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警察医のコード
解剖は死者を救うため――。 犯罪都市NYの検視局で キャリアを積んだ法医学者が 神奈川県警と警察医契約を結び、 横浜に戻ってきた。 すべては死者を救うために――。 医師が最期を確認する病死以外は〈異状死〉と呼ばれる。欧米では異状死の五割 を解剖しているが、日本の解剖率は二割に届いていない。 国内に法医学者の絶対数が少ないうえ、犯罪捜査のための解剖を行う公的機関が 常設されていないからだ。 重大犯罪が見逃されていないか?死者と語り、どこまでも真実に執着する警察医である法医学者。 多様化する性を取り巻く犯罪に立ち向かうジェンダー班の刑事たち。 死に隠れた謎を解き明かす、新たなドラマの幕が上がる! -
月面にアームストロングの足跡は存在しない
新世紀の月開発プロジェクト「アルテミス5」。同計画のクルーとして月軌道プラットフォームゲートウェイ(LOP-G)に滞在する六人の男女は、NASAから不可解な指令を受ける。曰く「1969年のアポロ11号は月面に着陸していない。この事実を隠蔽するため、アームストロング船長の足跡を捏造して欲しい」というのだ。船長のロバートとヴェテラン宇宙飛行士のジョンは、この指令に「従うべき」という立場をとるが、副船長のサイラスと民間人クルーのキャサリンは「人類への冒とくだ」として強硬に反対する。日本人宇宙飛行士コウタ・イシグロと医師アカネ・モチダは、態度を決めきれない――。船内がバラバラに分裂する中、突如として制御を失った人工衛星がLOP-Gに激突する……! 地球に生還できるのは、誰なのか? 捏造ミッションの真相は、何なのか? 地球から38万km、超極限状況のサバイバル・ミステリ! -
嗤う淑女 二人
最恐悪女が最凶タッグ!? これはテロか、怨恨か――人気シリーズ第3弾、待望の文庫化! 高級ホテルの宴会場で17名の毒殺事件が発生。犠牲者の一人、 国会議員・日坂浩一の手には〈1〉と記された紙片が。そして現場映像を解析した結果、衝撃の事実が判明する。 世間を震撼させた連続猟奇殺人に関与、医療刑務所を脱走し指名手配中の「有働さゆり」が映っていたのだ。 大型バス爆破、中学校舎放火殺人と、凶悪事件が続発。犯行現場には必ず、謎の番号札と、有働さゆりの痕跡が残されている。 さゆりは「ある女」に指示された手段で凶行に及んでいたが、捜査本部はそのことを知る由もなく、死者は増え続ける一方で、犠牲者は49人を数えるのだった……。 巻末には、人気漫画家・松田洋子氏による、当シリーズ恒例の文庫版限定あとがき漫画「嗤う女神 二柱」も収録。合わせてお楽しみください! -
動物城2333
長く人間に支配されていた動物たちは、人間と伍すだけの知能を得て独立した。 しかしかつての支配者である人間たちはそれを受け入れることができず、戦争を起こした。 長く続いた戦闘jの後、西暦2333年、動物と人間との間は冷戦状態にある。 動物王国の首都・動物城にある、街一番の探偵・ブレーメンのもとに、和平派・ワニのネロ将軍がやって来た。 人類から派遣された親善大使が殺害される殺人事件が発生したという。 いち早く真犯人を見つけ正しく公表しなければ戦争勃発につながりかねない。人間も動物も休戦の期間中も超兵器の開発に取り組んだため、今戦火を交えたら、世界は消え去ってしまう。 ブレーメンはネロ将軍ととともに調査に乗り出した! -
南アルプス山岳救助隊K-9 紅い垂壁
大藪春彦賞作家の好評山岳ミステリーシリーズ最新刊 切れたザイルは何を語る? 超難関ルートで起きた滑落事故。 山岳救助隊員と救助犬のバディが隠された真相に迫る! 谷川岳一ノ倉沢。魔の山と呼ばれる超難関ルートで二人の登山者が 登攀中に滑落、一名が死亡。 救助された川越は、死亡したバディの田村が自分でザイルを切ったと証言、 事故として処理された。 しかし目撃者がいた。一ノ倉沢の観光地から双眼鏡で一部始終を見ていた その男は川越を脅迫する。 さらに兄の死に納得がいかない田村の妹・透子も川越の動向を探り始める。 一方、南アルプス山岳救助隊では新人研修が行われていた。 候補生の桐原健也は抜群の体力で、いままで残った者のいない厳しい訓練をこなす。 だが協調性のない彼の言動に隊員たちは戸惑い……。 【文庫書下し】 -
イシュタムの手 法医学教授・上杉永久子
