筑摩書房の検索結果

非表示の作品があります

  • 戦後日本漢字史
    3.5
    現代日本語における漢字は、どのような議論や試行錯誤を経て今日の使われ方になったのだろうか? 戦後、民主主義の発達を阻害するという観点から、GHQは漢字廃止を提案し、また漢字制限のため当用漢字表・字体表が定められた。制度面では、これを緩和する方向で後年、常用漢字表制定とその改定が行われる。他方、実用面では、機械では書けないと言われていた日本語がワープロの登場で一気に障害を乗り越え、難字すら情報機器によって身近になるという逆転現象を起こしている。現代日本語に残された問題の起源を探り、未来を予見する刺激的な日本語論。
  • 戦後日本を問いなおす ――日米非対称のダイナミズム
    -
    米日の支配・従属関係の原型は、太平洋戦争の勝者と敗者との上下・優劣関係のなかで形成された。米国主導のこの「日米非対称システム」が生んだ天皇制温存、新憲法、旧・新安保条約が戦後日本にとって何を意味するかを分析。米国優位を許す弱者日本独自の理由を考察する。また冷戦後の安保条約変容を検証。中国台頭・米国後退の中、政治的自立を欠く日本を厳しく見据える視点から、相応の軍事的負担を担いつつ民主主義を確たるものにするため、いま日本国民が何をすべきかを問う。
  • 戦後入門
    4.5
    日本ばかりが、いまだ「戦後」を終わらせられないのはなぜか。この国をなお呪縛する「対米従属」や「ねじれ」の問題は、どこに起源があり、どうすれば解消できるのか――。世界大戦の意味を喝破し、原子爆弾と無条件降伏の関係を明らかにすることで、敗戦国日本がかかえた矛盾の本質が浮き彫りになる。憲法九条の平和原則をさらに強化することにより、戦後問題を一挙に突破する行程を示す決定的論考。どこまでも広く深く考え抜き、平明に語った本書は、これまでの思想の枠組みを破壊する、ことばの爆弾だ!
  • 戦後の思想空間
    3.7
    いま戦後思想を問うことの意味はどこにあるのか。戦後民主主義を潮流とする戦後知識人の思想は、米国を中心とする世界システムのマージナルな部分として位置づけられた戦後空間の中で醸成された。しかし70年代を転回点に、米国の善意を自明の前提とした構造はリアリティを失っていく。こうした状況を踏まえて、西田幾太郎、田辺元の京都学派や和辻哲郎などによって唱導された戦前の「近代の超克」論を検証し、ポストモダンから〈戦後・後〉の思想へと転換する思想空間の変容を、資本の世界システムとの関連において鋭く読み解く戦後思想論講義。
  • 戦場カメラマン
    4.0
    銃弾砲弾が飛び交う最前線。死線を越えた写真家の眼前で米兵が頭を撃ち抜かれ、擲弾銃によって解放軍兵士が吹き飛んだ。米ソ冷戦を背景にしたベトナムの悲惨な戦場、自国民を大虐殺したカンボジア。祖国を守るため、自由を得るため、差別や貧困から脱するため、戦う兵士、破壊される農村民。戦争ドキュメントの最高峰。
  • 戦場のカント ――加害の自覚と永遠平和
    -
    哲学者カントが訴えた〈永遠平和〉の眼目は、敵意が終わることにある。しかし、それは人間に可能なのか――。「撫順戦犯管理所」。中国で非道を為した日本兵たちがいた場所である。ここで中国人と日本人の間で起きた事態は、カントの理念の現実性を鮮烈なまでに突きつける。撫順を経た人々に加え、本書はアウシュヴィッツ収容所の帰還者やパレスチナ紛争の被害者の声にも耳を澄ませ、人が人を赦すことの意味を問う。人間の根底に光をあてた哲学的考察。
  • センス・オブ・ワンダー
    4.3
    先駆的に化学物質による環境汚染を訴え、今に続く環境学の嚆矢ともなった『沈黙の春』の著者であり科学者であるレイチェル・カーソン。そのカーソンの最後に遺した未完の作品が『センス・オブ・ワンダー』だ。本書は独立研究者・森田真生による新訳と、「その続き」として森田が描く「僕たちの『センス・オブ・ワンダー』」で構成する。カーソンが残した問いかけに応答しつつ、70年後の今を生きる森田の問題意識に基づいた、新しい読み解き、新しい人間像の模索を行う。
  • 専制国家史論 ──中国史から世界史へ
    4.0
    自律的な団体性を欠いた社会と、意思決定の集中化した巨大な政治的統合。これは専制国家の指標である。中国はいかにしてその体現者となり、今日に至ったのか。本書は、封建社会を通過して近代国家へと展開を遂げた日本との比較検討をふまえ、中国という国家の特質をつぶさに炙り出す。グローバル化の進展とともに社会の団体的結合原理が解体し、政治決定の集中化が急激に進行する現代にあって、中国のもつ歴史的様態は、はたしてどのような示唆を与えるのか──。多分野の成果を取り入れ、人類史的視野から国家像を描出した渾身の論考。
  • 先生はえらい
    4.0
    「誰もが尊敬できる先生」なんて存在しないし、昔からいなかった。あなたが「えらい」と思った人、それが「あなたの先生」なのだ。さまざまな例を引きながら、学ぶことの愉しさを伝授し、素晴らしい先生との出会いを可能にさせてくれる、常識やぶりの教育論。誰もが幸福になれる悦びの一冊。
  • 先生は教えてくれない就活のトリセツ
    -
    エントリーシートで二社落ちたら、何か問題があるはず。働き方をイメージすることであなたの就活は一気に変わる。ES、インターン、グループワーク、個人面接などのハードルを乗り越えるための方法がつまった一冊。
  • 先生は教えてくれない大学のトリセツ
    3.3
    大学を卒業するとみんな就職するのに、大学では「その先のこと」は教えてくれない。ただ漠然と四年間を過ごすのではなく、より良い未来を自らの学びで手に入れるのです。
  • 戦争がつくる女性像
    3.0
    第二次大戦中、日本の軍部は戦時体制の中で女性をどのように位置づけていたのだろうか。またその役割へと女性たちを動員するために、国家・メディアはどのようなプロパガンダを展開したか。本書は、戦時下において160万部の発行部数を誇った「主婦之友」をはじめとする婦人雑誌の表紙や口絵の絵画作品を徹底的に検証し、「戦時文化」のイメージが女性をどのように戦争へ誘導していったかを解き明かす。もの言わぬ「母」たちの体験した大戦はどのようなものであったのか、新たな戦争史の誕生。
  • 戦争体験 ――一九七〇年への遺書
    3.0
    戦争体験の伝承ということ、これについては、ほとんど絶望的である――。少年期を日中戦争の戦時下に過ごし、大学在学中に徴兵され、ソ連軍の捕虜となり復員。異常で圧倒的であり、自らの現在を決定づけた戦争体験とその伝承の難しさについて、戦中派である著者が切々と書き綴る。戦後多くの知識人が、体験を思想化・体系化して後世に伝え、反戦・平和を訴える義務と責任を説くなかで、著者はその「語りがたさ」に固執しつづけた。屈辱や憤り、自責、虚しさ、喪失、死への誘惑……。時に感傷的で非生産的と批判されながらも、断片的で矛盾に満ちた自らの戦争体験に留まり、二十年をかけてその「無念」を問うた書。
  • 戦争と西洋 ――西側の「正義」とは何か
    4.0
