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利休にたずねよ
女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ男・千利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、天下一の茶頭に昇り詰めていく。刀の抜き身のごとき鋭さを持つ利休は、秀吉の参謀としても、その力を如何なく発揮し、秀吉の天下取りを後押し。しかしその鋭さゆえに秀吉に疎まれ、理不尽な罪状を突きつけられて切腹を命ぜられる。利休の研ぎ澄まされた感性、艶やかで気迫に満ちた人生を生み出したものとは何だったのか。また、利休の「茶の道」を異界へと導いた、若き日の恋とは…。「侘び茶」を完成させ、「茶聖」と崇められている千利休。その伝説のベールを、思いがけない手法で剥がしていく長編歴史小説。第140回直木賞受賞作。 -
小説 米沢藩の経営学
上杉謙信を祖と仰ぐ米沢藩上杉家は、度重なる減封によって瀕死の逆境にさらされながら、家臣を一切リストラせず、幕末まで続いた稀有な名家である。それを可能にしたリーダーたちの改革精神とは? 本書は、120万石から30万石になった折の名家老・直江兼続、15万石になった藩を救った上杉鷹山、幕末に改易の危機を脱した上杉茂憲の3人を貫く「精神の系譜」を描いた異色の歴史小説である。明治14年(1881)5月、廃藩置県まもない沖縄県に、最後の米沢藩主・上杉茂憲が県令として赴任した。雪深い陸奥から日本の最南端へ――。県政運営にあたる茂憲が支えとしたのは、米沢藩の礎を築いた直江兼続、中興の祖・上杉鷹山を経て継承された「義と愛」の精神だった。著者の超ロングセラー『上杉鷹山の経営学』の姉妹編として、また09年NHK大河ドラマ「天地人」から10年「龍馬伝」へと続く歴史の流れを読む上で、ユニークな作品に仕上がった。 -
人間の剣 江戸編
大坂冬・夏の陣も過去となった江戸時代。徳川幕府体制の下、人々は泰平の世を謳歌していた。しかし、敢えて平穏な生活に背を向ける数多の人間たちがいた! 「人間の剣」完結編 -
牢獄の花嫁
著者は終生、捕物帳には筆を染めなかった。しかし、捕物帳的な傾向の作品といえば、本書が筆頭であろう。十手捕縄をとって30年、捕物の神様とうたわれた名与力・塙江漢が、突如、暴風のように襲った悪魔により晩年の幸福を引きちぎられ、伜郁次郎を獄門に送らねばならぬ悶々の胸中。――これは捕物帳とは一線を劃す捕物帳である。 -
鳴門秘帖
他国者は容易に近づけない、密国阿波に潜入した幕府隠密・甲賀の宗家、世阿弥が消息を絶って十年。家名の断絶を目前にして、悲嘆にくれる娘のお千絵を見かねて、二人の男が阿波渡海をはかった。だが夜魔昼魔、お十夜孫兵衛、見返りお綱が二人の邪魔に入る。――昭和初年に発表され、人気沸騰した名作「鳴門秘帖」は争って読まれ、虚無僧姿の法月弦之丞は銀幕のヒーローに。 -
親鸞
義経が牛若といって鞍馬にあった頃、同じ源氏の血をうけて十八公麿(まつまろ)(親鸞)は生れた。平家全盛の世、落ちぶれ藤家(とうけ)の倅として育った彼は、平家一門のだだっ子寿童丸の思うままの乱暴をうけた。彼は親鸞に生涯つきまとう悪鬼である。9歳で得度を許された親鸞の最初の法名は範宴。師の慈円僧正が新座主となる叡山へのぼった範宴を待っていたのは、俗界以上の汚濁であった。 -
神州天馬侠
大正末から昭和初めの「少年倶楽部」の目ざましい躍進期に、その中心読み物となったのが、佐藤紅緑の諸作と「神州天馬侠」である。織田・徳川の連合軍に滅ぼされた武田勝頼の遺子・伊那丸が、忠義の士に護られて、健気にもお家の再興をはかる。しかし、戦国群雄の圧力の前には――。当時、子供も大人もこの小説に熱狂した。今も、その底力を保ちつづける大衆児童文学の記念碑。 -
剣難女難
大正14年に創刊された国民雑誌「キング」に発表されたこの作品で、従来の幾つかの筆名に別れを告げ、新たに吉川英治が誕生した。――美男で剣を見るのさえ身体がふるえる春日新九郎が、兄の仇、富田三家随一の名人、鐘巻自斎を相手に戦うまでの数々の辛苦と、剣難女難。――この一作が呼んだ反響、つづいて生まれた幾多の名作。本書は、吉川文学の輝かしい原点といえよう。 -
