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幼き日に、警察に運命を狂わされた誠也とレイ。大人になった二人は、彼らへの復讐を始 める。警察官の連続死に翻弄される捜査本部の女性刑事・高城理那は、かつて“名探偵” と呼ばれた元刑事の存在を気にしていた。彼だったらどう推理するのか――。人生を懸け た復讐劇がたどりつく無慈悲な結末。最後の1ページまで目が離せない大傑作ミステリ。
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Posted by ブクログ
前作は未読。西條が主役の話も読んでみたくなったので、前作もいずれ読みます。 初めて読んだ貫井徳郎作品が見事な叙述トリックだったのもあって、解決パートまでずっと「騙されないぞ」って気持ちで読んでました。 なので犯人の正体は比較的早めに察しがついてはいたのですが、そこから更に一捻りされた真相までは予想...続きを読むできなかった! 途中でちょっと雑に見えたところが実は仕組まれてたものとわかったときの衝撃!
面白い!初の貫井徳郎。 上司に勧められて読んでみた。 異なる視点で(西條、女刑事、誠也など)書かれており、目まぐるしく変わっていく。 個人的には西條の場面をもっと知りたかった。 レイが男だとは!!気が付かなかった。 そして、同性愛者、幼児が好きな男性のシーンなど面白かった。 女刑事が、素直に西條の意...続きを読む見に従っていくところも読み応えがあった。 ⭐︎5だわ。
刑事シリーズの続編だったらしい!いきなり読んでしまったけどぜんぜん続編なことにも気付かずスラスラ読んだし、貫井さん3作品めにして初めて「よかったねぇ〜」とニコニコするシーンが出てきてびっくりした。相変わらず登場人物めちゃくちゃ多くてそれぞれの視点もめちゃくちゃ多かったけど、ラストに向けて刑事視点と犯...続きを読む人視点の近付いていく感じがめちゃくちゃよかった!
あ〜面白かった‼︎ 読み応えあります。 「後悔と真実の色」の続編だったのですね!題名が似てるので(いや、ちゃんと見れば違うんだけど笑)本屋さんで最初「読んだやつだな」なんて思ってから二度見しました。(←おばかさん) 前作を読んだのはメモを見たら10年前でした。前作を知らずとも大丈夫です。 自分はつ...続きを読むくづく、ミステリー、警察もの、推理小説の類いが好きだなぁと思うのでした。もちろん、しっとり、しんみりするお話も好きだけど…。 今作は最初から犯人が登場します。とはいえ、途中までの予想は少し当たるけれどかなり外れる…というような味わい。私は「刑事コロンボ」をちょっと思い出しました。いつも、犯人が完全にわかっていながら面白いところが素晴らしい!ということですね。 女性刑事の理那ちゃんが、頑張りました。彼女を支えた村越も味があり、九係の面々も飄々としていながらいい奴ばかり。無慈悲ともいえる結末の復讐劇の中、救いとも思えました。 心に残った言葉をいくつか、パラパラと…。 - - - - - - 明るいところだけを通って生きていくのが、人の一生とは限らない。一緒に歩いてくれる人がいるなら、暗い道をゆくのも苦ではなかった。 本は読みたい人の許へ行くべきなんだ。 神ならぬ身には、時間が経たないとわからないことがたくさんある。 私たちが考えるべきは、真実についてだけですね。それ以外のことは、些事でした。 肩肘を張るよりも、真実を追っている方がよほど充実感があると、初めて知った。 正当化できる殺人なんて、ないもんね。 自分にはやるべきことがあると考えると、まだ生きていることの言い訳にできる。 迷うのはいい。アンフェアなことに腹を立てる正義感は忘れるな。だが、最後は必ず自分の仕事を誇れ。警察官が自分の仕事を誇らなければ、被害者は浮かばれない。 - - - - - - 真実を知りたいと思い読み進め、最後の最後まで目が離せない傑作でした。
女性刑事が警察側の主人公。事件は連続して警察官が殺害されていきます。警察対犯人、そして前作の主人公である西條のエピソード、犯人側の背景といった多面的に物語は進行していきますが、決して読みにくくなるのではなく、人物描写や背景描写が綿密であるため、読むスピードが上がっていきます。 犯人が...続きを読む連続殺人に手を染める動機が少々薄いように感じましたが傑作でした。まだ続編が出そうなので楽しみです。
貫井徳郎さんの本は、どれも面白いです。 この小説は、文庫本でもすごく分厚くて、読み始めるまでは、「長く掛かりそうだなぁ」って思ってましたが、読み始めると、早かった! 面白い本って、長さを感じさせませんねぇ! けっこう、「匂わせ系」で別々の状況の人たちが描かれているのですが、登場人物の背景がどれも興味...続きを読む深くて記憶にとどまっていて、読みにくさを一切感じなかったです。
