無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで203万冊以上配信中!
夫の給料をつましくやり繰りして、家事と内職で毎日が過ぎていく平凡な主婦に訪れた恋。“人妻の恋の逃避行”(そして、気になるその後)をあざやかに描いた表題作。家族のために頑張って、気がついたらそろそろ30歳…な主人公の微妙な恋心を衝いた「幸福」と「胡桃の部屋」。大人になって出会った異母兄弟の愛憎をえがく「下駄」。突然の飛行機事故により、向田邦子の絶筆となった「春が来た」。いずれも読んだら忘れられなくなる、まさに珠玉の5篇。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
昭和の高度成長期も一段落しバブル期になる前の当時の状況がリアル。中流階級の家庭の様子や、生活費が苦しい主婦の内職、若い女子社員の当然のお茶汲みに30歳が見える様になるとハイミスと言われるような社会、愛人や隠し子と言った言葉が普通に登場する事に昭和生まれの自分を棚に上げてもなお苦笑。でも当時はこれが『今』だったのだし、放映されていたドラマはこう言う暗い影の部分を題材にしたものがたくさんあったと思う。
しかし、心の微妙な表現や移り変わり、人間の感情の機微といったような表現はやっぱり流石で、心にずんと重いものが残る読後感に向田邦子さんの凄さを感じる。
向田さんの本を読んだ後には必ず思うことですが、あのような事故がなければ、向田さんが今をどんな風に描くのだろうとつくづく残念に思わずにいられない。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。