現役解剖技官が描く、リアル法医学ミステリ。 大学受験に失敗し、東京の実家を出て秋田医科大学に進学した南雲瞬平。ある出来事をきっかけに、大学卒業後は博士課程に進み、法医学教室に所属している。秋田県内で発見された異状死体の法医解剖は全てここで行われる。上司の上杉永久子教授は自殺研究の第一人者だ。抜群の解剖技術と観察眼を持ち、死者と死者を見送る者への敬意を尊重する一方、その想いが先走り、周囲を振り回すこともたびたびだった。 年末、運び込まれてきたのは二体の焼死体だった。高齢で寝たきりの妻とその夫とみられる。無理心中事案と思われていたが、上杉は両者の臓器に似たようなポリープがあることに着目、警察にある指示を出した。これにより、意外な事実が明らかになり――。 一家の食中毒事案、生後二か月の乳児の死亡事案、夏祭りでの毒物混入事案、そして、南雲の過去に起きたある人物の死にまつわる衝撃的な出来事。常識に縛られない上杉と、執刀医を目指す南雲のコンビが事件の真相に迫る。 現役解剖技官が描く、司法解剖のリアル。そして、自然豊かな秋田の風物や風景。圧倒的な描写力で、私たちの隣にある「死」について深く考えさせられる、新たな領域に踏み込む法医学ミステリ。 -
死蝋の匣
茨城県の住宅で顔面に劇薬をかけられ滅多刺しにされた男女の死体が発見される。 現場には犯人の下足痕・指紋・DNAまでもが残されていた。 関係者を洗う敷鑑班に割り振られた捜査一課の和井田は、被害者たちがジュニアアイドル事務所を経営し、12歳以下の幼い少年少女にきわどい仕事をさせていたとの情報を掴む。 多方面から恨みを買っていたと確信する和井田のもとへ指紋鑑定の結果が。 指紋は椎野千草という女性のデータと一致し、彼女はかつて起こった一家心中事件の生き残りで、和井田の親友・白石が家裁調査官として担当した少女だった。 和井田は千草の話を聞くために白石を訪れるが、白石は「彼女に人は殺せない」と主張。 それには千草の父親が起こした一家心中事件が深くかかわっていた。 -
明智恭介の奔走
神紅大学ミステリ愛好会会長・明智恭介。小説に登場する探偵に憧れ、事件を求めて名刺を配り歩く彼は、はたしてミステリ小説のような謎に出合えるのか――大学のサークル棟で起きた不可解な盗難騒ぎ、商店街で噂される日常の謎、夏休み直前に起きた試験問題漏洩事件など、書き下ろしを含む全五編を収録。『屍人荘の殺人』以前、助手であり唯一の会員・葉村譲とともに挑んだ知られざる事件を描く、待望の〈明智恭介〉シリーズ第一短編集!/【目次】最初でも最後でもない事件/とある日常の謎について/泥酔肌着引き裂き事件/宗教学試験問題漏洩事件/手紙ばら撒きハイツ事件 -
不連続殺人事件 附・安吾探偵とそのライヴァルたち
それは、「人生最高のゲーム」だった―― 日本の本格ミステリ史上屈指の名作『不連続殺人事件』。その誕生背景には、若き文学者たちが戦時下に行なった伝説の「犯人当て」イベントがあった。 荒正人・大井広介・平野謙ら、坂口安吾の〈ライヴァル探偵〉たちによる貴重な回想・証言と、小説本文を初めて一冊に。 〈解説〉野崎六助 【目次】 [小説] 坂口安吾『不連続殺人事件』 [資料編](※は書籍初収録) 平野謙:平野探偵の手記 大井広介:犯人当て奨励/「現代文学」の悪童たち※ 荒正人:『回想・昭和文学四十年(抄)』 荒正人・江戸川乱歩・大井広介:鼎談・評論家の眼※ 江戸川乱歩:『不連続殺人事件』を評す/坂口安吾の思出 埴谷雄高:遠い記憶から――『不連続殺人事件』/署名本 佐々木基一:「現代文学」回想※ [解説] 野崎六助 -
赤虫村の怪談
愛媛県の山間部にある過疎の村・赤虫村(あかむしむら)には、独自の妖怪伝説が存在する。黄色い雨合羽を着て暴風を呼ぶ「蓮太(はすた)」、火災を招く「九頭火(くとうか)」、廃寺に現われる無貌の「無有(ないある)」、そして古くから伝わる“クトル信仰”。フィールドワークのために村を訪れた怪談作家・呻木叫子(うめききょうこ)は、村の名家・中須磨(なかすま)家で続く不可能状況下での連続殺人に関わることになる。周囲を足跡一つない雪原で囲まれた大木に全裸で吊るされた縊死体。内側から施錠された石蔵で発見された焼死体。妖怪伝説の禍を再現するような事件は、やがて人知を超えた終結を迎える──第17回ミステリーズ!新人賞受賞者による初長編。/【目次】プロローグ/第一章 無有の怪談/第二章 位高坊主の怪談/第三章 九頭火の怪談/第四章 苦取の怪談/第五章 蓮太の怪談/第六章 赤虫村の怪談/エピローグ/解説=多田克己 -
凍原
下を向いても上を向いてもこの町は銀鼠色だ―― 17年前、弟を行方不明で失った松崎比呂は、刑事となって釧路に帰ってきた。その直後、釧路湿原で青い目の他殺体が発見される。先輩刑事の片桐周平と捜査を進めると、そこには激動の時代を生き抜いた女の一生が深く関わっていた。 直木賞作家が放つ長編ミステリー、北海道警釧路方面本部シリーズ第1弾! 解説は新直木賞作家の河﨑秋子さん(『ともぐい』)! 24年5月から桜木紫乃、4作連続刊行! 第一弾『凍原』に続き、6月には『氷の轍』、7月『起終点駅(ターミナル』、8月『霧(ウラル)』と続きます。 -
