミステリ、SF、漫画…… 幅広いジャンルから選ばれた本を丁寧に読み解きます。 【本書で紹介される本たち】 登場人物が三人のミステリー、『ポーの一族』の四十年ぶりの新作、原民喜の童話、ひと夏の物語、ブローティガンが東京を描いた詩集、『おなみだぽいぽい』という絵本、ひめゆり学徒たちの声、「クラムボン」の仲間たち、『交通事故で頭を強打したらどうなるか?』、異形のライフハック、百年前のディストピアSF、大島弓子の単行本未収録作品……
  • 歳をとるのはこわいこと? 60歳、今までとは違うメモリのものさしを持つ
    4.0
    上手に年を重ねるための「斜めのジャンプ」とは。一田さんの自問自答エッセイ! なんだか心配ごとだらけの 人生後半戦を助けてくれるもの。    *** まっすぐ進んで答えが見つからなかったら、 斜めにジャンプしてみればいい。 それは「新しいものさし」を持って、 怖さや不安を計り直すことなのだ――。 『暮らしのおへそ』編集ディレクター・イチダさんと考える「自問自答」エッセイ 目次 ・年齢や親のことの「こわい」をおさらい ・仕事とお金の「こわい」をおさらい  ・健康の「こわい」をおさらい ・人間関係の「こわい」をおさらい ・「こわい」とさよならする方法
  • 特急ゆふいんの森殺人事件
    3.0
    暗い過去を持つ元刑事の私立探偵のもとに、失踪人捜査の依頼があった。雇っていた女が男といっしょに会社の金を持ち逃げしたというのだ。彼らの足取りを追って九州へ向かう私立探偵を待ち受けていたのは、十津川警部が担当している殺人事件だった。かつて、十津川のもとで腕利きの刑事として働いていた探偵は、温泉地由布院から熊本へと移動したいきさつを語りだす……。風光明媚な土地を舞台に、ふたつの怪事件が交叉して意外な展開を見せる。長篇推理小説の傑作。
  • 特攻 最後のインタビュー
    4.5
    特攻、これだけは伝えたい。 生還した11人からのメッセージ。 多くの“神話”と“誤解”を生んだ特攻。 その真実を知る最後の語り部たちが重い口を開いた。 四式重爆撃機「飛龍」、 百式重爆撃機「呑龍」、 四式連絡艇/四式肉迫攻撃艇「マルレ」、 九七式艦上攻撃機、 九七式戦闘機、 人間機雷「伏龍」、 零式艦上戦闘機、 一式陸上攻撃機、 四式戦闘機「疾風」、 九三式中間練習機。 心ならずも生き残った11人の元特攻隊員のロングインタビュー。 平和を知るために私たちの祖父、そして父たちの熱き想いに耳を傾けよ。 写真・図版多数。
  • 特攻 最後の証言
    4.7
    人間爆弾「桜花」、人間魚雷「回天」、陸軍水上艇「マルレ」、海軍特攻艇「震洋」、水中特攻「伏龍」、零戦、艦攻、襲撃機……。いずれも異なる兵器で彼らが目指したのは「自死」だった。昭和戦中史の一大悲劇として語られる「特攻」に志願し、生き延びた人たちに戦後生まれの若者がインタビューを試みる。果たして特攻に強制はあったのか、命を賭してまで守りたかったものは何か。いずれの証言も深く胸をうつ。戦争を知らない読者のために詳細な注と、写真・図版を収録。特攻を知る上で不可欠の一冊。
  • 特攻とは何か
    4.0
    自爆テロには断じて非ず、あの戦法の真実を描く 太平洋戦争末期に散った若者たち。彼らの悲劇はなぜ生まれたのか? 特攻の生みの親・大西瀧治郎海軍中将たちの苦悩と葛藤を描きだす
  • 特攻の思想 大西瀧治郎伝
    3.0
    「特攻を送った側の論理」に迫る名著。 彼は「統率の外道」と自ら呼んだ特攻作戦をやめなかった。なぜか――。 大西瀧治郎が主導した特攻誕生の背景には、いかなる戦況の変化、軍内部の動きがあり、それは日本人の精神構造とどう関係したのか? 特攻の創始者という汚名を一身に引受け、一言の弁明なしに自刃した大西瀧治郎海軍中将。豪放磊落な「海軍航空隊の第一人者」が戦局悪化の中迫られた選択を明らかにする。 解説・鶴田浩二 ※この電子書籍は1972年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を、文春学藝ライブラリーにて再度文庫化したものを底本としています。
  • 特攻の真意 大西瀧治郎はなぜ「特攻」を命じたのか
    3.5
    神風特攻隊から70年。大西瀧治郎中将は、なぜ「特攻」を命じたのか。「特攻隊の英霊に曰す 善く戦ひたり深謝す」。昭和20年8月16日、大西瀧治郎中将はそう書き遺して自刃した。自ら企図した特攻を「統率の外道」と称しながら、なぜ数多の若者に死を命じなければならなかったのか。生存者の証言をもとに、特攻の父と呼ばれた男の謎に迫る衝撃のノンフィクション!
  • トッド人類史入門 西洋の没落
    4.1
    世界の混迷の起源がわかる! トッド理解の最良の入門書にして、主著『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』を読み解くための最適なガイド。政治学、経済学ではわからない現代の混迷(「西洋の没落」)を人類学が解き明かす。「世界」がそれまでとは違って見えてくる! 世界で物議を醸した仏フィガロ紙インタビュー「第三次世界大戦が始まった」も特別収録。 『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』 ―「21世紀の人文書の古典だ」(佐藤優氏) ―「読めば読むほど味わい深い」(片山杜秀氏) 内容 1日本から「家族」が消滅する日――「家族」の重視が少子化を招く E・トッド 2ウクライナ戦争と西洋の没落――「露と独(欧州)の分断」こそが米国の狙いだ トッド+片山+佐藤 3トッドと日本人と人類の謎――「西洋人」は「未開人」である 片山+佐藤 4水戸で世界と日本を考える――日本に恋してしまった トッド 5第三次世界大戦が始まった――弱体化する米国が同盟国への支配を強めている トッド ●エマニュエル・トッド 1951年生。フランスの歴史人口学者・家族人類学者。国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論により、「ソ連崩壊」「米国発の金融危機」「アラブの春」、さらにはトランプ勝利、英国EU離脱なども次々に“予言”。著書に『老人支配国家 日本の危機』『第三次世界大戦はもう始まっている』など。 ●片山杜秀 1963年宮城県生。思想史研究者・慶應義塾大学教授。著書に『11人の考える日本人』など。 ●佐藤優 1960年東京都生。作家・元外務省主任分析官。著書に『佐藤優の集中講義 民族問題』など。
  • とっぱくれ
    3.0
    喧嘩に明け暮れ、若くして極道の世界に飛び込んだ“とっぱくれ”(はねっ返り者)村上ギイチ。組織内でひたすらてっぺんを目指すが、自分を拾ってくれた兄貴分の美山と「親」である松原の極道者としての生き方に隔たりが見えはじめ、二人の間で微妙な立場に立たされる。「極道者がのしあがっていくのに必要なのはゼニと力。せやけど一番大事なのはハートや。男の気骨を大事にせえ」。正念場でギイチが選んだ道は…! 不器用だがまっすぐに生きる、一人の極道者を描く!
