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忖度しません(世の中ラボ3)
あなたも、わたしも、この国の当事者。自分の言葉で、ちゃんと語るために。考えるためのヒントがいっぱい。激動の時代を、本を読んで考え続けた5年間、42の同時代批評。 -
そんな気がする
この話、前にも書いたかもしれない―― 考えすぎのプロが帰ってきた! 大人気エッセイ集第2弾 「もしこの中から一編だけを読めば、「ああ、今回はネタ切れだったのかな?」と思うような題材だ。だが、全編がそうなのだ。怖い。」――書評家・花田菜々子(『べつに怒ってない』書評より) いっそうのネタ切れ感を隠さないまま続編が刊行! 暑い、再配達が来ない、「すごい筋肉でしょ」と言われたときの返しが難しい。 一回きりの日常に何度でも立ち止まる、不毛で豊かなエッセイ123本。 ――― 『そんな気がする』というタイトルは、尊敬する人と対談している時に、私たちの仕事に共通点があるとすれば、そんな気がする、って感じたことを書いているのかもしれませんね、と盛り上がったのがきっかけになっている。そんな気がするって、絶対にこうだとか、みんなそう言っているとか、これだけは譲れないなどと比べるとだいぶ弱い。背骨がなくてフニャフニャしている。でも、そんな気がする、が持っている柔軟さを自分は信じている。みなさんも信じてください、とお願いしたいわけではない。私にとって、そんな気がする、と感じた記録がこの本です。(「はじめに」より) -
増補 アジア主義を問いなおす
緊張が続く日本と東アジアに、どんな共存のあり方を描くことができるのか。その手掛かりとなるのがアジア主義だ。本書では、満州事変から日中戦争への流れを、欧米協調とアジア主義との相克という外交史的観点から辿りなおす。そこで明らかになるのは、中国との緊張を高めつつ満州国を建設し東亜協同体構想を掲げた当時の日本が、実は対米関係を最重要視していたという意外な事実だ。日本と東アジア、そしてアメリカ──今日まで連なるこの錯綜した関係を解きほぐすために避けては通れないアジア主義の実像に迫る。文庫化に際して、その思想と政策との捩れを問う論考を書き下ろした増補決定版。 -
増補 アルコホリズムの社会学 ――アディクションと近代
ひとはなぜアルコホリズム(アルコール依存)に陥るのだろうか。原因を「意志の弱さ」に求めていては何も解決しない。自分の意志ではどうにもできないと認めることが回復への第一歩となるのだ。そこから見えてくるのは、「自らの意志で欲求をコントロールする主体」という、近代社会の理想的人間像である。アディクション(依存症)とは、そうした近代的あり方の綻びが露呈したものに他ならない。だとすれば、回復への道は近代合理主義が切り捨ててきたものの中にこそ見出し得る──。ベイトソンやギデンズの思想に依拠しつつ、アディクションを社会学的に解明した先駆的名著。 -
増補 エロマンガ・スタディーズ ――「快楽装置」としての漫画入門
日本を代表する文化“マンガ”の裏面にあって、決して日の目を見ることのないエロマンガ。「性的」であることを唯一のルールとして、世間の良識を逸脱した創造力と欲望が数多くの名作・怪作を生み出し、一般のマンガにも多大な影響を与えている。いつの時代も嫌悪と蔑視の対象であった“不可視の王国”に真正面から取り組んだ唯一無二の漫画評論、増補決定版。 -
増補改訂 アンチ・アクション ――日本戦後絵画と女性の画家
日本と米国の間にある文化的政治的関係をくぐり抜け、極めて先進的な表現を行った草間彌生。消費と創造への人々の関心を作品の中で両立させた田中敦子。「捺す」という技法によって特殊な作者性を主張した福島秀子。アンフォルメルとアクション・ペインティングが席捲する1950-60年代の日本において、彼女たちはそれらにどう抵抗し、自らの作品を創り上げたか――。戦後の批評言説を再検証しながら、フェミニズム的概念「アンチ・アクション」を通して、もうひとつの美術史を記述する。サントリー学芸賞受賞作を改訂し、多田美波の実践から「ポスト・アクション」に迫った補論を付して文庫化! -
増補改訂 境界の美術史 ――「美術」形成史ノート
現在の美術を作り出した「境界」が引かれ、社会に浸透していく過程を、制度史的視点から捉えた画期的論集。近代において「美術」概念や日本画をはじめとする諸ジャンルは、いかにして形づくられ、純化へと向かっていったか。衝突や動揺を引き起こしつつも、五感の秩序における視覚の優位、工業社会の到来、固有の造型芸術への意志、これら三つが推進力となって「美術」は成立した。だが、その境界は画定し切ったわけではない。裂け目を孕みながら、未完の運動体として今もわれわれの目の前にある。『眼の神殿』と対をなす本書は、新たな作品創造と歴史記述の可能性へと読者を導く。 -