    20世紀に世界は二度の全面戦争を経験した。主権国家が並び立つ国際秩序を確立した〈西洋〉が、外部を征服し「世界化」したそのとき、世界中を巻き込む大戦争が起こったのだ。総力戦と化した戦争は核兵器を生み、戦争は人類破滅を招きかねない「不可能」なものとなった。にも拘わらず、世界大戦終結から80年、世界はふたたび全面戦争への傾斜の上に立っている。冷戦終結が世界の平和をもたらすはずではなかったのか? なぜこうなったのかを西洋精神史を参照項に検証する。
  • 戦争とは何だろうか
    3.5
    軍事力で平和は守られるのか? 敵は誰なのか? 宗教戦争からテロリストとの戦争まで、戦争の歴史を辿る。日本の戦後が終わり、世界が戦争状態に入ろうとしている今、改めて戦争とは何なのかを考える。
  • 戦争と平和の国際政治
    3.0
    世界は「100年に一度の大変局」(習近平国家主席)の時代に突入した。長年外交の第一線に携わり、その後東京大学で教鞭をとった著者が、実務と理論の両面から国際政治の本質を明らかにし、その上で日本周辺の危機を読み解き、ウクライナ戦争の意味と国際秩序の変動を論じる。米中対立で不透明感を増す日本の平和と繁栄をどう維持して行くか、国家生存の課題を問い直す。
  • 戦争に抵抗した野球ファン ――知られざる銃後の職業野球
    3.7
    日中戦争から太平洋戦争へと戦線が拡大し、すべてが戦争に奉仕させられる時代にも、野球場には、戦争から背を向けるように声援をおくる名もなき野球ファンたちがいた。彼らは一体何を思い、そこに何を観たのか? プロ野球創成期をノンフィクションという形で切り取り、戦争の悲惨さを語り続けてきた著者が、戦後80年を機に、これまで語られてこなかった市井の野球ファンたちの姿に焦点を当て、戦時下の野球文化を描く。 【目次】第1章 魅了された人々/第2章 襲いかかる戦火/第3章 強まる戦時統制/第4章 密かな娯楽/第5章 反骨の人々
  • 戦争の技術
    4.0
    『君主論』でカリスマ権力者による政治主導を訴え、『ディスコルシ』で市民に国を守る自覚をうながしたマキァヴェッリは、本書で、強く、かつコントロールしやすい軍隊の作り方を説く。群雄割拠の時代、他国との戦いを勝ち抜かなければならないのはもちろんだが、同時に司令官たちの台頭も警戒しなければならない。軍制改革の特命を帯びた彼は、厳しい訓練によって兵士を鍛えるとともに、クーデターを未然に防ぎ、不満分子を矯正するための管理体制を構築する。マキァヴェッリ政治思想を理解する上で欠くことのできない一冊。ボリンギエーリ版、ナツィオナーレ版に依った改訳決定版。
  • 戦争報道
    3.5
    ジャーナリズムは、戦場の悲惨を世に訴える一方で、ときに率先して好戦論を喚起し、戦火に油を注ぐような役割も担ってきた。このような歪んだ構図が生まれるのはなぜか? 戦争報道のあゆみを、文学・映画からインターネットにまでたどることで、ジャーナリズムと戦争との危うい関係を浮き彫りにし、根底より問いなおす。
  • 戦争倫理学
    3.5
    九・一一以後、世界は戦争に向かって地滑りを起こしているのかもしれない。こうした状況にあって、ともすると人は戦争が生み出す悲惨な現実に慣れてしまい、正気を失ってしまう。まやかしの論調にのせられないためには、戦争に関する最小限の議論を知っておく必要がある。戦争抑止の道を探る戦争倫理学の試みである本書は、同時多発テロに端を発する米国の軍事行動、ロールズの原爆投下批判、憲法九条問題などの重要論点を整理しながら、戦争について冷静に考え、実りある議論を行うための重要な手がかりを与える。
  • 千駄木の漱石
    4.2
    英語・英文学教師から国民的人気作家へと転身した場所、東京市本郷区千駄木町。代表作『吾輩は猫である』や『坊っちゃん』もここで書かれた。多くの弟子にも恵まれ、嫌いな大学も辞めた、博士号も辞退した。それなのに、千駄木はイヤだ、豚臭い、そうか、それなら慈悲のために永住してやる……と。書簡、作品、明治の千駄木から描き出す素顔の漱石とは。文庫のために「千駄木以後の漱石」を加筆。
  • 千利休
    -
    秀吉によって切腹を命じられ、悲劇的な最期をとげた利休は、いまなお日本の生活や文化のなかで大きな比重をもって生きている。本書は、利休の生涯を、世阿弥、芭蕉のそれと比較し、権力者たる信長、秀吉と結びついた利休芸術の真諦を追求した、すぐれた芸術論であり、日本文化論である。
  • 一四一七年、その一冊がすべてを変えた
    5.0
    ルネサンス前夜のイタリア。教皇庁の書記官ポッジョ・ブラッチョリーニは、古代の文献を探し求める人文主義者でもあった。1417年、ドイツに旅に出た彼は、修道院で一冊の写本を発見する。それは、古代ローマの詩人ルクレティウスの『事物の本性について』。千年以上の眠りから偶然にも目覚めたこの作品は、キリスト教的世界観と真っ向から対立する宇宙論を高らかに歌い上げていた。ポッジョはこの詩を世に送り出し、それを読んだモンテーニュら様々な思想家・芸術家によって新しい時代が花開いていく──。一冊が引き越こした歴史を生き生きと描く、ピュリッツァー賞受賞の傑作。 解説:池上俊一
  • 戦略思考ワークブック 【ビジネス篇】
    3.6
    Suica自販機はなぜ1・5倍も売れるのか?ホンダ「N‐ONE」の大成功の秘密とは?1着25万円のスーツをどう売るか?…etc.20問、20答、1プロセス!戦略コンサルタントの思考の手順、教えます。
  • 戦略思想史入門 ──孫子からリデルハートまで
    3.0
    古代から現代までの戦略思想家のなかから孫子(孫武)、マキャベリ、ジョミニ、クラウゼヴィッツ、マハン、リデルハートという六人を取り上げ、彼らが戦争と直接向き合い培った戦略思想のエッセンスを抽出する。六人それぞれの戦略思想を上位概念から、実際の戦場における戦い方についての考えまで幅を広げて検討。戦略概念を主軸に、政治と軍事の関係を焦点に分析し、最前線での用兵思想などのあり方についても考察する。古典から現代に至るまでの戦略思想の流れがわかる入門書。
  • 戦略的思考の虚妄 ──なぜ従属国家から抜け出せないのか
    5.0
    1巻1,815円 (税込)
    地政学がブームとなっている。八〇年代には戦略論がもてはやされていた。にもかかわらず、日本人に戦略的思考は身につかず、政府の外交力も向上していない。一体なぜなのか。この問いに応えるべく、ベストセラーとなった戦略論を俎上に載せ、その誤謬を明らかにしてゆく。その上で、アメリカ、中国、日本など主要国の戦略を概観し、戦略とは何かを指し示す。日本を取り巻く現実を踏まえた上で、戦略論の根本を論じた本書は、これからの日本を考える上で必読の書である。
  • 税という社会の仕組み
    3.9
    税を納めたくない気持ちはどこからくるのだろう。税は使い道を選択し、払うことができるものだ。世界や日本の税制の歴史、問題点や展望を見つめ民主主義を実現するための税という仕組みを考える。 【目次】第1章 私たちはなぜ税金を納めるのか/第2章 税制の歴史的発展/第3章 日本の税制の発展史/第4章 これからの世界と税金/第5章 税金を私たちの手に取り戻す
  • 絶望に寄りそう聖書の言葉
    4.5
    約2000年前に書かれたユダヤ・キリスト教の聖書には、現代に生きる私たちと同じように人生の絶望と苦闘した人々の物語が詰まっている。働くことの空しさを嘆くコヘレト、不条理な災難に次々と遭うヨブ、夢を叶えられないモーセ、運命から逃げるヨナ、師を裏切ってしまうペトロ、自らの死を予感するイエス……、旧約聖書を専門とし、牧師としても聖書の魅力を伝える著者が、登場人物たちの七転八倒から、現代の読者に生きる力を与えるメッセージを読み解き紹介する。
