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現代数学入門
現代数学は数学者だけの高度なものと考えがち! だが、じつは考え方そのものは日常の生活のなかでよく経験している。著者はそういって、集合・関数・構造・群・位相などの概念の本質を、古代からの数学の歴史をたどりつつ、卓抜な比喩で解き明かす。本書前半「数学は変貌する」では、読者はその名調子に身をまかせ安心して聞きほれることができる。堅苦しい数学観も一変するにちがいない。学校数学になじんだ理系学生にも、その闊達な筆致のデッサンは魅力だろう。後半「現代数学への招待」はその詳論。解説はらせんを描きながらより高みへと読者を誘う。 -
現代世界における日常生活
消費を制度化させる社会に抗して 〈日常〉を疑え! 資本主義のもと、我々の〈日常〉はどのように方向づけられているか。大量消費と官僚主義の問題を、日常生活批判が暴きだす。 解説:山本千寛 === われわれの〈日常〉は、資本主義のもと、知らぬまに支配関係の再生産のために構築され、方向づけられてしまっている。1960年代のフランスでルフェーヴルはそう告発し、「日常生活批判」を展開した。エリート層によって欲望が〈指導〉された大量消費社会は、語りの権利と日常を自らの手に取り戻すことができるのか? 五月革命へ向かう熱気のなかで書かれた本書は、その後の展開を含めた著者の理論的支柱を、あますところなく提示する。資本主義や消費社会への非難が拡大する現代の日本社会において、再注目に値する一冊。 解説 山本千寛 【目次】 第一章 探求と若干の発見物の提示 1 半世紀のうちに…… 2 哲学と日常的なるものの認識 3 第一の行程、第一の契機 4 第二の階程、第二の時期 5 現在の社会をどのように名づけるべきか 6 いったい何が起ったのか(フランスにおいて、一九五〇年と一九六〇年のあいだに) 7 第三の時期。一九六〇年以後 第二章 指導される消費の官僚主義的社会 1 統一と矛盾 2 不安の基盤 3 想像的なるもののなかへの四歩 4 いくつかの下次=体系について 第三章 言語的現象 1 座標軸の脱落 2 超言語 3 滑稽さ 第四章 テロリズムと日常性 1 テロリズムの概念 2 文章とテロリズム 3 形式の理論(再論) 4 抜け道 5 短い対話 第五章 永続文化革命に向かって 1 最初の諸結論 2 拘束の哲学と哲学の拘束 3 われわれの文化革命 -
現代の初等幾何学
数学の理論の公理系にあらわれる基本的な用語は無定義なものであるべきだという公理主義の思想。この思想は、初等幾何学すなわちユークリッドの平面幾何学をめぐる考察のなかから生まれた。その意味で初等幾何学は現代数学の母であり、いまなお「生きた」数学の理論である。本書はヘルマン・ワイルの提唱した公理系にもとづいて、ユークリッドが展開した初等幾何学の再構成を試みる。平面を2次元の内積空間と捉えることで、数学の種々様々な理論と自然につながり合う「現代的な」幾何学が得られるのだ。幾何学が本来もつ証明の面白さを損なわないよう初学者への配慮も溢れる一冊。 -
現地発 韓国映画・ドラマのなぜ?
