「台湾というとに日本から気軽にいける海外ということもあり、なんとなく親しみがあるのだが、アジアに対する理解に乏しい日本人の事であるので、台湾の歴史についてはヨーロッパの主要な国よりも良くはしらないと言うのが一般的ではなかろうか。日本の一部であった時期もある国であるのだが。
台湾にとって有史は17世
...続きを読む紀オランダ東インド会社の統治からのようである。それ以前から勿論歴史はあったのだが記録されていないということだろう。本書も17世紀以降400年の台湾の歴史を政治的側面を中心に叙述されている。
オランダの統治から明朝の遺臣・鄭成功らの反抗拠点、明王朝の支配。日清戦争の結果として日本の植民地化を経て中華民国の支配下に至る。本書の主題は、大陸からやってきた中華民国政府の元で、以前からの台湾で生まれ育った本省人と後からやってきた外省人が対立しつつ台湾人としてのアイデンティティを形成していく過程を描いていくことであろう。
「四大族群」と呼ばれる台湾のエスニックグループが対立融合していくなかで、総選挙が行われ「初の台湾人総統」李登輝が選ばれる過程がつぶさに描かれ、そのなかでエスニックグループの意識の変化が語られている。
本書は、2001年に発刊されたものに、その後の四半世紀を補説として追記、現代の台湾にいたるまでの政治的背景が判る。
米中対立の中で、台湾は独立するのか、中華人民共和国に飲み込まれていくのか今後の台湾の行く末が気になるところである。」
台湾というとに日本から気軽にいける海外ということもあり、なんとなく親しみがあるのだが、アジアに対する理解に乏しい日本人の事であるので、台湾の歴史についてはヨーロッパの主要な国よりも良くはしらないと言うのが一般的ではなかろうか。日本の一部であった時期もある国であるのだが。
台湾にとって有史は17世紀オランダ東インド会社の統治からのようである。それ以前から勿論歴史はあったのだが記録されていないということだろう。口承、口伝と言ったものはあると思うので民俗学的なアプローチをすれば、もう漠然とした話にはなっても、もう少し歴史を遡れるようにも思うのだが、それは別の話。本書も17世紀以降400年の台湾の歴史を政治的側面を中心に叙述されている。
オランダの統治から明朝の遺臣・鄭成功らの反抗拠点、明王朝の支配。日清戦争の結果として日本の植民地化を経て中華民国の支配下に至る。本書の主題は、中華民国政府の元で以前からの台湾で生まれ育った本省人と後からやってきた外省人が対立しつつ台湾人としてのアイデンティティを形成していく過程を描いていくことであろう。
「四大族群」と呼ばれる台湾のエスニックグループが対立融合していくなかで、総選挙が行われ「初の台湾人総統」李登輝が選ばれる過程がつぶさに描かれ、そのなかでエスニックグループの意識の変化が語られている。
本書は、2001年に発刊されたものに、その後の四半世紀を補説ついて追記され、現代の台湾にいたるまでの政治的背景が判る。
米中対立の中で、台湾は独立するのか、中華人民共和国に飲み込まれていくのか今後の台湾の行く末が気になるところである。