【感想・ネタバレ】東大落城 安田講堂攻防七十二時間のレビュー

あらすじ

その日、日本中がテレビに釘付けになった。催涙ガス弾と放水にけむる安田講堂の時計台、顔をタオルで覆い、ヘルメットを被った学生たちが屋上から投げ下ろす人頭大の石塊、火炎ビンに灼かれた機動隊員の苦痛に歪む顔……その時、作家・三島由紀夫から緊急電話が! 時は「あさま山荘」事件の起こる3年前、昭和44年1月だ。全国民が注視した東大安田講堂の攻防戦に、警視庁の警備第一課長として臨んだ著者が、当時のメモを元につづった迫真のドキュメント。文藝春秋読者賞受賞作品。

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Posted by ブクログ

学生闘争のクライマックス、安田講堂事件!!
現状政治家の人達が全共闘側だったというのは印象的だったが、総括せず反体制がわのまま今の地位にいることを思えばなんとも恐ろしい。
東大側は早々と白旗を揚げたのに外人部隊が最後まで抵抗していたというのインテリ層の怖さを思う

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2011年10月24日

Posted by ブクログ

思い浮かべたのは内戦後の廃墟。
イデオロギーを主張する学生たち、保身の教授陣、犬となって戦う機動隊。
犬を元気に戦わせるため、そして死から守るため、上と戦う佐々淳行のストーリー。

果たして彼らの戦いが残したものは?
それは漠然とした不安ではなく、問題点だったのではないか?

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2011年07月28日

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非常に臨場感のある記述。事件の背景からその影響まで描かれ、学生運動史におてる東大攻防戦の位置付けが分かる。

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2011年05月16日

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全共闘時代の天王山、東大闘争で警察側の現場指揮を執った佐々淳行氏の記録。著者は初代内閣安全保障室長で現在は危機管理の第一人者として活躍している。

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2009年10月27日

Posted by ブクログ

血なまぐさいイメージの強い事件で読むのに最初はとっかかりにくいのですが
事件当日以外の警察の裏話や当時存在した警察官についての小話も豊富に記載されています。

この著者:佐々淳行さんは当時の警視庁警備部警備一課の課長さんで
自称:メモ魔(笑)と言うだけあり東大事件で自分の体験した事を
事細かく説明しつつ多少の脚色も入れて書かれています。
この方の文章は面白いのでサクサク読み進められます。

それと同時に当時のお巡りさん達の人情味とかも伺い知れて
純粋に警察官が格好良く思える本です。

フィクションではなく全てがノンフィクション。
当時の闘争吹き荒れた、全ての人が熱かった時代の
奮闘する警察の頑張り様が見事に伝わります。

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2010年03月07日

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著者が癖の強い人なので、読んでると疲れることも多いのですが(笑)、これは面白い。私が生まれるほんの数年前、東京が戦場だったことを教えてくれる好著。なにより機動隊の人々の誇りをもって働く姿勢が格好いい。

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2009年10月04日

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歴史上の出来事としてしか知らない東大安田講堂闘争の記録を読んでみた。
本書は機動隊の指揮官だった著者の立場で記されたレポで、現場第一線の記録ならではの生々しさと緊迫感があり、戦争小説のような興奮とスリルがある。
全共闘組織、大学当局、警察組織、どの組織も問題だらけだったことが浮き彫りになっている。
些末なことだが、大学の教授陣へのディスりがおもしろい。権威的で官僚主義的な大学当局側の体質はツッコミどころ満載で、エネルギーを持て余した学生の格好のターゲットになってしまった背景に頷ける。
全共闘側で逮捕された370人のうち東大生は20人しかいなかったというのもズッコケどころ。まさに外人部隊で編成された組織だったことに加え、この件をまともに「総括」されていないとは。これ以後の世代の若者と断絶ができてしまった一因となっただろう。
事件後の天皇陛下の慈悲深いお言葉が印象的。
現場第一線で交戦していた機動隊員の苦労が偲ばれる。危険極まりなく、休みなく、安い給料で、野次馬や学生に死者が出ないように気遣いながらの警備がどれほど大変だったか。
当時の社会背景などにも触れられており、昭和史としても興味深い一冊だった。