映画・ドラマから知る、韓国の食や、フェミニズム等社会状況、そして現代史まで。韓国在住映画ライターが案内。作品の見方が変わる。 -
原発危機 官邸からの証言
「菅首相の現地視察が東京電力の事故対応を遅らせた」「官邸が現場の注水作業を止めた」「政府はアメリカからの冷却剤提供を断った」――これらの批判は事実無根である。首相官邸で首相、官房長官に次ぐ3番目の危機管理担当であった事故当時の官房副長官が、自ら残したノートをもとに、官邸から見た原発危機の緊迫した状況を再現。知られざる危機の真相を明らかにするとともに、緊急時の国家体制が抱える問題の構図を浮き彫りにし、事故を教訓とした日本の進むべき道筋を提言する。 -
原発事故 自治体からの証言
福島第一原発事故当時、現地の役場で何が起きていたのか。途方もない危機が迫っているにもかかわらず情報は乏しく、国や県からの指示もなく、事故対応マニュアルは役に立たない。そして水素爆発の重い音が町中を揺らした。事故の瞬間から避難、さらに復興に向けて、原発災害の過酷な状況に直面した自治体の職員が何を考え、何をしてきたか。石田仁(大熊町前副町長)、宮口勝美(浪江町前副町長)へのインタビューをもとにした証言に、研究者による解説を加えた貴重なドキュメント。 -
原論文で学ぶ アインシュタインの相対性理論
アインシュタインが“奇跡の年”こと1905年に提唱した相対性理論。その考察の出発点となったのは、難しい物理理論などではなく、「時間」と「空間」について私たちが素朴に抱いている先入観である。時間・空間の常識を彼はいかに乗り越えたのか。本書は、特殊相対性理論についての2篇の論文(全文)の邦訳を掲載し、詳細な解説を付したものである。解説は「座標」「関数」「ベクトル」など数学・物理の基礎のおさらいから丁寧かつ平明に書かれており、独習者や高校生の入門書としても好適。アインシュタインの思考にじかに触れながら、至宝E=mc2をめざす。 -
ゲーテ形態学論集・植物篇
イタリア旅行で南欧の植物の多様性に目を見はったゲーテは、仔細に観察し、それらを統べるものへと想像をめぐらせた。メンデルの法則が世に知られる100年以上も前に圧倒的洞察力で、植物のメタモルフォーゼを確信している。「すべては葉である」「花は葉の変形したもの」「地面の下で湿潤だけを吸収する葉を根と呼ぶ」「すぐに拡張する葉は葉柄ないし茎である」。文豪にして偉大な自然科学者の樹立した形態学は、分析と還元を旨とする現代の先端研究者たちに思いがけぬ指針を残していた。「形態学」の真髄とその周辺をていねいに掬い上げた文庫版新訳オリジナル。本書姉妹篇に『動物篇』がある。 -
ゲーテ形態学論集・動物篇
生きて発展する刻印されたフォルム! それは動物の骨格に潜在的にそなわっている「比較の第三者」としての原型を意味するゲーテの革新的な生物学思想の言葉である。植物において「すべては葉である」としたゲーテ形態学は、さらに対象を動物にも広げていく。動物形態の多様性は骨学的原型から発するもの、またそれぞれの動物の骨格部分は同一の基本器官のメタモルフォーゼ(変態)と洞察した。それら哺乳類についての論考のほかに、チョウのメタモルフォーゼやヒトの観相学をも含むオリジナル編集になる新訳決定版論考集成。図版多数。哲学しはじめ20世紀後半の現代科学に贈られた、ゲーテの大いなる遺産。『植物篇』の姉妹篇。 -
ゲーテ スイス紀行
ゲーテにとって旅とは、またスイスとは何だったのか。あのイタリア旅行に先立つこと12年、26歳のゲーテは『若きヴェルテルの悩み』の恋愛体験から逃れるように、スイスに向かう。「力強いライン河の烈しく泡立つ瀑布、万年雪をいただく峰々の王冠の輝き……その中に作用する創造力が脈々と魂の中にめざめてくる」と、偉大な理念を感知し科学的自然把握に決定的な指針を得る。アルプスの多種多様な自然は、研究対象の無限の宝庫であった。作品としてはまとめられなかったこのスイス体験を一書に成した本邦初の編訳書。訳者注解では、形態学・地質学などのゲーテ自然科学へと連なる体験的背景があざやかにひもとかれる。 -
ゲームで生きていく ――eスポーツが変える教育とキャリア
