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京で屈指の茶道具屋の娘・ゆずと奉公人の真之介は、駆け落ち同然で夫婦となり、道具屋「とびきり屋」を三条木屋町に開く。そこでは近藤や芹沢、龍馬がお客にやって来ては、騒動が起こり……。混乱する幕末の京を舞台に、“見立て”と“度胸”で難題を乗り切ってゆく夫婦を描く「はんなり」系痛快時代小説。
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Posted by ブクログ
久々の山本兼一先生はおもしろい。とびきり屋という道具屋を営む真之介とゆず夫婦に次々と珍客が。夫より一枚上手の嫁の感じがなんともおもしろい。登場人物も幕末のビッグネーム達が多数出演。続編も楽しみだ。
まあ 沢山の幕末の志士たちが出てきます。 京都の古道具屋とはいえ 京で屈指の茶道具屋の一人娘 ゆず 二番番頭の真之介と 駆け落ちする。 真之介は 捨て子で 辻ヶ花の布にくるまれ 金の小さな仏像まで守り袋に入れられてた赤ん坊 訳ありですねえ 織部はんの血筋なのかどうか ふたりで開いた古道具屋 刀から端...続きを読む切れから いろんなものを売っている。 1巻目の最後に やっとゆずの父親が ふたりのことを認めてくれた。 男の人が書いた話しのせいなのか ゆずのお母さんが 身重になったとき しゅうとが 中条流で 堕ろさせようとする。生まれたのは長男 それ 普通 亭主に言うでしょう。 あなたのお母さんに 子供 堕ろされそうになったのよ。 とか それを 父親が庇えないというのは なんかちょっと変 後継は大事だろうに 結局 母親の心は壊れてしまったのかもしれない。 これ 女の作家なら どう書くのかしら? と思いました。
江戸時代の商人のほのぼの時代小説だと思って手に取りました。 大店のお嬢様と番頭が店を持って、一から出発、という設定が面白いと思って。 そこはそれ、幕末の京都、最初は『自分たちは攘夷とか倒幕なんて関係ない』と思っていた主人公たちは、なんだか次第に巻き込まれていく。 ほのぼの時代小説の部分と、本格歴史...続きを読む小説の部分がミルフィーユのように何層にも重なっている感じで、ぐいぐい引き込まれてしまう。 龍馬や、新選組の面々が登場し、道具屋との絡みはもちろんフィクションなんだけれど、あったかもしれないと思わせる。 名前が分かるまでは、真之介の目から見た人物描写で描かれるので、誰のことを言ってるのか想像するのも楽しい。 武市はちょっと分からなかったけれど、近藤と一緒にいる「すかした侍」とか、武市と一緒にいる「何人も人を斬ってそうな怖い人」とか、すぐ分かりますよね。 新選組物はいくつか読んだけれど、町人側が主人公のものを読むのは初めてかな? 町人はさぞ迷惑してただろうな、と思っていたので、視点の変化が面白い。 ここで、時代の流れに巻き込まれることなく、商人らしくしたたかに生きて、儲けて、そして幸せになって欲しいです。 続編も買ってあるので楽しみ。
ゆずは、幼い頃から父の元で道具の良し悪しを見る目を養っています。一方、夫の真之介は、赤ん坊の時にゆずの父親に拾われて、そのまま奉公人として育ちます。 その二人が、夫婦となるのですが、当然両親は大反対!駆け落ちして、町人向けの道具屋を開きます。 時代は幕末。龍馬、勝海舟、近藤勇といった有名人(?)...続きを読むが「とびきり屋」を訪れ、夫婦はどんどん渦中に巻き込まれてしまいます。 真之介とゆずの仲の良さがほっこりなごませてくれます。はんなりした京言葉を話ながらも、きっぱりとしたゆずの強さに胸がすっとします
老舗の茶道具屋の娘ゆずと、彼女と駆け落ちした奉公人真之介、彼らが営む道具屋「とびきり屋」を舞台にした連作短編7編。 各編に、幕末の歴史上の人物が登場する。 表題作「千両花嫁」には、近藤勇。以下各編に、高杉晋作、坂本龍馬、勝海舟、土方歳三、武市半平太、芹沢鴨。 そして、著者は彼らの顔の特徴を、真之介の...続きを読む目を通して詳細に記し、人物評価としている。 例えば坂本龍馬、「額が良い。形よく広がった額は、明るく開放的で、天真爛漫な質をあらわしている。…とてつもなく大きな夢や野心を抱いている男に違いない。それを実現する行動力もあるだろう」 各人それぞれの特徴を述べ、歴史ファンには、それを読むだけでも楽しいことだろう。 さらに、ゆずのはんなりとした京ことばが、読んでいるだけで心がほだされ心地よい。 シリーズものなので、次巻も読まずにはいられない。
風雲急の幕末京都で、けっこう物騒な事件も起こったりしているのだが、ほっこりした京都方言のお蔭でなんとも良い具合に中和されている。
とびきり屋見たて帖シリーズ1作目。 駆け落ちした若夫婦をつい応援してしまいます。私はこれはコレで好きですが、「いっしん虎徹」から読み始めた人には、少しもの足らないかも… 気軽にほっこりしたい人におすすめ。 気にいれば、2作目「ええもんひとつ」へ。
「火天の城」「白鷹伝」に続いて山本兼一さんの作品。 前に読んだ2作とは文体がぜんぜん違う。同じ作家とは思えないが、でも面白い。
道具屋・からふね屋から駆け落ち同然で夫婦となったお嬢様と奉公人。 2人が営む道具屋・とびきり屋へは、近藤勇や高杉晋作がふらっ商品をを見にきたり、武市半平太が依頼をしにきたり、更には空き部屋に坂本龍馬や勝海舟が下宿したりという美味しすぎる設定。 山田風太郎の明治物のようにおまけとしてチラッと出てくるの...続きを読むではなく、がっつり話に絡んでくるのがいい。 しかもそれでいて特別な感じがしなくて、普通の登場人物として出てくる。オーラの無い芸能人みたいな感じ(笑) 一般の商人から見たヒーローがとても親しみやすい。 ただ新撰組はわりと小物として書かれている。近藤勇なんて主人公に「あいつ、あほやで」とか言われてるし……。 新撰組に限らず茶道の家元など、悪役が割としょぼかったかも。それが残念。敵がしょぼいと勝負までしょぼくなる。 新撰組や人斬りが悪く描かれているのには、この小説が町人視点からだというのもあると思う。当時の民間人は、私たちが歴史小説を読むときの「人殺しだけど国のために頑張った人」という見方はできなくて、「迷惑をかける人=悪」になってしまう。 ただ「悪」として描かれることと小物として描かれることでは訳が違うので、もっと強そうとか、敵には敵なりの考えがあるみたいな、もう少しいい悪役として書いて欲しかったなぁ。 その辺はともかく、主人公夫妻のラブラブっぷりや、機転をきかして問題を解決していく様子はみていて幸せになった。お道具の描写も素敵。
新撰組が出てくるので、購入しましたw これ読んだら、新撰組が少し嫌いになってしまった・・・笑 とても旦那思いで賢いゆず。とてもかっこぃぃ&度胸のある女性ですw
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