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2022年12月28日

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●またまた面白すぎる一冊。
●迫力ではあさま山荘の方が上回るが、警察内部事情がよくわかるので、これはこれでよい。
●やはり当時の大学生は大人に甘えていたとしか言いようがない。ただ、あれだけ暴れるエネルギーは見上げたものだ。もっと上手く使えないものか。
●絶対に死者を出さないという警察の気概は立派なものだし、世界に誇れる警察だと思う。
●毎回予算不足に悩まされるのは役所の悲哀だが、生死に直結するものはさすがにちゃんと手配してあげてほしい。

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2022年03月25日

購入済み

リアルタイムでは無いけど

一応は知ってる話。
学生運動の舞台の一つに東大の安田講堂になったのも。
ただ、それを許した当時の東大の教職員なり学生なりが、情けなかった事も。
それが跡を引いて、東大ブランドを敬遠する世代が自分の代までをも引き摺ってたのを。
実際、周りに居たしねぇ〜
「東大行くくらいなら一橋行く」とか言って実践してたの。
目的があって理三に進んだのも居たけど。
京大ほどでは無かったけど変わった人多かったし、何となく解る。

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2020年11月05日

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佐々淳行氏がなくなった。
もと警察官僚として危機管理問題についてTVでコメントする姿になじみがあるが、退官後の本業は作家。全共闘の安田講堂占拠事件を扱った本作を大学時代に読んで今も印象に残っている(以下、うろ覚えの記憶で書く)。

反安保闘争が吹き荒れた年、学問の自由を守れ、警察権力をキャンパスに入れるな、と叫ぶ学生たちは研究室の設備を壊してバリケードを作り、貴重な文献を焚火にくべて暖をとった。大学に通う機会もなかった機動隊員こそ学術資料を傷つけないように搬出し、上空から浴びせられるガソリン、硫酸に立ち向かった、と著者は力説する。

安田講堂では過激派側、警察側ともに死者が出なかった。これは当時の世界的な社会運動とその制圧と比較して稀有なことであった(Kidotai、のノウハウはその後世界に輸出された)。そこには、以前の抗争(神田カルチェラタン?)の中でコンクリート片の直撃を受けて殉職した警官の教訓があったようだ。

葬儀のシーンが忘れられない。会場に参列している幼い子どもは遺族。並んだ警察官の列に白いさざ波が広がっている、よくみれば涙をぬぐう白い手袋が波打っているのだった。「ちくしょうバカ学生ども、こんな大きなコンクリートを頭の上に落として、当たったら死ぬに決まっているじゃないか。おれたにちも家族がいるんだぞ」。
それだけに、この本のラスト近く、秦野章警視総監が皇居で顛末を奏上する場面で、昭和天皇が発した言葉が深く胸を打つ。

もちろん闘争への評価は描く立場によって違うだろう。
娘が読んでいた宗田理「ぼくらの七日間戦争」、どんな本かと覗いてみたら、中学生が学校に反抗して立てこもり、安田講堂での「学生放送」を今こそ再現する、という物語だった。

この時代をどう捉えるか。ほんとうにひとそれぞれなのだった。

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2019年01月01日

Posted by ブクログ

私は、この時代を知らない、そして、私の大学時代は、平穏に流れた・・
昭和44年1月大きな山場を安田講堂では迎える。

日本が一番熱かった時代なのかもしれない。
学生の生き様
警察官の生き様

ぶつかるべくしてぶつかり合ったのか、それとも・・・
大義は私にはわからない。

しかし、それぞれが、使命をもち、職務を全うした、その警察官の側から描かれた作品

読んでいるとその場の臨場感というか、その時代の匂いというか、目の前に浮かぶその光景が
鮮烈に表れるのを感じる1冊

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2018年10月28日

Posted by ブクログ

70年安保の際の東大安田講堂立てこもりに対し、鎮圧側の視点から見たドキュメンタリー。ちなみに、日大や東大でも他の建物の立てこもりの話も有り。

70年安保闘争およびあさま山荘事件において、警視庁警備課長だった、テレビのコメンテーターでもおなじみの佐々氏。「異例の人事」から「常識を覆す解決法」「縦割りをぶち壊す」という幾つかの視点において、自分で見たとおりに書いているので、他の著作に比べてイキイキとした文章なのが第一印象。自ずとのめり込んで読んでしまう。

