【感想・ネタバレ】同時代史のレビュー

あらすじ

暴帝ネロの自殺後、ローマ帝国に泥沼の内乱が勃発した。各地の総督がその配下の軍隊に担がれて、次々と皇帝となったのである。紀元69年1月1日、ゲルマニア軍のウィテッリウスは、ヒスパニア総督であった元首ガルバに叛旗を翻す。アレクサンドリア軍からは、ウェスパシアヌスが皇帝として奉戴されていた。その結果、多くの市民の血が流れ、三人の皇帝が斃れた。そこには、人間の欲望が絡みあい、殺戮、陰謀、裏切りなど、凄まじい政争が繰り広げられた。本書は、希代の歴史家タキトゥスが、この同時代の壮大な歴史ドラマを、臨場感溢れる雄渾な筆致で記録したローマ史の大古典。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ガルバの治世からウェスパシアヌス帝の誕生まで、そしてバタウィ族の叛乱を記述する。かなり詳細に書かれているので読むのは一苦労。しかしそれだけ貴重な歴史的資料なのだろう。仕方のないことだが人物の評価についてはタキトゥス自身のバイアスを感じずにはいられない。
歴史の記述を読むだけにとどまらず、当時のローマ人の価値観を感じることができる。元老院は基本的に皇帝に追従するのみ。骨があり実績のある軍人が次期皇帝を狙ってクーデターを起こす時代。ハンニバルと戦った共和制ローマ時代の元老院の気骨と団結感は全く感じられない。そういったタキトゥスの嘆きを感じることができる。

0
2024年06月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ネロの死後に即位したガルバ、オト、ウイティッリウス、ウエシパスアヌスの4人の皇帝たちの争い。オトに敗れローマで殺害されたガルバ。初戦には勝利したものの最終的に敗れ潔く自決したオト。オトを倒しガリアからローマで皇帝となったウイティッリウス。政治を顧みず自堕落な生活を続けるウイティッリウス。東方のユダヤとの戦いの最中に兵士たちに皇帝におされたウェシパスアヌス。内乱の果てに皇帝となったウェシパスアヌス。ゲルマニアの反乱。

0
2012年11月28日

「学術・語学」ランキング