【感想・ネタバレ】片眼の猿―One-eyed monkeys―(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

盗聴専門の探偵、それが俺の職業だ。目下の仕事は産業スパイを洗い出すこと。楽器メーカーからの依頼でライバル社の調査を続けるうちに、冬絵の存在を知った。同業者だった彼女をスカウトし、チームプレイで核心に迫ろうとしていた矢先に殺人事件が起きる。俺たちは否応なしに、その渦中に巻き込まれていった。謎、そして……。ソウルと技巧が絶妙なハーモニーを奏でる長編ミステリ。(解説・佐々木敦)

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Posted by ブクログ

自分がどれだけ偏った見方をしているのかを実感させられた一冊。ストーリーの面白さもさることながら、本を読むことの楽しさを大いに感じさせてくれます。登場人物がつながっていくのが楽しい!!

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2025年02月06日

Posted by ブクログ

思い込みが激しい人ほど騙される作品。
解説にもある通り、文体が軽くて読みやすかった。
片眼の猿という意味と、この本の主題が面白かった。

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2023年11月27日

Posted by ブクログ

盗聴専門の探偵が、受けた依頼によって巻き込まれる事件
彼を取り巻く人々やその過去
新しくスカウトした同業の女性

複数の要素が出てくるけど、短い章立てで組み立てられていてするすると読める
でも、この"するする読める"ということすらたぶん罠

本を読むとき、目の前にあるのは文章だけ
その文章を頭の中に取り込んで映像化してそれを動かしている、という感覚がある
"するする読める"と感じているとき、その映像は滑らかで滞りない
頭の中の映像が恣意的なものであることも自覚せずに、物語の中を進んでいる

自分の描いてた映像がことごとく間違いであることが、この本の最後で次々に明かされるとき、感じるのは「騙されていた」ではなく「結局は見たいようにしか見られないんだなぁ」という実感だったような気がする

映像作品では味わえない、文章だけで構成された物語でなければ成立しない、本で読む意義が詰まった作品でした

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2023年03月18日

Posted by ブクログ

ミステリーだけではなく、外見や見えるものだけで判断することついて考えさせられた。
自分の外見を気にしないからこそ強いのだと。
そして、どんな人にでもただの一人の人として向き合うことの意味を学んだ。
ミステリーとしてではないがとても面白い作品だった。

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2022年12月28日

Posted by ブクログ

とても良かった!犯人が想像ついてしまっていたので、そこは少し残念だったけど、それよりも主人公の心情や周囲の人たちとの関係がとても良かった。
大好きな叙述トリックでいえば、もう最初の章から騙された。そしてそれを知った後も勘違いしていたとは…うまいなぁ
冬絵と同じ悩み持ってる…

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2022年10月29日

Posted by ブクログ

道尾先生作品は、純粋に面白い!これぞ「読む娯楽」という感じ。

現実っぽさとちょっと宇宙(空想世界)の狭間。
と言えば、村上春樹作品もそうなのですが、道尾秀介作品はちょいちょいふざけている笑 「あ~友達とこんなやりとりあるわぁ」がより没入させてくれるのかもしれません。(そうですか)

ストーリーも謎も筋が通っているので楽しめる一冊です。

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2025年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あらすじに「盗聴」とか「スパイ」とかが書かれているので、裏社会を生きる人たちのお話かと思ったら、人生をめちゃくちゃ前向きに生きる明るいお話でした。

少し違和感は感じていたのですが、特に深く考えず読み進んでいって、最後に色々な謎が明らかになった時にその違和感の正体に納得がいきました。
わたしは本当、性別誤認トリック?によくハマるタチで、いつも最後まで気が付かないんですよね(⌒-⌒; )
今回はそれに加えて、身体の一部分がないローズ・フラットの住人たちの特徴にも気が付かなくて、知った時は驚きましたが、
私自身、相手からどう見えるかを気にせずに生きたいと思った事が何度もあったので、彼らをとても羨ましく思いました。

生きることが辛く感じた時、読んでほしい本です。
手や耳や足や鼻がなくとも、自尊心を持って毎日を過ごしている彼らにぜひ、会いにいってほしいです。

でも三梨さんは最後のページで、見た目で判断するお客さんには興味がないようにおっしゃっていますが、そういうお客さんにも来てもらわないと生活が苦しくなるような気がします。
お給料が払えなくなって冬絵さんに愛想を尽かされても知りませんよ(´・Д・)」

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2025年05月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 盗聴専門の探偵がある依頼を受けて捜査している途中で殺人事件の様子を盗聴してしまい、その渦中に巻き込まれていくストーリーで、犯人は予想がついたが物語の根幹の部分や登場人物の秘密が何なのかが分かったとき「そういうことか!」と驚かされた。小説でこそ成立するトリックだと思った。

