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Posted by ブクログ
血なまぐさいイメージの強い事件で読むのに最初はとっかかりにくいのですが
事件当日以外の警察の裏話や当時存在した警察官についての小話も豊富に記載されています。
この著者:佐々淳行さんは当時の警視庁警備部警備一課の課長さんで
自称:メモ魔(笑)と言うだけあり東大事件で自分の体験した事を
事細かく説明しつつ多少の脚色も入れて書かれています。
この方の文章は面白いのでサクサク読み進められます。
それと同時に当時のお巡りさん達の人情味とかも伺い知れて
純粋に警察官が格好良く思える本です。
フィクションではなく全てがノンフィクション。
当時の闘争吹き荒れた、全ての人が熱かった時代の
奮闘する警察の頑張り様が見事に伝わります。
Posted by ブクログ
歴史上の出来事としてしか知らない東大安田講堂闘争の記録を読んでみた。
本書は機動隊の指揮官だった著者の立場で記されたレポで、現場第一線の記録ならではの生々しさと緊迫感があり、戦争小説のような興奮とスリルがある。
全共闘組織、大学当局、警察組織、どの組織も問題だらけだったことが浮き彫りになっている。
些末なことだが、大学の教授陣へのディスりがおもしろい。権威的で官僚主義的な大学当局側の体質はツッコミどころ満載で、エネルギーを持て余した学生の格好のターゲットになってしまった背景に頷ける。
全共闘側で逮捕された370人のうち東大生は20人しかいなかったというのもズッコケどころ。まさに外人部隊で編成された組織だったことに加え、この件をまともに「総括」されていないとは。これ以後の世代の若者と断絶ができてしまった一因となっただろう。
事件後の天皇陛下の慈悲深いお言葉が印象的。
現場第一線で交戦していた機動隊員の苦労が偲ばれる。危険極まりなく、休みなく、安い給料で、野次馬や学生に死者が出ないように気遣いながらの警備がどれほど大変だったか。
当時の社会背景などにも触れられており、昭和史としても興味深い一冊だった。
リアルタイムでは無いけど
一応は知ってる話。
学生運動の舞台の一つに東大の安田講堂になったのも。
ただ、それを許した当時の東大の教職員なり学生なりが、情けなかった事も。
それが跡を引いて、東大ブランドを敬遠する世代が自分の代までをも引き摺ってたのを。
実際、周りに居たしねぇ〜
「東大行くくらいなら一橋行く」とか言って実践してたの。
目的があって理三に進んだのも居たけど。
京大ほどでは無かったけど変わった人多かったし、何となく解る。
Posted by ブクログ
佐々淳行氏がなくなった。
もと警察官僚として危機管理問題についてTVでコメントする姿になじみがあるが、退官後の本業は作家。全共闘の安田講堂占拠事件を扱った本作を大学時代に読んで今も印象に残っている(以下、うろ覚えの記憶で書く)。
反安保闘争が吹き荒れた年、学問の自由を守れ、警察権力をキャンパスに入れるな、と叫ぶ学生たちは研究室の設備を壊してバリケードを作り、貴重な文献を焚火にくべて暖をとった。大学に通う機会もなかった機動隊員こそ学術資料を傷つけないように搬出し、上空から浴びせられるガソリン、硫酸に立ち向かった、と著者は力説する。
安田講堂では過激派側、警察側ともに死者が出なかった。これは当時の世界的な社会運動とその制圧と比較して稀有なことであった(Kidotai、のノウハウはその後世界に輸出された)。そこには、以前の抗争(神田カルチェラタン?)の中でコンクリート片の直撃を受けて殉職した警官の教訓があったようだ。
葬儀のシーンが忘れられない。会場に参列している幼い子どもは遺族。並んだ警察官の列に白いさざ波が広がっている、よくみれば涙をぬぐう白い手袋が波打っているのだった。「ちくしょうバカ学生ども、こんな大きなコンクリートを頭の上に落として、当たったら死ぬに決まっているじゃないか。おれたにちも家族がいるんだぞ」。
それだけに、この本のラスト近く、秦野章警視総監が皇居で顛末を奏上する場面で、昭和天皇が発した言葉が深く胸を打つ。
もちろん闘争への評価は描く立場によって違うだろう。
娘が読んでいた宗田理「ぼくらの七日間戦争」、どんな本かと覗いてみたら、中学生が学校に反抗して立てこもり、安田講堂での「学生放送」を今こそ再現する、という物語だった。
この時代をどう捉えるか。ほんとうにひとそれぞれなのだった。
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