あらすじ
学力低下や教養教育の欠如など、高等教育の崩壊状況を徹底検証した「知的亡国論」。
日本の教育制度の欠陥を、東京大学や文部科学省の歴史に求めながら、日本を知的亡国の淵からいかにして救うかを論じた「東大法学部卒は教養がない」など四本の東大論。これらはのちに著者の代表作『天皇と東大』へつながる。
体験にもとづいた「立花臨時講師が見た東大生」。
現代における教養とはなにか、その教養をどのようにして獲得すればいいのかを論じた「現代の教養-エピステーメーとテクネー」。
四部にわたって構成された「知の巨人」による教育・教養論。
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深い話だけど、面白かった。教育論とか、東大の実情とか、あんまり自分には関係無いけど、そんなこと関係なしに、読み応えバッチリで、するする読めた。下手な啓発本より、教養を身につけなければと思わせるし、本を読みたくなった。時間をおいてもう一度読みたい。
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リベラル・アーツ。
人間教育が目的。リベラルアーツ教育を通して、人間を鍛える。
専門的なバカはいらない。
いろんな専門領域のことまで、ある程度わかるレベルの
ゼネラリストを作る。
この本で、気にいったところ。
自分の目的とする本を求める時、目的の書棚にいくまでに
すみからすみまで歩いて、すべての本のタイトルを声にだして歩く。
自分と知識の総量のGAPを感じることができる。
大きな書店に行くと、いつも、あー自分は足りない
すごい人の話を聞くと、いつも、あー自分は足りない
そう思うと、燃えるんですよね。。。
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立花氏が言うのももっともなんだけど、
多分今、彼が思う以上にものを知らないバカが沢山いると思う。教養以前の問題。大体若い人は大学生ですら本を読まなすぎ。
本質的なとこから教育を見直した方がいいというのは非常に納得。日本はアホの国になってしまうという危機感をもっと多くの人が持った方がいい。立花氏にはこれからもがんばってもらいたい。
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文字通り東大生(特に法学部生)を「バカ」だと言い切る著者。では何を持って「バカ」だと断じているのか。それは「教養がないから」だと言う。では「教養」とは何なのか、そしてなぜ「教養」と身につけなければいけないのか。現代社会を生きていくために必要な能力は、試験問題のように与えられた課題にこなすことではない。自分で問題を発見し、自分で調べ、自分で表現・発信する力が必要なのだ。単に東大法学部を叩いて面白がっている本ではない。これは日本式受験勉強に染まった我々全員に当てはまることなのだ。知的亡国論を唱え、日本の将来を真剣に憂える筆者渾身の「教養論」。まずは「調べて・書く」ことから始めよう。
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100冊目の更新が終わったので今の自分に大きな影響を与えた1冊を。いわゆるターニングポイントになった出会いです。
大学入試が終わった2004年3月の春休みにふと本屋でタイトルに惹かれて買ったのが本書でした。当時は立花隆さんがどんな人かも知りませんでした。
読んで驚いたのは今、教養というものが大学の場から崩壊しているだけでなく人々からも失われつつあるということ。そして自分がいかにものを知らずにここまで来たのかということを思い知ることになりました。立花さんは教養というのを次世代に受け継いでいくべき知の総体という風に定義していました。
この本は自体は2001年に単行本としてだされていたのですが、ある意味この後起こるゆとり教育問題がすでに起きていて、その世代が社会に出始める頃になって社会がそれに気がつくと立花さんは言っており、それがその後大きく議論されることになった。それを早くから警鐘を鳴らしていることはさすがだと今更ながら思います。
衝撃を受けた自分はそれから本書に書いてある知の体系というもののアウトラインに沿って分野を問わず本を読むようになりました。この本に出会わなければ今の自分はなかったといえる。
立花さんの本はどれも様々な分野の視点からものを見ているという点で非常に面白いです。学ぶことの楽しさを教えてくれるきっかけとなった本でした。
本書は教養についての本だが、東大から見た教養論など東大の歴史なども書かれており日本の大学が何を目指して出来上がってきたのかも論じられています。
一読の価値があることを保障します。
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東大なんて私には足元にも及びませんが、その東大生(特に法学部生)が無教養なバカになっていると立花氏は指摘します。自分から自発的に学べない詰め込み秀才はいつの時代も少数派だったが、現在ではそのような人間が多数派になっている、教養がなくては近視眼的なものの見方しかできなくなる。と、この国のゆく末を憂います。「教養というものは、別にひけらかさなくても、その有無が、ほんのちょっとした発言とか会話のレスポンス、日常の何気ない行動などの中に自然ににじみ出すようにしてあらわれてしまうものなのである。…教養は付け焼刃で身につけることはできないということを文科?類生は肝に銘じて欲しい。それは学校の成績にも、国家試験の成績にもあらわれてこないが、いずれ君たちの人格そのものにあらわれてきてしまうのである。」「その人の読んでいる本がわかれば、その人の頭の中はほとんどわかってしまうのである。」…また自己啓発してしまいました。
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暗記教育で育ってきたので、一般教養不足と指摘されると、確かに納得。現代では、欲しい情報は簡単に手に入るが、巷に溢れる多くの情報から、必要な情報を探し出す能力が重要ですね。