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2024年08月22日

Posted by ブクログ

またしても友人Kからのお下がり本。

この作品の主人公は「主人公」感が強い。
道尾秀介特有のヌメっとしたテイストはありつつも、「こいつならやってくれるんじゃないか」ふとそう期待してしまうような、常にどこか光を感じるようなストーリーだった。

終盤のシーンは、まるでアクション映画を見ているかのような疾走感が包む。

そして何より、小説でないと成立しない道尾秀介らしいギミックが読み応えを増幅させたし、「やってくれたなぁ」と思わされた。

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2024年03月24日

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ネタバレ

ハンデキャップ、障害を抱えるひと、そしてそれらを取り巻く環境への問題提起となるような一冊。
サクサク読み進められて、楽しかった。

主人公耳がない
冬絵目が小さめ(身体的ハンデというコンプレックス)
秋絵ジェンダー
ほさかくん車椅子
マンションの住人(鼻がない、目が見えない、腕がない、、、)

殺人のトリックや聴力が良過ぎるというトリックが後半明かされてすっきり。

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2024年03月18日

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 如実トリックの魔術師こと、道尾さんの小説。全体的に伏線を張り巡らす形で展開していくストーリー。残念なのは、如実トリックの部分が物語を根本から覆すようなギミックではなかったことですかね。ただ、さすがに楽しい。ちなみに、この人が作成に協力した謎解きは、今までの中で一番楽しかったです。

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2023年11月28日

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ミステリーの要素もさることながら、メッセージ性も強い作品。人間は自分と違うものを虐げる。虐げられた人間は時に傷つき、心にも傷がつくりそれでも前を向いて歩いていく力が人間にはある。そう気づかせてくれた作品。

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2023年10月24日

Posted by ブクログ

マスターの深海魚エピソードが引っかかった。
未知の領域への知的欲求という希望的側面も感じるし、
結局は同族しか寄りつかないという諦念も感じる。

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2023年07月09日

Posted by ブクログ

片目の猿という題名だけ見るとちょっとホラーチックな感じだが...

ライトな読み応え、読後の爽快感、所々に隠されたヒント等など気持ち良く読むことが出来た

なんとなく読んだ感覚がが同作者の「カラスの親指」に近いかなと感じた、もちろんいい意味で

ラストのラスト
「目に見えているものばかりを重要視する連中に、俺は興味は無い」
これ本当に良い言葉だと思う

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2023年05月05日

Posted by ブクログ

人を見た目や先入観だけで判断してはいけないなと思わされた一冊。
登場するキャラクターたちが個性的というか明らかにヘンでおもしろい。
ラストでの怒濤の伏線回収連発でヤラれっぱなしになるのが気持ちいい。

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2023年01月24日

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道尾作品やはり読みやすいし自分は好きです!
ただただ犯人が誰なんだろと読んでいくと言うより、各登場人物がどんな人なんだろうと考えながら読むと最後に道尾ワールドにどっぷりと浸る事ができているかと思います。
そして、身体や能力を他人と比較して、自分が劣っているとか劣等感を感じていた事がなんだかそれでも良いのかなぁと思えるようになる作品でした。

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2023年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「シャドウ」で道尾秀介さんが好きになったので読んでみた。面白かった!

終盤のそれぞれの秘密が明かされるのは少し予想はついていたけど驚いた。最初の方にあった社員の会話に見事に引っかかってしまった笑

ストーリーも気持ちの良い終わり方で好き

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2022年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔読んだのを思い出して再読。
たぶん初めて叙述トリックというものに騙されて、荒れてたあのとき家で珍しく饒舌になった気がする(*´꒳`*)
叙述トリックって呼び名を知ったのは、もっとだいぶ後だったけど^^;

道尾さんは本当に絵みたいな文章だなと思う。
小説としても面白いし勉強にも参考にもなるし、自分的には三度おいしい作家さん。

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

特徴的な耳がコンプレックスの盗聴専門の探偵が、特徴的な目がコンプレックスの同業の女性に恋心を抱いたり疑いを抱いたりと悩みつつ、殺人事件の真相を暴くストーリー。
事件のトリックはとても単純で、トリックそのものよりも登場人物の生き様が主題なのだとわかる。 "何かが欠けている人々"が日々をいかに強く前向きに生きているかを描いているのだと思う。しかし、前作『向日葵の咲かない夏』の仕掛けが凄かったせいでこちらの期待値が上がり過ぎてしまっており、構成としてはちょっと残念な印象だった。単体としては軽妙で読み易い作品と思う。

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2025年06月07日

Posted by ブクログ

道尾さんもなんとなく読み積んで9冊目
タイトルになった「方眼の猿」の逸話が作中に登場するのですが、これも創作ということで良いのかしら?これが、なかなか良いのです。この逸話が意味するところのジェンダーとかマイノリティを
先がけた作品かも。