  • とっぴんぱらりの風太郎(上)
    3.9
    忍者×マキメワールドの大大長篇! 伊賀の国をクビになった忍びの者、風太郎。 謎の「ひょうたん」に誘われ運命は流転し始める! 奇才マキメの超絶戦国絵巻、開幕! 天下は豊臣から徳川へ。 度重なる不運の末、あえなく伊賀を追い出され、京でぼんくらな日々を送る「ニート忍者」の風太郎。 その運命は一個の「ひょうたん」との出会いを経て、大きくうねり始める。 時代の波に呑み込まれる風太郎の行く先に漂う、ふたたびの戦乱の気配。 めくるめく奇想の忍び絵巻は、大坂の陣へと突入する!
  • SLやまぐち号殺人事件 十津川警部シリーズ
    -
    SLが乗客ごと消えた! 西村京太郎の絶筆 十津川警部、最後の事件は 壮大にして華麗なトリック! SLやまぐち号の5号車と乗客32人が 走行中に姿を消した。 戸津川は、乗客のうち、 アメリカ出身の経営者に注目する。 彼の会社が何者かに身代金らしき2億円を 支払ったことが判明し、 事件は解決に向かうかと思われた。 だが、その矢先に、意外な場所で乗客の遺体が見つかる。 捜査を進める先には、 「150年の怨念」ともいえる、 歴史の敗者たちの哀しい叫び声が……。 単行本 2022年8月 文藝春秋刊 文庫版 2025年3月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • 石北本線 殺人の記憶 十津川警部シリーズ
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    20年の眠りから覚めた男。 彼が直面する現実と、驚愕の真実とは――。 コロナ禍の北海道で、20年におよぶ人工睡眠から目覚めた松崎公平。 若き銀行頭取としてバブル期に活躍するが、その崩壊で責を問われ、 収監された過去があった。絶望の末に松崎は「コールドスリープ」の 被験体になるが、目覚めると、頼りにしていた元秘書が失踪。 かつての財界仲間も殺されていく。 衝撃の結末を迎えるミステリー。 ※この電子書籍は2021年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 東京オリンピックの幻想 十津川警部シリーズ
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    東京オリンピック失敗の背景には、ある「黒幕」の存在が 「1940年東京オリンピック」はなぜ幻になったのか? 石原莞爾、昭和天皇、アメリカ大統領…それぞれの思惑に十津川警部が迫る! ※この電子書籍は2020年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 十津川警部 陰謀は時を超えて リニア新幹線と世界遺産
    -
    雑誌編集者の若杉誠は、世界遺産の白川郷を取材したが、その裏に別の目的があった。かの地に伝わる秘薬を入手すること。秘薬をめぐる殺人事件まで起き、十津川警部もかけつけた。錯綜する関係をほぐしていくと、リニア新幹線計画との意外な関係が浮かび上がった――。過去と未来がクロスする社会派トラベル・ミステリー。
  • 十津川警部、海峡をわたる 春香伝物語
    2.5
    十津川警部「祭り」シリーズ、遂に電子化! 胸に刺さったサバイバルナイフと死体の顔に描かれた赤い小さな二重丸。「蒼き狩人」と名乗る犯人は、祭を訪れる若い女性に次々と襲いかかる。「ボクもそうでしたから、ハンニンの気持ちはよくわかりますよ」。捜査本部に届いた謎の手紙。差出人の無期懲役囚と対面した十津川警部は、韓国を目指す。「祭り」シリーズ第6弾!
  • 十津川警部 京都から愛をこめて
    -
    平安時代の公卿、小野篁。現世と霊界を自由に行き来したという彼の予言書には「京都に災いが起こる」と記されていた。その予言書の持ち主・高田が十津川のもとを訪れ、忌まわしい来歴について語り、調査を依頼。そして高田は忽然と行方を絶った――。京都で次々と発生する怪事件。予言書との関連は? 悲劇をくい止めるべく、十津川は京都に向かう!
  • 寝台急行「銀河」殺人事件 十津川警部クラシックス
    4.0
    東京―大阪間を9時間強で結ぶ寝台急行銀河。そのA寝台で女性の他殺体が見つかった。容疑をかけられたのは、乗り合わせたサラリーマン、井崎。十津川警部の旧友にして、被害者の愛人だった――。潔白を主張する井崎を、十津川は救えるか? 今はなき寝台急行を舞台にした傑作が30年の時を経て新装版で登場! 解説・寺本光照
  • 十津川警部「友への挽歌」
    4.0
    深夜の電話で叩き起こされた十津川警部。声の主は大学時代の友人・永田だった。生死にかかわる相談がある、と訴える永田の声は突然、二発の銃声とともに途切れた。十津川の耳に残るのは、試射で覚え知ったロシア製のトカレフのもの……。調査をすすめるうちにぶつかる連続殺人。十津川を待っているかのように仕組まれた手口。旧友の安否を気づかう十津川は、北海道、そしてフィリピンへと追跡を続ける。第一人者による長篇トラベル・ミステリー。
  • 隣りの女
    3.8
    夫の給料をつましくやり繰りして、家事と内職で毎日が過ぎていく平凡な主婦に訪れた恋。“人妻の恋の逃避行”(そして、気になるその後)をあざやかに描いた表題作。家族のために頑張って、気がついたらそろそろ30歳…な主人公の微妙な恋心を衝いた「幸福」と「胡桃の部屋」。大人になって出会った異母兄弟の愛憎をえがく「下駄」。突然の飛行機事故により、向田邦子の絶筆となった「春が来た」。いずれも読んだら忘れられなくなる、まさに珠玉の5篇。
  • となりの猫の晩ごはん 簡単レシピつき写真エッセイ集
    4.0
