学力低下や教養教育の欠如など、高等教育の崩壊状況を徹底検証した「知的亡国論」。
日本の教育制度の欠陥を、東京大学や文部科学省の歴史に求めながら、日本を知的亡国の淵からいかにして救うかを論じた「東大法学部卒は教養がない」など四本の東大論。これらはのちに著者の代表作『天皇と東大』へつながる。
体験にもとづいた「立花臨時講師が見た東大生」。
現代における教養とはなにか、その教養をどのようにして獲得すればいいのかを論じた「現代の教養-エピステーメーとテクネー」。
四部にわたって構成された「知の巨人」による教育・教養論。
Posted by ブクログ 2022年09月21日
中国式の官僚体制と、近代化に伴って持ち込まれた欧米の大学様式が、渾然一体となって、それによる弊害が現代になって表れてきた。
現代の日本型教育に感じていたモヤモヤを取り払うヒントが沢山。教養論も壮大で勉強のモチベーションが高まった。
現代のプロフェッショナル贔屓は科学の細分化が原因なのかもと思ったり...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年10月08日
リベラル・アーツ。
人間教育が目的。リベラルアーツ教育を通して、人間を鍛える。
専門的なバカはいらない。
いろんな専門領域のことまで、ある程度わかるレベルの
ゼネラリストを作る。
この本で、気にいったところ。
自分の目的とする本を求める時、目的の書棚にいくまでに
すみからすみまで歩...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
立花氏が言うのももっともなんだけど、
多分今、彼が思う以上にものを知らないバカが沢山いると思う。教養以前の問題。大体若い人は大学生ですら本を読まなすぎ。
本質的なとこから教育を見直した方がいいというのは非常に納得。日本はアホの国になってしまうという危機感をもっと多くの人が持った方がいい。立花氏にはこ...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
文字通り東大生(特に法学部生)を「バカ」だと言い切る著者。では何を持って「バカ」だと断じているのか。それは「教養がないから」だと言う。では「教養」とは何なのか、そしてなぜ「教養」と身につけなければいけないのか。現代社会を生きていくために必要な能力は、試験問題のように与えられた課題にこなすことではない...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
100冊目の更新が終わったので今の自分に大きな影響を与えた1冊を。いわゆるターニングポイントになった出会いです。
大学入試が終わった2004年3月の春休みにふと本屋でタイトルに惹かれて買ったのが本書でした。当時は立花隆さんがどんな人かも知りませんでした。
読んで驚いたのは今、教養というものが...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
東大なんて私には足元にも及びませんが、その東大生(特に法学部生)が無教養なバカになっていると立花氏は指摘します。自分から自発的に学べない詰め込み秀才はいつの時代も少数派だったが、現在ではそのような人間が多数派になっている、教養がなくては近視眼的なものの見方しかできなくなる。と、この国のゆく末を憂いま...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年11月08日
大学論や教育論と絡めながら,教養とは何ぞや,と読者に鋭く語りかける良書。
本書を読むと,いかに自分の受けてきた教育が偏ったものであったかを思い知る。教養を高めることをないがしろにする教育システムは,将来の日本国民の知的水準を押し下げ,ひいては国際競争に勝てなくなる,そしてそうした教育方針を現場に押...続きを読む