  • 絶滅危急季語辞典
    4.2
    『ぎぎ・ぐぐ』ゴンズイ科の海水魚。胸鰭の棘を動かして「ぎぎ」「ぐぐ」と鳴く。『オランダ雉隠』アスパラガス。ちなみにブロッコリは『子持花椰菜』である。『われから』藻に鳴く虫といわれる、謎多き虫。『雪坊主』雪国の妖怪。『大根祝う』鏡餅の上に輪切りの大根を飾る、元日の宮中の風習。──消えゆく季語に新たな命を吹き込む読み物辞典。超絶季語続出の第二弾。
  • 絶滅危惧個人商店
    3.7
    チェーン店やアウトレットに負けずに、個人で商売を続ける店を訪ね歩く。食料品、衣類、銭湯……。老舗、家族経営、たった一人での開業など、人と店に歴史あり。
  • 絶滅危惧の地味な虫たち ──失われる自然を求めて
    4.7
    日本には名前がついているものだけで3万種近く、推定上は10万種の昆虫がいるとされている。しかし、そのなかで、すでに滅んだもの、滅びの道を歩み始めているものがいる。その状況に対して、保護活動が行われているが、綺麗なチョウやトンボ、ホタルや大型の甲虫ばかりが重要視されており、小さくてとにかく地味な虫は、おざなりに扱われている。そこで、日本各地にそれらの虫を探しまわり、発見するまでの格闘、発見した時の喜び、そして虫への溢れる思いを綴っていく。電子書籍版では、写真をカラーで収録。
  • 絶滅寸前季語辞典
    4.7
    「亀鳴く」春の夕暮れ、オス亀がメスを慕って鳴くという空想的季語。勿論亀は鳴かない。「毒消売」越後や越中から来る行商の薬売り。「夜這星」流星の別称。「竃猫」竃にもぐり、暖をとろうとする猫……季節感が大きくずれたり、風習が廃れたりして消えていくたくさんの季語。そんな「絶滅寸前」の季語たちの持つ豊饒な世界を紹介し、新しい命を吹き込む読み物辞典。
  • ゼロから始めるジャック・ラカン ――疾風怒濤精神分析入門 増補改訂版
    4.1
    20世紀における思想的な震源地のひとつであるラカン。その理論は、思想としての側面と、実践臨床としての側面の二面性をもち、両者が渾然一体となっていることに難しさがある。本書は、著者みずからの精神分析の体験にもとづき、実践臨床の側面からラカンの本丸に迫る。ラカンの核心を読み解く超入門の書、『疾風怒濤精神分析入門』増補改訂版。
  • 前衛仏教論 ――〈いのち〉の宗教への復活
    -
    仏教といえば、「葬式」「法事」「お墓」など、死者のイメージがつきまとう。あるいは意味不明のお経、丸もうけする坊主…およそ普通の日常とは縁がなさそうだ。しかし、仏教は本来、宇宙に遍満するあらゆる〈いのち〉を慈しむ。私たちを生き難くするあらゆる束縛から解き放ち、のびのびと今を楽しむ自由な自分を取り戻す道であるのだ。本書は、二十年の長きにわたり仏道修行を積んだ後、海外で比較宗教学を修めた破天荒な宗教学者が、閉塞した日本仏教への大胆な提言を交え、その思想としてのおおらかさを再発見する試み。
  • 全国水平社 1922-1942 ――差別と解放の苦悩
    -
    全国水平社が創立されてから、2022年で100周年を迎える。その存在は20年間であったが、近代日本社会に存在する部落差別からの解放を、部落民自らが求めて結成した画期的な社会運動団体である。戦時体制下に組織は消滅するが、苦悩に満ちたその軌跡は、自由と平等を願う私たちに多くの教訓を与えてくれるはずである。
  • 全身翻訳家
    3.9
    食事をしても子どもと会話しても本を読んでも映画を観ても旅に出かけても、すべて翻訳につながってしまう。翻訳家・鴻巣友季子が、その修業時代から今に至るまでを赤裸々かつ不思議に語ったエッセイ集。五感のすべてが、翻訳というフィルターを通して見える世界は、こんなにも深く奇妙でこんなにも楽しい。エッセイ集「やみくも」を大幅改編+増補した決定版。
  • 禅談
    4.0
    「人間は何度も何度もこの世に生まれてくることはできない。この大切な一生を、何の願も立てずに空しく過ごしてしまうということは、まことにもったいないことである」──「絶対のめでたさ」とは何か。「自己に親しむ」とはどういうことか。安直な自己肯定を戒めながらも、仏教を決して高尚なもの、多くの人の手の届かないところにあるものとはしない。時代を超えた迫力の説法。
  • 禅的生活
    3.8
    生きにくい世の中である。不況、雇用不安などの外圧もさることながら、個人の内部に深く根差した、生きるための目標、足場の固め方までもが見えにくくなっている。だけど、しょせん人はこの身と心で生きてゆくしかない。それならいっそ、ものの見方をがらりと変えて、もっと楽に生きるための思考方法を身につけてしまおう。作家にして禅僧である著者が、禅語をもとにその世界観をひもときながら、「今」「ここ」を充実させるための様々な智慧を、坐禅なしに伝授してしまおうという画期的にしてフラチな人生指南&禅入門の一冊。
  • 禅に生きる 鈴木大拙コレクション
    -
    困難な時代を生きた仏教者の真摯な肉声 静的なイメージで語られることの多い大拙。しかし彼の仏教は、この世をよりよく生きていく力を与えるアクティブなものだった。その全貌に迫る著作選。 === 日本が生んだ世界で一番有名な仏教者・鈴木大拙。禅に関する書物を数多く英語で出版し、たびたび海外に招かれ講演を行った大拙の仏教は、日本の仏教徒のみならず、ユングやハイデガーといった西洋の思想家をはじめ、ビート・ジェネレーションと呼ばれる人々をも魅了した。本書では、今では読むことが難しい、雑誌への投稿論文や、西田幾多郎ら近しい人たちへ宛てた書簡を、編年体で収録。すべてを知ることのできる仏の智慧=「般若」と、すべての生きとし生けるものを救う仏の慈悲心=「大悲」が融合する大拙特有の「禅」がどのように作り上げられていったのか、その思想の道すじが分かる、学芸文庫オリジナル編集。 ===
  • 禅のこころ ――その詩と哲学
    -
    禅とは何だろうか。古来、仏の悟りの真髄をこころからこころへと伝えてきたため、その世界に参入するのはなかなか難しい。本書はこの難問に応える。禅の世界は、坐禅修行を通して真実の自己とは何かを究明し、同時に現実世界において平常心に生きる道であることを解き明かす。そこに開かれる、自然や他者との不二の境地は、まさに詩となり、味わいに富む言葉に結晶する。その禅的境涯にひそむ理路は、「言語」「時間」「身心」「行為」などの哲学的探究の展開ともなる。禅を、今を生きるための思想として、多くの人の身近なものとすべく意図された、他に類例のない入門書。
  • 禅の時代 ――栄西・夢窓・大灯・白隠
    -
    日本における中世から近世は、今日までのこる伝統文化が数多く創造された時代であるが、その重要な母胎となったのが禅の思想である。鎌倉仏教の祖師たちによって示された改革がその基本線を貫ききれず、中国で爛熟した大陸仏教の足跡を追うしかなかったところに、室町・南北朝時代を経て徐々に影響を脱して日本禅は完成していく。中国禅研究の第一人者であった著者が、純粋に「日本の仏教」とよべる信仰が生まれるまでを、とりわけ日本臨済禅の系譜に沿って辿り、平明な筆致でその本質を追究した一冊。