    「ニャ~ニャ~、ごはん、まだ?」「ウ~ン、君におねだりされると参っちゃう!」好物はママ猫のおっぱい、おひさまぽかぽかひなた水、カニカマ金魚ゼリー、いわしのつみれマウス……ついでにヒト用おとりわけレシピも揃えた安心・ハッピーな猫ごはん15種紹介。大猫チビ猫総勢100匹のウレシイお顔や、ぽんぽこお腹の寝姿写真と猫まんまばなし20篇を併録。簡単レシピつき、写真エッセイ集!(写真=猫専門のキャトグラファー・板東寛司 文=猫エッセイスト・荒川千尋) ●猫のための手作りごはんレシピ(抜粋) カニカマ金魚ゼリー/つみれマウス/ピサのじゃこ塔/猫舌ホットミルク/ハートのサーモンムース/またたびマティーニ風/ビッグカリカリドリーム/ことことチキンスープ/ベジタリニャンサラダ/ささみ小判/正調おかかごはん
  • とびきり小さなお馬さん そらまめ
    -
    長野県佐久市のスエトシ牧場で、2015年4月7日に誕生した、ミニュチアホースの女の子「そらまめ」ちゃん。 もともと小さいミニチュアホースの中でもひときわ小さく生まれた「そらまめ」ちゃんは、ネット上で「めちゃかわいい」「犬より小さい!」と大きな話題となり、yahoo! ニュースで紹介されると、アクセスランキング1位に! テレビにも出演し、牧場のアイドルとなった「そらまめ」ちゃんが、大きなサラブレッド、カピバラ、ラマ、ミニブタ、ヤギなど牧場の仲間たちと遊んだり、お母さんに甘えたり、お花畑を散歩したり、お昼寝したり……。 小さな体で元気いっぱいに生きている「そらまめ」ちゃんの愛くるしいショットが満載。 眺めていると思わず笑顔になる写真集です。
  • 千両花嫁 とびきり屋見立て帖
    3.5
    京で屈指の茶道具屋の娘・ゆずと奉公人の真之介は、駆け落ち同然で夫婦となり、道具屋「とびきり屋」を三条木屋町に開く。そこでは近藤や芹沢、龍馬がお客にやって来ては、騒動が起こり……。混乱する幕末の京を舞台に、“見立て”と“度胸”で難題を乗り切ってゆく夫婦を描く「はんなり」系痛快時代小説。
  • 扉守 潮ノ道の旅人
    3.7
    古い井戸から溢れだす水は≪雁木亭≫前の小路を水路に変え、月光に照らされ小舟が漕ぎ来る。この町に戻れなかった魂は懐かしき町と人を巡り夜明けに浄土へ旅立つ(「帰去来の井戸」)。瀬戸の海と山に囲まれた町でおこる小さな奇跡。著者の故郷・尾道をモデルとし、柔らかな方言や日本の情景に心温まる、ファンタジックな連作短篇集。広島の魅力を描いた本を、地元書店員が中心になって選ぶ賞として立ち上げた広島本大賞、第1回受賞作。
  • 跳ぶ男
    4.1
    切り立った岩の上で独り稽古を積む、藤戸藩お抱えの道具役(能役者)の長男・屋島剛。15歳の剛は、急逝した藩主の身代わりとして江戸城に送り込まれた。「能」を使った秘策によって、貧しい藩は生き延びることができるのか。 藩の命運を握った剛は、「想いも寄らぬことをする」決意をした――。 天保年間の土地も金もない弱小藩を舞台に、ひとりの少年武家が辿る過酷な運命が、圧倒的リアリティを通して描かれる。 謎と謀(はかりごと)、美と畏れ。研ぎ澄まされた文章と壮大なる謎、唯一無二の武家小説! 「弱冠十五歳の少年が、柳営の棟梁たる将軍に対して、己の能の技量のみを武器に文字通り徒手空拳で命がけの闘いを挑む。しかも与えられた期間は、わずか七ヶ月しかない。これぞまさにミッション・インポッシブル 」  ――川出正樹 (解説より) ※この電子書籍は2019年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 飛ぶ孔雀
    3.8
    三冠達成の傑作幻想小説! ・第69回芸術選奨文部科学大臣賞受賞 ・第39回日本SF大賞受賞 ・第46回泉鏡花文学賞受賞 ジャンルの概念を超えた驚くべき物語。 * * * シブレ山の石切り場で事故があって、火は燃え難くなった。 シブレ山の近くにあるシビレ山は、 水銀を産し、大蛇が出て、雷が落ちやすいという。 真夏なのに回遊式庭園で大茶会が催され、 「火を運ぶ女」に選ばれた娘たちに孔雀は襲いかかる。 ――「I 飛ぶ孔雀」 秋になれば、勤め人のKが地下の公営浴場で路面電車の女運転士に出会う。 若き劇団員のQは婚礼を挙げ、山頂の頭骨ラボへ赴任する。 地下世界をうごめく大蛇、両側を自在に行き来する犬、男たちは無事に帰還できるのか? ――「II 不燃性について」
  • ともえ
    -
    源平から元禄。時空を越えたファンタジー 近江義仲寺で運命的な出会いをした松尾芭蕉と智月尼。 最晩年の芭蕉のプラトニックな関係と、巴御前との魂の交感を描く歴史時代小説。 大津にある義仲寺、その境内にある巴御前の塚に額ずく一人の尼に、 声を掛けたのは旅の途中の松尾芭蕉であった。 そして芭蕉最後の恋が始まるのだった。 その尼・智と芭蕉の淡い恋に、遥か五百年の時空を越えて 巴御前と木曾義仲の縁が美しく絡む。 近江と鎌倉を、そして過去と今を往還する純愛ファンタジー。 解説・島内景二
  • トヨタ・GM 巨人たちの握手
    3.0
    1980年代の初め、日米貿易摩擦の緊張が高まるなか、トヨタは決断を迫られていた。日本のローカルメーカーで終わるか? 米国に進出するか? 世界一の自動車メーカー、GMも、小型車の開発で頭を痛めていた。トヨタとGMが生き残る道は、合従連衡しかない。私心を捨て、極秘で動くひとりの男。トヨタは、GMをパートナーに選び、米国で小型車の共同生産を決断した。そして、それは「トヨタ一人勝ち」の始まりだった。ビジネス・ノンフィクションの傑作。
  • トヨタ生産方式の逆襲
    4.2
    不朽の「カンバン方式」、これが真髄だ! ジャスト・イン・タイムが鉄則のトヨタ生産方式を正しく運用すれば、儲かる会社に必ずなる! カンバン方式の生みの親・大野耐一氏の右腕だった父の薫陶を受け、親子2代でトヨタ生産方式の伝道者となった著者でしか書けなかった「秘中の秘」のメソッドを初公開する! 第1章 「常識」を疑い、パラダイムを変えよ 第2章 「タイミング」を売れ! 第3章 顧客ニーズと生産体制のマッチ 第4章 「サラダ理論」で需要予測とオサラバしよう! 第5章 ホワイトカラーという「魔物」 第6章 下請けを巻き込んで効率的なモノ造り 第7章 短納期こそ最大の顧客満足
  • トヨタ 中国の怪物 豊田章男を社長にした男
    4.3
