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Posted by ブクログ
[一変の戦]主にヨーロッパを中心として甚大な人的・物的損害をもたらし、その後の世界の在り方を一変させることにつながった第一次世界大戦。一つの暗殺事件がどのようにこの歴史的災厄につながっていったのか、そして戦争の過程で国際社会や各国の国内体制がどのように変化していったのかを、最新の研究を基にまとめあげた作品です。著者は、西欧ヨーロッパ、特にドイツを専門とされている木村靖二。
日本の歴史の教科書ではどうしても小さく扱われてしまいがちな第一次世界大戦ですが、それがもたらした今日にまで続く影響の大きさに驚かされます。また、従来の見方とは異なる見解も紹介されており、第一次世界大戦そのもののみならず、それをどのように歴史に位置付けていくかという点を紹介してくれているところも素晴らしかったです。
個人的に読み応えが特にあったのは、列強諸国がどのようにしてドミノ倒し的にこの大戦に関わるようになったのかを解説した箇所。相手国の意図や能力の過小評価といった点はもちろん、列強体制に加わったままでありたいという、俗な言葉を使えば「プライド」とも受け取れる観点に比重が置かれていたことには少なからず考えさせられるところがありました。
〜最終的に参戦を決断させたのは、列強としての地位が危険にさらされているという、伝統的な列強体制特有の論理であった。……列強としての地位が危うくなる事態を前に、戦争に訴えもせずに後退するなら、それは列強として声望や地位を失うことだ、というのが当時の支配的見解であった。〜
日本の関わりも紹介されていますので、日本史に興味がある方にもぜひ☆5つ
Posted by ブクログ
馴染みの薄い事実が多く大変興味がそそられる。
開戦のきっかけは第三次バルカン戦争だったこと。多民族国家の帝国であるトルコとオーストリアの衰退、そしてネーションステートへの欲求を前提に理解しないと「火薬庫」を語ることができない。
ベルサイユ条約が語られるほどドイツに極端に不利ではなく、とっても不利…程度だったこと。後のヒトラーの台頭が極端に不利説を後押ししたのかもしれない。
そして、第一次大戦を近代と現代の結節点として捉えること。日本では1945年を政治的変化をもとに現代の始点としていることが多いと思うが、それはイデオロギー的に過ぎるのではないか。世界史的には本書で述べる通り第一次大戦が現代への契機であり、総力戦を前提とした銃後の社会保障の考え方、女性の社会進出、大衆社会の出現、現代に連なる様々な社会制度や理念や哲学。そういったものが1920年代から30年代にかけて影響を増した。
それは日本史的に見た場合でも同じであり、もっと語らなくてはならない内容であると思う。
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