  • 双極性障害 ――躁うつ病への対処と治療
    4.0
    一般に「躁うつ病」と言われている病気、双極性障害は、統合失調症と並ぶ二大精神疾患と称され、また近年精神医学界でも大きな注目を集めている病気だが、まだまだ理解が十分に行き渡ってはいない。再発のリスクが高いこの病気は、そもそもどのような性格のものなのか。診断と治療の方法とは…。臨床と研究の双方をリードしてきた著者が、快方へ向かうための基礎知識を平明に解説する。最新研究の動向を語った講演も併せて収録。
  • 双極性障害【第2版】 ──双極症I型・II型への対処と治療
    4.0
    双極性障害(双極症)は、統合失調症と並ぶ二大精神疾患である。患者は平均して三分の一から二分の一の期間を抑うつ症状とともに過ごすことや、さまざまな社会的なハンディキャップを背負ってしまうことなどが明らかにされ、きわめて重大な疾患であるとの認識が強まっている。再発のリスクが高いこの病気は、どういった性格を持ち、診断と治療はどのようになされるのか。臨床と研究の双方に携わる著者が、理解のための基礎知識を解説する。最新の研究成果や豊富なQ&Aを収めた第2版。
  • 葬儀と日本人 ──位牌の比較宗教史
    3.5
    無宗教といわれることの多い日本人。だが、葬儀を行ない、時をさだめて墓参し、礼をつくして先祖を祀るのは、私たちの多くが霊魂の存在を漠然とでも感じているからだろう。葬儀のかたちは古代中国の先祖祭祀に由来する。紀元前二世紀、葬式の原型が儒教によってつくられた。以来二千数百年、儒教・道教・仏教が複雑に絡まりあい、各宗教が「先祖を祀る」という感情に回収されていく。本書では、葬儀と位牌の歴史をたどることによって、民族の死生観を考えてゆく。
  • 宋詩選
    -
    唐詩の時代より、「詩」という形式が広く親しまれるようになり、作者も作品もはるかに数多かったと言われる宋代。本書では、この安定した中国的国家体制が敷かれていく時代を、北宋と南宋に大別し、おのおの約30人ずつの数作を選ぶ。自分が好きな詩に限って選んだと述べつつ、王安石、黄庭堅、蘇軾、陸游ら、偉大なる詩人たちの名作を解釈し訳出する。巻末につけられた編訳者による「解説」は、親しみやすい調子で書かれた充実の宋詩論かつ漢詩概説にもなっている。
  • 装飾と犯罪 ──建築・文化論集
    -
    ハプスブルグ帝国の末期に生まれ育ちながら、近代建築の地平を切り拓いた先駆者ロース。その装飾を排した建築作品は、当時のウィーン社会において物議を醸すことになる。文筆活動においても舌鋒鋭くラディカルな文化社会批評を展開したが、本書はそのうち重要な論考を精選した一冊である。有名な「装飾は犯罪である」をはじめとした過激な発言に満ちている一方で、ギリシャ・ローマを範とするような古典主義的な思考も随所に覗く。幅広い交友関係を反映して、シェーンベルクやココシュカなども登場。急速な変化を遂げる激動の世紀末・20世紀初頭のウィーンを中心に、モダニズムの強い息吹に触れることができる。
  • 荘子と遊ぶ ──禅的思考の源流へ
    4.0
    『荘子』はすこぶる面白い。読んでいると、世の中の「常識」という桎梏から解放される。二千年以上前から伝わるこの本は、今に生きる「心の自由」のための哲学なのだ。そしてその思想は、禅の考え方にも深く沁み込んでいる。……あらゆる価値や尺度からまったき自由を獲得した稀代の思想家の、非常識で魅力的な言語世界を味わい、「遊」の世界へ読者をいざなう。
  • 創造性はどこからやってくるか ――天然表現の世界
    3.7
    何も閃かない、ネタ切れ、考えが浮かばない、アタマが硬い、センスに自信がない……。悩んでいてもいいアイデアは湧いてこない。それはふいに降りてくるものだ。従来の科学モデルでは説明できない想定外で不気味なものを思いつき、作り出そうとする、計算不可能な人間の創造力。それはどこからやってくるのだろうか。生命科学、哲学、文学から芸術理論までを自在に横断し、著者みずからも制作を実践することでみえてきた、想像もつかない世界の〈外部〉を召喚するための方法。
  • 創造的進化
    4.0
    生命は、「生の弾み“エラン・ヴィタル”」を起爆力として、不断の変形を重ねてきた。目的的ではなく、多様な方向に自由な分岐を繰り返す生命の進化の過程―それはわれわれの意識にも通じるものである。時間、意識、身体、記憶―超越論的存在を直観的把握によって解明しようとしてきたベルクソンが、さらに生命の根源へと思索を深める。刊行するや全世界で反響を呼び、生命概念を刷新するとともに、ベルクソンの名を高めることとなった主著。ちくま学芸文庫版オリジナル新訳。
  • 創造的人間
    2.0
    驚異的な発展を続ける科学技術の世界と、時に押しつぶされそうになる人間の生活世界。わが国最初のノーベル賞受賞者である著者が、人間の創造性の本質に着目しながら、両者のかかわり方の可能性を考えるエッセイ集。危機に立つ人間の存在と尊厳をいかに保持し発展させうるかを示唆する名著。
  • 創造的福祉社会 ――「成長」後の社会構想と人間・地域・価値
    3.7
    「限りない経済成長」を追求する時代は終焉を迎えた。飽和した市場経済のもと、われわれの社会は「平等と持続可能性と効率性」の関係をいかに再定義するべきか。新たな価値原理とは、人間と社会をめぐる根底的思想とは、いかなるものか。再生の時代に実現されるべき社会像を、政策と理念とを結びつけ構想する。
  • 相対主義の極北
    4.2
    すべては相対的で、唯一絶対の真理や正しさはない――この相対主義の「論理」を相対主義自身にも適用し、極限まで追いかける。その最果ての地で、どのような風景が目撃されるのか? 本書では、ルイス・キャロルのパラドクス、マクタガートによる時間の非実在性の証明、デイヴィドソンの概念枠批判、クオリア問題等を素材に、「相対化」の問題を哲学する。相対主義を純化し蒸発させることを通して、「私たち」の絶対性を浮き彫りにすると同時に、その「私たち」も到達しえない“他なるもの”の姿を鮮やかに描き出す。ダイナミックな哲学の思考運動が体感できる名著。
  • 宋名臣言行録
    3.3
    北宋時代とは、士大夫層の形成とともに中国的官僚制が確立した時代である。また、王安石の新法をめぐり、新旧両世代の対立と混乱に彩られた変革期でもあった。朱子学の大成者・朱熹が編纂したという『宋名臣言行録』(『五朝名臣言行録』と『三朝名臣言行録』の総称)は、北宋百五十年における名臣たちの言動を集録したもので、唐代の『貞観政要』と並び立つ書である。本編訳書では、明快な日本語訳と書き下し文に加え、八朝の天子の特色や登場人物の経歴、言行各条の背景を説明することで、北宋時代史としても通覧できる構成を取っている。組織での身の処し方について、名臣たちはいかなる知恵をわれわれに伝えるのか。不朽の古典がここに甦る。
  • 草莽論 ――その精神史的自己検証
    3.0