    トヨタ最大の秘密を知る男の「告白」 企業人の“業”を描く児玉博さんの今作は、トヨタの中国事務所総代表だった服部悦雄氏が主人公です。服部氏は、「低迷していたトヨタの中国市場を大転換させた立役者」であり、「トヨタを世界一にした社長、奥田碩を誰よりも知る男」であり、何より「豊田家の御曹司、豊田章男を社長にした男」として、自動車業界では知る人ぞ知る人物。トヨタをモデルにしたベストセラー小説『トヨトミの野望』の作中にも、服部氏は「中国の怪人」として仮名で登場します。 服部氏は戦争中に生まれ、27歳まで家族とともに中国にとどまりました。文化大革命では、原生林での強制労働など、日本人ならではの苦難を体験します。 帰国後、トヨタに入社。アジア地域の担当を命じられ、トヨタ中興の祖である豊田英二と上司の奥田碩の目に留まり、服部氏はみるみる頭角を現します。 実はトヨタは、中国への進出が遅れたために中国政府から自動車生産の許可が下りず、90年代に世界の他メーカーに大きく引き離され、ドン底の状態に陥っていました。奥田碩会長は、創業家御曹司の豊田章男を中国本部本部長に据え、中国市場の建て直しを命じるのですが、そこには章男が失敗すれば、豊田家をトヨタの経営から外すことができる、という奥田の深謀遠慮がありました。そこで、豊田章男が頭を下げたのが服部氏でした。奥田の最側近でもあった服部氏は、トヨタ中国事務所総代表としていかなる決断を下したのか……。 服部氏の初のロングインタビューを元に、トヨタの中国進出と、豊田家世襲の内幕を赤裸々に描いた圧巻のノンフィクションです。
  • 寅右衛門どの 江戸日記 芝浜しぐれ
    3.0
    越後四条藩主の影武者を務めていた与多寅右衛門は、人情あふれる駒形そこつ長屋の面々とすっかり打ち解けた。海産物問屋の老妻の記憶を取り戻す手助けをし、仲間の恋の橋渡しをする。八面六臂の活躍を見せる寅右衛門に、大身の旗本から仕官の話が持ち込まれるが――。古典落語を下敷きにした痛快シリーズの第2弾!文庫書き下ろし。
  • 寅右衛門どの 江戸日記 千両仇討
    -
    越後四条藩で影武者を務めていた与多寅右衛門は、一橋家の元家老・飯田能登守易信の推挙で武蔵滝山藩主にして若年寄の座に就いた。江戸と甲州をつなぎ「桃源郷」と呼ばれる美しいと土地だが、石高は貧しい。そんな小藩に金鉱が発見され、寅右衛門の首を狙う賊が現れ、さらには謎の女の暗躍も――。古典落語に材を取った人気シリーズ大波乱の第4弾!
  • 寅右衛門どの 江戸日記 大名花火
    3.0
    駒形そこつ長屋に起居する与多寅右衛門。かつて越後四条藩主の影武者を務め、町の事件を次々と解決する彼のもとに、碁敵として謎の男が通いつめる。小柄で白髪、前歯の欠けた素性の知れぬこの老人、なにやら思惑があるようだ。幕閣の政争にも巻き込まれ、寅右衛門の身に大きな変化が――。 絶好調シリーズ、急展開の第3弾。文庫書き下ろし。
  • 寅右衛門どの 江戸日記 殿様推参
    3.0
    人情時代劇を得意とする井川香四郎氏による文庫書き下ろしシリーズ 「寅右衛門どの 江戸日記」の第5巻にして完結編。 時は老中・松平定信の頃。 江戸の長屋にフラリと現れ居候となった「自称・改易された元お大名」の与多寅右衛門が、茫洋たる立ち振る舞いと、見掛けに似合わぬ腕っぷし、どこから知恵が出てくるの?という突拍子もない奇策で、長屋にまつわる大事件、小事件を解決していく痛快人情噺……と思いきや、物語は度重なる急展開。 実は寅右衛門は越後四条藩の殿様の「影武者」であったと判明。 とはいえ殿様同様の教養と武芸を身に着けた寅右衛門の活躍は江戸の評判になり、旗本から仕官の話が舞い込んだり、元の藩からの刺客に狙われたり。 やがて幕府の大物に見込まれ、なんと幕府の「若年寄」に抜擢、それに伴い武蔵滝山藩の藩主、つまり「本物の殿様」になってしまった、というのが前回までのお話。 最終巻でも、庶民に味方し理想を語る「型破りな若年寄」ぶりを発揮する寅右衛門だが、その行く手には「改革老中」を気取りながら増税ばかりを考える出世主義の上役、財政再建の「妙手」を引っさげ幕政に食い込もうとする胡散臭い事業家、財源もなしに大胆な救民政策を打ち出す野心家の勘定奉行……と、次々に難題が立ち塞がる。 さらに江戸の子供がさらわれる誘拐事件、消えた身代金、その裏に潜む幕閣内の抗争。 寅右衛門は、長屋時代の仲間たちの助けを借りて難敵に立ち向かう寅右衛門だが、そこに謎の女の影が!? 最終巻は、謎あり、活劇あり、人情あり、恋(?)ありと盛り沢山。 落語ファン、時代劇ファン、そして硬派な歴史ファンも楽しめること間違いなし。 寅右衛門どのの物語は、大団円を迎えることができるのか? 【目次】 第一話 月夜に提灯 第二話 流雲の如く 第三話 逢魔が富 第四話 殿様推参
  • 寅右衛門どの 江戸日記 人情そこつ長屋
    3.0
    古典落語に材を取った、待望の新シリーズ! 駒形の長屋に、容貌魁偉にして博学だが、過去の記憶がないという侍が住み着いた。町の騒動を次々に解決するこの男の正体とは?
  • トラジェクトリー
    3.9
    第173回芥川賞候補作 英会話教師として日本で就職したブランドンは、アポロ11号の月面着陸計画の記録を教材に、熟年の生徒・カワムラとレッスンを続ける。 やがて、2人のあいだに不思議な交流が生まれていく。 日本に逃げたアメリカ人と、かつてアメリカに憧れた日本人。 2人の人生の軌道<トラジェクトリー>がすれ違う時、何かが起きる―― アメリカ出身の作家が端正な日本語で描く、新世代の「越境文学」 ニューオーリンズにフォークナーと小泉八雲の残影を見る珠玉の短編「汽水」併録
  • とらちゃん的日常
    3.9
    おれは猫を飼うに値しない人間だ。いままでやった悪業を考えると、そう思う。とらちゃんは今、オレのベッドで丸くなって眠っている。うっとりと目をとじて。たおやかな峰のような背中。ときどきぴくりと動く耳。丸まった足の裏からのぞいている肉球。おれの無口なペン先ではとても描写できないほどとらちゃんは愛らしい。彼女がおれの罪を洗い流してくれるのかもしれない……。鬼才・中島らもが愛猫に捧げるエッセイ集。カラー・モノクロの写真を全67点も収録!