増補改訂 帝国陸軍機甲部隊
機甲部隊こと機械化装甲部隊。第一次世界大戦中に登場し、近代軍備の要のひとつとなった新兵器・戦車は、どのように日本帝国陸軍に導入されていったのか。「軍の機械化」に邁進する列強各国の後塵を拝した日本陸軍は、ヴィジョンを欠いて迷走を重ねた結果、惨烈な第二次世界大戦にあって機甲部隊も真価を発揮できぬまま敗退へと向かう。本書は、戦車学校の教官もつとめた著者の実感溢れる主著であり、歴代戦車の写真・図面・年表他、豊富な資料を完備した類なき必読書である。1971年刊行の増補改訂版を底本に、初版から割愛された図版も再録した完全決定版。 -
増補改訂版 「アニメ評論家」宣言
あの名作は、なぜ面白いのか? 『カリオストロの城』の「ルパン」像の新しさ、押井守監督作における乗り物の役割、『パーフェクトブルー』の背景美術はなぜリアルに描かれたか……。1968~2004年までに公開されたアニメ作品を中心に、ユニークな視点と、アニメの表現技法・製作現場・歴史への深い知識をもって語りつくす。アニメの見方を変える傑作評論、大幅に増補改訂して待望の復刊! -
増補 害虫の誕生 ――虫からみた日本史
今では忌み嫌われるハエやゴキブリ。しかしハエは小さくかわいらしい生き物と見られていた時代があり、ゴキブリは豊かさの象徴だったとする説もある。こうした虫たちは、いかにして人間の手で排除すべき〈害虫〉となったのだろうか。本書はその背景を丹念に読みとき、植民地の統治、「清潔」な近代都市の成立、戦争における伝染病の蔓延や毒ガスの開発などを契機に、近代国家が人々の自然観を組みかえてきた過去を明らかにする。文庫化にあたっては、テクノロジーの発達による害虫の「消滅」などを考察した補章を収録。小さな虫から、人と自然の関係に織り込まれたダイナミックな歴史が見えてくる。 -
増補 決闘裁判 ――ヨーロッパ法精神の原風景
生命を賭して一対一で戦い、その結果にしたがって紛争を決着した「決闘裁判」。中世ヨーロッパに広く普及したこの裁判は、どのように行われ、いかにして終焉を迎えたのか。決闘裁判は、熱湯神判、冷水神判といった神判が禁止された以後も、1819年にイギリスで廃止されるまで存続した。それはなぜか。著者は、解決を他者に任せない自力救済の要素に、現代にまで通じる「当事者主義」の法精神をみる。法とは何か、権利や自由、名誉や正義とはどんなものかといった深い問いを投げかける法制史の名著に、「法と身体のパフォーマンス」を増補した決定版。 -
増補 現代美術逸脱史 ──1945-1985
「美術」とは何かが問い直される時代にあって、日本の美術家たちは、どのような思想のもとにいかなる創作活動を展開してきたか。具体、ハイレッド・センター、もの派、美共闘、ポストもの派……。戦後40年の日本美術の流れを跡付け、欧米の模倣でもなく、伝統への回帰でもないその逸脱の軌跡の中に、日本固有の「美術」の萌芽を読み取っていく。作品や展覧会をもとに論じるだけでなく、針生一郎、宮川淳らの批評や、李禹煥ら作家の思想も追った。「類としての美術」を提唱した鮮烈な批評にして画期的通史、およそ100頁の増補を加えた決定版。 -
増補 古典としての旧約聖書
旧約聖書とはいかなる書物なのか。古代ユダヤの人びとはそこに何を読み込み、何を託してきたのか。本書は、半世紀にわたって旧約聖書と取り組み、古代オリエント学者としても豊かな学識をあわせもつ著者が、複雑で多層的な性格をもつ旧約聖書をさまざまな角度から読み解いていく珠玉の講演集である。文庫化にあたっては、定評ある旧版に、物語構造論の観点から聖書を分析する「旧約聖書における物語文学の構造と主題」など、5本の講演を大幅増補。その言葉は今を生きる私たちに何を投げかけるのか。旧約聖書の魅力を、第一人者が余すところなく語りつくす。 -
増補 死者の救済史 ──供養と憑依の宗教学
数々の未練を残してこの世を去った死者たち。その無念に、残された者は何をしてあげることができるのか。この問いに日本人は古くから執心し、多種多様な解決策を練り上げてきた。祟りと祀り、穢れと祓い、供養と調伏、そして死者との直接の交流である憑依。これらをさまざまな角度から再検討し、さらに比較宗教学的な見地を織り込むことで、生者と死者とが邂逅する局面と、そこで行われる交流や対決、取引に新たな光を当ててゆく。文庫化にあたり、靖国神社を集合性と個人性との相克の場として捉えた論考「靖国信仰の個人性」を増補した決定版。 -
増補 新橋パラダイス ――駅前名物ビル残日録
サラリーマンの聖地、新橋のランドマークである新橋駅前ビルとニュー新橋ビルには、東京のど真ん中で昭和の懐かしさを色濃く残すディープな飲食店、小売店、マッサージ店がひしめき合う。しかし、駅前再開発計画が進められており、これらを楽しむ時間はそれほど多くは残されていない。ビルで働く人々の証言を多数の写真と共に伝える異色の探訪記であり、東京最後の秘境の記録。 解説 平松洋子 -
