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新撰組や憂国の志士が闊歩する幕末の京都。若夫婦の真之介とゆずは、その地で道具屋「とびきり屋」を営んでいる。ある日真之介は道具の競り市で「茶杓箪笥」を買って店に持ち帰った。「茶杓箪笥」はその名のとおり茶杓を収める箱で、仕切りに一つずつ茶杓が収められていたが、一つだけ中が空いているものがあった。そこにあるべき茶杓をめぐり、新撰組の芹沢鴨、茶の湯家元の若宗匠、もとの「茶杓箪笥」の持ち主、そしてゆずの間で騒動が持ち上がる。 そこにあるべき茶杓はあの利休居士のものというが、真相は? 物を見立てる不思議と喜びを描く「とびきり屋見立て帖」、惜しくも急逝した著者が遺したシリーズ第四弾。表題作を含めた傑作連作短篇6本を収録。
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Posted by ブクログ
「とびきり屋見立て帖」シリーズ第4弾
『よろこび百万両』
銅(あかがね)屋の大旦那・吉左衛門に蔵の中の道具の目録作りを任された真之介とゆず。
珍しい盆を託されるが…
ゆずの兄は嫌な奴だなあ…
彼の代でからふねやは潰れるんじゃないだろうか?
父親にも臆せずに商売のやり方をはっきり主張するゆずは、朝ドラのヒロインレベル!
『みやこ鳥』
幕末の動乱期である。
蛤御門の変で都落ちすることとなる、長州藩と三条実美。
ゆずは三条公に心づくしの餞別を贈る。
『鈴虫』
茶碗で変わる、ティータイムの心持ち。
『自在の龍』
壬生浪人も攘夷志士も、押し掛ける、京の街、店。
関わり方も非常にきわどい。
女将としてのゆずの機転にはいつも脱帽。
…京のおあげって、すごく大きいんですよね。
『ものいわずひとがくる』
銅屋吉左衛門から、樂家十一代それぞれの、11個の茶碗を預かる。
店は、良い物を置くことで、客筋も変った。
しかし、良い物も大切だが、店主の人柄と良い使用人がいなければ商売は成り立たない。
『利休の茶杓』
真之介の目利きも大したものである。
お茶の家元にもお墨付きをもらった。
この家元は、人柄も申し分なく大人物だが、息子の若宗匠はドラ息子だ。
ここは「つぶれる」という事はないと思うけれど…
『追悼エッセイ』
奥様のエッセイ
山本氏は2014年に亡くなられたため、このシリーズも終わってしまいました。
駆け落ちして、必死で千両かき集めるところから読み続けて、二人の成長を見守って来たので、寂しいことこの上ないです。
他にも良い作品をたくさん書かれていたのに、本当に残念。
しかし、この本は、シリーズ最後を飾るのにふさわしい、まとまりのある本だと思います。
「ああー、また芹沢が来た!はよ爆発しろ!!」
などと、はらはらしながら読むのですが…
ヤツが爆発するところも永遠に書かれることはありません。
良かったのか、そうでなかったのか…
もしかしたら、とびきり屋にお客で来ていた坂本龍馬、近藤、芹沢といった人たちの最期などは、血腥くて、この作品にはふさわしくない…
それは書かれなくて正解だったのかもしれません。
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