雨と短銃
慶応元年、倒幕を志す坂本龍馬の仲介により薩摩藩と長州藩は協約を結ばんとしていたが、一件の凶事が締結を阻む。上洛していた薩摩藩士が稲荷神社の境内で長州藩士を斬りつけ、行方を晦ませたというのだ。このままでは協約の協議の決裂は必定、倒幕の志も水泡に帰す。事態を憂慮した龍馬の依頼で、若き尾張藩の公用人・鹿野師光が捜査に乗り出す。果たして下手人は、どのようにして目撃者の眼前で逃げ場のない鳥居道から姿を消したのか。後世に語り継がれる歴史の転換点の裏で起きた不可能犯罪に、名もなき藩士が挑む。破格の評価を受けた『刀と傘』の前日を描いた長編時代本格推理。/解説=縄田一男 -
家族解散まで千キロメートル
実家に暮らす29歳の喜佐周(きさ・めぐる)。古びた実家を取り壊して、両親は住みやすいマンションへ転居、姉は結婚し、周は独立することに。引っ越し3日前、いつも通りいない父を除いた家族全員で片づけをしていたところ、不審な箱が見つかる。中にはニュースで流れた【青森の神社から盗まれたご神体】にそっくりのものが。「いっつも親父のせいでこういう馬鹿なことが起こるんだ!」理由は不明だが、父が神社から持ってきてしまったらしい。返却して許しを請うため、ご神体を車に乗せて青森へ出発する一同。しかし道中、周はいくつかの違和感に気づく。なぜ父はご神体など持ち帰ったのか。そもそも父は本当に犯人なのか――? -
うまいダッツ
とある高校の喫茶部。それぞれ好みのおやつを持ち寄る四人は、 不思議な噂を耳にする。 「うまい棒一本で、世界の秘密がわかるらしい」 それはただの都市伝説か、それとも――!? ゆる部活のメンバーがたどりついた「答え」とは。 「おやつ部」のメンバーが、世界の謎にゆるく挑む。 スナックをつまむ指先が光るのは、油のせいだけじゃない、かも。 おいしく楽しく、ときどき切ない5つの物語。 うまい棒一本で、世界の秘密がわかるらしい―― 学内で囁かれる噂の真相とは?(「うまいダッツ」) おばあちゃんが失くしたブローチを探すことになったおやつ部の面々。 探し物の過程で見えてきたものとは。(「チロル・ア・リトル」) お菓子当てクイズに参加することになった四人。 果たして、その勝敗はいかに。(「バカみたいにウケない」) SNS上の友達と気まずくなってしまったメンバー。 会いたくない彼女と会いたい彼女、それぞれの理由とは。(「それは王朝の」) 学年が上がり、初めてできた後輩。 しかし彼らは全員、妙にまじめで――。(「百年の愛」) -
新宿特別区警察署 Lの捜査官
歌舞伎町、新宿二丁目、三丁目を管轄する「新宿特別区警察署」。その担当区域の地図上の形から、「新宿L署」と呼ばれている。その「L署」に本日着任の新井琴音警部は、小3の息子のインフルエンザで初出勤すら危ぶまれていた。夫の敦は警視庁本部捜査一課の刑事だが、琴音のほうが階級は上で、夫婦仲はぎくしゃくしている。大幅に遅刻しつつも琴音がなんとかL署に到着した途端、個性的な服装の女性部下・堂原六花巡査部長から管内で殺人事件が発生と聞く。歌舞伎町のホテルで全裸の中年女性の遺体が発見され、その女性の息子がノコギリを持ち逃走中というのだ。琴音は、レズビアンであることをカミングアウトしている六花から、L署が管轄するこの独特な界隈の歴史や情報を聞き、捜査に入る。その夜、二丁目のショーパブで六花に会った敦だが、上階のイベントスペースで無差別殺傷事件が発生。犯人はその場で自殺したが……。母であり妻であり警察署幹部である琴音と、レズビアンの異色捜査官として男性中心組織の中で闊歩する六花。 L署の他の面々と共に、事件解決に向けて奮闘する! -
異端の聖女に捧げる鎮魂歌
アガサ・クリスティー賞受賞シリーズ第2弾! 高殿円氏推薦! フランス革命前夜! ヴェルサイユの探偵公妃を堅物大尉は守れるのか? 孤城にまつわる呪いと連続殺人の謎を解け! 1783年10月。ヴェルサイユ宮の殺人事件を解決して時の人となった公妃マリー=アメリーの元に女子修道院長から助けを求める手紙が届く。公妃は相棒のボーフランシュ大尉とロワール川の孤島に建つ元城塞の女子修道院へ赴くが、男子禁制で大尉だけ島から追い返された。直後、仔羊を抱いた見習い修道女の死体が発見され、血と呪いに彩られた連続怪死事件の幕が開く! 黄昏のブルボン朝で異色バディが活躍するシリーズ第2弾。 -
ルパンの絆
