千野栄一の作品一覧
「千野栄一」の「プラハの古本屋」「存在の耐えられない軽さ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「千野栄一」の「プラハの古本屋」「存在の耐えられない軽さ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
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Posted by ブクログ
人生のドラマというものはいつも重さというメタファーで表現できる。われわれはある人間が重荷を負わされたという。その人間はその重荷に耐えられるか、それとも耐えられずにその下敷きになるか、それと争い、敗けるか勝つかする。しかしいったい何がサビナに起こったのであろうか?何も。一人の男と別れたかったから捨てた。それでつけまわされた?復讐された?いや。彼女のドラマは重さのドラマではなく、軽さのであった。サビナに落ちてきたのは重荷ではなく、存在の耐えられない軽さであった。
これまではそれぞれの裏切りの瞬間が裏切りという新しい冒険に通ずる新しい道を開いたので、彼女を興奮と喜びで満たしてきた。しかし、その道がいつかは終わるとしたらどうしたらいいのか?人は両親を、夫を、愛を、祖国を裏切ることができるが、もう両親も、夫も、愛も、祖国もないとしたら、何を裏切るのであろうか?
Posted by ブクログ
とてもよかった。好きでした。
村上春樹を読んでいるときのように、人の人生や生活を少しカッコつけて捉えられるような感覚になる。少し綺麗な場所に自分の人生というものを持って上がって、眺めて考えることができるような感覚。
特定の人や物をとてつもなく大切と思っている自分と、「それってそんなに重いものでもないのでは」と客観的に見ている自分がいて、それでもまたその盲目的愛情に戻っていく登場人物たちのさまが自分を見ているようだった。世の中の愛情というものはこれだと思う。
「トマーシュ、あなたの人生で出会った不運はみんな私のせいなの。私のせいで、あなたはこんなところまで来てしまったの。こんな低いところに、これ以上行けない低いところに」
テレザのこのセリフに泣きそうになった。
人生は軽いものというのには共感する。全ては軽い「たまたま」の結果。「耐えがたい偶然性」。
文章自体もとてもよかった。好きな人の前でお腹が鳴ったということを、「2人の仲を駄目にしようとげらげら笑う母親をおなかの中に抱えているようなもの」と表現したり。最高。
Posted by ブクログ
スラヴ語の言語学者が書いたエッセイ。
プラハを中心にチェコ、オーストリア、ポーランドなど東欧の街並みが描かれる。主に古本屋巡りだ。古本屋でいい本を手に入れるには店主と仲良くなる必要がある。価値あるいい本は店主が店奥に置いているからだ。また共産圏の古本屋ならではのルールもあった。
子供をバイリンガルに育てる難しさもおもしろかった。チェコに滞在する間は、チェコ語を話す。日本に滞在する間は日本語を話す。日本でチェコ語を話すように子供に促しても、もう忘れている。逆もまた然り。
本書を読んでいると、スラヴ語系の言語を習いたくなる。東欧の作家の本を読んでみたくなる。