盗聴専門の探偵が産業スパイ中に一人の女性と知り合い、殺人事件に巻き込まれていくミステリなのだけど、事件とは別のところで小粋に騙される感じ。

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2025年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

盗聴専門の探偵、それが俺の職業だ。目下の仕事は産業スパイを洗い出すこと。楽器メーカーからの依頼でライバル社の調査を続けるうちに、冬絵の存在を知った。同業者だった彼女をスカウトし、チームプレイで核心に迫ろうとしていた矢先に殺人事件が起きる。俺たちは否応なしに、その渦中に巻き込まれていった。謎、そして……。ソウルと技巧が絶妙なハーモニーを奏でる長編ミステリ。
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最初は犬の耳や犬の目をもっていると思った。
最後にいろいろと明かされるんだけど、時間をかけて読んでるからどんな伏線があったかいまいち思い出せなくてすごく損してると思う。

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2025年04月17日

Posted by ブクログ

嫌いな食べ物や飲み物があったときに、
それは人生の半分は損してるって言う人いますよね。
そういう人の両目を潰してやろうって話です。
嘘です、強く、楽しくパーティーしようって話です。

以下抜粋

- このアパートの連中は人を見てただ「人」だと感じる。それだけなのだ。(P.321)

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2025年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とても読みやすく、早く読めた。
登場人物が特徴的で分かりやすい。
なぜか主人公の耳がすごくでかくて、ビロビロに伸びているイメージで読み進めたので、わかってから逆や!となった。
秋絵さんは全くわからなかった。わかってから、実家のシーンを読み返して納得。
冬絵さんは大体予想通り。
後半のアクションシーンはあまり動きがイメージできなかったが、勢いだけはわかった。
アパートの住人が魅力的。
一気に読んだ。

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2024年05月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと騙されてたっていうレベルじゃなくて
脳みそって都合よく見えないものを作り出す天才、でもそれって怖いなぁと思いました

明るくてスピード感があってマンガみたいに読んでしまったけど、テーマは重くて

秋絵がアパートにきて少し落ち着けたのはメンバーたちの影響があったんだろうな
鳩のエピソードもかなし

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2023年09月16日

Posted by ブクログ

ミステリとしての種明かしもさることながら、最後に明らかとなる人物造形についても、してやられた感じ。ただ、取ってつけた感は否めず、それを言い出したらいくらでも…とは思えてしまう。物語そのものが面白かったから、そんなに気になる問題ではないんだけど。

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2023年07月25日

Posted by ブクログ

単なる謎解きではない
問題提起、テーマが大きい
そういう意味で深い
謎解きとしてはかなり複雑で二転三転する感じで正直ついていけない部分もあった
問題提起については単純なテーマにも感じたが、こういう謎解きの中で人間のコンプレックスというテーマを混ぜている所が新鮮で面白かった

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2023年05月29日

Posted by ブクログ

だまし絵のような作品。初期の頃に一環として描いている家族をテーマに不思議な登場人物たちが織りなすミステリーでもある。といってもその要素は薄くどこか寓話的な印象を受ける。らしいというのは仕掛けを多く施している点でも言える。特に本作は小説ならではの特性を生かして読者を欺いていく。盗聴専門の探偵という造形はありそうでなかったかもしれない。ただストーリーの面白さというと首をかしげる所もある。いささか急な物語運びでついていない場面もチラホラ。いつもの鬱屈した道尾さんを期待していると肩透かしを食うかもしれない。

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2023年05月02日

Posted by ブクログ

スピード感のある小説で、伊坂幸太郎を思わせる感じ。
話の概略としては突拍子もないが、その実、人は見た目で判断できない事などが、素晴しく描かれている。全てを伏せる事で見せた影響を、全てを明かした事でひっくりかえす。その素晴らしさが、道尾秀介らしい話だった。

人は、永遠に哀しみ続ける事はできない。かさぶたに爪を立てるのは、自分。
今の私に重い言葉だ。

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2023年05月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公は探偵。
ボロアパートを事務所としており隣人は特殊な人ばかり。
新たな仲間を迎え入れるのだが初任務早々殺人事件に巻き込まれる。

テーマは周りと違うものに対する差別と生きにくさ、そしてそれを克服し気にせず生きる強さ。
細かい仕掛けが色々してあって面白かったです。

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2023年03月22日

Posted by ブクログ

エンタメ性の高い作品だなという感想。大きなテーマは外見で人を判断するべきでない、ということ。初めから端々に「何かトリックがありそうだな」と思いながら読んだけど最後に全部明かされるのでスッキリ。道尾秀介さんの作品は「向日葵〜」と「カササギたちの四季」しか読んだことがないのだけど、これは読みやすかった。ただちょっと物足りない感じ。。

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2023年02月01日

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