    明治維新を語るうえで外せない「草莽」。吉田松陰の「草莽崛起(そうもうくっき)」という言葉で知られる通り、それは、野にありながら天下危急のときにおのれを顧みず、大道に立つ壮士たちをさす。孟子に由来するこの言葉は、江戸時代後期に特異な思想的背景を孕むようになり、維新前夜、つかの間の煌めきを放った。その精神を鮮烈な筆致で描き出したのが、二・二六事件の先駆的再評価などで名高い評論家・小説家・歌人、村上一郎である。蒲生君平、高山彦九郎といった「草莽の処士」のさきがけから、頼山陽ら文化・文政の文人、水戸学、そして松陰と系譜的に論じ、その終焉を見届ける比類なき名著。解説 桶谷秀昭
  • 総力戦研究所の真実 ――歴史の法廷に立つNHK
    -
    史実歪曲ドラマは こうしてつくられた 初代総力戦研究所長・飯村穣を 卑劣な人間として描いたNHKと映画監督・石井裕也。 その製作姿勢を告発し 「戦争シミュレーション」の真の姿に迫る。 NHKの番組で「祖父の名誉が傷つけられた」として、元外交官の飯村豊が、NHKや映画監督、制作会社などを相手取り損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。2025年8月16・17日に「NHKスペシャル 戦後80年番組」として「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦」が放送され、総力戦研究所の所長が、飯村豊の祖父で実際の所長であった飯村穣陸軍中将とは全く異なる、卑劣な人間として描かれていたからだ。なぜこのようなことが起きたのか。それは、現実の総力戦研究所で行われてきたことを学ばず、目先の利益のためにはフィクションの衣を被れば史実を歪曲し、実在の人物を品性下劣に描いても良いと考えたからだ。総力戦研究所の「机上演習」がいかなるものだったのか。最新の研究も交えつつ、その実態に迫る。 <目次> まえがき Ⅰ 事件はなぜ起きたか 第1章 止められなかった史実歪曲ドラマ 1 発端 2 NHKとの事前協議 3 放送を見て、さらに憤慨 4 逃げるNHK 5 反撃のための第一歩 第2章 NHKとの闘い 1 より多くの人々へ呼びかけるために 2 ドラマ制作の内幕とBPOの見解 3 ついに法的手段に訴える 4 対NHK提訴記者会見 5 第一回口頭弁論 Ⅱ 総力戦研究所とは何だったのか? 第3章 総力戦研究所長・飯村穣の実像 1 二つの総力戦研究所 2 初代総力戦研究所長・飯村穣とはどのような人物であったか 3 戦中・戦後の飯村穣の動向 4 祖父の横顔 第4章 本当の総力戦研究所 1 総力戦研究所の実態とは 2 初代所長・飯村穣をめぐって 3 総力戦研究所のシミュレーションの実際 4 NHKは責任逃れのため、雲隠れをしようとしている Ⅲ 最新研究と資料から見る総力戦研究所 特別寄稿 調査研究機関としての総力戦研究所 中村 陵 はじめに/1 総力戦研究所設立の目的と設立趣旨/2 総力戦研究所における総力戦研究の分析視角/3 戦争指導機構への批判とその改善策/4 総力戦研究所が示すアメリカの国力判断/おわりに――会報にみる「克服」したセクショナリズム 資料1 皇国総力戦指導機構ニ関スル研究(概案) 資料2 戦争術に関する講話案 飯村 穣 あとがき
  • そこから青い闇がささやき ──ベオグラード、戦争と言葉
    4.3
    「最初は、死者が名前で知らされる。それから数になる。最後には数もわからなくなる……」。旧ユーゴスラビア、ベオグラード。戦争がはじまり、家、街、友人、仕事…人々はあらゆるものを失っていく。そして、不条理な制裁と、NATOによる空爆がはじまった。日本への帰国を拒み空爆下の街に留まった詩人が、戦火のなかの暮らし、文学、希望を描くエッセイ集。
  • 組織戦略の考え方 ――企業経営の健全性のために
    4.2
    日本型組織の本質を維持しつつ、腐った組織に堕さないよう、自ら主体的に思考し実践していこう。本書は、常識的な論理をひとつずつ積み上げて、組織設計をめぐる誤解を解き明かす。決断できるトップの不在・「キツネ」の跋扈・ルールの複雑怪奇化等の問題を切り口に、組織の腐り方を分析し対処する指針を示す。
  • 組織力 ──宿す、紡ぐ、磨く、繋ぐ
    3.7
    経営の本質とは、一人ひとりでは突破できない難関を、みんなでなんとか切り抜けることにある。そのためには「組織力」を高めることが欠かせない。組織力を宿し、紡ぎ、磨き、繋ぐことで、人々ははじめて組織であり続けることができるのだ──。新入社員から役員まで、組織人なら知っておいて損はない組織論の世界。ビジネスの神髄を理論的に解説。
  • 組織論の名著30
    4.0
    私たち人間は、組織をつくることで繁栄を遂げてきた。20世紀に興隆する組織論は、企業組織のあり方の探究などわめて実務的な面をもちつつも、他方で集団を形成し協働するという人間本性に根ざした学際的な学問だ。本書では、バーナード『経営者の役割』やウェーバー『支配について』といった近代組織の基底をなす議論から、リーダーシップ論、組織文化論、組織学習論、意思決定理論、さらにはオライリー&タッシュマン『両利きの経営』といった近年の著作まで国内外の名著30冊を精選。組織に生きるすべての人に向けられた最良のガイド。
  • 即効マネジメント ──部下をコントロールする黄金原則
    3.8
    自分の直感と経験だけで組織と人を動かそうとするには、限界がある。マネジメントの基礎知識を学べば、誰でも一定レベルの上司になれるのだ。「雇用のカリスマ」である著者が、クイズ形式でわかりやすく解説する「2W2R」とはWhatとWay、ReasonとRange。何を、どうやって、なぜ、どこまでを決めてあげること。「三つのギリギリ」とは、(1)易しすぎず難しすぎず、できるかできないかの線を提示する。(2)活かし場を用意する。(3)逃げ場をなくす。というギリギリの目標を用意すること。
  • 素読のすすめ
    3.5
    「素読(そどく)」とは、内容の理解は後まわしにして、古典を繰り返し音読すること。江戸時代以来、学習の初歩として行われてきたが、これには確かな意味があった。言葉の響きやリズムに浸ることによって感性が磨かれ、学びを深めるための土台をつくるのだ。また、素読は外国語の習得にも効果を発揮する。本書では、著者が子どもたちと実践してきた経験をもとに、素読の具体的な方法や外国における音読の例などをていねいに解説していく。声に出して読むことの意義をいちはやく再評価した書。
  • その言い方が人を怒らせる ――ことばの危機管理術
    3.7
    謝罪の場面で真意が伝わらず怒らせる、誤解を与える、だらだらと長く続く言い訳文、空気の読めない発言、どこか変な敬語…。コミュニケーションの行き違いを生じさせる言い方や表現は、実は言語学的な理由がある。「まずい」具体例を取り上げながら、言語学的に分析していく。知っておきたい表現の落とし穴とは!?
  • そのうちプラン
    4.0
    ヨシタケシンスケ初期スケッチ集 新版で復刻祭! 文庫化で大幅増補! 「父になったヨシタケが作ったスケッチ集。それらしいものが、チラホラと見うけられます。」 元となる本が刊行されたのは2011年。本文のレイアウト、カバーのデザイン、帯コピーの創案にいたるまで、本づくりのすべてをヨシタケさんが手掛けました。絵本作家として開花する前の雌伏の時代だからこそ可能だった、自費出版本のような味わいの1冊。余すところなく「おもしろさヨシタケ級」のスケッチ集を、原本の魅力をそのまま残しつつ、たっぷり増量して文庫化しました。強くも弱くもない人へおすすめです!