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著者が東大・教養で3年間教えた経験から間違いなく東大の学生のレベルが低下しているというのです。これは単なるアジテーションではなく、著者が日本の将来を思う真摯な危惧から出たものであることを読みながら痛感します。学生に阿って受験科目を減らし、ゆとり教育を推進し、結果として高校で物理を履修せずに機械工学へ進む学生。同じく高校で生物学を学ばずに医学部、農学部へ進む学生。これが日本の最高峰である東大の実情!!大手前のレベルを言う前に、東大がこれでは日本は一体どうなるのでしょう。著者は東大文卒業であるだけに、素直に読めます。東大法がその中でも、実学の代表として書かれていますが、京大法はそれに対するアンチテーゼとして設立されたということは嬉しい限りです。日本の頂点に立つ東大の問題点は日本の文部科学省の教育方針そのものにあるという著者の指摘は本当に鋭いものがあります。
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古本市場で購入。
立花隆氏の著書を読むのは2冊目だった。著者自身、2度も東大を卒業している立場であり母校への愛情を込めた叱咤激励のようにも見えた。
日本の大学は専門教育に力を入れ、教養教育(著者のいうリベラル・アーツ)は壊滅状態であるが、大学というところは本来、教養や自己学習の方法(これも教養のうち)を身につける場であると、指摘している。
もっとも大学時代には遊んでばかりで、本書に記載の内容レベルにぜんぜん至っていない生活を送っていた私にとっては、耳の痛い話が多い。社会人になってからは、いろいろなことを知りたいと思い、読書をする機会が学生時代より多くなったので、著者のいってることに同調できることも多かった。知の全体像(ロードマップ的な物)を16世紀ぐらいにイメージしていた人がいたことを知って少し驚いた。
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教養とは何かについて簡単に答えてくれる訳ではないが(そんなものは分からないのかも知れないが)、教養がいかに大学生、東大生にとって重要なもので、それは授業だけでは得られないものであるということを改めて学べる一冊ではないか。授業だけでは得られないというのは、課外活動をすればいいというものではなく、自学自習するということである。
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大学論や教育論と絡めながら,教養とは何ぞや,と読者に鋭く語りかける良書。
本書を読むと,いかに自分の受けてきた教育が偏ったものであったかを思い知る。教養を高めることをないがしろにする教育システムは,将来の日本国民の知的水準を押し下げ,ひいては国際競争に勝てなくなる,そしてそうした教育方針を現場に押しつける文科省が存在し続けていることに恥すら覚える,というのが立花氏の見解だ。
私自身の大学学部時代を思い起こすと,立花氏が糾弾の対象とする無教養な学生像に当てはまってしまい,後ろめたい気持ちもしたが,何より本書が素晴らしいのは,人類の知的資産の相続人たるべき「教養人」を目指すモチベーションを与えてくれることだ。
本書は,人間として真に取り組むべきことは何か,という広い視点から今の自分を見つめ直すきっかけを与えてくれる。
目の前の研究に行き詰まった時に読むと良い。
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①東大は文部省が支配している国の機関であるということ。
②最大の原因は大学がより多くの生徒を獲得するために大学入試が簡単になっているということ。
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現代の学生がバカになったのか?東大での教師経験から論じた本。
現代の学生はバカになった、と思う。てのが著者の見解。文章が書けない、そもそも(漢)字が書けない。などの事実から、文部省(当時)の教育プログラムの問題や大学側の対応などに疑問を投げつける。
教養(著者は定義を避けているが…)のなさが、学生がバカになった原因の1つであると語る。そして、自分で考える力のなさ、が他の原因としてある、とも言う。
とりあえず、マックス・ヴェーバー、小林秀雄、フランシス・ベーコン、デカルトとか読まないとなー。
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危機を感じた。大学生として。これ、読んだほうがいいんじゃないかな。いい、悪いは別として、考え方として知っておきたい。きちんと「教育」に対して真剣に考えれる人が少ないと思う。もっかいきちんと読もうかな。
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ご存知、立花隆の教養論。2001年の本なんだすわね、だすわよ。ずいぶんな放言だなという感じもするけど、まあ大体は共感できる。ただ、こういう本って話題になると一定の言説を作ってしまうのが難点だよな。あとグローバリゼーションということを意識しすぎているのがなんだか時代を感じますね。数年前はグローバリゼーションという言葉が流行っていたように思うけど、最近あんまり聞かないもんね。好きな部分は「人間の知の遺産の目録を知っておく」というフレーズですね。言い方が好きなんだけど、それ自体も大事だと思う。そして、今の学生の需要ともマッチしていることだと僕は勝手に思っているんですが違うんですかね。例えば、文学軽視が良くない。文学って皆大体興味持っているけど(潜在的な興味を持っている人は多いと思う)、どっぷり漬からないといい読書ができるようにはならないから(俺がそうだった)、大枠の授業をしてくれたらいいのにな、って思う。とにかく、そういう目録を知るための必修授業つくるべきだよな。あと「暗黒社会論」開講も賛成できる。
Posted by ブクログ
立花隆のいう「バカ」というのは教養のことです。とりあえずこの本で東大生がバカになったかどうかはわかりませんが、立花隆がどういう基準でバカかどうかを判断しているのかはわかりました。