現場の描写は、それなりに荒っぽく書かれていたりして、てんやわんやではあるものの、その辺が本書の良いところとも言える。

全体に、根性論のようなものが支配しているところがあり、そういうものが嫌いな人には気になるかもしれない。また、時代背景を論じると宣言している割に、当時の安保闘争が暴力的だったことだけシカ印象に残らないところもあり、そちらに肩入れしてしまう人たちには、カチンとくる表現が多いかもしれない。

ただ、実際に「全国の学生が一致団結して」というきれいな断面ではなく、実情は内ゲバだらけの矛盾ばかりの組織であったことは、現在のアンポハンタイ論者とも重なるわけで、こちらのほうが正確なのではないかと思う。

思想だのとは関係なく、オモロイドキュメンタリーの1つだと思って読めば、かなり楽しめる1冊である。あさま山荘事件も買った。

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2016年10月12日

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古本で購入。

1969年(昭和44年)1月、東大安田講堂事件。
学園紛争の「天王山」と言われるこの攻防戦を、警備側の責任者のひとりであった佐々淳行の実体験を基に描くドキュメント。

「安田城籠城は彼らにとって疑似戦争体験だった。それはイデオロギーにゆがめられた、幼児的ともいえる憂うべき心理状態だった」
と筆者が喝破する、本書に記された暴徒学生たちの振る舞いと他者不在とでも言える暴力は、実に幼稚で、身勝手である。筆者は彼らの行動の動機の純粋なる部分を認めつつ、やはり怒るのである。

“最前線”で状況を見続けた当事者なだけに、その描写は生き生きとしていて、文章も読ませる。
警察側の人々が魅力たっぷりに、かっこよく描かれているのは、その功績を知られることなく亡くなっていった「彼らを顕彰する鎮魂賦」として本書が書かれている以上、当然のことだろう。

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2015年08月01日

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警備側から見た安田講堂事件の回想。

学生や当時の世論、そして国家、
それぞれの主義主張の正しさは正直良く分からない。
大学側も落ち度はあったし、
学生側にもそれなりの言い分はあった思う。

ただ、学生側のいざ捕まった時の情けない態度や、
どこか人を殺すことを軽く考えてそうに見えている辺りが
読んでいていらいらしてくる。

参加していた学生全員が全員そうではなかったと思うが、
闘争すること自体が目的となり、
スポーツ感覚で参加していた学生は
ホントにどうしようもないと思った。
そりゃ総括しようにもできないんじゃないか。

まあ警察側からみた回想なので、
これは運動に参加した学生の一面だと思いますが。

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2014年05月04日

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日本の学生運動史における転換点の一つである安田講堂占拠事件。著者の佐々淳行は、当時、その現場に警察側の指揮官として立ち会い、学生と真っ向から対峙していた。
ソビエトが崩壊して久しい今日この頃、学生運動などは興味のない人には徹底的に興味のないテーマであろう。私は、仕事柄、学生運動にも多少興味があって本書を手にとったのだけど、筆力のある当事者による記録はかくも面白いのかと、本筋とは関係のないところで感銘を受けた。

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2014年03月30日

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警備幕僚長として、東大安田講堂事件に携わった著者が、安田講堂における攻防戦と、それに続く神田カルチエラタン闘争を振り返ったドキュメント。

学生たちの過激な行動とは裏腹の幼さや、大学教授たちの日和見主義、その中で教育者としての責任を果たした加藤一郎学長代行や林健太郎文学部長と彼らに対する学生たちの敬意、そして何よりも、強い責任感と仲間を思う情熱を絶やさなかった機動隊員たちの様子を活写しています。

事件後に発行された当事者たちの記録の多くは、「難解なセクト用語や独善的で説得力に欠ける生硬な理論の羅列、あるいは当時のマスコミに迎合する「機動隊憎し」の感情論、浅薄なウォー・ゲーム感覚の感想文ばかりが目立ち、客観的で正確な事実と透徹した史観に立った文献が見当たらない」という著者の不満はもっともだと思いますし、本書が記録として高い価値を持つこともおそらく間違いないのだと思いますが、まったくのニュートラルな立場からの記述ではないことにも注意する必要もあると思います。