  • トラッシュ
    3.9
    人を愛した記憶はごみ(トラッシュ)のようには捨てられない。それがどんなに苦しんだ記憶でも。黒人男性・リックに恋をし、彼の連れ子のジェシーとぶつかりながらも、三人で暮らす日本人のココ。しかし、ココから逃げるように、リックは毎晩酒びたりになる。献身的に彼に尽くすココ。だが、求めれば求めるほど彼は遠くなる……。愛し合っているのに、なぜお互いを傷つけてしまうのか? 人を愛することの奥深さと幸福を再確認させてくれる著者渾身の長篇。女流文学賞受賞。
  • フルスロットル トラブル・イン・マインドI
    4.0
    ドンデン返しの魔術師、第三短編集。ライム、ダンス、ペラム総出演の豪華上下巻、まずはI巻が降臨です!  看板シリーズの長編はもとより、短編の名手でもあるディーヴァー。「このミス」2位となった第一短編集『クリスマス・プレゼント』、第二短編集『ポーカー・レッスン』は、それぞれ「Twisted」、「More Twisted」なる原題どおりのドンデン返しの連打で読者を快感の渦に巻き込んだ。  8年ぶりの第三短編集はさらにパワーアップ。リンカーン・ライム、キャサリン・ダンス、ジョン・ペラムと、ディーヴァーの看板スターが次々登場し、長編とも趣の違う快速ぶりでまさにフルスロットルの攻防を繰り広げる!  ダンスが緊迫の尋問合戦で爆弾魔に挑む表題作、ライムの科学捜査が逆手に取られる「教科書どおりの犯罪」、帰ってきた流浪のロケハンスカウト、ペラムの「パラダイス」と、ディーヴァー・オールスターに加え、NYのうらぶれた私立探偵、ポーカー勝負のリアリティ番組に再起を懸ける中年俳優など、魅力的かつ一癖あるメンバーが逆転劇に次ぐ逆転劇を猛スピードで駆け抜ける、息もつかせぬ読書体験。  この人騒がせ(トラブル・イン・マインド)な連中は、必ずやあなたの予想を裏切ることだろう――。
  • トランプ
    4.4
    ◆初めて明かされる国盗り物語の全貌◆ これまで数々のスクープで世界中に衝撃を与えつづけてきたワシントン・ポスト紙が、 3か月にわたって20人以上の記者を投入し、 これまで1度も選挙の洗礼を受けていないトランプの全人生を徹底取材! 発売直後、英ガーディアン紙をはじめ、欧米の各紙が一斉に取り上げる一方、 トランプ氏本人は本書について「Don’t buy, boring!(買うな、退屈な本だ!)」と、 自身のTwitterで不買運動を呼びかけた。 ・マンション群に黒人を入居させなかったとして「人種差別罪」で訴追されている。 ・マライア・キャリーやダイアナ妃と「やりたい」「自分ならやれた」とラジオで公言。 ・3度目の結婚の際にヒラリー・クリントンを招待、ヒラリーは最前列で出席。 ・1999年から2012年まで7回、党籍を変える。民主党、共和党、改革党。 ・トランプは100億ドル以上の純資産を持つと主張するが、実際には10分の1以下。 ――など、数々の知られざる事実が明らかになる!
  • トランプ「ロシアゲート」疑惑の追及はどこまで進むか【文春オピニオン 2018年の論点SELECTION】
    -
    物議を醸しつつも自らが掲げた「アメリカファースト」の政策を推し進めるトランプ大統領。そのアキレス腱となっているのが「ロシアゲート」疑惑だ。その追求の手は現職大統領に及ぶのか。国際ジャーナリストが考察する。※「文藝春秋オピニオン2018年の論点」掲載記事を再編集して電子書籍化。
  • トランプ ロシアゲートの虚実
    -
    「ポスト真実」時代の情報戦の勝者は? 連日、けたたましく世界を騒がすトランプ大統領。 あまりにもめまぐるしい“トランプ劇場”だが、 その底には「ロシアゲート」疑惑の暗い河が流れ続けている――。 読売新聞アメリカ総局長が、気鋭のロシア研究者とともに、 稀代の大統領スキャンダルの実態に切り込む。 トランプ周辺とロシアマネーとの深い関わり、 反トランプ陣営の抱える問題、 さらにはロシアの対米情報工作の実態がついに浮き彫りとなる! 日本のメディアでは見えてこない「疑惑」の実態 〇大統領VS.諜報機関の熾烈なバトル 〇トランプの弾劾はあるか? 焦点は「司法妨害」 〇信ぴょう性が疑われる「トランプ・ファイル」 〇反トランプ陣営も抱える「疑惑」 〇何が「真実」か? 米ロサイバー情報戦の最前線 〇「ピザゲート事件」 現実を侵食するフェイク 〇「2020年トランプ再選」の可能性は?
  • とりあえず、本音を申せば
    3.7
    暗いコロナ時代にも楽しみを コロナはこわいが、家にも楽しみはある。BSプレミアムの映画特集、トランプ大統領の本、喜劇人志村けんの面白さ。名コラム最新刊。
  • トリダシ
    3.0
    「とりあえずニュースを出せ」 東西スポーツで、スクープを連発し異彩を放つ一匹狼の野球面デスク・鳥飼義伸。 異常ともいえるほどスクープに飢えたその姿勢、編集局長から新人まで関係なく叱り飛ばす尊大な態度……。 周囲の人たちは、彼の口癖にひっかけて軽蔑と畏敬の念を込めて「トリダシ」と呼ぶ――。 各球団の人事情報にまで口をだし「影のGM(ゼネラルマネージャー)」と呼ばれ、他紙から恐れられる存在のトリダシは、「なぜ、彼はそこまで〈スポーツ新聞〉、そして〈スクープ〉にこだわり続けるのか? トリダシには、以前、上司に煙たがられ、一般紙の社会部に転属した過去があった。 上からは煙たがられ、下からは恐れられるトリダシとは、いったい何者なのか。 そして、トリダシは、なぜ選手や監督の信頼を勝ち取り、かつ安心して口を開かせて、スクープを取りつづけることができるのか。 女性部下、元野球選手の記者、ライバル紙のエース、球団関係者、一般紙時代の過去を知る同僚、デスクなどの視点から、トリダシの実像とともに、丁々発止の知られざるスポーツ記者の世界の裏を炙り出していく連作短編集。 『ノーバディノウズ』でサムライジャパン野球文学賞、『サイレントステップ』で馬事文化賞候補と、玄人筋から絶賛される本城雅人が、満を持して自らの職業だったスポーツ記者ものに挑んだ勝負作。 横山秀夫氏も絶賛! 「この作者は巧みな投手だ。球筋の読めない心理戦に翻弄された。」 解説・内田剛
  • TRICK スティーブ・ジョブズを教えYouTube CEOを育てたシリコンバレーのゴッドマザーによる世界一の教育法
    4.4
    スティーブ・ジョブズを教えた、アメリカ教育界のスーパースターによる 変化の激しい時代を幸せに生き抜くための最高の教育書! 著者・エスター先生は、シリコンバレーで最も有名な教師であり グーグルはじめ一流企業の人事育成も担当している。 その型破りでユニークな教育法=TRICKで育てた3人の娘たちは社会で大活躍。 ・長女 →YouTubeの現CEO ・次女 →カリフォルニア大学医学部教授 ・三女 →バイオベンチャー創業CEOでグーグル創業者セルゲイ・ブリンと結婚 落ちこぼれ生徒もTRICKで生まれ変わり、ハーバード大や一流大医学部に進学。 「タイムマシンに乗って過去に戻れたら、  この本の教えを見習って、もう一度やり直したいです」 (『ファクトフルネス』翻訳者・関美和氏、絶賛!) 「人を育てる」の本質のすべてがここに。親世代+学び続ける社会人必読! ・親は赤ちゃんに、赤ちゃん言葉で話しかけるべきか? ・子どもには勉強に専念させるべきか? 家事を手伝わせるべきか? ・子育ては0~5歳までが勝負である理由 ・中高時代にアルバイトやひとり旅をさせるべきか? ・信頼して任せることと、好き放題にさせることの違いとは? ・TRICK=TRUST、RESPECT、INDEPENDENCE、COLLABORATION、KINDNESSとは? ・受験戦争に勝ち、いい大学、いい会社に入るだけが目的なのはダメ ・人生100年時代、大人になっても学び続ける力を持たせるには?