増補 十字軍の思想
聖地エルサレムを異教徒たちから奪還すべく、中世ヨーロッパで構想された「十字軍」。それは神の名において行なわれる聖なる戦争であり、参加者に救済をもたらすとして、無数の人々を戦いに熱狂させ、ムスリムの大量虐殺をひきおこした。制度としての十字軍は16世紀末に終わりを迎えるが、9.11以降、現代まで続く一連のテロ事件と、それに対する欧米社会の反応は、「十字軍」が決して過去の歴史ではないことを明らかにしている。なぜ「聖戦」は繰り返すのか? 対立の根源にあるものとは? 十字軍の思想1700年の歴史を辿り、いまなお世界を脅かす確執の構造を解き明かす。 -
増補 女性解放という思想
「女性解放」を論じることはなぜ難しいのか。あるべき解放論を示すのではなく、かつて女性解放の運動と理論が直面した対立や批判、矛盾やその破綻を描くことで、今なお残る困難の数々を深く鋭く明かす論考集。1部には、イデオロギーに根ざす80年代女性解放論への批判と、「性差があるから差別ではない」とする言説の本質的な不当性を喝破した論考を収録。2部では、ウーマンリブ運動の思想史的位置付けと再評価を行い、3部では、フェミニズム運動への「からかい」が、非難や攻撃にもまさる抑圧的効果をもったことを明かした「からかいの政治学」など、メディアにおける女性表象の問題を追求した。今日までの状況を俯瞰する1章を加えた増補版。 -
増補 聖典クルアーンの思想 ――イスラームの世界観
クルアーンにはモーセやイエスといったユダヤ教・キリスト教の重要人物たちも預言者として登場する。いったい彼らとイスラームとはどういう関係なのか? なぜ同じ預言者同士でありながらムハンマドに下されたクルアーンが最も正しい聖典とされるのか? 本書ではまずシーア派とスンナ派の違いなどの基礎知識を紹介しながらムハンマドの生涯を概観し、イスラームの成立過程をたどる。その上で天から下されては更新されていく「啓示」の基本構造を説明し「ジハード」などの聖句の意味をクルアーンを読みながら解説する。イスラームの考え方や行動の意味が根本からわかる格好の入門書。 -
増補 性と呪殺の密教 ──怪僧ドルジェタクの闇と光
性行為の歓喜が心身の力を極限まで高め、究極の智恵をもたらすという理論を根拠に、修行に導入された「性的ヨーガ」。不正義の人が悪事を成す前に、浄土に送り届けることは救済にほかならないという思想に基づく「呪殺」。チベット密教には、いまだ秘匿された教義が数多く存在する。なぜそうした奥義がチベットで歓迎されるに至ったのか。その背景を解き明かしつつ、知られざる神秘に迫る。国や地域と時代を問わず、宗教にあまねく内在する暴力とエロティシズムの原理にまで鋭く切り込んだ一章を増補。宗教の本質を抉り出す驚異の密教入門書。 -
増補 責任という虚構
人間は自由意志を持った主体的存在であり、自己の行為に責任を負う。これが近代を支える人間像だ。しかし、社会心理学や脳科学はこの見方に真っ向から疑問を投げかける。ホロコースト・死刑・冤罪の分析から浮き上がる責任の構造とは何か。本書は、自由意志概念のイデオロギー性を暴き、あらゆる手段で近代が秘匿してきた秩序維持装置の仕組みを炙り出す。社会に虚構が生まれると同時に、その虚構性が必ず隠蔽されるのはなぜか。人間の根源的姿に迫った著者代表作。文庫版には自由・平等・普遍の正体、そして規範論の罠を明らかにした補考「近代の原罪」を付す。 -
増補 中世日本の内と外
「国境」という概念が定着する以前から、東アジア世界にもたしかに領土・領有意識はあった。しかしそれはあくまで権力者の都合によるもので、一般の民衆には大きな意味をなさなかった。日本と新羅の国交が断絶した9世紀、朝鮮半島南西部を拠点にした海上貿易のドン・張宝高は、日本に唐物の商品を運び、貴族からも大いに喜ばれた。また中国の仏教聖地を訪れるために遣唐使船に同乗した天台僧の円仁は、新羅人の船に乗って帰ってくる。日朝間の海域では「倭人」が活発な交易を行っていた。境界を軽々とまたぎ、生活していた東アジアの人びとに焦点をあて、境界観の歴史をたどる。 -
増補 南島の神話
