早池峰(はやちね)山、カッパ淵、曲り家……。岩手県遠野市の里山を散策する悠々自適の退職者に見えた被害者の足どりは、一体何を意味するのか。奥軽井沢にあるM研究所のHPの掲示板に残された批判のメッセージとは。次々と起きる殺人を被害者の娘は食い止めることができるのか。現代医学の闇を衝いた十津川警部シリーズの傑作。
Posted by ブクログ 2011年09月11日
西村の作品では、地方の文化の記述が薄いことがある。
本書は、「遠野伝説」というだけあって、遠野地方の具体的な描写が多い。
花巻からタクシーで遠野に向かう。
早池峰山に登って高山植物を摘み取って胴乱に納める。
早池峰神社の山門、参道のそばを登山道が伸びている。
福泉寺
遠野地方では、馬...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年03月27日
岩手県の深遠なる物語の世界、遠野が舞台にもなる殺人。
殺されたのは東京の隠居した元製薬会社員で、殺されたのも東京。
しかし遠野に固執していたと聞くや否や、十津川は遠野と勤め先の製薬会社の関係を探る。
もっと遠野の良さが見えてもよかった。きっかけくらいにしかなっていなかったので、その点は残念。最後の...続きを読む