シリーズ累計45万部突破! 2度のドラマ化と映画化で記憶に刻まれた 泥棒一家、探偵家族、刑事一家の物語――劇的クライマックス! 三雲華が、Lの一族をめぐる「パンドラの箱」を開ける! 「しかしもう遅い。ここで引き返すわけにはいかなかった。おそらく全部繋がっている気がした。 杏が誘拐されたのも、和馬が殺人犯に仕立てられたのも、すべて一本の線で繋がっている。 そして、その先には、封印された私の記憶があるはずだ」――本文より 【あらすじ】 Lの一族の娘・三雲華の夫である桜庭和馬は、ホテルのバーで張り込み中、突如意識を失う。 目覚めるとスイートルームにいて、浴室には女の死体。殺人犯に仕立てられたのだ。 そのころ華に「娘を返してほしければ十億円を用意しろ」との脅迫電話が。 二つの事件が交錯し、一族の秘密が浮かぶ。シリーズ最高傑作! -
警官の道
「力が必要だ」――母と自分を虐待し別れたろくでなしの父親に復讐するため、暴力団員を目指す聖。中華料理店でアルバイトをしながら、神戸の金坂組のバッジをもらうチャンスを狙う聖は、組に出入りするサングラスをかけた迫力十分の男に弟子入りを懇願する。だが、男は素姓はそのうちわかると言い残し闇の奥へ消えた……(「聖」)。 組織に生き、事件と隣り合わせの警官たちの生きざま。 「孤狼の血」シリーズの柚月裕子、『スワン』『爆弾』で注目の呉勝浩、「刑事犬養隼人」シリーズの中山七里など、ミステリー界を背負う注目作家たちによる、豪華警察小説アンソロジー! -
ここでは祈りが毒になる
子どもは救いであり希望。母でいることは罰。 函館にある医療刑務所分院に努める勤める金子由衣(かねこゆい)が受け持つことになったのは、不摂生の塊のような妊婦・敏江だった。お腹の我が子を心配するよりニコチンを欲する態度に驚き呆れながら、不幸な境遇から抜け出せなかった彼女の人生を思うと複雑な気持ちになるのだった。敏江は難産の末、重い障害を抱えた女児を出産する。すぐにNICUに移され懸命な治療が行われたが敏江は気に留めることもなかった。そんな敏江が数日後死亡する。リスクだらけの身体なので、何が起きてもおかしくはなく、司法検視の結果も問題はなかった。しかし、その数日後、「死にたい」が口癖の緑内障受刑者、明美が死亡した。死因が敏江と似ていることから、院内に緊張が走る。自殺なのか? 敏江の死と関係はあるのか? -
少女が最後に見た蛍
大好評の<仲田シリーズ>第4弾! 最高にエモーショナルな社会派本格ミステリ 「警察官になったのは、あの子の自殺に責任を感じてるから?」 未成年による事件を次々と解決に導く敏腕女性捜査員の心には かつて、唯一救うことのできなかった少女が深い影を落としていた―― 仲田の知られざる過去に迫る 大好評 <仲田シリーズ>第4弾連作集 【あらすじ】 神奈川県警生活安全課の仲田蛍(なかた・ほたる)は、 中学時代の同級生・来栖楓(くるす・かえで)と思いがけず再会する。 来栖は当時、桐山蛍子(きりやま・けいこ)という同級生をいじめており、 仲田は蛍子を楓から守ろうと手を尽くしていた。 しかし、いじめを終わらせることはできず、かえって桐山を傷つけてしまい、 最後は自殺してしまったのだった。 事の次第を聞いた捜査一課の真壁は、 自死の背後に仲田も知らない真相があるのではと感じて調べ始めると、 意外な事実が浮かび上がり――(表題作)。 -
僕の殺人計画
YouTubeチャンネル登録者数70万人超(2023年10月現在)&総再生回数2億超。 書籍化希望の声殺到!気鋭のホラークリエイター“やがみ”、ついに筆を執る―。 これまで何冊もの大ヒット小説を生み出してきた 編集者・立花のもとに届いた奇妙な原稿。 そこに書かれていたのは、 自身が完全犯罪の被害者として殺されるという衝撃の内容だった! 「命は惜しい。でも、続きを読まずにはいられない」 一人の人間として恐怖心を抱きながらも、 編集者としての圧倒的な好奇心が、立花を死のループへと誘う。 かつての天才ミステリー編集者は、 謎の殺人鬼作家から命を守ることができるのか? 命をかけた究極の頭脳戦を描く本格ミステリー! ■出版社からのコメント 意外かもしれないが、やがみさんは芸術肌の人間ではない。短期間で何十冊ものミステリー小説を読み込み、売れ筋の傾向、トレンドなどを徹底的に研究する。文章の書き方など担当編集が受けた質問も数知れず。面白く仕上げることはもちろん、それと同等に売れる確率を1%でも上げる努力ができる人だ。ここまで作家性とマーケティング力をバランス良く併せ持った人は稀である。もはや彼の壮大な実験に私も一枚噛ませてもらったと思うほど。ミステリーファンの皆さん、また一人新しい鬼才が現れました。 -
マルチの子
朝日新聞、日本経済新聞、週刊文春など多数のメディアで紹介され、 第四回細谷正充賞を受賞した話題の書、待望の文庫化! 有識者が大推薦! 「大切な人をマルチ商法から守るために、ぜひ手に取ってほしい一冊」 今泉将史(消費者問題に詳しい弁護士) 「なぜマルチにはまり、堕ちていくのか。その秘密がわかった」 島田裕巳(宗教学者) 著者の壮絶な実体験をもとにした「超リアル」サスペンス! バイト先の掲示板で見つけた奇妙な貼り紙。 「磁力と健康セミナー・無料開催」 それは地獄への扉だった――。 認めてほしい。ただその一心で始めただけなのに、どうしてこんなことになってしまったのか。 マルチ商法にはまった女性の“乱高下人生”をリアルに描いたノンストップサスペンス! -