遥かなる海の神話 創造神タンガロア、英雄マウイ、蛇とウナギ…… 日本の古層文化にも連なる壮大な南島世界へ 穀物を生む死体、英雄マウイの島釣り、ハワイの創世詩クムリポ……。日本の基層文化にも通底する、壮大な南島(オーストロネシア)神話への入門書。 === 東南アジア島嶼部からメラネシア、ミクロネシア、ポリネシアに及ぶ南島(オーストロネシア)語圏。本書は英雄マウイの伝説からハワイの創世詩クムリポまで、この海洋世界に生まれた多彩な神話の数々を紹介する。それらの神話の魅力は単に内容の面白さだけにとどまらない。死体から誕生する穀物、女だけの島、釣針の喪失など、われわれにも馴染み深い神話や民話と通底するモチーフからは、日本列島をも包含した壮大なスケールの古層文化が浮かび上がってくる。再刊に当たり、南島語圏から人類全体へと射程を広げて神話と文化の関係を考察した補章を収録。豊かな南島神話世界への格好の入門書。 【目次】 第一章 南島の創世神話 フィリピン・インドネシア方面の神話/オーストラリア・アボリジナルの神話/メラネシアの神話/ミクロネシアの神話/ポリネシアの神話/南島世界の文化の系譜 第二章 愛と豊穣の神話 死体化生型神話/インドネシアの死体化生型神話/オセアニアの死体化生型神話/ポリネシアの作物起源/死体化生型の生命観/〔コラム〕生命のシンボル・ココ椰子/ココ椰子の起源と首狩り/〔コラム〕首狩りとココ椰子/ウナギの情夫とココ椰子の起源/女護ケ島の話/〔コラム〕危険な航海 第三章 死の起源と死後の世界 脱皮型の死の起源神話/過ちによる死の起源神話/正常な出産と死の起源/冥界への旅/〔コラム〕メラネシアやミクロネシアの冥界観/ポリネシア人の死と冥界/〔コラム〕ポリネシア人の冥界/冥界からの生還/〔コラム〕オルペウス神話の意味/死者との結婚/〔コラム〕異類婚と冥界訪問譚 第四章 日本神話と南島世界 海幸・山幸神話の広がり/天地のはじめと双神神話/日本神話の広がり/日本の民話の広がり/〔コラム〕日本と南島の神話や民話の類縁性は何を意味するか? 第五章 火山の女神と英雄マウイ 〔コラム〕島の形成とハワイの自然/ハワイ神話を代表する神々/火山の女神ペレにまつわる神話群/フラの起源にまつわる神話/英雄マウイ/王の登場/〔コラム〕ポリネシアの首長制社会/歴史の黎明―ウミ神話とカメハメハの台頭/〔コラム〕カメハメハの台頭 第六章 ハワイの創世神話・クムリポ クムリポの発見/クムリポ・第一部―夜の時代/クムリポ・第二部―昼の時代/国生み神話/クムリポの謎/神話を読むとは 補章 人類と日本列島の古層神話――世界神話学からの挑戦 人類史からみた南島神話/〔コラム〕オセアニアの人類居住年代/釣針喪失譚、再び/〔コラム〕モンゴロイドという呼称を巡って/南島の海と宇宙 あとがき/ちくま学芸文庫版あとがき/引用・参考文献 -
増補 ネガティヴ・ケイパビリティで生きる ――答えを急がず立ち止まる力
最注目の俊英3名による、令和の必須文献。 変化の激しい現代社会で、どう自分の足場を築くことができるのか。 安易な解決に走らず、問いとともに生きる方法はあるのか。 哲学者と公共政策学者が、陰謀論から生成AIまで議論する。 令和の人文を象徴する鼎談が、約4万字の増補をくわえて文庫化。 解説 三宅香帆 【目次】 はじめに 第一の対話――2022/04/04 ▼イントロダクション ナラティヴと陰謀論をめぐって 第1章「一問一答」的世界観から逃れる方法――陰謀論、対人論証、ファシリテーション 第2章 自分に都合のいいナラティヴを離れる方法――フィクション、言葉遣い、疲労の意味 第二の対話――2022/05/07 ▼イントロダクション 地球を覆い尽くすアテンションエコノミー 第3章「アイヒマンにならないように自分の頭で考えよう」という言葉に乗れない理由――コンサンプション(消費)、アテンション(注目)、インテンション(意図) 第4章 信頼のためには関係が壊れるリスクを負わねばならない――マーケティング、トラスト、脱常識 第5章「言葉に乗っ取られない」ために必要なこと――SNS、プライバシー、言葉の複数性 第三の対話――2022/07/16 ▼イントロダクション 徳と観察をめぐって 第6章 自分のナラティヴ/言葉を持つこと――倫理、相対化、ナッジ 第7章 公と私を再接続するコーポラティヴ・ヴェンチャー――関心、実験、中間集団 第8章 イベントとしての日常から、エピソードとしての日常へ――観察、対話、ナラティヴ 第四の対話――2025/08/05 第9章 ネガティヴ・ケイパビリティにとって孤独とは何か――政治、クラフト、オルタナティヴ 第10章 AI時代の言葉を哲学する――ケア、孤独、熱狂 第11章 言葉はごまかせないもの――メタファー、沈黙、責任 解説 三宅香帆「饒舌な時代に、それでも言い淀む瞬間」 索引 -
増補版 ドキュメント死刑囚
幼女連続殺害事件の宮崎勤、奈良女児殺害事件の小林薫、附属池田小事件の宅間守、土浦無差別殺傷事件の金川真大……モンスターたちの素顔にせまる。 -
増補 普通の人びと ──ホロコーストと第101警察予備大隊