  • その後の慶喜 ──大正まで生きた将軍
    4.5
    1867年、大政奉還を行った徳川慶喜は歴史の表舞台から姿を消し、1913年に没するまで時代との係わりを断って静かに暮らした。旧幕臣たちとの微妙な関係、狩猟や写真など多岐にわたる趣味、たくさんの子どもを作った家庭人としての側面、そして自分を追い落とした明治政府と皇族への感情。謎に包まれた「最後の将軍」の長い余生を第一人者が鮮やかに浮かび上がらせる。
  • その情報はどこから? ──ネット時代の情報選別力
    3.8
    私たちはいつの間にかインターネットと毎日繋がっています。知らず知らずのうちに行動や考えがインターネットに影響されているかもしれません。たくさん流れてくる情報に惑わされないために大切なこととは。
  • その一言が余計です。 ――日本語の「正しさ」を問う
    3.8
    「まあ、がんばって」「全然おいしい」「書かさせていただきます」。こんなことばをつい使っていませんか?使う側には悪気はなくても、これらの表現には聞き手の気分を害する「余計な一言」が潜んでいます。では、聞き手はなぜ苛立つのでしょうか?文法的な違和感、談話におけるくいちがい、敬意の示し方と受け取り方のずれといった観点からその構造を解説し、ことばの正しさの本質に迫ります。
  • そのまま仕事で使える英語表現189
    -
    “Please”を使うのは上から目線? ビジネスメールの件名はどう書くのが正解? 仕事や商談での英語では、ただ伝わるだけではなく、微妙なニュアンスの使い分けが不可欠です。ビジネスメールでそのままマネしたいフレーズから、会議やプレゼンで好印象を与える英語テクニック、上手に相づちを打つ方法、そしてチームを鼓舞する言葉まで。ベストセラー『日本人の9割が間違える英語表現100』の著者が、仕事で英語を使うことになったら知っておきたい、必携フレーズをお教えします。
  • ソヨンドン物語
    3.7
    資産価値にこだわる者の果てしない欲望と苦悩。持たざる者の苦労と、未来への希望。韓国中間層の現実をリアルに描いたハイパーリアリズム連作小説。舞台はソウルにある架空の町〈ソヨン洞(ドン)〉。近年の不動産バブルやマンション購入、過剰な教育熱、所得格差といった社会問題が、住民の悲喜こもごもとともに描き出される――。
  • 素粒子
    4.1
    人類の孤独の極北に揺曳する絶望的な“愛”を描いて重層的なスケールで圧倒的な感銘をよぶ、衝撃の作家ウエルベックの最高傑作。文学青年くずれの国語教師ブリュノ、ノーベル賞クラスの分子生物学者ミシェル―捨てられた異父兄弟の二つの人生をたどり、希薄で怠惰な現代世界の一面を透明なタッチで描き上げる。充溢する官能、悲哀と絶望の果てのペーソスが胸を刺す近年最大の話題作。
  • それからの僕にはマラソンがあった
    4.3
    ストレスに押しつぶされそうになったある日、ふと思った、「ちょっと走ってみよう」。そうして始まったマラソンは、それからの日々の欠かせない営みとなる。怪我を乗り越え走り続けるためには?タイムや距離をどのようにとらえるか、何をめざして走るのか……、すべてのランナーに贈る、走ることで見つけた仕事や生き方へのヒント。EKIDEN NEWSの西本武司との対談も収録。
  • それでも生きる ──国際協力リアル教室
    4.3
    「平和な国」に住んでいるだけでは決して見えない子供たちの世界がある。食べるものがなく、教育を受けられず、路上に暮らし、望まぬ結婚を強制され、時には戦力として利用される少年少女。しかし、それでも彼らは力強く生きている――。覚悟をもって、知らねばならない。世界中を自ら旅した著者が放つ「本当の」国際協力入門ガイド。
  • ソ連核開発全史
    5.0
    第二次世界大戦後、大規模な軍拡競争を伴う東西冷戦下のソ連において推進された原子力政策は、人類史をどう変えたのか。最初期の放射線研究、史上最大の水爆実験から、世界初の原子力発電所稼働、東側同盟国への技術提供、原子力ビジネス、そして史上最悪のチェルノブイリ原発事故に至るまで。危険や困惑を深めながらも試行錯誤を重ね、科学者・技術者を総動員して推し進められた知られざる数々のプロジェクト。現代ロシアの基礎をなすその計画の全貌に迫る、はじめての通史。
  • ソ連史
    4.1
    1巻902円 (税込)
    一九一七年の革命から生まれ、一九九一年に崩壊した社会主義国家・ソ連。二〇世紀の歴史上に巨大な存在感を持つこの国は、いまだ「冷戦の敗者」「失敗した社会主義国」「民意を無視した全体主義国家」といったイメージで論じられる。しかし、その歩みの内側からたどると、従来の印象に収まらない様々な試行錯誤がおこなわれていたことが見えてくる。簡潔で奥深いソ連史入門。
  • ソ連という実験 ──国家が管理する民主主義は可能か
    3.0
    社会主義国家ソ連は、計画経済を行っていたが、すべてを「国家」が運営しきることはできず、「社会」との協働を模索していた。また、「一党制」でありながら、民意をまったく無視して政治を行うことはできず、民意のくみ取りに多大な労力を費やしていた。それらの試みは、どのように行われ、どのように失敗に終わったのか。歴史上最大規模の「実験」の実態を豊富な資料と内側からの視点で描く異色のソ連史。
  • 忖度しません(世の中ラボ3)
    4.1
    あなたも、わたしも、この国の当事者。自分の言葉で、ちゃんと語るために。考えるためのヒントがいっぱい。激動の時代を、本を読んで考え続けた5年間、42の同時代批評。
  • そんな気がする
    4.3
    この話、前にも書いたかもしれない―― 考えすぎのプロが帰ってきた! 大人気エッセイ集第2弾 「もしこの中から一編だけを読めば、「ああ、今回はネタ切れだったのかな?」と思うような題材だ。だが、全編がそうなのだ。怖い。」――書評家・花田菜々子(『べつに怒ってない』書評より) いっそうのネタ切れ感を隠さないまま続編が刊行! 暑い、再配達が来ない、「すごい筋肉でしょ」と言われたときの返しが難しい。 一回きりの日常に何度でも立ち止まる、不毛で豊かなエッセイ123本。 ――― 『そんな気がする』というタイトルは、尊敬する人と対談している時に、私たちの仕事に共通点があるとすれば、そんな気がする、って感じたことを書いているのかもしれませんね、と盛り上がったのがきっかけになっている。そんな気がするって、絶対にこうだとか、みんなそう言っているとか、これだけは譲れないなどと比べるとだいぶ弱い。背骨がなくてフニャフニャしている。でも、そんな気がする、が持っている柔軟さを自分は信じている。みなさんも信じてください、とお願いしたいわけではない。私にとって、そんな気がする、と感じた記録がこの本です。(「はじめに」より)
  • ソーシャルワーカーという仕事
    4.2
    ソーシャルワーカーは、社会の中の居場所を見失った人を、支え育てて、暮らしてゆく環境を整える仕事。困っている事情、家族関係や社会関係は多岐にわたるので、具体的な行動はさまざまですが、でも大切なことはひとつです。今後ますます必要とされるこの仕事に、ほんとうに大切なこと、教えます。
  • ソーシャルワーカー ──「身近」を革命する人たち
    4.0
    多くの人が将来不安におびえ、貧しさすらも努力不足と切り捨てられる現代日本。人を雑に扱うことに慣れきったこの社会を、身近なところから少しずつ変革していくのがソーシャルワーカーだ。暮らしの「困りごと」と向き合い、人びとの権利を守る上で、何が問題となっているのか。そもそもソーシャルワークとは何か。未来へ向けてどうすればいいのか。ソーシャルワークの第一人者たちと研究者が結集し、「不安解消への処方箋」を提示した入魂の書!
