夜の国のクーパー

夜の国のクーパー

880円 (税込)

4pt

「ちょっと待ってほしいのだが」私はトムという名の猫に話しかけた。猫に喋りかけていること自体、眩暈を覚える思いだったが致し方ない。前には猫がおり、自分は身動きが取れず、しかもその猫が私に理解できる言葉を発しているのは事実なのだ。目を覚ましたら見覚えのない土地の草叢で、蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた。仰向けの胸には灰色の猫が座っていて、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と声を出すから、驚きが頭を突き抜けた。「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きた。戦争が終わったんだ」――伊坂幸太郎、十冊目の書き下ろし長編は、世界の秘密についてのおはなし。野心的傑作。/解説=松浦正人

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夜の国のクーパー のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年07月10日

    結構長編の小説だけど世界観に引き込まれて一気に読んでしまった^^
    構成がめちゃめちゃいい
    最初の何気ない設定だと思ってたことが最後になってまさかの展開で面白かった
    猫目線の問題と人間目線の問題がそれぞれ進んでいくのがいいと思った

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    Posted by ブクログ 2022年09月25日

    ただの、妻に浮気された、情けない男が、目覚めると、見覚えのない土地の草むらで、蔓で縛られ、身動きが取れなくなっている。胸の上には、灰色の猫が座っていて、

    「ぼくの住む国では、ばたばたといろんなことが起きた」

    と、摩訶不思議な物語を語り始めるから驚きが頭を突き抜けた。そう、これは「猫と戦争」そして...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月26日

    面白かった!
    伊坂さんの作品で、ここまで現代社会を外れた異世界?ファンタジー?なのは珍しいかなと思います。

    敗戦国を支配しにきた兵隊と、これからどんな酷い状況になるのか分からない住人たち。
    ピリピリとした緊張感のある中で、いくつかの事件が起こり…

    最後の展開は、予想できたようなビックリなような…...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年07月01日

    「まあ、僕たち猫には、家というものはないから、どこに帰るか曖昧ではあるけれど、それでも出かけたら帰ってこようとするものだよ」

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    Posted by ブクログ 2022年06月28日

    めっちゃお気に入りの伊坂作品です(^^)
    猫好きなので、猫が語り手なのはニヤニヤしてしまいました。
    まとまりがあって、伏線回収も感動的。
    素晴らしい作品でした。これだから伊坂幸太郎はやめられません(^^)

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    Posted by ブクログ 2023年10月03日

    人語を操り解する猫というファンタジー設定。
    序盤は物語を咀嚼するのに時間がかかったが、中盤以降は尻上がりに面白くなった!
    現代の寓話を読んでいる様で楽しかった。

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    Posted by ブクログ 2023年07月30日

    猫の目線と人間の目線で話が進められていくのが面白かった。
    戦争の話だったが、猫と人間それぞれの観点から読み進められていくのでそれぞれ違った感想を抱き、退屈しなかった。
    自分は普通だと思い込んでいる人間。猫。ずる賢く嫌味な人間。村の人間から支持されている王様。クーパーという存在。
    真実を知る時には感想...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月26日

    何が正しくて、何が誤っているのか、自分で判断しろ

    自分が目で見たものが真実ではないとはこのことだな〜と思いながら読んでました。思い込みや固定概念はなかなか覆らないけど、広い世界に出て初めて知ることもあるし、勇気を振り絞って、ぬくぬくしている現状から抜け出した先に新たに発見できることもあるし、これか...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年06月12日

    伊坂幸太郎なので手に取って読み始めたものの最初は、ファンタジーな感じに慣れなくてなかなか読み進められなかったが猫のトムが[私]に話をする設定や鼠がトムにお願いをするところ、猫同士の会話が面白くて良かった。猫が好きなので完読できた感じはある。

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    Posted by ブクログ 2022年05月27日

    思いっきりファンタジーだし、猫が語るとか奇想天外なんだけど、猫目線だからこそ、人間の身勝手さや貪欲さが「意味わかんない」風にさらっと描かれていたりして、それが返って身につまされた。
    テンポも良くてイッキ読みしてしまった。

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