薬剤師や職人、木材商などの一般市民を中心に編成された第101警察予備大隊。ナチス台頭以前に教育を受け、とりたてて狂信的な反ユダヤ主義者というわけでもなかった彼らは、ポーランドにおいて3万8000人ものユダヤ人を殺害し、4万5000人以上の強制移送を実行した。私たちと同じごく平凡な人びとが、無抵抗なユダヤ人を並び立たせ、ひたすら銃殺しつづける──そんなことがなぜ可能だったのか。限られた資料や証言を縒り合わせ、凄惨きわまりないその実態を描き出すとともに、彼らを大量殺戮へと導いた恐るべきメカニズムに迫る戦慄の書。原著最新版より、増補分をあらたに訳出した決定版。 -
増補 文明史のなかの明治憲法 ──この国のかたちと西洋体験
日本人は、西洋から何をいかに学んで明治立憲体制をつくったのだろうか。憲法制定のルーツを明治初めの岩倉使節団にまで遡り、不平等条約改正に向けた諸国調査を原点としていた明治国家形成の動きが、やがて「徹頭徹尾日本的」な立憲君主制への道に転じていく過程を、木戸孝允、大久保利通、伊藤博文、山県有朋らの西洋体験を通して描き出していく。日本型立憲国家誕生のドラマとしてのみならず、西洋文明受容をめぐる思想史としても高く評価された角川財団学芸賞・大佛次郎論壇賞ダブル受賞作に、大久保利通論、伊藤博文論を増補した待望の完全版。 -
増補 民族という虚構
“民族”は、虚構に支えられた現象である。時に対立や闘争を引き起こす力を持ちながらも、その虚構性は巧みに隠蔽されている。虚構の意味を否定的に捉えてはならない。社会は虚構があってはじめて機能する。著者は“民族”の構成と再構成のメカニズムを血縁・文化連続性・記憶の精緻な分析を通して解明し、我々の常識を根本から転換させる。そしてそれらの知見を基に、開かれた共同体概念の構築へと向かう。文庫化にあたり、新たに補考「虚構論」を加えた。 -
贈与論
ポトラッチやクラなど伝統社会にみられる慣習、また古代ローマ、古代ヒンドゥー、ゲルマンの法や宗教にかつて存在した慣行を精緻に考察し、贈与が単なる経済原則を超えた別種の原理を内在させていることを示した、贈与交換の先駆的研究。贈与交換のシステムが、法、道徳、宗教、経済、身体的・生理学的現象、象徴表現の諸領域に還元不可能な「全体的社会的事象」であるという画期的な概念は、レヴィ=ストロース、バタイユ等のちの多くの思想家に計り知れない影響とインスピレーションを与えた。不朽の名著、待望の新訳決定版。人類社会のアルケーヘ。 -
体育がきらい
先生はエラそうだし、ボールは怖い!★体育なんか嫌いだ!という児童生徒が増えています。なぜ、体育嫌いは生まれてしまうのでしょうか。授業、教員、部活動。問題は色々なところに潜んでいます。そんな「嫌い」を哲学で解きほぐせば、体育の本質が見えてきます。強さや速さよりも重要なこととは? 「『体育』なんて好きにならなくてもいい」のです。最も重要なことは、みなさんが多様な他者とともに、自分自身のからだで、賢く、幸せに生きていくことです。そのためにも、たとえ体育の授業や先生、運動部やスポーツが嫌いになったとしても、みなさん自身のからだだけは、どうか嫌いにならないでください。(「おわりに」より)■はじめに/第一章 「体育ぎらい」のリアル/第二章 体育の授業がきらい「規律と恥ずかしさ」/第三章 体育の先生がきらい「怖くても、ユルくても」/第四章 運動部がきらい「体育教師らしさの故郷」/第五章 スポーツがきらい「残酷で、すばらしい文化」/第六章 そもそも運動がきらい「だからこそ、からだに還る」/おわりに -
対称性の数学 ――文様の幾何と群論
人体、鉱物や雪の結晶、建築の意匠、芸術・工芸作品……。対称性はミクロレベルにおいては分子構造から、マクロレベルでは特殊相対論で距離の定式化や銀河の形状に至るまであらゆるところに伏在している。ただ、この対称性のパターンは、意外にもその種類が多くない、という注目すべき事実がある。パターンを分類し、抽象し、一般化すると、そこに数学の概念“群”が現れてくる。本書の前半は“平面の結晶群”とも言うべき周期性をもった壁紙模様、モザイク模様が語られ、後半ではプラトンの正多面体の合同群についての考察がなされる。初学者のための群論的思考入門。 -
太平洋戦争 日本語諜報戦 ──言語官の活躍と試練
太平洋戦争の対日諜報戦で、捕獲した日本軍文書の翻訳、暗号解読、捕虜の尋問、プロパガンダ活動等に携わった言語官たち。終戦後は連合国軍の一員として戦犯裁判や、GHQの占領政策実施で不可欠な役割を果たした。米国、英国、オーストラリア、カナダは、語学兵をどのように動員したか。早い時期から重要性を認識して準備した国と、終戦間際になって慌てた国の違いは何だったのか。各国の言語官養成の実際、戦地での活躍、二世たちの葛藤……。貴重な記録から、日本語諜報の実像に迫る。 -
台湾とは何か