  • 増補 アジア主義を問いなおす
    4.0
    緊張が続く日本と東アジアに、どんな共存のあり方を描くことができるのか。その手掛かりとなるのがアジア主義だ。本書では、満州事変から日中戦争への流れを、欧米協調とアジア主義との相克という外交史的観点から辿りなおす。そこで明らかになるのは、中国との緊張を高めつつ満州国を建設し東亜協同体構想を掲げた当時の日本が、実は対米関係を最重要視していたという意外な事実だ。日本と東アジア、そしてアメリカ──今日まで連なるこの錯綜した関係を解きほぐすために避けては通れないアジア主義の実像に迫る。文庫化に際して、その思想と政策との捩れを問う論考を書き下ろした増補決定版。
  • 増補 アルコホリズムの社会学 ――アディクションと近代
    4.5
    ひとはなぜアルコホリズム(アルコール依存)に陥るのだろうか。原因を「意志の弱さ」に求めていては何も解決しない。自分の意志ではどうにもできないと認めることが回復への第一歩となるのだ。そこから見えてくるのは、「自らの意志で欲求をコントロールする主体」という、近代社会の理想的人間像である。アディクション(依存症)とは、そうした近代的あり方の綻びが露呈したものに他ならない。だとすれば、回復への道は近代合理主義が切り捨ててきたものの中にこそ見出し得る──。ベイトソンやギデンズの思想に依拠しつつ、アディクションを社会学的に解明した先駆的名著。
  • 増補改訂 アンチ・アクション ――日本戦後絵画と女性の画家
    4.0
    日本と米国の間にある文化的政治的関係をくぐり抜け、極めて先進的な表現を行った草間彌生。消費と創造への人々の関心を作品の中で両立させた田中敦子。「捺す」という技法によって特殊な作者性を主張した福島秀子。アンフォルメルとアクション・ペインティングが席捲する1950-60年代の日本において、彼女たちはそれらにどう抵抗し、自らの作品を創り上げたか――。戦後の批評言説を再検証しながら、フェミニズム的概念「アンチ・アクション」を通して、もうひとつの美術史を記述する。サントリー学芸賞受賞作を改訂し、多田美波の実践から「ポスト・アクション」に迫った補論を付して文庫化!
  • 増補改訂 境界の美術史 ――「美術」形成史ノート
    4.0
    現在の美術を作り出した「境界」が引かれ、社会に浸透していく過程を、制度史的視点から捉えた画期的論集。近代において「美術」概念や日本画をはじめとする諸ジャンルは、いかにして形づくられ、純化へと向かっていったか。衝突や動揺を引き起こしつつも、五感の秩序における視覚の優位、工業社会の到来、固有の造型芸術への意志、これら三つが推進力となって「美術」は成立した。だが、その境界は画定し切ったわけではない。裂け目を孕みながら、未完の運動体として今もわれわれの目の前にある。『眼の神殿』と対をなす本書は、新たな作品創造と歴史記述の可能性へと読者を導く。
  • 増補改訂 帝国陸軍機甲部隊
    -
    機甲部隊こと機械化装甲部隊。第一次世界大戦中に登場し、近代軍備の要のひとつとなった新兵器・戦車は、どのように日本帝国陸軍に導入されていったのか。「軍の機械化」に邁進する列強各国の後塵を拝した日本陸軍は、ヴィジョンを欠いて迷走を重ねた結果、惨烈な第二次世界大戦にあって機甲部隊も真価を発揮できぬまま敗退へと向かう。本書は、戦車学校の教官もつとめた著者の実感溢れる主著であり、歴代戦車の写真・図面・年表他、豊富な資料を完備した類なき必読書である。1971年刊行の増補改訂版を底本に、初版から割愛された図版も再録した完全決定版。
  • 増補改訂版 「アニメ評論家」宣言
    3.0
    あの名作は、なぜ面白いのか? 『カリオストロの城』の「ルパン」像の新しさ、押井守監督作における乗り物の役割、『パーフェクトブルー』の背景美術はなぜリアルに描かれたか……。1968~2004年までに公開されたアニメ作品を中心に、ユニークな視点と、アニメの表現技法・製作現場・歴史への深い知識をもって語りつくす。アニメの見方を変える傑作評論、大幅に増補改訂して待望の復刊!
  • 増補 経済学という教養
    3.8
    誰しも「経済」と無縁には生きられない。だからこそ、経済学の基本ぐらいは押さえておきたい。経済学の主流たる「新古典派」、これに対抗してきた「マルクス経済学」──。こうした経済学のエッセンスを、数学を一切用いず、分かりやすく解説。新たに書き下ろされた補章では経済成長について再論する。本書は「素人の、素人による、素人のための経済学入門」である。
  • 増補 決闘裁判 ――ヨーロッパ法精神の原風景
    5.0
    生命を賭して一対一で戦い、その結果にしたがって紛争を決着した「決闘裁判」。中世ヨーロッパに広く普及したこの裁判は、どのように行われ、いかにして終焉を迎えたのか。決闘裁判は、熱湯神判、冷水神判といった神判が禁止された以後も、1819年にイギリスで廃止されるまで存続した。それはなぜか。著者は、解決を他者に任せない自力救済の要素に、現代にまで通じる「当事者主義」の法精神をみる。法とは何か、権利や自由、名誉や正義とはどんなものかといった深い問いを投げかける法制史の名著に、「法と身体のパフォーマンス」を増補した決定版。
  • 増補現代思想のキイ・ワード
    3.5
    ドゥルーズの「リゾーム」、フーコーの「脱中心化」、バタイユの「蕩尽」、デリダの「ディコンストラクション」。80年代のニューアカデミズム、ポストモダンとは何だったのか? 世界を席捲した現代思想のキイ・ワードが、20年の歳月をへて、今よみがえる。新たに第5部を書き加えて、21世紀の思想状況に斬り込む「増補決定版」が、ここに登場! 現代思想はいま、どの地点にまでたどりついたのか。
  • 増補 現代美術逸脱史 ──1945-1985
    4.0
    「美術」とは何かが問い直される時代にあって、日本の美術家たちは、どのような思想のもとにいかなる創作活動を展開してきたか。具体、ハイレッド・センター、もの派、美共闘、ポストもの派……。戦後40年の日本美術の流れを跡付け、欧米の模倣でもなく、伝統への回帰でもないその逸脱の軌跡の中に、日本固有の「美術」の萌芽を読み取っていく。作品や展覧会をもとに論じるだけでなく、針生一郎、宮川淳らの批評や、李禹煥ら作家の思想も追った。「類としての美術」を提唱した鮮烈な批評にして画期的通史、およそ100頁の増補を加えた決定版。
  • 増補 古典としての旧約聖書
    3.0
    旧約聖書とはいかなる書物なのか。古代ユダヤの人びとはそこに何を読み込み、何を託してきたのか。本書は、半世紀にわたって旧約聖書と取り組み、古代オリエント学者としても豊かな学識をあわせもつ著者が、複雑で多層的な性格をもつ旧約聖書をさまざまな角度から読み解いていく珠玉の講演集である。文庫化にあたっては、定評ある旧版に、物語構造論の観点から聖書を分析する「旧約聖書における物語文学の構造と主題」など、5本の講演を大幅増補。その言葉は今を生きる私たちに何を投げかけるのか。旧約聖書の魅力を、第一人者が余すところなく語りつくす。
