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69歳の病院長が最近しきりに思うのは、遠い若き日々と自らの老い、そして死んでしまった友人知人たち。患者の少年を診るにつけ、その昔縁談のあった少年の美貌の伯母を思い出す。死が淡く濃く支配する、人生の年輪が刻み込んだ不可知の世界を、丸谷才一ならではの巧緻きわまりない小説作法と仄かなユーモアで描き出す、第59回芥川賞受賞作の表題作。他に、「川のない街で」「男ざかり」「思想と無思想の間」の佳作三篇を収録。いずれも小説の醍醐味を味わえる、珠玉の短篇集。
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Posted by ブクログ
この本を読む前に、痴呆の祖母とこんな話をした。 「一郎さんは?」「死んだ」「次郎さんは?」「死んだ」「三郎さんは?」「死んだ」………。十吉さんまで実在してて、皆ことごとく死んでて、私も祖母も近くで話を聞いていた両親も、それで大笑いした。 この本を読んだ後には、父親とこんな話をした。 「形式と内容は...続きを読むどっちが大切?」「内容が大切なら、どこか体育館みたいな広い所にゴザ敷いて“世界はひとつ”とか言ってみんなで暮らしてれば良いけど、そうじゃないから、みんな同じ形の家をそれぞれ建てて別々に住んでる。まぁ、何より大切なのは、工期だけどね」元現場監督の立場から父はそう答えた。 もうすぐ30才で、ソンタグを読んで、ワイルドを読んで、祖母や父とそんな会話をして、『年の残り』を読んで、そしてこの本の269ページから270ページに続く丸谷才一の文章を読んで、私は涙がこぼれそうになるほど感動した。
表題作の『年の名残り』を読みました。 味わい深い、読み応えのある文章で、一介の医師の老境を彼の旧制高校時代の同級生達の生き様を交えながら、複雑な心情の綾を巧みに描いていて素晴らしいと思いました。 親子とそして妻との関係も、それぞれの登場人物のもつ様々な有り様を対比させていて独善に陥らず、心の内側...続きを読むを見つめると同時に外へも開き、観察し、分析する均衡の取れた人格を読みながら知覚する、その辺りが心地良く感じました。 しかし、かなり衝撃的な事件とも言うべき出来事もあるので、読む際にはそれなりの覚悟が必要かもしれません。
淡々としたその物語が好き。 丸谷さんのものはこれまでエッセイしか読んだことがなかったけれど、これからは小説も読んでいこう。そんな気持ちにさせてくれた中編集。 表題作「年の残り」と「思想と無思想の間」が個人的には好きだった。
六十九歳の病院長が、患者の少年との関係から回想する若き日々の情景――老い病い死という人生不可知の世界を巧みに結実させた芥川賞受賞作「年の残り」「川のない街で」「男ざかり」「思想と無思想の間」の四篇収録人生のひだを感じさせる六〇年代の作品。
丸谷才一の二冊目の本。こちらは中短編集。 「たったひとりの反乱」はそうでもなかったが、こちらはより丸谷色の強い作品なのだろう。 地の文と会話文が混然一体となっている。 また、現在と回想とが自在に入り乱れる。 確かに人間の実際の思考はこうなのかもしれないけど、読みにくいと感じる面も否めない。
大正から昭和を生きる人々を描いた短編集。 人が内側に抱える思考や葛藤、過ぎていく日々の虚しさ、同時に救いでもある日常の流れが淡々と綴られている。老いや死が人に与えるものは何なのか、しんみりと考える人生そのもののような本だった。
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年の残り
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丸谷才一
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