台湾が激しく動いている。戦後日本は台湾に撤退した中華民国と国交を結んだが、後に中華人民共和国と国交正常化を行い、台湾は遠い存在になった。しかし、目覚ましい経済発展と見事な民主化、東日本大震災での日本への巨額の支援もあり、台湾は再び身近で重要な存在になりつつある。台湾は中国にとってのアキレス腱であり、日本にとってのジレンマだ。日中台の複雑なトライアングルの中、台湾は絶妙のバランス感覚で日中と巧みに渡り合う。二〇一六年総統選挙で劇的な政権交代を遂げた最新の姿を、政治、歴史、社会から解き明かし、冷戦期の固定観念から脱した新しい「台湾論」を提言する。 -
台湾の半世紀 ――民主化と台湾化の現場
1972年日中国交樹立によって、日本は中華民国(=台湾)と断交した。その同じ年に大学院に進学、研究をスタートさせた著者の研究人生は奇しくも台湾が民主化し、中国とは明らかに異なるアイデンティティ(=台湾化)へと進んだ道程と重なる。政府要人や台湾人研究者、歴史的事件の関係者との交流……。いまや中国は経済的にも軍事的にも大国となって、アメリカのライバルへと躍り出た。黎明期から台湾を見つめ続けた著者が、米中両大国に翻弄されつつも主体性を模索する台湾のこれまでを振り返り、現状と今後のゆくえを分析する。 【目次】プロローグ 台湾現代史における一九四九年と一九七二年/第I部 民主化の現場を歩く──オポジションから入る/第一章 日台断交の頃──台湾研究事始めと初めての台湾訪問/第二章 民主化の胎動に触れる/第三章 「自由の隙間」に立ちあがる台湾ナショナリズム/第四章 国民党一党支配の揺らぎ/第五章 民主化と「バランサー」李登輝の闘争──「憲政改革」の政治過程を見つめる/第六章 日本台湾学会の設立──台湾理解の知的インフラ/第II部 台湾化の脈動を見出す──アイデンティティの政治の背景に眼をやる/第七章 船出する新興民主体制──総統選挙が刻む政治のリズム/第八章 大国の狭間で──「中国要因」の政治の登場と米中の対立/第九章 中華民国台湾化論を提起する──台湾政治研究の曲がり角で/第十章 中華民国台湾化の不均衡な展開──新興民主体制下の国家再編と国民再編/エピローグ パフォーマンスする主権──「台湾の定義はまだできていない?」 -
台湾物語 ──「麗しの島」の過去・現在・未来
旅行先として人気の台湾。しかし、ガイドブックに載る情報以外のことは、実は日本ではあまり知られていない。歴史、ことば、神様、建築、地名、映画、そして台北、台中、台南などの町々……この一冊を読めば、知らなかったさまざまなことがよくわかる。台湾でも活躍する日本人作家が語る、この島と人びとの昨日・今日・明日の物語! -
高峰秀子の捨てられない荷物
5歳で子役デビューして以来、55歳で引退するまで日本映画の巨匠たちの名作300本余に出演、名随筆家として300本余に出演、名随筆家として26冊の著作を遺した高峰秀子。その高峰に唯一、素顔を書くことを許され、のちに養女に迎えられた著者による“高峰連作”の第一作。固く口を閉ざしていた養母や血縁との壮絶な確執をはじめとする怒涛のような前半生と夫・松山善三との幸福に満ちた後半生を貴重な言質とともに活写する。大女優・高峰秀子が最期まで捨てようにも捨てられなかった荷物とは? 感動に満ちた“運命の評伝”が今、よみがえる!高峰秀子の「ひとこと」収録。 -
武満徹 ──現代音楽で世界をリードした作曲家
戦争の傷跡が残る日本で、作曲家の道を志した青年がいた。正規の音楽教育を受けることなく、独学で現代音楽の可能性を切り開いていった男の物語。ある“歌”との出会いが、その少年の将来を決めた。新しい響きと表現を探求し続けた作曲家の生涯をたどる。 -
ただいま装幀中
リボンをかけた小箱をひとつひとつプレゼントするように、ちくまプリマー新書の装幀を続けて20年、500冊。アイディアは台所のテーブルで生まれる。パソコンは二人で一台。「ノイズ」や「ほつれ」こそが魅力。愛は必需品――。二人組創作ユニット「クラフト・エヴィング商會」が語る、装幀という仕事。ちくまプリマー新書500巻記念! 【目次】1 本は平面でありながら立体でもある――どうして装幀の仕事をすることになったか/2 つかず離れずというのがちょうどいいんです――どんなふうに二人でデザインをしているか/プリマー新書*装幀セレクション3 リボンをかけた小箱をプレゼントするように――「ノイズ」と「ほつれ」と「にじみ」/4 「何もしない」っていうのは、どうでしょう――「過程」があってこその「結果」なんです/「あとがき」の代わりに -
達人はここを見る いちばんわかる日本美術鑑賞
