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二四時間モバイル機器を手放せず、情報産業に囲い込まれた現代人の生活。人間が二足歩行へと進化した文字を持ちはじめた時から宿命づけられたこの現象は、二〇世紀に、二つのメディア革命を経て加速する。写真・電話・映画などの技術が人間の意識できない瞬間を記録し、広告・マーケティング技術が我々自身より先に消費・欲望を生み出し、デジタル機器が人間の生活全体を統治していく。人間は自分自身の意識をもう一度わが手に取り返すことはできるのか。そのために何ができるのか。
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Posted by ブクログ
オーソドックスなメディア論とは一線を画している。 コンピュータの歴史はライプニッツまで遡る。 知覚できないものがリアルだと感じる不気味さ。 文字ベースから身体ベースでコミュニケーションするシステム。 文化産業。 今の自分を俯瞰するために、リフレクディブになるために有用な本でした。
6回の講義をまとめて本にしたものであり、東大の典型的な本である。記号論(新しいと著者は主張)に基づくメディア論であるために、コンピュータ開発を目指している大学生にはどうかとも思う。また、教育への言及がわずか2ページなので教員養成系の学生には物足りないであろう。 この本のいいところは、01ですべての...続きを読むものが示せることを提案したのは300年前のライプニッツである、ということで、このことは情報の教科書にあるかどうかは確認が必要である。
人類の知覚の延長として位置づけられるメディアが、テクノロジーの発達と、消費社会の発達に応じる技術(マーケティング等)とあわせ、人間の能力を超えて暴走しかねない時代となっている。メディアに恣意的にコントロールされないだけの対抗的リテラシーや、軛をかけるフィードバックの仕組みが大切になる・・というような...続きを読むこと。 いろいろなところに話が飛んでいるが、人文系ならではの拡がりがあり、知的興奮を感じることができた。
クロマニョン cinématographe運動の文字 フロイト 心の装置 記憶の補完→心の延長線としての身体拡張論 感覚器官系→知覚意識系→無意識 同時に忘却の装置でもある アンドレ『身ぶりと言葉』 ライプニッツの普遍記号論『完全言語の探求』 P.61 64 ソシュールの言語記号学 技術的...続きを読む無意識 ・記号はテクノロジーの文字による ・意味・意識を生み出す要素 ・テクノロジーの文字は読めない →メディアはテクノロジーの文字の問題 パース ダニエル・ブーニュー フレデリック・テーラー『科学的管理法の原理』 ウラジーミル・レーニン テイラー・システム→Fordism libido経済 情報記号論 ボルヘス『学問の厳密さについて』 『記憶の人フネス』 Google言語資本主義 言葉の変動相場制 メディア再帰社会 クロード・シャノン
ライプニッツのバロック記号論、思考を合理的に記す人工言語計画、哲学言語の探求、これを普遍記号論とライプニッツは名付けた。 直立二足歩行、手振りと言葉の並列進化。 アナログ・メディア革命、機会が書く文字の誕生。写真、レコード、映画、メディアとはグラフテクノロジーの問題。また、これは技術的無意識を生み出...続きを読むす。機会が書く文字を、コマやフレームを我々は正確に認識出来ない。そしてそれらにより、我々の意識が作り出される。意識生産。 テイラーシステム、フォーディズム、ハリウッド、マーケティング。ニーズではなく、欲望から消費が生まれるようにするべきである。リビドー経済、文化産業。消費を生産する。 デジタルメディア革命、全てを01のバイナリに。 受け手の注意力は奪い合うべき資源である。注意力不全、ハイパー・アテンション。 意味のエコロジー、自らの意識、意味の生活を自律的に制御できるのか?自らメディアを捉え返す回路を作る。この技術の時代であれば消費者でもそれは可能。 再帰性、内容や相手や状況に応じて、そのつどそれ自身のあり方を変化させて調整する。プラットフォーム化、読む人見る人使う人により、情報が刻々と変化する。 人々は自分たちの意識を、商品の時間を通して構成するようになる。
●おもしろいなと思ったところは、メディア技術が人間の精神を作り出し、そこから大衆心理の「心の中の隠された市場」を操作するノウハウとして「マーケティング」が確立されていったという記述。うすら恐ろしい話ではあるが、確かに様々なメディアを通して私たちの意識はそのメディアの内容に注意を向けさせられており、そ...続きを読むの注意力をいかに自身の手でコントロールするかがメディアリテラシーの本質なのかもしれない。
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