  • トロピカル性転換ツアー
    4.2
    オカマだけどOLをやっていた人気エッセイスト・能町みね子が、南国タイで「女になっちゃった」篇! それも、旅行気分で気軽にタイで性転換♪の予定が、思いもかけない展開に……。タイ出発前から帰国後までの日々を、やたらとリアルでときにハード、そしてトロピカル感満載につづった性転換手術体験記。きわどい表記も伏せ字なし! 興味本位で気軽に読んで欲しい、脱力系イラストエッセイ。
  • トワイライト
    3.6
    1巻743円 (税込)
    小学校の卒業記念に埋めたタイムカプセルを開封するために、26年ぶりに母校で再会した同級生たち。夢と希望に満ちていたあのころ、未来が未来として輝いていたあの時代──。しかし、大人になった彼らにとって、夢はしょせん夢に終わり、厳しい現実がたちはだかる。人生の黄昏(トワイライト)に生きる彼らの幸せへの問いかけとは?
  • 永遠の詩
    3.5
    1巻1,527円 (税込)
    「不格好な愛」にどう向き合えばいいのか 継母との秘められた関係。 罪から逃れ出た青年は、新たな人生を求め、ガラス工芸の道に飛び込む。 心から信じた者の裏切り、繰り返される過ち。 千四百度の炎に煽られながら彼が探し続けたものとは。 世の中にあふれている「不格好な愛」への向き合い方を問い直す傑作長編。 装画・塩月悠
  • トンカツの丸かじり
    4.0
    人生いろいろ、食い物いろいろ、エッセイも種種雑多。ヘーソクとコントンの世界で「丸かじり」を読める日本人はシアワセだ! 貧しい時代を思い出す、でもなつかしいイモのツルを食べてみる、ビアホールにおける“枝豆まじりの人は大したことない”の法則発見、スキヤキの“肉疑惑”を追及する、あこがれの「粋に蕎麦屋で一杯」に挑戦、いまどきの野菜たちを叱る、自家製ナマリ節のうまい作り方教えます……身近な食べ物に対して、著者の飽くなき追求は続く。
  • TOKYO REDUX 下山迷宮
    3.7
    戦後最大の怪事件、「下山事件」。その闇にイギリス作家が挑む未曾有のミステリー大作。 下山国鉄総裁、変死体で発見。おりしも国鉄は、GHQの方針により大規模な人員整理に着手したばかりで、労働組合や左翼分子による犯行が疑われた。 GHQ上層部のウィロビーらの命で捜査を担当することになったGHQ捜査官スウィーニーは、裏社会とのコネを手がかりに占領都市の暗部へと潜ってゆく。総裁の死は他殺か自殺か。警視庁捜査一課と捜査二課が対立し、マスコミや世論も揺れる中、スウィーニーの捜査線上にGHQの謀略機関〈本郷ハウス〉の影が見え隠れし、彼は徐々に戦後の“黒い霧”に呑み込まれてゆく……。 1964年、6月。初のオリンピックを目前にする東京で、下山事件に関する作品の取材を進めていた探偵小説作家・黒田浪漫が失踪した。編集者を名乗る男の依頼で黒田の行方を追うことになったのは元刑事の私立探偵・室田。だが消えた作家の足跡を追ううちに、室田は東京の暗い半面にひそむ黒い黒い迷宮に少しずつ踏み込んでゆく……。 そして1988年、12月。病床に臥せる天皇の容態を憂えて沈む東京に、翻訳家ライケンバックはいた。かつてCIA工作員として日本に派遣され、やがて日本文学の研究者として東京に住むことになったライケンバックのもとに、戦後の忌まわしい事件の亡霊がやってきた。彼の運命を狂わせた下山事件。その亡霊が、今、ここ、昭和の最後の年に。あのとき、占領下の東京で何があったのか――? 犯罪小説史に異形の刻印を黒々と刻む〈東京三部作〉、完結編にして最高傑作の誕生。
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告
    3.5
    冷戦終結と欧州統合が生み出した「ドイツ帝国」。EUとユーロは欧州諸国民を閉じ込め、ドイツが一人勝ちするシステムと化している。ウクライナ問題で緊張を高めているのもロシアではなくドイツだ。かつての悪夢が再び甦るのか?
  • ドイツの傲慢 日本の孤立【文春e-Books】
    3.0
    『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』(文春新書)が大ヒット中のエマニュエル・トッドと池上彰による対談が実現。予断を許さないユーロ圏経済を皮切りに、強大化するドイツを一刀両断! フランスの誇る知性から日本への貴重なアドバイスとは?(※対談は週刊文春2015年8月13・20日合併号に掲載されたものです)
  • どうかこの声が、あなたに届きますように
    4.5
    地下アイドル時代、心身に深い傷を負い、鎌倉の祖母のもとでひっそりと生活を送っていた20歳の小松奈々子。そこに突然現れたラジオ局のディレクター黒木から、番組アシスタントにスカウトされる。 初日の生放送は、後に「伝説の十秒回」と呼ばれる神回となり、かつてラジオ界で絶大な人気を誇ったパーソナリティの片鱗を感じさせるものだった……!? 大食いのアナウンサー、演じるキャラに疲れている女性芸人、売れっ子のオネェタレント…。様々な仲間に囲まれ、時に黒木と罵り合いながら、奈々子はラジオの世界に向き合っていく。それは自身の傷や、過去とも対峙しなければならなかったが、奈々子が生き直そうと決めた「小松夏海」の存在は、次第に黒木たちをも巻き込んで、確かなムーブメントとなっていく。そしてその言葉は、子どものできない夫婦や、大人になることの意味を考える高校生など、切実な日々を生きるリスナーたちの、ほんのわずかな未来を動かし始めていた。 「いいか小松、ラジオにはテレビやネット動画と違って映像がない。 映像という明確なものがない分、リスナーはそれを補って想像する。 そうして頭の中で想像されたものは、誰にも否定されないし奪えない。 だから想像させろ。 リスナーに、姿の見えないお前を想像させるんだ」(本文より引用) ラジオの魅力と、傷を抱えた人々が織り成す、あたたかな小気味よさあふれる物語。 150万部を突破した『神様の御用人』著者、浅葉なつの書き下ろし長編!
