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Posted by ブクログ
この本を読む前に、痴呆の祖母とこんな話をした。
「一郎さんは?」「死んだ」「次郎さんは?」「死んだ」「三郎さんは?」「死んだ」………。十吉さんまで実在してて、皆ことごとく死んでて、私も祖母も近くで話を聞いていた両親も、それで大笑いした。
この本を読んだ後には、父親とこんな話をした。
「形式と内容はどっちが大切?」「内容が大切なら、どこか体育館みたいな広い所にゴザ敷いて“世界はひとつ”とか言ってみんなで暮らしてれば良いけど、そうじゃないから、みんな同じ形の家をそれぞれ建てて別々に住んでる。まぁ、何より大切なのは、工期だけどね」元現場監督の立場から父はそう答えた。
もうすぐ30才で、ソンタグを読んで、ワイルドを読んで、祖母や父とそんな会話をして、『年の残り』を読んで、そしてこの本の269ページから270ページに続く丸谷才一の文章を読んで、私は涙がこぼれそうになるほど感動した。
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