ブックキーパー 脳男
乱歩賞史上最強のダークヒーローが帰ってきた! 驚異的な知能を持ちながら「心」のない男と、警察庁の華麗なるエリート警視が頭脳対決! 警視庁で開発中の異常犯罪データベースによって遠く離れた場所で相次いだ3件の殺人事件にはすべて拷問の痕があると判明し、続いて愛宕市でも氷室財閥当主が犠牲者に。異常犯罪のエキスパートとして現地に急行した警察庁の若き女性警視・鵜飼縣は茶屋警部を従えて捜査にあたる。一方、同市の鞍掛署は秘かに謎の老人の行方を追っていたが、発見した途端に鈴木一郎=脳男が現れて妨害する。鞍掛署にはまた署をあげての交通事故隠蔽疑惑があり、真相を探ろうとした茶屋のかつての部下が殺される……。 鍵を握る「ブックキーパー」とは何者か? 残虐な連続殺人事件の真相とは? そして神出鬼没の脳男=鈴木一郎が戻ってきた理由とは? 乱歩賞受賞最大の問題作「脳男」シリーズがさらにパワーアップして登場。総勢60名以上の人物を見事に描き分け、テンポよく切り替わる場面に目が離せない、エンタメの王道を行く超弩級サスペンス巨編。 -
まるで名探偵のような
高校生の小南通(こなみとおる)は、雨宿りに入った雑居ビルの喫茶店で“名探偵”に出会った──。探偵事務所、占いの館、古書店など、ビルに店を構える店子が喫茶店に持ち込む奇妙な謎の数々。日常に退屈していた小南は謎解きに挑むが、正解に辿り着くのは決まって喫茶店店主の娘、三津橋芹(みつはしせり)だった。会社員の身辺を調べ回る偽探偵の目的、失踪した大学生の行方を日記だけを手がかりに捜す、古書に記された江戸時代の秘剣密室殺人の真相など、トリッキーな難問に挑む高校生コンビの推理と、店子たちのほろ苦い人生模様を描く連作短編集。/【目次】第一話 「名刺は語らない」/第二話 「日記の読み方」/第三話 「不死の一分」/第四話 「パック寿司とハムレット」/第五話 「名探偵の死角」 -
刑事何森 逃走の行先
優秀な刑事ながらも組織に迎合しない性格から、上から疎まれつつ地道な捜査を続ける埼玉県警の何森稔(いずもりみのる)。翌年春の定年を控えたある日、ベトナム人技能実習生が会社の上司を刺して姿をくらました事件を担当することになる。実習生の行方はようとして掴めず、捜査は暗礁に乗り上げたが、何森は相棒の荒井みゆきとともに、被害者の同僚から重要な情報を聞き出し──。技能実習生の妊娠や非正規滞在外国人の仮放免、コロナ禍による失業と貧困化などを題材に、罪を犯さざるを得なかった女性たちを描いた全3編を収録。渋みのある刑事たちの活躍を描く、〈デフ・ヴォイス〉シリーズスピンオフ。/【目次】「逃女(とうじょ)」――ベトナム人技能実習生による傷害事件。何森は、女性の逃亡を手助けする組織の存在を知り……/「永遠(エターナル)」――ラブホテルでの殺人事件の重要参考人は、パパ活をしていた若い女性だった……/「小火(しょうか)」――公園トイレの放火事件に、容疑者として浮かび上がったのは高齢者ホームレスだったが……/あとがき -
エフェクトラ
名脇役の40周年記念イベントに異変の予兆…… リハーサル現場に立ち会った私立探偵・紅門福助の推理は冴える? トリック、ロジック、ギミック満載の本格エフェクト【特殊効果】が炸裂! 数多くの「死に役」を演じ「ダイプレーヤー」と称された役者・忍神健一。その役者生活四十周年を記念するセレモニーを開催することに。それに乗じて役をもらおうと集まる一癖も二癖もある役者の卵たち。イベント準備中、不可解な事象が続くなか足跡のない雪のバンガローで関係者の変死体が発見される。 本格以外の世界にももまれ、未踏の冒険を経てきた霞は、ひときわ逞しく、より自由な破家者となって帰ってきた。その新たな力を得た腕試しといわんばかりに、今までのシリーズ作品以上に丁寧で整備された圧巻の解決編を作り上げてきたが、やはり本書の目玉は紅門が遭う最厄にある。だって誰も自分の代表的な探偵役をこんな最厄な目に遭わせようとは思わないでしょう?(解説より:嵩平何) -
山田正紀・超絶ミステリコレクション
狂っているのは世界か? それとも私か? 患者が不条理な死を迎える夜 黒い翼の死神が舞い降りる 〈幻夢の奇書〉、ついに復刊! きっと、読後あなたは呟く。「狂っているのは世 界か? それとも私か?」と。 明日をもしれない瀕死患者が密室で自殺した── この特異な事件を皮切りに、空を翔ぶ死体、人間発火現象、不可視の部屋…… 黒い妖鳥の伝説を宿す郊外の病院〈聖バード病院〉に次々と不吉な現象が舞い降りる。 謎が嵐のごとく押し寄せる、山田奇想ミステリの極北! 20年ぶりの復刊。 〈トクマの特選!〉第一回配本。 イラスト KENTOO 〈目次〉 誰? 私は誰? 死んだのは誰? 殺したのは誰? 解説 阿津川辰海 -