  • ドキュメンタリーの舞台裏
    4.0
    『なぜ君は総理大臣になれないのか』『香川1区』『ぼけますから、よろしくお願いします。』…… 話題作の数々はこうして生まれた。 第一線監督の明かす実践的制作術。 作り手をめざす人、現役のテレビ・映画人、そしてドキュメンタリーを愛するすべての人たち必読! 是枝裕和監督推薦。 「大島新のこの等身大の自伝は、自身の制作過程を丹念に辿りながら、むしろそこには自らを鏡にした映像制作史が映し出されている。同じ時代を彼とは少しだけ違う場所で生きて来た私にとってはそのことが大変興味深かった。ファインダーの外側を捉える目を持つ彼は、きっと生来のドキュメンタリー作家なのだろう。」
  • ドキュメント戦艦大和
    4.0
    かつて世界最強を謳われ、連合国に「幻の大戦艦」と恐れられた巨艦に何が起ったのか。名著『戦艦大和ノ最期』の著者吉田満と大和研究の第一人者原勝洋が、六十人を超える大和乗員の生存者と関係者の証言を丹念に集め、さらに日米の資料を駆使し、昭和二十年春の沖縄大和特攻作戦を再現する。「作戦準備」「作戦発動」「米攻撃隊来襲」「戦艦大和沈む」「戦いのあとに」と、五部に分けて克明に時間経過を追った本書は、無謀無策といわれた大和特攻の真実に迫る。
  • 毒親介護
    3.7
    「嫌いな親」を介護できるか? 暴力、暴言、過干渉、きょうだい差別……自分を傷つけた親が老いたとき、あなたの人生はどうなるのか──。 児童虐待やDV、パワハラなど、身体的・精神的な暴力への関心が高まっている。親子関係においても、幼少期に親から身体的・精神的暴力を受けてきた人は少なくない。そうした「毒親」の問題が近年、テレビや新聞でも指摘されるようになっている。 子どもが成人して独立すれば、そうした「毒親」から逃れることもできるが、その親に介護が必要になったとき、子どもは再び親と向き合わなくてはならなくなる。親への責任感の一方で、積年の憎しみや嫌悪は簡単にはぬぐいきれない。 様々な葛藤を抱えながら介護をすることになっても、「毒親」はそう簡単には変わらない。老いてますます尊大、横暴になったり、経済的にも子どもに依存し、子どもの生活を破壊しかねない親もいる。 本書は、「毒親」との関係に悩む人たちの生々しい声を紹介し、その実態や心の内に迫る。介護の経済的負担や認知症への対処、介護をする側の夫婦間、兄弟間の考え方の違いから生じるトラブルなど、「毒親介護」の様々な事例をルポする。 また、専門家によるアドバイスや具体的な対応策なども探り、「毒親介護」の中に希望を見出すための処方箋も提示する。
  • 「独裁者」の時代を生き抜く27のヒント
    3.0
    習近平、プーチン、金正恩……独裁の時代の「どうしてこうなった?」を を池上さんがやさしく読み解きます。 米朝首脳会談は北朝鮮の「勝ち」?/習近平への権力集中と中国発展への反作用/ ロシア軍の軍事演習が怪しい/スウェーデンが徴兵制を復活/世界を揺るがす「世界最貧国」イエメン/ 規制だらけの日本の選挙/「リベラル」とは何か?…… あらゆることがスピードアップするも政治は追いつかない。状況を一気に引っくり返す英明な指導者が待望されると警鐘を鳴らす一冊。 過去に学び、未来に備える入門書!佐藤優氏、村上世彰氏との対談も収録。 ※この電子書籍は2018年11月に文藝春秋より刊行された単行本『ニュースの”そもそも”池上彰の「どうしてこうなった?」』を 改題、大幅に再編集、加筆修正した文庫版を底本としています。
  • 独裁者プーチン
    3.4
    世界の注目を集めつづけるプーチンだが、この「隣国の独裁者」の素顔は意外に知られていない。本書では豊富なエピソードや肉声を通じ、その人物像に迫る。貧しい労働者階級の家庭で育ったプーチンは、子供のころからの夢であったKGBに入るが、鳴かず飛ばずの中佐止まりだった。その後、ひょんなことからサンクト・ペテルブルクの副市長となり、中央政界に出てとんとん拍子に出世する。長年ノーマークの存在だったために、その経歴には謎も多い。資源依存型の経済運営で国策企業に側近たちを送り込むなど、あらゆる利権をクレムリンで掌握、外交面でも徹底した首脳外交で武器輸出のセールスマンとしても活躍してきた。一方、ジェット機を操縦したり虎退治をしたり、あるいは「国民との対話」という4時間以上のテレビ出演といった派手なパフォーマンスなどをみせるなど、メディア操作にも長けている。――世界の運命のカギを握る「黒い皇帝」の野望の原点がここに。 ※この電子書籍は、2012年5月に刊行された文春新書を底本としています。また電子書籍版では、収録されていない写真があります。
  • 独裁者プーチンはなぜ暴挙に走ったか 徹底解説:ウクライナ戦争の深層
    3.6
    1巻1,400円 (税込)
    ”独裁者の取り巻きは、独裁者に忖度して、重要な情報を伝えなくなる。 これは、決して他人事ではありません。 日本の政界でも企業の世界でもあることです。” ――「はじめに」より 本書は、これまで「週刊文春」に連載してきたコラムの中からロシアやウクライナ、中国について取り上げてきた2014年から2022年までのものを再編、加筆修正したものです。今回の事態に至るまで、ロシアに何が起きていたのか。急成長した大国・中国で誕生した”独裁者”とは。激動する世界情勢の中で、日本は、私たちは、これからどうすればいいのか。それを考える一助となる一冊です。 目次 I 世界を驚かせたプーチンの暴挙 2022 ・ウクライナはどんな国? ・解決のカギは「ミンスク合意」 ・ウクライナをめぐる情報戦 ・ロシアが承認する「国家」とは ・ロシアを金融封鎖する制裁 ・ウクライナ軍、善戦の理由 ・プーチンを宗教から分析する 他 II すべてはクリミア併合から始まった 2014~2021 ・戦争の火種クリミア半島 ・クリミア半島はいま(前編) ・クリミア半島はいま(後編) ・「おそロシア」になってしまった ・ロシア軍の軍事演習が怪しい ・ロシア、またも元スパイ襲撃? ・トランプ、ロシアに猶予与え攻撃 ・北方領土は二島返還? ・再び核開発競争へ ・究極の恐怖のミサイル爆発事故 ・プーチン大統領、「院政」狙いか ・ロシア、またも毒物で襲撃事件 ・ベラルーシ、難民を武器にした ・ロシア軍、ウクライナ侵攻? 他 III 独裁者・習近平にどう対峙すべきか 2016~2021 他
  • 独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで
    4.3
    繰り返される粛清、密告、民族弾圧。世界最大の独裁国家はいかに築かれたか?  2019年は中華人民共和国の建国70周年。日中戦争、朝鮮戦争、文化大革命、改革開放、天安門事件、そして習近平体制まで、世界第二位の経済大国となりながら、いまだ一党独裁体制、少数民族弾圧、都市と農村の格差といった矛盾を抱える大国の病巣を、毛沢東以来の歴史に探る。中国システムの抱える致命的な欠点とは? 【目次】 序章 中国共産党という組織 ──徹底監視のシステム 第1章 国民党と共産党 コミンテルンが生んだ双生児 第2章 毛沢東の“国盗り”戦術 ──抗日神話のウソ 第3章 中華人民共和国の誕生 ──スターリンとの確執 第4章 大躍進 史上最大の災厄 第5章 世界史から見た文化大革命 ──粛清と民族破壊 第6章 新たな独裁者トウ小平 ──「先富論」のトリック 第7章 習近平 引き継がれる独裁の系譜
  • 毒殺者
    3.4
    1巻763円 (税込)
    妻に五千万円の保険金をかけたMの殺人は、大成功のはずだった。だが、謎の脅迫者の電話に悩まされることになる。一方、五千万円の保険金をかけられた妻は、夫の行動に不信感をもった。もしかして……。どんでん返しに次ぐどんでん返し。実際の事件に想を得た「――者」シリーズの原点となった『仮面劇』を改訂改題して復刊!