また、機動隊員たちの「ゲマインシャフト」ないし「運命共同体」意識の強調や、「反権威闘争」を標榜していた学生たちが、じつは本物の権威、本物の教育者、強力な指導者といった「父権」への郷愁を感じていたのではないかという感想が語られているのですが、青年たちの心理の問題へと切り縮めてしまってよいのかという疑問も感じます。

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2016年10月12日

Posted by ブクログ

東大安田講堂事件に警備幕僚長として
任にあたった著者による回想記。
このため当然、警備側の回想録として
理解した上で解釈する必要がある。
浅間山荘事件の回想記に比べると緊迫感は欠けるが、
現場を知る著者ならではの硬軟織り交ぜたエピソードが
豊富に描かれ、飽きずに一気に読み込める点はさすが。
また警察組織のあり方や、機動隊の存在意義についての記載、
事件後に昭和天皇からかけられた言葉は非常に興味深い。

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2013年10月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

内容(「BOOK」データベースより)
昭和44年1月18日、学園紛争・天王山の攻防の幕は切って落とされた。
全共闘と機動隊の3日間におよぶ死闘を、
警備幕僚長が克明に再現した衝撃のドキュメント。
文芸春秋読者賞受賞。

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2012年02月28日

Posted by ブクログ

この世代は世の中を憂いていた…
とよく聞くが、一つの"ファッション"としてやっていたのがよくわかる。
学生の持って行き様のないエネルギーをアジテーターが巧く利用していたんだ。
しかし、経済学がマルクスのみで…出た途端企業戦士と言うのも、順応性があるのか、思想がめちゃくちゃなのか…ナンダカねぇ。。。

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2012年01月17日

Posted by ブクログ

まだ五十ページ程だが面白い。ぐんぐん引き付けられる。
もう終わりそうだが、久々に終わるのが惜しくなるような本。登場人物の名前が(読者には)無意味に詳しいのは、活躍した人々への記録的な意味合いか?
少し煩わしかったが、個人名は読者と登場人物人物の距離を縮めると思った。
最後のほう、安田講堂陥落後は著者の政治&歴史観が述べられており、すこしかたくるしかった。でもその見識には納得し、脱帽。
佐々淳行の他の本でもそうだが、この人はやはりしっかりした教育を受けた教養豊かな秀才なのだと思わせられた。

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2011年10月25日

Posted by ブクログ

東大の学生として、安田講堂事件は知っておかなければいけないと考えていた。

今となっては、安田講堂前は芝生がしかれ、学生が気持ちよさそうに寝転んでいる。そんな光景ばかり目にしてきた私には、本書に描かれた悲惨な状況は想像することさえ難しいものだった。

この平穏な日々も悪くない。ただ、我らが先輩OBたちは何を考え、その行動によりどれだけの人々が犠牲になったのか。その記憶はとどめておきたいと思った。

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2011年06月21日

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なんだかまとめないうちに時間が経ってしまったので、箇条書きのままで。(2011.06.09)安田講堂のときに、機動隊の指揮官をしてた人の本。ものすごく細かいところまで記録してあって感心する。シリアスなところ、コミカルなところと書き分けてあって読みやすい。著者がヘルメットをかぶらないということを何故か必要以上に語っている気がする。指揮官がまるで安全対策もせずに前線に出ていくことで、周りの人の士気が上がるように思ってるような節があるんだけど、実際はコンクリート片が直撃したときの隊長の言うとおり、かぶってくれないと周りとしては気になってしかたないと思う。最後には反省してるようだけど。学生たちのやったことは、ひどく暴力的で、そういう一部の狂人たちの起こした事件と片付けることもできるし、社会全体が呑気だったんだなあとかって考えることもできるし、この後20年くらい経って生まれた僕には分からないけれども、でも、著者が言うように、十分に総括がなされていないというのは正しいと思う。水浸しの安田講堂の写真はよく見るけれど、その出来事がなんだったのかについてはあまり語られないと思う。僕もこの本を読むまで、どれだけこの事件について知っていたろうか。僕は予備校講師としての、そして科学史家としての山本義隆を尊敬している。でも歴史家となった彼は今、かの時代のできごとについて完全に口を閉ざしている。それでいいんだろうか。

