タキトゥスのレビュー一覧

  • 同時代史

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    ガルバの治世からウェスパシアヌス帝の誕生まで、そしてバタウィ族の叛乱を記述する。かなり詳細に書かれているので読むのは一苦労。しかしそれだけ貴重な歴史的資料なのだろう。仕方のないことだが人物の評価についてはタキトゥス自身のバイアスを感じずにはいられない。
    歴史の記述を読むだけにとどまらず、当時のローマ人の価値観を感じることができる。元老院は基本的に皇帝に追従するのみ。骨があり実績のある軍人が次期皇帝を狙ってクーデターを起こす時代。ハンニバルと戦った共和制ローマ時代の元老院の気骨と団結感は全く感じられない。そういったタキトゥスの嘆きを感じることができる。

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    2024年06月04日
  • 同時代史

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    ネタバレ

    ネロの死後に即位したガルバ、オト、ウイティッリウス、ウエシパスアヌスの4人の皇帝たちの争い。オトに敗れローマで殺害されたガルバ。初戦には勝利したものの最終的に敗れ潔く自決したオト。オトを倒しガリアからローマで皇帝となったウイティッリウス。政治を顧みず自堕落な生活を続けるウイティッリウス。東方のユダヤとの戦いの最中に兵士たちに皇帝におされたウェシパスアヌス。内乱の果てに皇帝となったウェシパスアヌス。ゲルマニアの反乱。

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    2012年11月28日
  • ゲルマニア アグリコラ

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    ネタバレ

    「ゲルマニア」
    ローマ帝国北方の脅威。ゲルマニアの諸部族に関する民族誌。野生に満ち強力なゲルマン人と、文明化し過ぎ頽廃・衰亡へ向かうローマ人を対比し、警告を発する。

    「アグリコラ」
    タキトゥスを岳父アグリコラの伝記。暴君ドミティアヌスの元での貴族の生き方とブリタニア地理や民族を詳しく記す。

    「ゲルマニア」は岩波文庫で読んだけど、こちらの方が読みやすかった気がする。「アグリコラ」ははじめて。ブリタニア征服の歴史など面白い。タキトゥスって歴史家だけでなく、執政官や総督も努めていたのは知らなかった。

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    2025年10月01日
  • ゲルマニア アグリコラ

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    「ゲルマニア」というゲルマン民族の風俗や民族に関する概要をまとめた作品と、「アグリコラ」という岳父(妻の父)の伝記を一冊にまとめたもの。

    風俗誌や伝記として史実を坦々と記すというよりもいきなり著者タキトゥス自身の政治的主張が表に出たりしがちな上、異本も多く解釈が分かれる箇所も多いようで、これを読むとカエサル「ガリア戦記」の平易な文章が賞賛されラテン語の教科書となったことが納得できる。

    タキトゥス自身もカエサル「ガリア戦記」をよく引き合いに出すけど、必要な箇所はちゃんと引用されているのでこの本一冊でもとりあえず問題なく読める。が、先に解説つきの「ガリア戦記」を読んでおいたおかげで分かりやすか

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    2011年10月30日