「好き」を本当の武器にしよう 「ゲームばっかりしてないで勉強しなさい!」 「ゲーム禁止!」 そう叱る大人はいまだ多いが、世界のeスポーツ人口は6億人を超え、一つの文化・産業になっている。教育効果に関する最新研究から、プロ以外の道も見据えたキャリア戦略まで、「本気」になったら知るべき情報が一冊に。 ▼△▼△▼△▼△▼△▼△ eスポーツは遊びじゃない。 「好き」を本当の武器にしよう! ▼△▼△▼△▼△▼△▼△ ◎著者からのメッセージ ゲームに本気になることは、本当に「悪いこと」なのか。そして、eスポーツに真剣に取り組むことで、人は何を学び、どんな道を開けるのか。本書では、さまざまな研究成果や具体的な事例を見ながら、その答えを一緒に探していきたいと思います。 ◎本書でわかること ・eスポーツの歴史と現状 ・eスポーツで非認知能力を伸ばす方法 ・「ティルト」に負けない強さについて ・強いチームの特徴はどこにあるのか ・世界各国でのeスポーツ教育導入例 ・eスポーツの市場分析 ・なぜeスポーツは「観る」文化が育ったのか ・「ゲームで生きていくから大学は不要」は本当か? ・プロも含めた広いキャリアをつくる方法 ・AI時代になぜeスポーツが重要になるのか === 【目次】 はじめに──「ゲームが好き!」でなにが悪いの? 第Ⅰ部 eスポーツで学ぶ 第1章 データで解き明かすeスポーツのリアル 第2章 eスポーツで身につく非認知能力 第3章 世界が注目する「eスポーツ教育」革命 第Ⅱ部 eスポーツで生きていく 第4章 熱狂を生み出すコンテンツとしてのeスポーツ 第5章 eスポーツで生きていくためのキャリア戦略 第6章 巨大なビジネスの中で「支える」仕事 終章 AI時代のeスポーツの未来 === -
小泉八雲 ──日本を見つめる西洋の眼差し
明治時代、日本に魅せられ日本人となった西洋人がいた。「怪談」の作者にして西洋への日本文化の紹介者、ラフカディオ・ハーンの生涯を描く。帰るべき故郷のない男が、世界各地を転々とした末に遠く異国の地に見出した安らぎとは? -
古伊万里図鑑
青山二郎と親交を結び、北大路魯山人に星岡茶寮を任され、柳宗悦の蒐集に協力した稀代の目利き、秦秀雄。すべての古美術に精通したが、伊万里を鑑賞の世界に引き上げた牽引役としてつとに名が高い。本書は、その秦が満を持して刊行した、究極の古伊万里鑑賞案内だ。掲載されている品々は、今も愛好家垂涎の的となっており、蒐集のスタンダードになっている。収められているのは、代表的な染付や白磁から、希少な赤絵、鉄絵、辰砂、鉄砂、瑠璃釉まで、約340点。秦秀雄の眼が射抜いた見どころを、ぜひ味わっていただきたい。幻の名著、遂に文庫化。 -
公安警察の手口
監視社会化が進む日本。こうしたなかで、不当逮捕を繰り返し、統治機構の末端で暴力を行使しているのが公安警察である。いったいヴェールの向こう側では何が起きているのだろうか? かつて赤報隊事件で公安警察に濡れ衣を着せられた経験を持つ著者が、その捜査手法や権力構造を照射し、知られざる公安警察の"真実"を追究する。 -
工学の歴史 ──機械工学を中心に
工学とは「ものつくりの科学」である。動力を効率よく伝達する歯車の歯型はどのような曲線なのか。蒸気機関が出せる動力と効率は何によって決まってしまうのか。オイラーは伸開線によるインボリュート歯車を、カルノーは熱の理論を樹立した。「ものつくり」は科学に問いを課し、また科学から方策を授かってきた。本書は、その工学の歴史を、おもに機械工学と力学の話題を中心に展開した。技術開発や研究が最先端に達し、もはや参考となる文献・資料がなくなったとき、その解決のヒントは歴史のなかにある。幕末維新や近代日本に関する研究成果も意欲的に取り入れた力作。資料・図版を多数収録。 -
交響する経済学 ――経済学はどう使うべきか
世の中には名だたる経済学の古典がいくつもある。しかしケインズは、経済学者であるからには学術専門書ではなく、パンフレットのようなものを書くべきだと述べた。経済学者は日々変化する経済情勢をつかみ取り、それに対処し続けなければならないと考えたからだ。本書では経済政策の表舞台に立った当のケインズをはじめ、スラッファ、シューマッハー、ミュルダール、セン、ハロッド、都留重人らによって書かれた様々な問題への、今こそ注目すべき処方箋を紹介。あわせて無数に枝分かれした各経済学派の特徴と、その目指すところも解説する。経済学に興味のあるすべての人へ。学芸文庫オリジナル。 -
高校進学でつまずいたら ――「高1クライシス」をのりこえる