  • 読書間奏文
    4.3
    直木賞候補作『ふたご』の著者が、大切な本を通して、自身の人生のターニングポイントとなる瞬間を切り取った、瑞々しい初エッセイ。 ただの壁だった本のページをぽつぽつとめくり始めたのは、自分を守るために演じていた文学少女に本当になれたら良いと思ったからだ。 いじめられたくないから愛想笑いをするなんて下らないよと言って、一人で本を読んで いる女の子。誰かの意見に左右されず、自分の大切なものを大切に出来る強い女の子に。 演じていたはずのはりぼての文学少女が気付かせてくれたのだ。 「あなたにはこんなに素敵な本があるじゃない」と。 (本文より) ※この電子書籍は2018年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 読書感想文を苦しまずに書く!
    -
    Twitterでも大反響! 松本清張賞受賞作の『屋上のウインドノーツ』、青少年読書感想文全国コンクールの課題図書(高等学校部門)に選出された『タスキメシ』、そして『風に恋う』、『沖晴くんの涙を殺して』、『競歩王』…… 青春小説の名手・額賀澪が満を持してお届けする読書感想文の書き方講座が 電子書籍オリジナルで登場! 目次 1 読書感想文は「自分のこと」を書いていい! 2 本を読みながらやっておくとおトクなこと 3 読書感想文を書いていこう! 4 魅力的な文章を書くヒント 5 高校生と額賀澪のQ&A 特別収録1 「星の盤側」 特別収録2 「星の盤側」読書感想文 学校では教えてくれない、目からウロコの攻略法満載! 「読書も読書感想文も苦手だなあ」と思っているあなたにこそ、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
  • 読書の森で寝転んで
    4.3
    作家・葉室麟を作った数々の本と人 50歳過ぎてのデビュー時に既に完成されていた“葉室史観”。敬慕され続ける作家を涵養した本、人との出会いが綴られたエッセイ集。
  • 毒々生物の奇妙な進化
    -
    世にも不思議な「毒々生物」の知られざる姿とは? 「毒」は人類を救う!? ある日突然、皮膚の一部が青、赤、紫、黒と変色し、やがて壊死する。驚きの症状の原因は小さな蜘蛛だった! この世には想像を絶する「毒々生物」たちが生息している。ゴキブリの脳を乗っ取るハチ、体長3メートルの肉食トカゲ、赤血球を破裂させるクラゲ……。 読めば読むほど「毒々生物」に夢中になる禁断の書! ・インフルエンザ予防のためにヘビ毒を注射する男 ・「刺されると痛い昆虫ランキング」のために78回刺されまくった昆虫学者 ・ペットのヒルを持ち歩き、自分の血を吸わせている寄生虫学者…… 「毒々生物」に魅了された人間たちもこんなにヤバイ! 解説は『ざんねんないきもの事典』監修の今泉忠明。 ※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 髑髏の檻
    4.1
    ディーヴァーを継ぐ鬼才の人気シリーズ最新作 宝探しサイトで死体遺棄現場を知らせる連続殺人。天才殺人鬼を兄に持つ若き刑事が挑む犯罪の全貌とは。驚愕の展開を誇る鬼才の新作。
  • どこかでだれかも食べている
    完結
    4.4
    ひとりで食べても、だれかと食べても――。 「食べる」ことから、やさしいドラマが生まれる。 実家のロールキャベツの味、初めてはんぺん入りおでんを作った日、 願いと共に齧り付いた恵方巻、結婚を決めたチャーハンの店、 小さいころから数えきれないほど食べたカレー……。 どこかでだれかも食べている、あの食べ物から生まれたやさしいものがたり。 ほわっと胸があたたかくなるオノ・ナツメ初のフード・コミックです。 〈menu〉 プリン・ヨーグルト/お弁当屋/冬至/焼き芋ふかし芋/つつむもの/残業パン/クッキー裏返し/留守番の味/ブルーベリー/食卓の真ん中にのぼるもの/ポテトサラダ/温泉まんじゅう/おでんのはんぺん/クリスマスケーキ/鏡開き/恵方巻/海藻サラダ/おにぎり・おにぎらず/立飯/チャンジャチャーハン/夏・山・カレー
  • ドストエフスキーの預言
    4.5
    1巻2,800円 (税込)
    ドストエフスキー生誕200年記念出版。 かつて外務省でモスクワ大使館に勤務した著者は、ソ連邦の崩壊に立ち会うことになった。宗教を否定する社会主義の理想が潰え、ふたたび神を求める時代が始まった。 そうした事態を19世紀にすでに預言していたと著者が考えたのが、文豪・ドストエフスキーである。 『カラマーゾフの兄弟』のかの有名な「大審問官」は、はたして何を示しているのか? 『罪と罰』でラスコーリニコフはなぜ回心したのか? 外交官としての仕事のかたわら、ドストエフスキーを解読する日々が始まった。 尊敬するチェコの神学者・フロマートカや、同じくチェコの哲学者・政治家のマサリクの著作が大いなる手助けとなる。 そして、モスクワとプラハを往還する著者の思索の旅は、ついに終わりの日を迎える?? 現代史の現場から生み出された、これまでにないドストエフスキー論。

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