なるほど! この絵がなぜ名作なのか、 ずばり納得の入門書 名画の前に立ってもイマイチ響かないあなたに! 美術の味わい方なら達人に聞こう! 長谷川等伯、狩野永徳、伊藤若冲、葛飾北斎……日本美術の超有名作品を取り上げ、美術界の第一人者たちが深く、わかりやすく教えてくれます。 「何を見るのか」「なぜそれが大切なのか」を、納得できる豊かな美術鑑賞を開く夢の入門書。 人気アートブロガーが達人たちと深掘りする いちばんわかる日本美術入門書 作者名や時代、技法、国宝かどうか――そうした情報は作品を理解する手がかりになりますが、それだけで作品の前にいる時間が豊かになるとは限りません。日本美術を「正しく理解する」ための教科書ではなく、どう見れば面白くなるのか、どこに注目すれば作品が語り始めるのか。専門家が長年積み重ねてきた「絵を見分ける目」は、鑑賞者の自由をも増やすものです。(「まえがき」より) === 【目次】 まえがき 第1章 黒田泰三先生に聞く 長谷川等伯《松林図屛風》 線の揺れや墨の飛沫に込められた心情を読み解く 第2章 石田佳也先生に聞く 狩野永徳《上杉本洛中洛外図屛風》 桃山時代の天才の素顔と御用絵師集団・狩野派とは 第3章 佐藤康宏先生に聞く 伊藤若冲《老松白鳳図》 過剰すぎる作品世界をていねいに見尽くす 第4章 日野原健司先生に聞く 葛飾北斎《神奈川沖浪裏》 天才の驚くべき仕掛や演出の楽しみ方 第5章 古田亮先生に聞く 高橋由一《鮭》 油彩の幕開けを告げた作品が語る明治の画家渡世 第6章 小林祐子先生に聞く 安藤緑山の象牙彫刻 えっ、作りものなの⁈ 知られざる明治工芸のすごさ 第7章 安村敏信先生に聞く もっともっと江戸美術 主流から傍流まで、ざっくりつかもう あとがき === -
谷川俊太郎のあれやこれや
魅力全開! 単行本初収録の詩やエッセー、亡き人たちへの追憶、パロディ、若き日の戯曲、そして自伝風の読む年譜。欲ばりで楽しいヴァラエティブック。【収録作品】●エッセー・コレクション:子どもの歌の歴史を語る名エッセーなど初収録の11篇 ●懐かしい人たち:寺山修司、武満徹から大岡信、和田誠まで(追悼詩も多数収録) ●戯文五つと戯詩ひとつ:ビートルズから夏目漱石まで。愉しいパロディ6篇 ●戯曲 お芝居はおしまい:29歳の若き詩人が書いた喜劇三幕の長篇戯曲を初収録 ●小詩集:石牟礼道子さんとの「空想の対詩」のほか、多彩な作風の詩集未収録19作 ●自伝風の読む年譜:自身の文章の他に、書評、インタビュー、新聞記事も多数収録 -
種村季弘コレクション 驚異の函
世界のからくりや不思議を語らせたら随一、教え子であり本書編者でもある諏訪哲史をして「日本の人文科学が世界に誇るべき“知の無限迷宮”の怪人」と言わしめた種村季弘―本書はその博覧強記のエッセンスをぎゅっと詰め込んだアンソロジーだ。ヨーロッパ各地に伝わる吸血鬼伝説を渉猟した「吸血鬼幻想」、自動人形論の金字塔「少女人形フランシーヌ」、ぺてん師研究の白眉「ケペニックの大尉」、怪物誕生を神話の源泉に探る著者畢生の名作「怪物の作り方」などの代表作はもちろん、著者の素顔が透けて見える自伝的随想・講演・読書論・対談まで網羅。没後20年、インチキと不寛容に満ちた現代に放つ文庫オリジナル。 -
民のモラル ――ホーガースと18世紀イギリス
徹底的な史料の読み込みと、図像の分析で文化史研究に新たな地平を拓いたあの先駆的な名著に、図版を増補。本書では18世紀ころのイギリスで行われていた制裁の儀礼「女房売り」「シャリヴァリ」から食糧蜂起にいたる、いじめと騒ぎの歴史をひもとき、イギリス民衆の正義や秩序の意識を解読。さらにジェントルマンの日記やローカル新聞の記事、裁判記録などから、統治者といえども時代の作法・約束事にしたがわざるをえなかった事情を明らかにする。そうした観点からホーガースなどの風刺画を解析してみると―。当時のイギリスの街中を旅して、人々と出あえるような、出色の一冊。 -
短歌ご一緒しませんか
音楽界の異端児・岡村靖幸×現代短歌のトップランナー・俵万智による 「読んで詠える」短歌教室 短歌完全初心者の岡村ちゃんと、短歌のこころを基礎から学びます。 5・7・5・7・7というたった31文字から切り拓く表現の無限の可能性に、 音楽界のカリスマも大興奮&大苦戦。投稿者にも強者があらわれ……!? 「自分のハートを短歌で仕上げられるようになるためのテクニックを伝授します!」――俵万智 岡村靖幸オフィシャルファンクラブサイト「DATE」好評対談連載、待望の書籍化! <目次> Lesson 1 短歌の基本ルールと裏ワザ Lesson 2 たくさん読んで、たくさん詠む! 題詠:食べ物 Lesson 3 強者現る!! 題詠:青 Lesson 4 自由で楽しい日本語の響き 題詠:オノマトペ Lesson 5 自分だったら……を考える 題詠:笑う Lesson 6 動詞の掛け算 題詠:夏 Lesson 7 楽しむ音こそ音楽だ! 題詠:音楽 LETʼS TAKE A WALK ~吟行しませんか Lesson 8 職業と人生 題詠:仕事 Lesson 9 短歌の王道は〈恋〉! 題詠:約束 Lesson 10 主語を絞る 題詠:故郷 Lesson 11 キラーフレーズを活かせ! 題詠:雨 Lesson 12 短歌の時代 題詠:風 -
