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盗聴専門の探偵、それが俺の職業だ。目下の仕事は産業スパイを洗い出すこと。楽器メーカーからの依頼でライバル社の調査を続けるうちに、冬絵の存在を知った。同業者だった彼女をスカウトし、チームプレイで核心に迫ろうとしていた矢先に殺人事件が起きる。俺たちは否応なしに、その渦中に巻き込まれていった。謎、そして……。ソウルと技巧が絶妙なハーモニーを奏でる長編ミステリ。(解説・佐々木敦)
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Posted by ブクログ
自分がどれだけ偏った見方をしているのかを実感させられた一冊。ストーリーの面白さもさることながら、本を読むことの楽しさを大いに感じさせてくれます。登場人物がつながっていくのが楽しい!!
思い込みが激しい人ほど騙される作品。 解説にもある通り、文体が軽くて読みやすかった。 片眼の猿という意味と、この本の主題が面白かった。
盗聴専門の探偵が、受けた依頼によって巻き込まれる事件 彼を取り巻く人々やその過去 新しくスカウトした同業の女性 複数の要素が出てくるけど、短い章立てで組み立てられていてするすると読める でも、この"するする読める"ということすらたぶん罠 本を読むとき、目の前にあるのは文章だけ...続きを読むで その文章を頭の中に取り込んで映像化してそれを動かしている、という感覚がある "するする読める"と感じているとき、その映像は滑らかで滞りない 頭の中の映像が恣意的なものであることも自覚せずに、物語の中を進んでいる 自分の描いてた映像がことごとく間違いであることが、この本の最後で次々に明かされるとき、感じるのは「騙されていた」ではなく「結局は見たいようにしか見られないんだなぁ」という実感だったような気がする 映像作品では味わえない、文章だけで構成された物語でなければ成立しない、本で読む意義が詰まった作品でした
ミステリーだけではなく、外見や見えるものだけで判断することついて考えさせられた。 自分の外見を気にしないからこそ強いのだと。 そして、どんな人にでもただの一人の人として向き合うことの意味を学んだ。 ミステリーとしてではないがとても面白い作品だった。
とても良かった!犯人が想像ついてしまっていたので、そこは少し残念だったけど、それよりも主人公の心情や周囲の人たちとの関係がとても良かった。 大好きな叙述トリックでいえば、もう最初の章から騙された。そしてそれを知った後も勘違いしていたとは…うまいなぁ 冬絵と同じ悩み持ってる…
道尾先生作品は、純粋に面白い!これぞ「読む娯楽」という感じ。 現実っぽさとちょっと宇宙(空想世界)の狭間。 と言えば、村上春樹作品もそうなのですが、道尾秀介作品はちょいちょいふざけている笑 「あ~友達とこんなやりとりあるわぁ」がより没入させてくれるのかもしれません。(そうですか) ストーリーも謎...続きを読むも筋が通っているので楽しめる一冊です。
またしても友人Kからのお下がり本。 この作品の主人公は「主人公」感が強い。 道尾秀介特有のヌメっとしたテイストはありつつも、「こいつならやってくれるんじゃないか」ふとそう期待してしまうような、常にどこか光を感じるようなストーリーだった。 終盤のシーンは、まるでアクション映画を見ているかのような疾...続きを読む走感が包む。 そして何より、小説でないと成立しない道尾秀介らしいギミックが読み応えを増幅させたし、「やってくれたなぁ」と思わされた。
如実トリックの魔術師こと、道尾さんの小説。全体的に伏線を張り巡らす形で展開していくストーリー。残念なのは、如実トリックの部分が物語を根本から覆すようなギミックではなかったことですかね。ただ、さすがに楽しい。ちなみに、この人が作成に協力した謎解きは、今までの中で一番楽しかったです。
ミステリーの要素もさることながら、メッセージ性も強い作品。人間は自分と違うものを虐げる。虐げられた人間は時に傷つき、心にも傷がつくりそれでも前を向いて歩いていく力が人間にはある。そう気づかせてくれた作品。
マスターの深海魚エピソードが引っかかった。 未知の領域への知的欲求という希望的側面も感じるし、 結局は同族しか寄りつかないという諦念も感じる。
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道尾秀介
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