  • 増補 死者の救済史 ──供養と憑依の宗教学
    -
    数々の未練を残してこの世を去った死者たち。その無念に、残された者は何をしてあげることができるのか。この問いに日本人は古くから執心し、多種多様な解決策を練り上げてきた。祟りと祀り、穢れと祓い、供養と調伏、そして死者との直接の交流である憑依。これらをさまざまな角度から再検討し、さらに比較宗教学的な見地を織り込むことで、生者と死者とが邂逅する局面と、そこで行われる交流や対決、取引に新たな光を当ててゆく。文庫化にあたり、靖国神社を集合性と個人性との相克の場として捉えた論考「靖国信仰の個人性」を増補した決定版。
  • 増補 十字軍の思想
    -
    聖地エルサレムを異教徒たちから奪還すべく、中世ヨーロッパで構想された「十字軍」。それは神の名において行なわれる聖なる戦争であり、参加者に救済をもたらすとして、無数の人々を戦いに熱狂させ、ムスリムの大量虐殺をひきおこした。制度としての十字軍は16世紀末に終わりを迎えるが、9.11以降、現代まで続く一連のテロ事件と、それに対する欧米社会の反応は、「十字軍」が決して過去の歴史ではないことを明らかにしている。なぜ「聖戦」は繰り返すのか? 対立の根源にあるものとは? 十字軍の思想1700年の歴史を辿り、いまなお世界を脅かす確執の構造を解き明かす。
  • 増補 女性解放という思想
    4.5
    「女性解放」を論じることはなぜ難しいのか。あるべき解放論を示すのではなく、かつて女性解放の運動と理論が直面した対立や批判、矛盾やその破綻を描くことで、今なお残る困難の数々を深く鋭く明かす論考集。1部には、イデオロギーに根ざす80年代女性解放論への批判と、「性差があるから差別ではない」とする言説の本質的な不当性を喝破した論考を収録。2部では、ウーマンリブ運動の思想史的位置付けと再評価を行い、3部では、フェミニズム運動への「からかい」が、非難や攻撃にもまさる抑圧的効果をもったことを明かした「からかいの政治学」など、メディアにおける女性表象の問題を追求した。今日までの状況を俯瞰する1章を加えた増補版。
  • 増補 頭脳勝負 ──将棋の世界
    4.0
    弱冠20歳で「竜王」となり、その後もトップ棋士であり続ける著者が、将棋にまつわるすべてを本音で語り尽くす。駒の動かし方、将棋界のしくみから、進化するコンピュータとの対戦、対局中の心理、休日の過ごし方まで、今明かされる棋士の頭の中! 名勝負として名高い、羽生善治四冠(当時)との第21期竜王戦第4局の貴重な自戦記を増補し、待望の文庫化。
  • 増補 聖典クルアーンの思想 ――イスラームの世界観
    4.0
    クルアーンにはモーセやイエスといったユダヤ教・キリスト教の重要人物たちも預言者として登場する。いったい彼らとイスラームとはどういう関係なのか? なぜ同じ預言者同士でありながらムハンマドに下されたクルアーンが最も正しい聖典とされるのか? 本書ではまずシーア派とスンナ派の違いなどの基礎知識を紹介しながらムハンマドの生涯を概観し、イスラームの成立過程をたどる。その上で天から下されては更新されていく「啓示」の基本構造を説明し「ジハード」などの聖句の意味をクルアーンを読みながら解説する。イスラームの考え方や行動の意味が根本からわかる格好の入門書。
  • 増補 性と呪殺の密教 ──怪僧ドルジェタクの闇と光
    4.4
    性行為の歓喜が心身の力を極限まで高め、究極の智恵をもたらすという理論を根拠に、修行に導入された「性的ヨーガ」。不正義の人が悪事を成す前に、浄土に送り届けることは救済にほかならないという思想に基づく「呪殺」。チベット密教には、いまだ秘匿された教義が数多く存在する。なぜそうした奥義がチベットで歓迎されるに至ったのか。その背景を解き明かしつつ、知られざる神秘に迫る。国や地域と時代を問わず、宗教にあまねく内在する暴力とエロティシズムの原理にまで鋭く切り込んだ一章を増補。宗教の本質を抉り出す驚異の密教入門書。
  • 増補 責任という虚構
    4.5
    人間は自由意志を持った主体的存在であり、自己の行為に責任を負う。これが近代を支える人間像だ。しかし、社会心理学や脳科学はこの見方に真っ向から疑問を投げかける。ホロコースト・死刑・冤罪の分析から浮き上がる責任の構造とは何か。本書は、自由意志概念のイデオロギー性を暴き、あらゆる手段で近代が秘匿してきた秩序維持装置の仕組みを炙り出す。社会に虚構が生まれると同時に、その虚構性が必ず隠蔽されるのはなぜか。人間の根源的姿に迫った著者代表作。文庫版には自由・平等・普遍の正体、そして規範論の罠を明らかにした補考「近代の原罪」を付す。
  • 増補 ソクラテス
    4.0
    ソクラテス哲学の核心にある「反駁的対話」の構造と意味を分析し、それがかれの倫理的信念といかに関わるかを考察する。さらに、この倫理的信念の彼方に現れる「無知の自覚」が、ダイモニオンの囁きと共に、なにか超越的なものを示唆することを推定する。
  • 増補 中国「反日」の源流
    4.0
    「愛国」が「反日」と結びつく不可解な国・中国。この構造は近世史・近代史の過程で形づくられた。1919年、北京の学生運動を皮切りに広がった五四運動は、現代に続くその出発点である。満洲事変をへて日中戦争へ向かうなかで、反日運動は「抗日戦争」と名を変えて最高潮に達した。本書は、日本・中国の近世史・近代史を政治・外交・経済・社会・思想にわたる全体史として描きだすことで、「反日」の原風景を復元し、ナショナリズムの核心にある「反日」感情の構造を解き明かす。古代から現代までの日中関係を俯瞰する論考を増補した決定版。
  • 増補 中世日本の内と外
    3.3
    「国境」という概念が定着する以前から、東アジア世界にもたしかに領土・領有意識はあった。しかしそれはあくまで権力者の都合によるもので、一般の民衆には大きな意味をなさなかった。日本と新羅の国交が断絶した9世紀、朝鮮半島南西部を拠点にした海上貿易のドン・張宝高は、日本に唐物の商品を運び、貴族からも大いに喜ばれた。また中国の仏教聖地を訪れるために遣唐使船に同乗した天台僧の円仁は、新羅人の船に乗って帰ってくる。日朝間の海域では「倭人」が活発な交易を行っていた。境界を軽々とまたぎ、生活していた東アジアの人びとに焦点をあて、境界観の歴史をたどる。
  • 増補 日蓮入門 ──現世を撃つ思想
    4.0
    日蓮の思想は、近代日本において超国家主義者に信奉されるなど、時に危険なイデオロギーとも目されてきた。だが、実際の著作を読んでゆくと、真の日蓮は一筋縄ではゆかない、実に多面的な思想家であることに気付くだろう。政治権力に挑戦する闘う思想家、孤独で内省的な理論家、ユートピアを思い描く夢想家、おおらかな現実主義者など。魅力的なその人柄に触れつつ、『立正安国論』『三大秘法抄』などの遺文をひとつひとつ読み解き、多彩で奥深い思想世界を探る。ちくま新書版に増補をくわえて刊行する。

最近チェックした作品からのおすすめ