マザー/コンプレックス
地下鉄の“ある事件”を機に母性が暴走する。 蜂須賀恵理子は、悲嘆に暮れている。自慢の息子が痴漢行為を咎められ、逃げようとして地下鉄に轢かれ、死んだのだ。冤罪だと信じる恵理子は、亡き息子のSNSにのめり込み、事件の真相を探ろうと奔走する。 夏川美夏は、激怒している。高校生の娘が電車内で痴漢を捕まえたが、被害には長い間遭っていたというのだ。美しい娘には芸能界で活躍してほしい。週刊誌記者に身辺を嗅ぎ回られ、美夏は苛立つ。 高奈琴絵は、幸せの絶頂から突き落とされる。不妊治療の末、ようやく待望の子供を妊娠した矢先、夫が痴漢をして逮捕されたのだ。琴絵を責める義母に、逆ギレする夫。離婚がちらつくが、一人で子供を育てる自信がなく琴絵は途方に暮れる。 地下鉄で起きたある事件を発端に、歪み、崩壊していく三つの家族。 そして、新たな悲劇が起こる―― 暴走する母性の先に衝撃の結末が待ち受ける、ドメスティック・スリラーの新たなる傑作! -
仮面幻双曲
この町の誰が“顔を変えた殺人者”なのか? 時は、戦後間もない昭和22年。東京で亡き父の事務所を継いだ私立探偵の川宮兄妹は、依頼を受けて滋賀県の双竜町に赴く。 依頼主は、地元随一の製糸会社を営む占部家の先代社長夫人。専務の武彦が双子の兄である現社長の文彦に恨みを抱き、殺害を目論んでいるのだという。武彦は女子工員の小夜子に恋をしていたが、彼女は町中に中傷の手紙がばらまかれたことを苦に自殺。兄の仕業だと思い込んだ武彦は姿をくらまし、整形手術を受けて顔を変え、別人になりすまして双竜町に戻っている。 「なぜ顔を変えたかわかるか? お前の近くにいる」 川宮兄妹の使命は、武彦を探し出し、文彦の命を守ること。 しかし、琵琶湖のほとりに建つ巨大な洋館に招かれ、寝ずの番にあたった矢先、文彦は惨殺されてしまう―― 果たして誰が“武彦”なのか。 本格ミステリの名手による傑作が、待望の文庫化! ※この作品は 『書き下ろしミステリー第2弾! 双竜町事件-仮面幻双曲』として配信されていた作品の文庫版です。 -
刀と傘
慶応三年、新政府と旧幕府の対立に揺れる幕末の京都で、若き尾張藩士・鹿野師光は一人の男と邂逅する。名は江藤新平――後に初代司法卿となり、近代日本の司法制度の礎を築く人物である。二人の前には、時代の転換点ゆえに起きる事件が次々に待ち受ける。維新志士の怪死、密室状況で発見される刺殺体、処刑直前に毒殺された囚人――動乱の陰で生まれた不可解な謎から、論理の糸は名もなき人々の悲哀を手繰り寄せる。破格の評価をもって迎えられた第12回ミステリーズ!新人賞受賞作を含む、連作時代本格推理。第19回本格ミステリ大賞受賞。/【目次】佐賀から来た男/弾正台切腹事件/監獄舎の殺人/桜/そして、佐賀の乱/解説=末國善己 -
破滅へと続く道 右か、左か
著者渾身のエロス&サスペンス その選択が間違っていないという確信、 あなたにありますか――? 人は一日に何度も分かれ道に立つ。 そして、ほとんど意識しないまま、どちらの道を行くべきなのかを瞬時に決める。 たとえば、今朝はどのスーツを着て会社に行くのか。多くの場合、どちらを選んだとしても人生が大きく変わることは、ない。 けれど、時には、その無意識の選択が人生を決定的に変えてしまうことが、あるかも。 あなたにはその選択が間違っていないという確信、ありますか――? 目 次 まえがき 第一話 春の分岐点『雪の中の仔猫』 第二話 夏の分岐点『破滅へと続く道』 第三話 秋の分岐点『暗い山道で』 第四話 冬の分岐点『命を拾った女』 第五話 再び春の分岐点『狭き門より入れ』 あとがき -
任務 松本清張未刊行短篇集
「屍体の重量がずしりと腕先にきたとき、はじめて私に任務らしい感情が充実しました」――。国民作家が終生描き続けた「組織・社会と個人との葛藤」をテーマに、これまで単著・全集未収録だった短篇小説を精選。自身の体験を反映した戦争小説から実在の事件をモデルにした小説まで、巨匠のエッセンスを凝縮した全十篇。 【目次】 任務(1955) 危険な広告(1954) 筆記原稿(1957) 鮎返り(1955) 女に憑かれた男(1956) 悲運の落手(1957) 秘壺(1960) 電筆(1961) 特派員(1979) 雑草の実(1976) 解説:権田萬治 -
銀色の国
