作品一覧

  • ゲルマニア アグリコラ
    4.0
    力強く簡潔な文体と精彩あふれる描写で知られるタキトゥスの2つの小品を収める。『ゲルマニア』は、当時ローマ帝国に北方から脅威を与えていたゲルマニアの諸部族に関する民族誌。風土、習俗、制度などについての概説と各部族の記述からなる。野性に満ちて強力なゲルマニア人と、文明化し過ぎ頽廃・衰亡への道を歩むローマ人を対比し、警告を発する。『アグリコラ』はタキトゥスの岳父を描いた伝記。暴君のもとでの貴族の生き方を示すとともに、ブリタンニア(古代イギリス)の地理や民族を詳しく記す。
  • 同時代史
    5.0
    1巻1,595円 (税込)
    暴帝ネロの自殺後、ローマ帝国に泥沼の内乱が勃発した。各地の総督がその配下の軍隊に担がれて、次々と皇帝となったのである。紀元69年1月1日、ゲルマニア軍のウィテッリウスは、ヒスパニア総督であった元首ガルバに叛旗を翻す。アレクサンドリア軍からは、ウェスパシアヌスが皇帝として奉戴されていた。その結果、多くの市民の血が流れ、三人の皇帝が斃れた。そこには、人間の欲望が絡みあい、殺戮、陰謀、裏切りなど、凄まじい政争が繰り広げられた。本書は、希代の歴史家タキトゥスが、この同時代の壮大な歴史ドラマを、臨場感溢れる雄渾な筆致で記録したローマ史の大古典。

ユーザーレビュー

  • 同時代史

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    ガルバの治世からウェスパシアヌス帝の誕生まで、そしてバタウィ族の叛乱を記述する。かなり詳細に書かれているので読むのは一苦労。しかしそれだけ貴重な歴史的資料なのだろう。仕方のないことだが人物の評価についてはタキトゥス自身のバイアスを感じずにはいられない。
    歴史の記述を読むだけにとどまらず、当時のローマ人の価値観を感じることができる。元老院は基本的に皇帝に追従するのみ。骨があり実績のある軍人が次期皇帝を狙ってクーデターを起こす時代。ハンニバルと戦った共和制ローマ時代の元老院の気骨と団結感は全く感じられない。そういったタキトゥスの嘆きを感じることができる。

    0
    2024年06月04日
  • 同時代史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ネロの死後に即位したガルバ、オト、ウイティッリウス、ウエシパスアヌスの4人の皇帝たちの争い。オトに敗れローマで殺害されたガルバ。初戦には勝利したものの最終的に敗れ潔く自決したオト。オトを倒しガリアからローマで皇帝となったウイティッリウス。政治を顧みず自堕落な生活を続けるウイティッリウス。東方のユダヤとの戦いの最中に兵士たちに皇帝におされたウェシパスアヌス。内乱の果てに皇帝となったウェシパスアヌス。ゲルマニアの反乱。

    0
    2012年11月28日
  • ゲルマニア アグリコラ

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    ネタバレ

    「ゲルマニア」
    ローマ帝国北方の脅威。ゲルマニアの諸部族に関する民族誌。野生に満ち強力なゲルマン人と、文明化し過ぎ頽廃・衰亡へ向かうローマ人を対比し、警告を発する。

    「アグリコラ」
    タキトゥスを岳父アグリコラの伝記。暴君ドミティアヌスの元での貴族の生き方とブリタニア地理や民族を詳しく記す。

    「ゲルマニア」は岩波文庫で読んだけど、こちらの方が読みやすかった気がする。「アグリコラ」ははじめて。ブリタニア征服の歴史など面白い。タキトゥスって歴史家だけでなく、執政官や総督も努めていたのは知らなかった。

    0
    2025年10月01日
  • ゲルマニア アグリコラ

    Posted by ブクログ

    「ゲルマニア」というゲルマン民族の風俗や民族に関する概要をまとめた作品と、「アグリコラ」という岳父(妻の父)の伝記を一冊にまとめたもの。

    風俗誌や伝記として史実を坦々と記すというよりもいきなり著者タキトゥス自身の政治的主張が表に出たりしがちな上、異本も多く解釈が分かれる箇所も多いようで、これを読むとカエサル「ガリア戦記」の平易な文章が賞賛されラテン語の教科書となったことが納得できる。

    タキトゥス自身もカエサル「ガリア戦記」をよく引き合いに出すけど、必要な箇所はちゃんと引用されているのでこの本一冊でもとりあえず問題なく読める。が、先に解説つきの「ガリア戦記」を読んでおいたおかげで分かりやすか

    0
    2011年10月30日

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