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2011年07月17日

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ノンフィクションならではの緊張感と「え!?そうだったの!?」って事を知る事が出来ます。

佐々さんのキャラは決してワタシはキライじゃないぜ。

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2009年11月28日

Posted by ブクログ

安田講堂事件がどんなものだったのか知ることが出来た。学校の授業では教わらなかった、昭和の重要な一シーン。/当時の日本には今の俺たちには理解できないもの凄いエネルギーがあったみたいで驚く。これと同じだけのエネルギーを俺たちはどこへ向けたのか。その分のエネルギーはどこへ消えたのか。/機動隊に比べると学生達の姿勢は情けない。真剣に青春を賭けてやったのではあろうが、それにしてもひどい。だから学生は嫌いなんだ。/集団心理というのは恐ろしい。人殺しすら平気になるとは。/神田の街でバスが横倒しにされてバリケードに使われた、なんて信じられない。隔世の感。/父親と安田講堂の話をしたら、事件の直前に東大に行った事や、新宿騒擾事件に巻き込まれたことなどが聞けて面白かった。曰く、「機動隊は強かった」「道路のコンクリなんて簡単に割れた」父親は全共闘側ではなかったらしい。/さらに母親にも聞いてみると、一般学生は逃げて歩いていたらしい。/このエネルギーが安田講堂からあさま山荘までどういう流れで突き進んでいったのかは追いかけてみたい。/機動隊側から描かれているから当然、なのかもしれないけれど、彼らの姿勢には本当に頭が下がる。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

昭和44年、大学紛争が勃発する時代。全共闘の過激派学生たちは東大の安田講堂を占拠し、機動隊と衝突。当時の著者は警察官僚の中間管理職。現場の隊員と上層部に挟まれながら、催涙ガス弾の使用を発案し、マスコミ向けの対応や弁当を手配、時には個人で借金をしてまでも現場経費を作り出す。時にジョークを言い合いながら団結する機動隊の努力や苦悩は本書から痛いほど伝わってくる。

で、彼らの戦場となった学園紛争とは一体何だったのか、誰が何の目的で行い、何が残されたのか。今の時代となっては理解されにくい。著者にとっても理解されていないというわだかまりがあるのだろう。が、その敵対する相手、全共闘が何を考えていたのかがよくわからない。しかも、逮捕された学生のほとんどは東大生ではなかった。モラトリアム学生の過激で大規模な自分探しとしか思えない。

あさま山荘事件のように巨大鉄球という象徴的なアイコンがなく、死者も発生せず、首謀者名もよくわからない、東大安田講堂事件。時が経ても、理解されることのない過去の遺物として扱われるのはしょうがないのかも。

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2019年01月16日

Posted by ブクログ

浅間山荘ほどのインパクトは無いけれど、危機管理・組織運用のノウハウが詰まった一冊。

物語としても引き込まれるし、運命共同体ってやっぱりこういうのを言うんだと思う。

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2011年03月23日

Posted by ブクログ

警察組織のだめぶりがわかる一冊。
佐々氏でさえ東大卒としてというより一介のエリートして描いている。自分たちを「正義」として疑わず、学生を落ちこぼれとして見ている。
「大人」の一方的な著述には辟易させられた。

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2010年05月02日

Posted by ブクログ

変わらぬスタンス、変わらぬテンション!!
佐々先生どこまでも突っ走ります。
亀井静香が出てるだろうとほぼ踏んで読み始めたのだが、
かけらも出てこなくてちょっと残念。他はもーういつもの佐々節炸裂。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

群れて盲目になっていたのは一部他大生で、東大生は割りと早目に退散していたという(笑)な事実

縮図ですね

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

警察側から見た安田講堂事件の記録。緊迫感あふれるドキュメント。当時の社会思想なども程よく解説されていて、リアルに知らない私でも分かりやすかった。

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2010年04月18日

Posted by ブクログ

昭和44年1月。放水に煙る時計台、火炎瓶にの飛び交う中の機動隊員の苦痛にゆがむ顔。60年代学園紛争の「天王山」といわれ、全国民が注視した東大安田講堂の攻防戦を克明に綴った迫真のドキュメント。

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2009年10月04日

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