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台湾が激しく動いている。戦後日本は台湾に撤退した中華民国と国交を結んだが、後に中華人民共和国と国交正常化を行い、台湾は遠い存在になった。しかし、目覚ましい経済発展と見事な民主化、東日本大震災での日本への巨額の支援もあり、台湾は再び身近で重要な存在になりつつある。台湾は中国にとってのアキレス腱であり、日本にとってのジレンマだ。日中台の複雑なトライアングルの中、台湾は絶妙のバランス感覚で日中と巧みに渡り合う。二〇一六年総統選挙で劇的な政権交代を遂げた最新の姿を、政治、歴史、社会から解き明かし、冷戦期の固定観念から脱した新しい「台湾論」を提言する。
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Posted by ブクログ
2024年の台湾総統選が間近に迫っているけれど、台湾政治をふわっとしか知らないので読んでみた。読んでよかった。特に、馬英九政権の台湾についての理解が進んだ。台湾関連のニュースの解像度もかなり上がった。
改めて、難しい場所だと感じる。特に、「第五章 台湾アイデンティティ」「第六章 例外と虚構の地「台湾」」を読むと、台湾への言及の仕方に迷い、幾分慎重にもなる。
それでもやっぱり、この場所が大好きで、これからも通い続けて台湾の文化を一層理解したいと思う。
本書は、蔡英文が総統に就任した直後の2016年に出版された。あれから、世界の状況も大きく動いた。1月に総統選を迎える台湾から目が離せない。
野嶋剛さんの新刊『台湾の本音』がまもなく発売ということで、楽しみ。
Posted by ブクログ
台湾について少し何かを知りたいと思って借りた本。
しかし、読み始めて最初の序章、次の第1章がとてもお堅い内容。台湾の政治に多少なりとも興味を持っていなければなかなか読み進められない。もうほとんどやめようかと思ってぱらぱらと読み飛ばして第2章に入った途端面白くなった。
著者は朝日新聞で中国語圏に留学する機会を得て台湾の大学を選択するも、会社の方針で中国に変更させられた
という。この体験談から、2016年当時の日本と中国、台湾との関係がとてもよくわかった。
日本は台湾と正式な国交を結んでいないため、台湾との関係をまじめに考えようとすると矛盾が多く、「思考停止」せざるを得なくなる。台湾人も、独立国台湾を望む人が増えているというが、かといって積極的な独立運動は行わず「現状維持」波が多数を占めているという。
経済的にも文化的にも魅力の多い台湾は、政治的には複雑な立場に置かれているようだ。
他の本も読んで台湾のことをもっと知らなければいけないと思った。
Posted by ブクログ
台湾の小説を読んでいて、台湾について勉強しようと思い立ち、読んだ本の(たしか)3冊目。先に読んだ『台湾の本音』と同じ著者であることに、読んでから気がついた。7年後に書かれた『台湾の本音』の方が、台湾に関するトピックが問いで分かれていて、数倍読みやすくなっていると思う。話題が色々と拡散しているような印象で、本全体としてこういうことを説明してくれている本だというのが説明しにくい。
今まで勉強してきたことから、話題として新しかったのが、沖縄や金門島の話。どうしても国境を境界線にして、土地と土地の関係を考えてしまうので、シンプルに物理的に近いがために生まれる関係や近さを忘れがちだなと思った。
筆者は、中国の歴史の中で出てくる「流求」は、その記述からは沖縄なのか台湾なのかの区別がつかないという話から、沖縄と台湾の歴史を重ね合わせていく。言われて見ると、日本の南進政策の中で、独自の文化や経済を営んでいたところで日本の支配下におかれたという意味では似た運命を辿っている沖縄と台湾である。その発想に至らなかったのも、地図上の地理的なイメージが、頭の中で想像できていないからなのだなと思う。
辺野古基地問題で、沖縄としてのアイデンティティが高まるプロセスが、台湾アイデンティティが高まるプロセスと重ね合わせて考えるところも、なるほどなと感じてしまった。
加えて、新しい話題だったのが金門島の話。現在どうなっているのか知らないが、中国から水道を引いてくる計画があったほどに近い場所であった。台湾というと台湾のあの島を思い浮かべるが、媽祖島と金門島も台湾の島で、どういった歴史をもって、どんな生活をしているのかは、これまであまり考えたことがなかった。金門が国共内戦の最前線であったということも初めて知った次第である
全般的に、新しく知った情報にへえという感じで、感想を述べられるほどに噛み砕けていないというのが正直なところである。第1章が馬英九がどうして台湾で不人気なのかという問いから始まるところからしても、極めて同時代的な文脈に乗っかった本という印象が大きい。そういうところも、ピンと来づらい理由の一つのような気がする。
けれども逆に言えば、それだけ政治的な変化というのは、刻一刻と変化していくもので、追っていかないと分からなくなるものなのでもあるのだと思う。コロナ前なので当然なのにも関わらず、コロナ対応の話がない台湾の話は、すでに少し違和感を感じるし、まだ、東日本大震災への義援金の話がものすごく取り上げられているのも、すでに隔世の感がある。
こういった断片的な部分を、つないでいかないとダメだよなと思う。
Posted by ブクログ
今年は台湾で民進党への政権交代かつ初の女性総統誕生。連日のニュースが気になり、本書と、祭英文と温又柔の著書を読みました。祭英文の著書からは、国内の産業や観光資源にもっと目を向けた政策を重視したい意向を感じ、温又柔の著書からはやはり中国人ではなく台湾人のアイデンティティを感じました。当人は、2年以内に台湾の入国がないことが原因で4年前の総統選挙で選挙権がなかったものの、中国大陸で台湾の半導体を売る台商である叔父と父親が大陸との関係を重視する国民党を支持していることなどが描かれていました。本書を読み、2つの著者を総括的に理解する手助けになりました。
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