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「流通」の概念すらない台湾で物流センターを建設し、IT、金融システムを整備するなどの近代化は、文字通り「革命」だった。台湾セブン‐イレブンを離島にまで広げ、約5000店展開。台湾の人々の暮らしを便利で豊かなものにした。さらに、多くの企業と提携し、小売・飲食・流通サービスの一大コングロマリットを築き上げた徐重仁のビジネスとは。
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Posted by ブクログ
「台湾流通の父」と呼ばれる徐重仁さんが、台湾セブンイレブンを中心とした流通サービスの一大コングロマリットをいかにして築き上げたかが書かれた本。 徐重仁さんのビジネス成功の秘訣は、ビジネスの本質を理解した上でローカライズ(現地化)したこと。日本で成功したものをそのまま使うのではなく、台湾の実情にあっ...続きを読むた形にしていくことで、台湾セブンイレブンは大きく成長していきました。 ビジネスで成長を続けるには、学び続けることが大事。本書はこのことを教えてくれます。ビジネスパーソン必読の一冊。
台湾流通革命 流通の父・徐重仁に学ぶビジネスのヒント ちくま新書 1669 著:佐宮 圭 台湾人というは、控え目で穏やか、まじめな感じがする 流通王ではなく、流通の父というのもいい すこし後ろは走るメリットも享受、サービスを次々に導入できた 徐がめざしたのは、先行システムである日本の流通システ...続きを読むムを、ローカライズ(現地化)して台湾に導入することで、人々の利便性を向上させることであった 新しいことはまず、徐が自分でやってから、部下におろす。まず自分でやってみるという発想がいい 気になったのは、以下です。 ・徐の功績は大きく分けて3つある ①最先端の流通ビジネスモデルであるコンビニエンスストア事業を導入・展開して、台湾の流通経済を一気に発展させたこと ②小売・飲食・流通サービスの一大コングロマリットを築き上げ、流通市場を成長・発展させることで、台湾の人々の暮らしを便利で豊かにしたこと ③店舗経営を行うBtoC事業会社や物流、IT、金融関連のBtoB企業を台湾に30社以上、海外を合わせれば50社近く誕生させると同時に、それぞれの会社の経営陣となる人材の大半を同グループ内で育成したこと 新規事業を任せられる人材 ①日台の提携事業の成功 ②次世代リーダの育成 ⇒ 台湾にくる日本側のトップが克服すべき弱点 ①完璧主義を捨てられない ②決断する勇気が持てない ⇒ 日本のやり方をカスタマイズしながら、現地化すること トップ人材の育て方 ⇒ 仕事はもうけるためではなく、お客様、社員、関係者が幸せになること ⇒ 社長に選ぶ人材に必須の3つの条件 ①品徳(品格+人徳) ②やる気 ③学ぶ意欲(知識も調整も必要ないがそれは、学ぶから) ⇒ 社長が会社を経営していくうえで最も大切なものは何か 愛情です 徐重仁の経営哲学 「自分の利益のみを追求する自利ではなく、人々の喜びと幸福のために働く他利こそがビジネスを成功に導く」 ソニーの盛田昭夫氏の経営書「学歴無用論」を読んだとき、徐は深く感動した 盛田さんは、「学歴より努力や実行力のほうが重要」と説いていました 考えて、働いて、自分の力で生き抜く 日本の流通業は非常に変化が速いですからね 米国や日本のセブンイレブンのビジネスモデルが、市場の未成熟な台湾にそのまま通用するはずはなかった 米国では何が成功したのか、日本はどのようにうまくやっているのか、それを見習って台湾に合う方法を探していけば、絶対に失敗することはありません 台湾独自のフランチャイズ戦略 ①加盟店は、直営店からののれん分けに限定 ②それまで直営店で働いていた社員と優先的にフランチャイズ契約をした まず、私が先陣切ってやってみて、その後、担当の部署におろす 上司は、部下の先生です、新たな取り組みは、まず私が全部、自分でやりました 徐のコンビニ展開 直営店 フランチャイズ展開 おにぎりとおでんをメニュー化 駅弁の発想をもとに、庶民的なお弁当をメニュー化 お弁当のパッケージデザインを刷新 IT戦略 EOS(電子受発注システム) POS(販売時点情報管理) ⇒単品管理を導入 ⇒年齢、性別キー、マーケティング戦略 ⇒セブンイレブンの副社長経由で、NRI(野村総研)へシステム化を依頼 ⇒欠品ゼロへ ⇒発注調整、天候、気温でファストフードの売れ残り、廃棄を抑制 公共料金の収納代行 セブン銀行は断念、ATMを導入 プリペを台湾小売業で初の導入 コーヒー、スターバックスと提携 イートイン(効果 ①新規顧客開拓 ②コミュニティの形成 ③人寄せ効果) ローソンのLoppi⇒ibonを導入 マツキヨ クロネコ 物流戦略 配送改革、物流センタ、常温・低温物流、小ロット化、ピッキング、自動検品 ⇒島嶼へも展開、全台湾で同一価格へ アリの兵隊:アリは小さいが、チーム団結して行動するのでたくさん集まれば大きな力を発揮できる 目次 第一章 日台提携事業と経営人育成の成功の秘訣徐重仁が「台湾流通の父」と呼ばれる理由 第二章 小売業で成功する父の背中を見て育つ台湾とはどんな国か 第三章 出店戦略──ゼロから約五〇〇〇店までの道のり 第四章 台湾独自のフランチャイズ戦略フランチャイズや加盟店の概念がなかった 第五章 商品開発戦略──すべてはお客様のために 第六章 IT戦略で台湾の流通システムを一気に近代化日本のPOSとEOSの実力を見抜く 第七章 独自戦略でさらなる飛躍始まりは台湾初の公共料金収納代行 第八章 物流戦略セブン‐イレブンの配送改革で台湾の物流を近代化 第九章 グループ経営のための戦略事業多角化を見据えて 第一〇章 第二の実業家人生六十代半ばで「人生最初の夢」に挑む あとがき 年表 参考文献 ISBN:9784480074904 出版社:筑摩書房 判型:新書 ページ数:304ページ 定価:960円(本体) 発売日:2022年07月10日第1刷
台湾にはセブンイレブンが多い理由が本書を読んでわかった。 何が足りないのか、何が求められているのか正しく見据える目と行動力がサラリーマン社長でもここまでできると示してくれる。すべてを任せる創業家もすばらしい。 「現地化しなければ海外事業は成功しない」は説得力のある言葉。 利他の気持ちで社会を、地...続きを読む域を第一にしなければ自らも発展しない。
日本に留学していた経験で日本で成功したリテールサービスを台湾に持ち込むタイムマシン経営を体現した徐重仁の半世紀。セブンイレブン、ヤマト運輸、ダスキン、MUJI、スターバックス、コールド・ストーン、アフタヌーンティー、阪急百科、さとレストランなど。「日本は私の実験室」「徹底したローカリゼーション」は今...続きを読むこの地勢、時代で働いた原理かと思うが、一代でこれを築き上げた功績は讃えられるべきだと思う。
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