学校に行くのがなんとなくつらい人へ 人間関係、通学時間、授業や部活……進学後の環境の変化、馴染めていますか? 人間関係が大きく変わる。通学時間も長くなる。授業や部活についていくのが大変になる……。高校進学に伴う環境の変化が心に及ぼす影響は「高1クライシス」と呼ばれている。新生活で起こりうる「つまずき」をのりこえるための本。 *「高1クライシス」とは? 高校へ入学したばかりの生徒が学習や生活面での変化に適応できず、心の不調を起こしてしまう現象のこと。ただし、本書では「良い方向にも悪い方向にも心が変化するきっかけになる出来事」として、よりニュートラルな意味で捉えています。 【目次】第1章 高校進学は心の危機(クライシス)か?⇒卒業と入学を繰り返す青年時代は変化の連続/第2章 十人十色の高校進学⇒「高1クライシス」のかたちはさまざま/第3章 進学とともに変わること⇒求められる役割、学校の風土、周囲との関係…/第4章 気分の落ち込み、不安の高まり⇒心理学の調査があきらかにする「つまずき」の実態/第5章 高校進学でつまずいたあなたへ⇒「ふつう」から外れてしまったら人生終わり? -
高校生からのゲーム理論
社会科学を塗り替えつつあるゲーム理論は、「人と人のつながりに根ざした理論」である。環境問題、三国志、恋愛、いじめなど、多様なテーマからその本質に迫る入門書。 -
考古学はどんな学問か
考古学は物的証拠を手掛かりに、過去の人々の行為を再現する学問だ。したがって石器時代や縄文・弥生などの古い時代だけでなく、近現代までもが研究対象となる。もちろん物的証拠も幅広く、銃弾といったものさえ証拠になる。犯罪捜査さながらにスリリングな学問であり、時には一国の歴史を書き換えることすらある。アメリカで長く国民的英雄とあがめられていた将軍の遺跡が、実は先住民への暴力の跡だったことが分かった「リトルビッグホーン古戦場」などは代表的事例だ。歴史の生き証人を足元から掘り起こす考古学。その魅力を余すことなく伝える、読んで楽しい入門書! -
高大接続改革 ──変わる入試と教育システム
2020年度から大学入試が激変する。従来の知識・技能型、得点重視の一発勝負試験から、主体的・協同的に学ぶアクティブラーニングの導入が前提とされる。塾や予備校は沸き立ち、中学や高校の現場は大混乱。この入試改革は文科省が進める高大接続システム改革の一環。そもそも高大接続とは何だろうか。塾や予備校に通わなければ、大学を目指せなくなるのか……。気鋭の教育ジャーナリストと、「学習学」を提唱し実践的な学びを指導してきた人気大学教授がタッグを組み、これから起こる教育改革の本質を解説。新制度に立ち向かうために、学校や家庭でできる対策を徹底指導する。 -
皇帝たちの都ローマ ――都市に刻まれた権力者像
帝国の首都として繁栄を極めたローマ。世界に類を見ない壮麗な都市と建造物は皇帝たちの熾烈な権力闘争の場であり、その政治的意図を示す舞台でもあった。本書ではカエサル登場以前の紀元前2世紀から、コンスタンティノープル遷都にいたる330年まで約500年のローマの都市計画と建造物を一望し、そこに刻まれた各皇帝の政策や思想、歴史を読み解く。凱旋門、神殿、コロッセウム、浴場、広場や水路などを備えた都市はやがて変革期を迎え、皮肉にも都市に蓄積された歴史の重みによって終止符を打たれることになる。帝国の興亡を浮かび上がらせるスリリングなローマ都市史。 -
行動する仏教 ──法然・親鸞の教えを受けつぐ
従来の仏教は、生きる上での「苦」の原因を、前世からの因縁や個人の心の奥底に巣食う強烈な自我に求めてきた。しかし、戦争で命を落としたり原発事故の被害に遭うことは、個人の過去や心のありように原因があるのだろうか。そうではなく、政治や社会構造に問題があるのではないか。ならばその苦の原因を取り除く行動を、いまや仏教は起こさなければならない。「すべての衆生を救わずにはいられない」という仏教徒の第一の使命に立ち返り、法然・親鸞によって確立された浄土仏教を受け継ぎながら、その教えの中味を現代的な形に作り変える。行動する仏教=エンゲイジド・ブッディズムの意欲作。 -
紅白歌合戦と日本人