NPO法人〈レーテ〉で自殺対策に取り組む田宮晃佑のもとに、立ち直ったはずの元相談者が自殺したという悲報が届く。亡くなる前の彼は、異様なほどVRにのめり込んでいたという。不審に思った晃佑は、友人の元ゲームクリエイター城間宙とともに調査を始める。一方、SNSに死をほのめかす投稿を繰り返す浪人生の外丸くるみは、フォロワーの一人から自助グループ〈銀色の国〉に誘われる。ネット上で人と人とが支え合う――そんな言葉に惹かれて受け取った荷物の中身は、VRゴーグルだった。仮想世界と現実で一体何が起きているのか。日本推理作家協会賞受賞作家による傑作ミステリ。/解説=千街晶之 -
橘外男日本怪談集 蒲団
「日本最凶」の古典怪談、ここに甦る……。 ある地方の古着屋が入手した、青海波模様の縮緬布団。以来、その周囲では血塗れの美女が出現する怪現象が続発し、ついに死人まで――読む者を虚実のあわいに引きずり込む、独特の恐怖世界。日本怪談史上屈指の名作として読み継がれる表題作ほか、現代ホラー界の先駆的存在である著者初の怪談ベスト・セレクション全七篇。 【目次】 Ⅰ 蒲団(1937) 棚田裁判長の怪死(1953) 棺前結婚(1952) Ⅱ 生不動(1937) 逗子物語(1937) 雨傘の女(1956) 帰らぬ子(1958) 〈解説〉朝宮運河 -
ドールハウスの惨劇
第25回ボイルドエッグズ新人賞受賞、衝撃のミステリー! 正義感の強い秀才×美麗の変人、ふたりの高校生探偵が驚愕の事件に挑む! 舞台は鎌倉にある名門・冬汪高校。 同高二年の滝蓮司は、眉目秀麗だが変人の卯月麗一とともに、生徒や教師から依頼を受け、思ってもみない方法で解決を図る"学内便利屋"として活動している。その名も「たこ糸研究会」。会長は蓮司、副会長は麗一。取り壊しの決まっている古い校舎の一角が、ふたりの部室にして"事務所"だった。 ある日蓮司は、道を歩けばスカウトが群がり学内にはファンクラブすら存在する超絶美少女、藤宮美耶という同級生から、ある依頼を受ける。 その依頼とは――。 蓮司と麗一が依頼を引き受けたがゆえ、惨劇の幕は開く! 舞台は、鎌倉に佇む白亜の豪邸。ふたりは特異な家族にまつわる、おぞましい事件の真相をひもといてゆく。 新進気鋭の著者が放つ、渾身のミステリー! -
眠れる美女たち
はじまりは小さな町ドゥーリングの女子刑務所だった。受刑者たちが眠りにつき、白い繭に覆われていく。女性だけが眠りに落ち、目覚めなくなるこの奇妙な現象は「オーロラ病」と名付けられ、やがて世界中に発生する。さらに、起きている者が「オーロラ病」患者を無理矢理起こそうとすると、凶暴化して見境なく人を襲い始めてしまう特徴があり……。 人々が恐怖でパニックに陥る中、ドゥーリングには唯一、病を恐れる様子もなく静観する“謎の女”がいた。彼女の正体とは? <恐怖の帝王>スティーブン・キングとその息子オーウェン・キングが贈る、SFホラー巨編。 ※この電子書籍は2020年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
白い闇の獣
小6の少女・朋美が誘拐され、殺された。捕まったのは少年3人。だが少年法に守られ、「獣」は再び野に放たれた。4年後、犯人の1人が転落死する。失踪した朋美の父・俊彦が復讐に動いたのか? 朋美の元担任・香織はある秘密を抱えながら転落現場に向かうのだが――。“慈悲なき世界”に生きることの意味を問う、著者集大成! 【文庫書き下ろし】 「やつは獣だ」 家族×愛情×憎悪×暴力×裏切り×誠実×応報×赦し 『代償』『悪寒』の著者渾身の衝撃作 伊岡ワールドの真髄! すべては少女誘拐惨殺事件から始まった。 娘の父 元担任教師 フリーライターが、 慈悲も正義もないこの世界で、 圧倒的暴力に立ち向かう! -
定価のない本
神田神保町――江戸時代に旗本の屋敷地としてその歴史は始まり、明治期は多くの学校がひしめく文化的な学生街に、そして大正十二年の関東大震災を契機に古書の街として発展してきたこの地は、終戦から一年を経て復興を遂げつつあった。その街の一隅で、ひとりの古書店主が人知れずこの世を去る。男は崩落した古書の山に圧し潰され、あたかも商売道具に殺されたかのような皮肉な最期を迎えた。古くから付き合いがあった男を悼み、同じく古書店主である琴岡庄治は事後処理を引き受けるが――直木賞作家である著者の真骨頂とも言うべき長編ミステリ。/対談=門井慶喜×岡崎武志 -
小説作法の殺人
「わたしは、さらわれた子ども」―― 小説家志望の美女の不審死。遺作『失踪』に隠された忌まわしき記憶。 偽りの素性に即製探偵コンビが挑む! 元「小説新潮」編集長が満を持して放つ、完璧なミステリー! 突然死した藤堂理沙の死因の調査をしてほしい――。 依頼を受けた高円寺の私立探偵・常念勝は、理沙の親友である麻川マリから、小説教室で理沙が提出した課題作品『失踪』を渡される。 誘拐された子どもが生みの親を訪ねるという内容は、かつて自分を「さらわれた子ども」と語っていた理沙そのもの。常念とマリは、理沙の執筆の足跡をたどり、神戸、京都、大阪へと飛ぶ。 いないはずの弟、消えたパソコン、二人を襲う暴力……。複雑に絡まり合う謎と、輪郭をなくしていく理沙の正体。 常念は理沙の遺したフィクションの迷宮にはまっていく……。 -