先日読み終えた「後悔と真実の色」刊行から8年ほどの間隔をあけて出版された続編だそうです。 ということで、"名探偵"と称される捜査一課のエース刑事であった西條輝司が再び登場! その彼は、どん底のホームレス暮らしから脱して警備員の職についています。 そして、本と本好きを愛していること...続きを読むが伺える、やや偏屈な雰囲気をまとった店主が営む小さな古書店で、文庫本を買うことをささやかな楽しみにしています。 個人的に、映画「イコライザー」でデンゼル・ワシントンが演じたロバート・マッコールとイメージがダブって、読んでる間中、西條のキャスティングはデンゼル・ワシントンでした(ちなみに、前作は西島秀俊さん)。 この古書店主の娘が巻き込まれたストーキング事件の解決に協力したことで、自分の天命を自覚した西條が、半ば伝説化した警視庁時代の自分の活躍に憧れ、捜査協力を求めてきた所轄の女性刑事・高城理那の頼みを受けて、警察官連続殺人事件の謎に挑みます。 こうなると、高城のキャスティングは当然アンジェリーナ・ジョリーですよね(笑) 西條が所属していた捜査一課九係のメンバーも、前作に増して個々の能力を存分に発揮して活躍し、その様も読んでいて心地よいです。 事件を起こした犯人たち(倒叙形式なのでネタバレではないです、ご心配なく)の生い立ちの設定や彼らの動機こそ、「貫井徳郎」的ではありますが、これまでに読んだ貫徳作品の中では、比較的エンタメ感があって気分穏やかに読み進めることができました。 でも、それだけで終わらせないエンディングとそれに伴う後味は、前作によく似通っていて、とっても貫徳的でした。 この作品、大好きです。
むちゃくちゃ面白かった。一気読みだった。 本書は、山本周五郎賞を受賞した『後悔と真実の色』の続編だけど、『後悔と真実の色』を読んでいなくても十分楽しむことができる。 僕も『後悔と真実の色』は既読だったのだけど、ずいぶんと前に読んだものなのでほぼストーリーを忘れてしまっていた。でも、こんな感じでも...続きを読む本書を読むのは全然OKだったので、この本を単独で読んでもいいかもしれない。 主人公は全く前作と違うし、今回おこる事件も前作のものとは関係がない。前作の主人公・西條刑事は当然登場するのだけど、今回はメインで動くわけではない。 本作の主人公は、所轄署の若手女性刑事。 「女性刑事」といえば『ストロベリーナイト』シリーズの姫川玲子刑事や『アンフェア』シリーズの雪平夏見刑事などのように「無駄に美人」な女性刑事が有名だけど、今回の主人公の高城理那刑事は、お世辞にも「美人」とは言えない女性警察官。ガタイがよく、柔道体形で、その辺の華奢な男なんかは一発でノシてしまえるような姿。顔もその器量を誇れるものではない。 そんな「不美人」な自分にコンプレックスを抱きつつ、女性蔑視が当たり前な男社会の警察のなかで自分の力をその手腕で認めさせようと躍起になっている若き女性だ。 本作のあらすじであるが、 ある所轄署の白バイ警官が自損事故を起こして死亡する。しかしそれは事故に見せかけた連続警察官殺しの幕開けであった。次々と不審な死を遂げる警察官たちであったが、唯一、他殺と発覚したのは野方署管内で発生した事件のみで、そのほかの警察官の死亡は殺人事件とは認知されなかった。野方署の捜査本部の刑事たちは、通り魔的な犯人の姿を追うことができない。そんななか、捜査一課9係とともに捜査にあたっていた野方署の高城刑事は、白バイ警官の事故死の不自然さに気が付く。しかし、今回の事件とは何の関係もないような気もする。唯一の共通点は年代が同じで交通畑の警察官というだけだ。そんなおり、以前9係に所属し、「探偵」と呼ばれ数々の事件を解決したものの、スキャンダルを起こして警察を去った天才刑事・西條の存在を彼女は知ることとなる。 本作は、警察モノのミステリーであるが、犯人側の視点と警察側の視点が交互に描かれるので、読者には犯人が誰であるかは最初から分かっている。 ミステリー小説の三要素(「フーダニット(誰がやったか)」、「ハウダニット(どのようにやったか)」「ワイダニット(なぜやったか)」の2要素(「フーダニット」「ハウダニット」)は明らかになるものの、なぜ犯人がこの連続警察官殺しを実行しているかが分からない。 ここが最大の本書の読みどころだ。 まさに読者は、「犯人側の視点」と「警察側の視点」の両方から本書を存分に愉しめるのである。 特に面白かったのが、主人公の高城刑事と捜査一課の9係主任・村越警部補のコンビのやりとりである。 この村越刑事は「理那ちゃん」などと高城刑事を呼び、傍から見ればただの中年セクハラおやじなのだが、不美人の高城刑事に対して「可愛い」を連発し、高城刑事は「自分のような者にまでセクハラしてくるのかこのおやじ、キモ過ぎ」という感じなのであるが、この二人のやり取りが絶妙な具合で非常に愉快だ。 ただ、このセクハラおやじも、ただのオヤジではない、そこは腐っても捜査一課の主任。 やるときはやります。それを見て高城刑事が村越刑事を見直すってところもなかなかよいのだ。 この高城・村越コンビの活躍は今後もぜひやってもらいたい。 次作では高城刑事が捜査一課に抜擢されて、本格的に事件捜査に乗り出すってところをやってもらいたいな。
やはりこの方の本が1番好きだ。 分厚い本で手に取った際に 少し躊躇ってしまったが、 4時間ぶっ通しで読めるほど読みやすく とてもいい結末だった。 たった2行で読者を混乱におとし入れる力量には 感嘆した。 とにかく手に取って欲しい作品。
端緒は登場人物が多く、それぞれのストーリーがあり名前とその行いがなかなか整理できなかった。自分を行いを責め、義弟にすまないという気持ちが極端な行動に出てしまった。それを利用する義弟の底なしの支配欲には畏れいった。 一方で、西條と理那には迷いが多少なりとも吹っ切れ満足の行く人生を歩めるきっかけとなった...続きを読む事件だったと思う。
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