今なお、四〇パーセント台の視聴率を誇る、紅白歌合戦。「紅白」の歩みは、私たち日本人の歩みでもあった。美空ひばり、坂本九、山口百恵、都はるみ、SMAP、美輪明宏……。大晦日の夜、時代を彩る歌手が一堂に会し、その年のヒット曲を、懐かしの歌を、心に残る名曲を歌い上げる。時代とともにそのあり方を変えながら、国民的テレビ番組であり続ける「紅白」に、私たち日本人は何を求めてきたのか。今日に至るまでの「紅白」の歴史をたどり直し、日本人の心の軌跡を描き出す渾身作! -
神戸 ――戦災と震災
1868年の神戸港開港後、1889年の市制施行で「神戸市」が成立する。以降、神戸というまちは、1938年の阪神大水害、1945年の神戸大空襲、1995年の阪神・淡路大震災と、災害や戦争の影響を大きく受けながら発展していく。本書は、こうした危機からの復興を軸に、明治期から現代までの都市史を描く。貴重な図版を多数収録した、神戸都市史の決定版である。 -
甲陽軍鑑
戦国大名武田信玄、勝頼二代にわたる甲州武士の事績、心構え、軍法、合戦などが記された壮大な歴史パノラマ。戦国時代に形成された武士道の集大成ともいわれ、元和以来、武士の間で広く読まれた。また、講談や歌舞伎狂言などにも翻案され、庶民にも遍く普及し今に伝わっている。本書は、全二十巻五十九品の中から、その白眉と目される山本勘助の物語、信玄一代記、甲州法度など話題に富む十四品を収録。歴史に関心をもつ読者はもとより、広く現代において、組織の上に立つ者の必読の名著。原文に現代語訳を付す。 -
公理と証明 ──証明論への招待
数学は学問のなかでもっとも確実なもの、疑えないものと考えられている。数学の確かさは、出発点となる命題、つまり「公理」から、「証明」によって新しいことを導き出すという推論のしくみによって保証される。しかし公理や証明それ自体の確からしさは、いかにして基礎づけられるのだろうか? カントールの創りだした集合論が実は矛盾含みであることをラッセルが明らかにすると、数学者たちはこの問題に目を向けざるをえなくなったのだった。公理とは、証明とは何か? 本書はあらゆる数学の基礎となる公理系のしくみ、そして数学全体を見渡す理論である証明論の初歩を、具体例をもとに平易に解説した「数学の基礎」入門である。 -
高齢者うつ病 ――定年後に潜む落とし穴
定年になり仕事を失い、無気力になってしまう。妻を亡くして孤独になり喪失感に悩む。体が思うように動かなくなりひきこもりがちになる。六〇歳を過ぎてからこういった事態に直面し、うつ病を発症させる人が増えている。しかもその初期症状は頭痛だったり、身体の不調だったり、めまいだったり、一見してうつ病とはわかりにくい、本書ではそういった高齢者のうつ病発症のきっかけ、原因、特徴をエピソードを交えながら解説する。また、大病院を偏重する日本医療において高齢者はどのように扱われるか、その先に見える問題点まで掘り下げていく。 -
凩の時
「冬の時代」を告げる凩(こがらし)が吹きすさぶ。大逆事件が迫る。――日露戦争後の明治41年、東京赤坂の陸軍歩兵第一連隊から兵卒37名が脱営した事件を軸に、軍国化の足を速めた大日本帝国と苦難の時を迎える社会主義運動の姿を、豊富な資料をもとに再構成する。史伝体と物語体の巧みな併用によって今日によみがえらせた歴史長編。1985年、第12回大仏次郎賞受賞作。 -
故郷の風景 ――もの神・たま神と三つの時空
日本人なら誰もが、懐かしく、心地よく感じる原風景。そこには、自然や神仏と接する、三つの時間と空間がある。失われた近代日本の土俗の風物と暮らしを、美しい文章でたどり返し、体感する。 -
国際協力ってなんだ? ――つながりを創るJICA職員の仕事
「国際協力」というと難しそうですが、JICA(国際協力機構)で働く先輩たちの日々の仕事は、目の前にいる人と話し、理解し、ときにトラブルを乗り越えて、協力しあえる関係をつくりだすこと。あなたも国際協力の仕事を体感してみませんか? 【目次】1【セネガル、モーリタニア】国を超えた学び合いが、日本の食卓に届ける海の恵み…松野雅人/2【広島県・因島】若者は、多文化共生の専門家!?