無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
最初、資本主義社会が限界を迎えた先の社会の在り方について主に論じた本かと思ったら、実はそれは広井先生も明確な結論を持っているわけではなく、むしろ大部分は資本主義社会以前の過去の定常型社会について論じられていた。
資本主義を相対的に捉えようとするだけでなく、「人類」が類人猿から分岐した時からの「社会」の在り方について、かつてない広さの視野をもって論じている。
途中、生物人類学や心理学の知見を取り入れた部分もあり、広井先生の知識の広さを感じさせる。
一章は資本主義の歴史、二章は街づくり論などについて勉強になった。
そして第三章が、視野が広い上にかつて聞いたことのない規模の話だったため、非常に興味深かった。
内容はちょっと難しいけど、語り口は非常に分かりやすいのでおすすめ。
Posted by ブクログ
第1章では日本社会の将来を抽象的に述べています。コミュニティ感覚の醸成が歴史的にも求められるだろうと著者は言います。これについては本書では触れられていませんが、社会心理学者の山岸俊男さんの主張と重なる部分があるため、なかなかに興味深いです。
経済の二極化、貧富の格差について、歴史的に必然と言っていますが、もう少し議論を掘り下げてほしいところです。分配の問題、著者はフロー(現金給付)ではなくストック(主に住宅)支援をすべきと主張します。これは特筆すべきであり、人口減少社会において、若者が親と同居するのではなく、ストックにより自立支援によって、親への負担を軽減させる効果が期待できます。目から鱗……とまではいきませんが、参考になります。
コミュニティ感覚の醸成は確かに必要だと思いますが、大きな進展が期待できるかは何とも言えません。社会的ジレンマの一つでしょうが、『誰が』『どのように』行うのか、一般論の域を出ず、もう少し踏み込んだ論を展開してほしいと感じました。また先進事例等が挙げられていれば良かったのですが、それも乏しかったため、説得力に欠ける感は否めません。
否定的に言いましたが、大筋では著者の主張に賛成です。
第2章は人類の歴史から成長と停滞(本書では定常と呼ぶ)のサイクルを俯瞰していますが、スケールが大きすぎて若干の胡散臭さがあります。読めば分かると思いますが、些事は事実とは違っていても、大枠では的を射ているように思います。
パイの拡大が期待できない今、考えられる方向は、著者の言う通り新たな価値観を創造することで、言わば別の資源(ここでの資源とは物質的なものではなく、例えばブランド化のような付加価値だったり、今まで活用されていないものを復興させることで、新たなパイを作ること)を開拓することだろうと思います。これまで以上に、もっともっと、社会のシステムが変わりそうです(例えば働き方やライフスタイル等)。
序盤は面白く、中盤では盛り上がりに欠けた(退屈といってもよいくらい)でしたが、終盤では今までの議論がつながっていき、怒涛の巻き返しが続いてびっくりしました。つなげ方に若干の強引さはあるものの、納得させられるものがあって、興味深いです。
僕の評価はA+にします。
Posted by ブクログ
効率化→生産過剰→総量(雇用等)が増大し続けない→椅子が空かない/非正規雇用など→若者の失業・貧困→少子化/職を持つorないでの格差拡大→消費が抑制→ ・・・のサイクル
◎各人が人生のはじめにおいて”共通のスタートライン”に立てる状況が大きく揺らいでいる
◎個人のチャンスの保障には、一定の制度介入が必要になってくる
◎福祉とは、どんな個人の潜在能力も社会に活かす取り組み
解決策
・過剰の抑制
・再分配・・・シェアの普及
・見えないものを売る→文化、サービス、経験などへの価値増大
・雇用の増大・・労働集約型の業種(教育、福祉)に労働力のシフト
→政府、社会保障、税の役割
福祉社会化
【人生前半の社会保障が必要】
・教育 (特に就学前、高等教育期)
→保障の強化によって、各個人の潜在能力の発揮や自己実現の機会を広げ、経済という点からもプラスの効果を持つ
・ストックに関する社会保障(土地、住宅、資産など)
【セーフティネット】
・コミュニティ
コミュニティ自体の再構築の必要性
→町づくり
【アイデア】
・環境税を福祉サービスの資金に再分配
・新しい価値評価の思想
GDP→GNH(国民総幸福度)
【コミュニティ】
・多極集中型 コミュニティ醸成型の空間構造+福祉政策
→問題は”社会的孤立”
・都市型コミュニティ が目標
個人と個人が繋がれる仕組み
◎規範創りが重要
個人→コミュニティ→自然 の連動
都市型コミュニティ・・個人と個人が尊重、コミュニティの中でシェア
パイ(総量)が広がらない→いかに内部で豊かな生活を送るか。見えないもの(文化)などの投資
【ポイント】
・時間軸<空間軸 多様性や固有の価値の再発見
・これからはクリエイティブ産業が中心的に
(文化、科学技術、アート、教育など)
・非貨幣的な動機付けが重要視
・”仕事・社会と大学等での学びの往復”が可能な社会作り
・「考える力」1つの答えのない問題を考えることそれ自体のプロセスや面白さ が創造性のコンセプト
・子供と高齢者の割合が増加→土着的、地域密着の時期→地域コミュニティが重要な役割
Posted by ブクログ
近年、中国やインドなど新興国の台頭とともに、エネルギーの枯渇やそれにともなう環境破壊が現実的な問題となるなか、いま世界中が従来の成長モデルを基本とした価値観からの転換にせまられている。しかも、日本は急激な少子高齢化を迎え、これまでのような成長路線は期待できないことを考えると、日本こそがこの問題の最前線にたっているといえるだろう。本書はそんな視点から、これからの時代の持続可能な社会のあり方を探っている。
筆者の言うとおり、今までの大量消費型の社会、ことにアメリカやそのモデルに追従してきた日本では、即効性のあることに価値がおかれ、環境保全や福祉のような長期的な視点を要する分野は軽視されてきた。しかし、これからは後者への不当な評価を改めていかなければならない。つまり、フローよりもストックを重視する社会への転換だ。また、本書では「心のビッグバン」といった言葉をあげながら、歴史上でも現代と同じような危機的な時代があって、そんなときに創造的な思想や文化が開花したことを紹介しているのも興味深く感じた。
とりわけ、私が筆者に共感するのは「福祉」というものを限定された分野・領域として考えているのではなく、広い視野からとらえている点だ。一般的に福祉というと高齢者や障害者のための施設など、一般から隔離されたイメージをもたれることが多い。しかし、いくら福祉の専門家をそろえて対応したところで、閉じた空間では十全なケアは期待できないだろう。地域社会、コミュニティーが機能してこそ、子どももお年寄りも安心して暮らすことができる社会が実現されるのだ。そういう意味から言っても、ヨーロッパの街を例に商店街や市場の福祉的役割を見出しているところは大いに納得できた。
以上、全体的に流れる主張やテーマについては高く評価したいが、価値観の転換について哲学・思想史的な視点から詳述している第3章については、本書全体のテーマに沿いながらも少し散漫になるような気がした。興味深い内容ではあるが、手を広げすぎてしまっためにインパクトが薄れてしまったといえないだろうか。もうちょっとすっきりまとめて欲しかった。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用