わたしが消える
第66回江戸川乱歩賞受賞作! 綾辻行人氏(選考委員)、推薦。 「序盤の地味な謎が、物語の進行とともに厚み・深みを増しながら読み手を引き込んでいく」 元刑事の藤巻は、交通事故に遭い、自分に軽度認知障碍の症状が出ていたことを知り、愕然とする。離婚した妻はすでに亡くなっており、大学生の娘にも迷惑はかけられない。 途方に暮れていると、当の娘が藤巻を訪ね、相談を持ちかけてくる。介護実習で通っている施設に、身元不明の老人がいる、というのだ。その老人は、施設の門の前で放置されていたことから、「門前さん」と呼ばれており、認知症の疑いがあり意思の疎通ができなくなっていた。 これは、自分に課せられた最後の使命なのではないか。そう考えた藤巻は娘の依頼を引き受け、老人の正体を突き止めるためにたった一人で調査に乗り出す。 刻一刻と現れる認知障碍の症状と闘いながら調査を続ける藤巻は、「門前さん」の過去に隠された恐るべき真実に近づいていくーー。 残された時間で、自分に何ができるのか。 「松本清張賞」と「江戸川乱歩賞」を受賞した著者が描く、人間の哀切極まる社会派ミステリー! 文庫化にあたり、受賞作の前日譚にあたる短編「春の旅」も収録。 -
カインは言わなかった
公演直前に姿を消したダンサー。 美しき画家の弟。 代役として主役「カイン」に選ばれたルームメイト。 嫉妬、野心、罠──誰も予想できない衝撃の結末。 芦沢央が放つ、脳天を直撃する傑作長編ミステリー! 男の名はカイン。 旧約聖書において、弟のアベルを殺害し、「人類最初の殺人者」として描かれる男──。 「世界の誉田(ホンダ)」と崇められるカリスマ芸術監督が率いるダンスカンパニー。 その新作公演「カイン」の初日直前に、主役の藤谷誠が突然失踪した。 すべてを舞台に捧げ、壮絶な指導に耐えてきた男にいったい何が起こったのか? 誠には、美しい容姿を持つ画家の弟・豪がいた。 そして、誠のルームメイト、和馬は代役として主役カインに抜擢されるが……。 芸術の神に魅入られた人間と、 なぶられ続けた魂の叫び。 答えのない世界でもがく孤独な魂は、いつしか狂気を呼び込み、破裂する。 “沈黙”が守ってきたものの正体に切り込む、罪と罰の慟哭ミステリー。 『汚れた手をそこで拭かない』が直木賞候補、 『火のないところに煙は』が本屋大賞と山本周五郎賞候補。 『許されようとは思いません』続々重版中、 芦沢央が渾身の力を込めて書き上げた超傑作がついに文庫化! 「この小説そのものが、底の知れない沼のようだ。 読み始めたら、逃げられずに沈んでいく恐怖を快楽にかえて、 読み耽るしかない」──角田光代(解説より) ※この電子書籍は2019年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
情無連盟の殺人
徐々に感情が失われていく病「アエルズ」に罹患した、元麻酔科医・伝城英二。空腹は感じるがそれを不快には感じない。うまくもまずくもないので、食べ物にも興味がなくなった。ファッションや人間関係についても同様だ。毎日同じ料理を食べ、人付き合いも最低限にして暮らしていた英二はある日、アエルズ患者八名が共同生活を送る〈情無連盟〉から加入の誘いを受ける。だが英二が泊まりがけで見学に訪れていたさなか、連盟員の一人が殺害されてしまう。不可能状況下、しかもあらゆる欲求を失い、怒りも悲しみも感じない「情無」たちが集う屋敷で、なぜ殺人事件は起こったのか? 現役医師であり、ミステリーズ!新人賞受賞作家である著者が相棒・眞庵と共作した、本格犯人当て長編。 -
修羅奔る夜
日本一のねぶたを作る! 兄の思いを継ぎ、女ねぶた師は絵筆に魂を込める――。 令和の青森を舞台に、渾身の筆で活写する日本で一番熱い夜 東京で派遣社員として働いている工藤紗栄子は、三十歳を過ぎ物足りない毎日を送っていた。そんな時、青森でねぶた師として活動している兄・春馬が病に倒れたと報せが入り、紗栄子は帰郷する。「必ず渾身の作を祭りに出品する」と言う春馬だったが、病状は芳しくなかった。 春馬を手伝う決意を固める紗栄子。しかしねぶた祭が迫る中、春馬は入院してしまい……。 ねぶた師であった亡き父から兄へと継がれた魂を、形にできるのは私しかいない。 女ねぶた師・紗栄子は瞬刻の輝きを青森の夜空に描くことはできるのか! ? 時代を駆けて筆を揮う稀代の歴史小説家が、令和を舞台に女ねぶた師を活写する!