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23歳の女性巡査が男性上官を射殺し、拳銃を持ったままミニパトで逃走、行方不明となった。最大級の警察不祥事による混乱の中、監察官室長・理代は、上級幹部の不可解な焦燥感に気づく。交番勤務の警部補と、実務1年目の女性巡査の間に、一体何があったのか? パワハラ、セクハラ、ハードな泊まり勤務にキャリア・ノンキャリアの対立――果たして真相は。不条理な組織に生きる男女の現実を直視した一気読み警察小説。
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Posted by ブクログ
題名の「女警」とは「女性警察官」を略した語である。自身で使用中のパソコンでは「じょけい」と打ち込んでも変換漢字として「女警」は出て来なかったが… 本作は、事件が発生して警察官達が登場する物語ではあるが、何か「一味違う」という感じに仕上がっている。『女警』という題が示すように、女性警察官の物語ではある...続きを読むが。 とある県警の監察官室長を務める女性のキャリアである姫川理代警視が主要視点人物となる。物語の中心となる事件は、警察内部の事件だ。 或る夜、交番で現場のリーダーたる警部補が銃弾を受けて死亡していたのが発見された。一緒に勤務していた女性巡査の姿が無かった。そして女性巡査は拳銃自殺を遂げたと見受けられる状態の遺体で発見された。 50歳代の警部補が、年が相当離れた23歳で新人である女性巡査にハラスメントを重ねていて、思い詰めた巡査が警部補を射殺して自殺を遂げたというようなことが推定された。 「そういうことで…」というように事件の始末をするような流れとなったが、姫川理代警視は腑に落ちない。そこで色々な人達の話しを聴くことを試みる。 本作はそうやって姫川理代警視が、「若い女性巡査が上司の警部補を射殺して、更に自殺を遂げた?」という衝撃的な出来事の真相に迫るという内容だ。現場で何が如何なっていたのか?それが丁寧な“事情聴取”の結果として明らかになって行く訳だ。 何か、独特な味わいが在る物語だと思う。“警察”という独特な社会に生きる女性達という存在に関して、色々な角度で掘り下げる等している。そして、事件は実はかなり意外な内容を帯びている。 これは一寸御薦めな小説だ…
真相の上層部分は早い段階で読めたが、最後に明かされる真実もあって楽しめた。フェミニスト論を滔々と語る件は少し興醒め感あったがラスト問題提起で伏線回収したのて良き。
●さすが警察官僚の著者。詳細や略称に詳しい。マニアを唸らせる描写。 ●ストーリー自体はほぼ読めるから、あとはその細かさが売りだが、途中途中に説教臭さが出てしまうのは御愛嬌。私は好きだけどね。あと、なんとも言えない語り口調も笑。 ●ラストの本部長のラスボス感はよい。半沢みたいにドラマ出来そうな勢いだ。...続きを読む ●どこまでほんとかは藪の中だが、警察の中の女性警官は大変なんだなとしみじみ思う。
某駅前交番で警察官が射殺された状態で発見され、当時勤務していた実務1年目の女警が行方不明となり、4時間後自殺体で発見される。2人の間に何があったのか。 警察組織やしきたりの説明が長くスピード感がない。それよりも何よりも結末が、どうもスッキリとはしない幕切れに感じてしまった。
交番勤務の年野警部補が後頭部を撃たれて死亡しているのが発見され、同僚の青崎巡査が行方不明 という通報を受けた監察官室長姫川理代警視が、女性のキャリアとして男社会の警察の中で、様々な障害を蹴散らして奮闘する物語だが、彼女のバイタリティと支援してくれる女性群がうまく噛み合って進むストーリーが秀逸だった....続きを読む県警トップの深沼本部長のサポート、晴海地域管理官からの助言等で次第に真相に近づく理代だが、男社会を墨守する連中の横車の中で、全体を俯瞰できる伯方署長、上原刑事部長との討論で大筋を掴めたと自信を深めた、ただ、深沼の全体構想とはやや方向がずれていることも判明し、全体としてはややすっきりしない点が気になった.
警察小説好きからすると、警察組織や現場の働き方などが詳細に表現されていてとてもおもしろく、一気読みした。中身的には、警察における女性警察官の歴史と現状、今後に関するマクロな話と、事案となった2人の警察官の物語というミクロな話が織り交ぜられていて、マクロとミクロの繋ぎが上手いなと思った。
★3.5 女に焦点を当てている ジェンダーと性 罵倒するような場面は読み辛かった ストーリーは良かったけど、ぷつんと終わってしまった
警察社会のディティールの書き込みがスゴイ。 それゆえの心の揺れが感じられ、好きな人にとってはたまらない世界観で物語が展開していく。 でも、警察ではないけれど、会社組織に身を置く私は、本書の描く組織のダイナミズム世界に入り込みたいとは思わない。また、物語の核になる事件が、主人公の中でのみ消化...続きを読むされてしまう様が、本作品を著者の論文に仕立て上げてしまっている。 結末は、警察世界の住人にとって驚きの結末かもしれないが、外界の住人にとっては理解の範疇を越えてしまっている。特に後半、抽象的な心理描写が多いので、とばし飛ばし読み進めることになった。 少し残念な印象。
ある地方都市で、発砲音が聞こえたという通報がきた。該当する周辺を捜索したところ、交番内で警察官が射殺されていた。当時、女性巡査と2人1組となって勤務していたのだが、その女性巡査は行方不明であった。後にミニパトで逃走し、車内で自殺となって、発見された。 警察を揺るがす事件に監察官室長の理代も緊急出動し...続きを読むた。なぜこのようなことが起きたのか? 上司のパラハラ?あるいはセクハラ?様々な憶測が飛び交いながらも、上層部は早々に事件を切り上げようとしている。 果たして、事件の真相とは? 男社会で生きる女警察官の生き様や本音などが垣間見れました。本格的な捜査というよりは、監察官の立場上、一歩引いたところから捜査されている印象がありました。 加害者と被害者の両方の関係者からどんな人物だったのか?どんな悩みを持っていたのか?など証言を重視した捜査をしています。 ふと頭に浮かんだのが、 「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きているんだ!」 有名な映画の1シーンのセリフですが、この作品では、会議室という狭い空間での会話劇を中心に事件解決へと導いていきます。 なので、ひたすら詳細に語っているので、ちょっと退屈感はありました。約500ページくらいあるので、もう少し凝縮しても良かったのではとも思ってしまいました。 関係する二人の印象が、登場人物が入れ替わるごとに変化していくので、人の印象による恐さを感じました。なので、どれも真実かと思いますが、ミスリードするかもといった懸念も感じられました。 事件の真相に迫るというよりは、事件の背景の方にメッセージ性があるように感じました。「昭和」気質のある男社会の中で、女性がどのようにして対応されたのか。 色んな苦悩や不満が登場するのですが、そういった部分では、男として反省しなければと思う所もありました。 良かれと思ったことが実はアウトだったのでは? 色んな解釈があるかと思いますが、気をつけなければならないと思いました。 色んな証言から、理代はある真実に辿り着くのですが、警察官射殺事件に隠された真相に辛すぎると思ってしまいました。ただし「死人に口なし」なので、本当かどうかはわかりませんが、着々と道順を辿りながら、推理していく理代の描写は惹きつけられました。 それまで、ずっと証言のシーンだった分、最終章は、「何かが動いた」ようなリズムだったので、楽しめました。 警察に限らず、昔気質のある現場は数多くあります。今の時代にどうアップデートしていくのかで、大きく変わっていきます。組織で生きてことへの理想と現実にため息をしてしまいましたが、「変える」努力もしていかなければならないなとも思いました。
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