…岩谷允六有/3【ガーナ】ナショナルスタッフと、話して話して、話しあう…左近文子/4【日本】幻の魚の釣り方を一緒に考える、新しい研修のかたち…関一樹/コラム1 ODAの歩みとこれから――変わらないもの、変わっていくもの/5【バングラデシュ】住民の声を聞く、気候変動・防災対策…伊藤大介備/6【管理部】国際協力の裏方で働くということ…休場優希/7【スリランカ】対等な議論ができるカウンターパートと共に…島田和輝/8【カンボジア】綿密な調査を武器に、人身取引と戦う…齋藤有希/コラム2 JICA職員に求められる力――どのような人と協力したいか/9【青年海外協力隊事務局】もういちど、世界をつなぐ力になる…鈴木友理/10【ウズベキスタン】汚職を予防すると、国が発展する!?…芳村慶祐/11【インド】ビジネスと社会課題解決の触媒を目指す、新時代の国際協力…松本颯太/12【ジャイクエ】共創と革新は、チームの力と日々の手続きがつくる…神武桜子/コラム3 JICA職員のライフキャリア、ジョブローテーション/13【東ティモール】アジアでもっとも若い国に大学院を…土本周/14【ホンジュラス】週末隊員、柔道で治安改善に挑む!…横尾昂志/15【ザンビア】結局、うまくいったわけではないけれど…金田瑞希/おわりに――人と協力する国際協力の世界へ…大河原誠也 -
黒人のアメリカ ――誕生の物語
「アメリカの黒人」はどのようにして誕生したのか?奴隷解放ののち、苦難の道を経て、彼らはアメリカに留まりアメリカ社会の一員たることを選択する。著者はその誕生の時の立ちもどり、黒人たちのさまざまな「物語」のなかに彼らの「共生」の夢を探っていく。しかし真の共生はいまだに実現していない。黒人文化などさまざまな異文化が対等につくりだす「多文化」のアメリカは可能なのだろうか?著者は歴史の声に耳を傾けながら、そう問いかける。 -
国民防空 ――日本的危機対応の失敗と教訓
この国の落とし穴は 有事対応にある 「想定外」による失敗を繰り返さないために 第一次大戦後に来たるべき空襲に備え提唱され、軍・当局・国民が一丸になって進めた「国民防空」。関東大震災の経験を宣伝材料にして驚くほど急速に浸透したが、安易な想定や精神力依存、同調圧力による普及などの欠陥も多く、新技術を用いた米軍空襲には機能しなかった。この国民防空の組織や技術は、戦後の災害対策や国土計画・都市計画に引き継がれ現在に至っている。現代日本の危機対応の原点ともいえる国民防空の成立と普及過程を検証し、その教訓を未来へと伝える。 【目次より】 まえがき 第一章 関東大震災から動き出した「国民防空」 1 「国民防空」の内容と展開過程 2 関東大震災と軍の教訓 3 防空研究にみる関東大震災の影響 第二章 大阪市・東京市の非常変災要務規約と防空演習 1 大阪への震災影響と東京の動き 2 防空演習の実相 3 防空演習への批判 第三章 時間を要した防空法成立と審議過程 1 防空法成立前の経緯 2 帝国議会の審議 3 関東大震災等の影響 第四章 国民防空に関する技術の開発動向 1 軍の研究会と二つの火災実験 2 軍と学会等による研究体制 3 米国の空襲技術の開発 第五章 防空計画・指導要領と「都市の防空的構築」 1 防空計画と指導要領 2 「都市の防空的構築」の構想 3 専門家による防空の都市づくりに関する提案 4 函館大火と静岡大火 第六章 防空意識の涵養 1 国民防空に関する言説 2 『国民防空読本』と『時局防空必携』 3 『写真週報』にみる防空啓発 4 東京市・都の広報と関東大震災 5 様々な媒体による防空啓発 第七章 国民防空の手本になった「神田和泉町・佐久間町」 1 「神田和泉町・佐久間町」の事蹟 2 防空の模範として脚光を浴びる 3 国民防空の手本になる 4 戦後への影響 第八章 「国民防空」の浸透 1 防空訓練の思い出 2 防護団・警防団と燈火管制 3 町内会・隣組と「常会」 4 生活基盤になった町内会・隣組 終章 国民防空の「失敗」を繰り返さないために 1 都合よく使われた関東大震災 2 町内会・隣組を通じて浸透した「国民防空」 3 「国民防空」の目的――戦争継続のための国民統制 4 「思い込み」で進んだ国民防空 5 国民防空の失敗を繰り返さないために 6 これからの危機対応に向けて おわりに 国民防空の展開 関連年表 参考資料 -
ココ・シャネル ――20世紀ファッションの創造者
斬新なデザインと奇抜なアイデアで20世紀のファッションを根底的に変革したシャネル。女性が自由に生きるために闘いつづけたその生涯を追う。(巻末エッセイ・川上未映子)
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