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Posted by ブクログ
『戦争論』『不死のワンダーランド』の著者による新たな戦争論。2025年刊行の著作だが、著者はウクライナ戦争、ガザのジェノサイドが進行する世界の軍事的緊張を、「西洋文明」による世界化というプログラムの限界と、それでもなお地球支配を継続し、ヘゲモニーを維持し続けようとする「西洋」の断末魔(?)あがき(?)と捉え、「西洋の没落」以後の新たな「世界」の構築に備え、参与せよと説く。
前半部分は20世紀戦争史のおさらいという内容で新味は感じなかったが、「ポスト冷戦」期、湾岸戦争以後の戦争の変質を内在的にあとづけていった以降の論述は刺激的だった。難しいと思うのは、ウクライナ戦争における西側=アメリカ/ヨーロッパの責任を前景化する語りがどうしてもプーチンのロシアに対する評価を甘くしているように見え、また、米国の対中封じ込め政策の問題を指摘する語りが現在の中国の権威主義的な体制に対する批判的なまなざしを弱めているように見えてしまうこと。もちろん中立的で客観的な語りはありえない。だが、一方を問題化することがもう一方を不問に付すことになってしまうようなことにならない議論の立て方は可能なのだろうか。複雑なファクターの「複雑さ」を等閑視せずに議論することができるのか、もし可能だとして、そのためにはどんな戦略を立てる必要があるのか。「現在進行形の戦争」を語ることの難しさを改めて思い知らされた。
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