悪の芽

悪の芽

小説・文芸
946円 (税込)

4pt

大手銀行に勤める41歳の安達は、無差別大量殺傷事件のニュースに衝撃を受ける。40人近くを襲ってその場で焼身自殺した男が、小学校時代の同級生だったのだ。あの頃、俺はあいつに取り返しのつかない過ちを犯した。この事件は、俺の「罪」なのか――。懊悩する安達は、凶行の原点を求めて犯人の人生を辿っていく。彼の壮絶な怒りと絶望を知った安達が、最後に見た景色とは。誰の心にも兆す“悪”に鋭く切り込んだ、傑作長編ミステリ!

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悪の芽 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    アニコンというイベントで大量殺人を犯した、殺人犯、斉木の小学校の同級生が主人公の安達。斉木は自殺をしてしまい、犯行の動機が分からない。斉木が小学生の頃に苛められていたきっかけを作ってしまった安達が罪の意識に苛まれながら、その理由を探る。始まり方が衝撃的で気になって一気に読み終えるほど面白かったです。

    事件で娘を亡くした遺族の厚子さんが主人公への復讐を止めると息子に宣言した後、息子の厚子への容赦ない発言に対して、厚子が、もっと優しい息子が欲しかったな。というシーンが、胸が痛くなった、、厚子は被害者の絶対的な権利の主張や加害者側への想像力の欠如に疑問を持ち、復讐を踏みとどまったのに、想像力のない息子に酷いこと言われてしまい、救いがない、、
    被害者の会の集まりで加害者の親を訴えるのに反対してきた、岡崎咲江との出会いが厚子のこれからの救いになってほしい。


    0
    2026年01月27日

    匿名

    購入済み

    とても残酷な事件で怖くなりました。事件はあちこちで起きている。人は想像力が足りない、色んな人物が登場して自分の考えを改めてゆく。人間はもっと優しくならなくては、けれど事件を納得してはいけない。人の人生を奪うのは許されない。

    0
    2025年12月25日

    Posted by ブクログ

    就職氷河期世代を勝ち抜き、大手銀行に就職し、幸せな家庭も手に入れた安達。しかしある日突然起こった無差別テロの犯人が小学校の同級生であることを知る。自分が彼に無分別にもボソッと下の名前が「キン」と読めることをつぶやいてしまってから、イジメの対象になっていた。イジメをしたわけではないが、それがエスカレートして彼が不登校になるまで続き、出てこなくなるとサッパリ忘れていたことも、良心の呵責を大きくした。彼が同級生であることに気づいてから、パニック障害になってしまう。

    0
    2025年11月24日

    Posted by ブクログ

    貫井徳郎先生の想像力、キャラクターの緻密な設計には毎度感動させられる。
    この本を読んでて最初は微笑む人を思い出し、
    後半には乱反射を思い出した。
    why done itから世間に一石を投じる内容となっており、この本を通して考え方がひとつ増えてくれる人がいればいいなと感じたし、その中に自分が入れていればいいと思う。
    今後生きていく上で忘れたくない本。

    0
    2025年09月07日

    Posted by ブクログ

    人間の想像力のなさ、無関心さ

    自分の機嫌は自分で取りましょう。と無神経に過ごし自分の機嫌だけしか取らず、
    振り回される人間をコントロール出来ない愚か者だと決めつける。
    乏しい想像力。
    なんとなく、そんな考えにも結びつけていた。

    なんともリアルなものだった。
    登場人物が最終的に手を止める、それだけが現実と違うところか。

    エピローグの辺りを仕事終わりの電車で読んでいた。割と混み合う電車。
    次は〇〇駅です。
    私もそうだが、この駅で乗り換える人が多い。
    降りるかと思っていたら
    「下ろしましょうか?」とハキハキと話す若い男性の声。
    ドア付近の少し広くなっている所
    上の荷物置きには紙袋
    「ありがとうございます」女性は少し驚いた表情、
    嘘みたいなタイミングで
    優しさが目の前に広がった。
    若い男性というか、若いかっこいいにいちゃんだった。
    スケボーとかやってそうな、にいちゃん。

    多分、この小説を思い出すたびに
    そのにいちゃんの事も思い出す。
    そっと幸せを祈る。
    私も昔、よく道に迷ってそうな人とかに勝手に道案内をしていた。
    写真を誰かに撮ってもらいたそうな人に
    撮りましょうか?と勝手にカメラマンをしていた。
    いつの間にか、イヤフォンして
    足早に目的地に向かっていた。
    忘れてはいけないもの、どこかに忘れてたな。

    読んで良かった。
    本当に。

    0
    2025年06月12日

    Posted by ブクログ

    「悪の芽」は誰でも心のどこかに潜んでいるし、誰でも気付かず水を与えているかもしれない…
    とても考えさせられる物語でした。

    しかも色々な立場の視点で話が進むのも良かったです。
    読んでいる間は重く苦しい気持ちになりますが、最後はスッキリして良い終わり方だと思いました。

    安達さんはとても良い上司になると思うので、休職の事は気にせず出世すると嬉しいです。

    たくさんの人に読んで欲しい本です。

    0
    2025年03月28日

    Posted by ブクログ

    小学生の頃にイジメの原因を作ってしまったこと、イジメを傍観してしまったこと、それがどれくらいの罪なのか考えさせられた。

    現実では主人公のように過去のイジメをここまで重く受け止め、反省する人間は極わずかで、ほとんどは一生思い出すこともないはずだ。

    取り返しのつかないことばかりで、一見救いがなくみえるけど、誰かの悪意で悪の芽が芽生えるように、誰かの優しさで善の芽も芽生える。これが物語、そして、現実世界に対しても救いであると思いたい。

    0
    2026年10月01日

    Posted by ブクログ

    読みごたえがあって、ストーリー展開にも引き込まれた。無差別大量殺傷事件からはじまり、犯人が主人公の同級生だったことから犯行まで要因を探していくストーリー。
    学生時代のいじめ問題から社会的弱者への対応、他者を慮る"想像力の欠如"が冷たい社会を作っているという問題提議のような内容。

    小説としてはキレイにまとまっていて結論も出ているし、良い方向に向かうハッピーエンド。ただ現実はこれ通りキレイにはいかない。

    犯罪者の中にはサイコパスもいるし、原因や因果関係を探っても"ただ人を殺してみたかった"という存在(人ならざる者)もいる。
    安易に手を差し伸べて関係したことにより、事件へと発展する場合もある。出会った一瞬で困ってる相手が善人かサイコパスか判断するのは不可能だなと思う…。

    0
    2026年08月05日

    Posted by ブクログ

    犯人が無差別殺傷事件を犯す動機となった絶望感、その深さと救いのなさが悲しかった。私達はこんな世界に生きているんだなあ、いやこんな世界を作っているんだなと思うとやりきれないです。
    ただひとつの希望はそれに気づくことなのかも知れないと感じました。

    0
    2026年07月06日

    Posted by ブクログ

    アニコンで起きた無差別殺人の犯人は
    小学校時代につまらないことからイジメのきっかけになるあだ名をつけてしまった同級生だった。

    犯人の人生を変えてしまったのは自分なのか?
    あの時、あだ名をつけなければ、この事件は起きなかったのか?

    今、イジメをしている人たちはこの本を読んでどんな感想を持つのだろう。

    0
    2026年06月16日

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