単身高齢者のリアル ――老後ひとりの住宅問題
こんなに難しい「最期の居場所」 老後ひとりになって初めて気づく、あまりにも冷酷な現実 貯蓄があっても賃貸に入居できない? 持ち家でも安泰とは言えない? 8日以上発見されない「孤立死」は年間2万件超。老後ひとりの「最期の居場所」をみつけるのは、こんなにも難しい。一人でも孤立せず生活を続けるためには、どうすればよいのか。不動産業界や民間団体によるさまざまな取り組みを紹介するとともに、日本の市場化された住宅システムの問題点を徹底検証。ライフコースや家族のかたちが多様化し、孤独死予備軍が急増する今、単身高齢者の住まいを保障する社会の仕組みを考える。 === 【目次】 はじめに 「あの人、家でひとり、死んどったらしい」/なぜケアとしての住宅政策が必要なのか/「独り」ではない最期を迎えるためには 第一章 孤独死の現場から 「変な匂いがする」/すぐそこにある孤独死/増える「よくわからない死」/孤独死を嫌う不動産業界/家族の変化、「自助」の限界/セルフネグレクトという問題/ごみ屋敷問題が意味するもの――社会保障制度の死角/家族の代替機能をいかに担保するのか 第二章 どこで最期を迎えるか――高齢者の住宅問題 持ち家神話の崩壊/乏しい日本の公的住宅政策/市場から排除される高齢者/民間賃貸住宅を活用した高齢者住宅施策/賃貸住宅に暮らす高齢者/不動産管理会社から見た孤独死の現状/孤独死が発生したら――事後処理の流れ/住宅政策、量から質への方向転換/住宅確保要配慮者と空き家/住宅セーフティネット法でどう変わるか 第三章 単身化する日本――住宅難民予備軍の実態 変化するライフコース――「住宅すごろく」の崩壊/女は三界に家なし?――女性の住まいをめぐって/見えにくい中高年単身者の貧困/非正規シングルが利用できる住宅政策がない/非正規労働者の居住貧困/氷河期世代の居住貧困のリアル/増加する貧困な離別母子世帯/母子世帯の居住貧困/中高年シングル女性の住生活実態/単身化する日本の住宅政策 第四章 不動産会社による居住支援――「隙間のケア」をどうするか 「隙間のケア」をどう保障するか/自ら集住の仕組みをつくる/空き家の増加と集住のカジュアル化/ターゲット層の拡大/高齢者のシェアハウスニーズ/六〇代以上シングル女性のためのシェアハウス/外国人と暮らすという選択/多世代で暮らすという選択/不動産会社の高齢者向け住宅サービス/不動産会社が入居者の生活サポートを行う事例/センサーではなく人間による支援とは/臨終までかかわり続ける/空き家の増加と不動産市場の変化 第五章 家で安心して最期を迎えるために必要なこと どの死が許されないのか/韓国の孤独死実態/公営葬儀という取り組み/孤立を支える支援/持ち家か賃貸住宅か――高齢期を幸せに暮らすには/民生委員に相談してみる/低料金の見守りサービスを利用する/非血縁で暮らす仕組みの必要性/家で安心して最期を迎えるために必要なこと おわりに マジョリティ化する単身世帯/一住宅一家族モデルを問いなおす/「許されない死」を防ぐための住宅政策 参考文献 あとがき === -
『歎異抄』講義
『歎異抄』は親鸞の弟子・唯円が、親鸞の死後、師の教えとは異なる解釈が弟子たちの間から出てきたことを歎き、親鸞の教えを再確認するために記したもの。親鸞、そしてその師・法然の教えのエッセンスが詰まった重要な一書であるが、その内容を理解するのはひじょうに難しい。それは、世間の常識では理解しがたい宗教の論理で全編が貫かれているからだ。本書はその宗教の論理を理解し、教えが自分のものになるようにと、碩学が一般読者に向けて行った読書会の記録。懇切丁寧な説明はもちろんのこと、参加者からの質問や感想が、浄土仏教の理解を大いに助けてくれる。 -
大学数学の教則
高校までの数学は、問題が与えられ、定義を憶え、定理やその証明を使いこなしながら解いてゆくもので、しかも与えられた問題には必ず「正解」がある。これに対して大学では、与えられた問題を解くのではなく、「問題がどのように作られたのか」、「問題をどのように作るのか」という点に目を向けることが重要とされている。この大きな断絶を埋めるべく本書は誕生した。数学の教科書は著者によるひとつのストーリーが書かれたもので、けっしてその記述を鵜呑みにしてはいけない。数学の真の喜びは、自分自身の教科書を「再構成」したときにはじめて、「新発見」というかたちでやってくる。書き下ろし「解答」を付した大幅増補版。
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