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現在、私たちを取り巻く「知」の数々は、20世紀以降の世界がおかれた4つの状況から発生する。本書ではそれを、ポスト・グーテンベルク状況、ポスト・モダン状況、ポスト・ナショナル状況、ポスト・ヒューマン状況と名づける。そして、そこから浮かび上がってくる「イメージと記号論」「情報とメディアの思想」「ナショナリズムと国家」など、15個のトピックスに切り分け、ソシュール、レヴィ=ストロース、フーコーという巨人たちの思想を読みなおしていく。ありきたりの哲学教科書では学ぶことのできない、現代思想における全ての最重要論点を、一から平明に解く15章の徹底講義。
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Posted by ブクログ
放送大学の講義をもとにした現代思想の入門書。トピックごとに章立てされており、言語、記号、無意識、文化、情報とメディア、戦争、宗教、ナショナリズムと国家などの問題が取り上げられる。登場する思想家は、ソシュール、パース、フロイト、レヴィ=ストロース、ラカン、フーコー、ブルデュー、マクルーハン、フッサールなど。また、11・12章は西谷修、13章は小森陽一との対談となっている。巻末には読書案内が付される。
冒頭で著者・石田は、「今日における知と世界との関係」の特徴として「四つのポスト状況」を指摘する。すなわち、「ポスト・グーテンベルク」状況、「ポスト・モダン」状況、「ポスト・ナショナル」状況、「ポスト・ヒューマン」状況、というのがそれである。正直なところ、本編を読んでいる最中、僕はこの問題規定を忘れがちだったのだが(著者も無理やりそこに引き付けたりはしない)、最終章である第15章においてその観点から全編のまとめがなされ、「四つのポスト状況」が有効な視角であると納得することができた。
著者によれば「四つのポスト状況」は総合知としての「人文知」ないし「哲学」を失効させる。それに対して「来るべきユマリスト」(ユマリストとはルネッサンス以降の人文主義者を指す)が求められるとし、その要件として、1.メディア横断的な知の実践、2.ポスト理性の時代にあって「理性」の復権を目指す実践、3.多言語的で多文化的な教養に依拠する能力、4.自然と人工、生命と数理、リアルとヴァーチャル、意味と計算、情報と記号の、それぞれの「間」の関係づけを行いうる能力、を挙げる。いかにも抽象的だが、「来るべき」人間類型を描いているのだから具体性を伴わないのが当然ともいえる。どのようなかたちで四つの要件を満たすことができるのか、考えていくことが重要だろう。
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