出直し神社たね銭貸し
下谷にある〈出直し神社〉には、人生を仕切り直したいと願う人々が訪れる。縁起の良い〈たね銭〉を授かりに来るのだ。神社を守るのは、うしろ戸の婆と呼ばれる老女。その手伝いをすることになった十六歳の娘おけいは、器量はよくないが気の利く働き者だ。ある日、神社にお妙と名乗る美女が現れる。蔵茶屋の商売繁盛を望む彼女が授かったのは大枚金八両。さらにうしろ戸の婆は、お妙に相談役としておけいを連れていくように言い、おけいには「蔵に閉じ込められたものをすべて解き放ってくるように」と耳打ちして──。読み応え抜群の時代小説。(解説・吉田伸子) -
森羅記
北条時宗の誕生から、元寇に立ち向かってゆく姿を 過去最大のスケールで描く歴史長編シリーズ、開幕。 【あらすじ】 王座が空位のまま、モンゴル帝国は権力争いにより分断される気配に満ちていた。クビライは、祖父・チンギスの足跡を追う長い旅路の中で、様々なものを見た。人々の生活、祖父の部下たち、そして、初めての海。驚くほど静かだった。草原の先は行き止まりではなく、海があり、その海の向こうにまた国がある。モンゴル、高麗、南宋、日本。それらは海でつながり、物流、利権争いなどが日常的に行われ、莫大な富を生んでいた。 時を同じくして、日本は鎌倉時代。執権に就いた北条時頼の悲願である、水軍を持つための準備を着々と進めていた。何か大きな脅威が近づいてくる気がするのだった――。 堂々たるシリーズ第一巻。 【読者の皆様からの声続々!】 「時間を忘れるほどの面白さ。初めて手に取る歴史小説がこの作品である人がうらやましい」(40代・女性) 「歴史の教科書で退屈にも思えた中世史が、こんなにも魅力的な人々によって作られているということを知りました。敵味方ではなく、全員応援したい気持ちになる作品です」(10代・男性) ■著者プロフィール 北方謙三(きたかた・けんぞう) 一九四七年佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部卒業。七〇年、同人誌に発表した「明るい街へ」が雑誌「新潮」に掲載され、デビュー。八一年『弔鐘はるかなり』で単行本デビュー。八三年『眠りなき夜』で第四回吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で第三八回日本推理作家協会賞長編部門、九一年『破軍の星』で第四回柴田錬三郎賞を受賞。二〇〇四年『楊家将』で第三八回吉川英治文学賞、〇五年『水滸伝』(全一九巻)で第九回司馬遼太郎賞、〇七年『独り群せず』で第一回舟橋聖一文学賞、一〇年に第一三回日本ミステリー文学大賞、一一年『楊令伝』(全一五巻)で第六五回毎日出版文化賞特別賞を受賞。一三年に紫綬褒章を受章。一六年「大水滸伝」シリーズ(全五一巻)で第六四回菊池寛賞を、一七年同シリーズで第六回歴史時代作家クラブ賞特別功労賞を受賞。二〇年に旭日小綬章を受章。二四年『チンギス紀』(全一七巻)で第六五回毎日芸術賞を受賞。『三国志』(全一三巻)、『史記 武帝紀』(全七巻)ほか、著書多数。 -
姥玉みっつ
直木賞作家が描く江戸の痛快時代劇! 静かな余生のはずが・・・・・・ なんでこうなった!? ひとり静かに老後を送りたいお麓のもとへ ふたりの幼馴染が転がり込んできた! 名主の書役として暮らし、歌を詠みながら安穏の余生を送ろうとしていた お麓の閑居へ、能天気なお菅と、派手好きなお修が転がり込んできた。 さらには、お菅が空き地で倒れていた女と声が出せない少女を 見つけてきてしまう……。 お麓にとって騒がしい悪夢の日々が始まった。 何が悲しくて婆三人つるまなければならぬのか――。 泣いて笑える江戸の痛快小説。 解説=田口幹人 「読みどころは、お麓、お菅、お修のお萩との交流を経て変わっていく 心模様である。お萩の出自に辿り着いてしまうと、 四人の暮らしが失われるかもしれないという不安を抱えつつ、 お萩の未来に寄り添う姿に、胸が熱くなった。」 (解説より) -
武家女人記
江戸時代、さまざまな身の上を生きる武家の女性たちを、山本周五郎賞作家があざやかな筆致で描く、傑作時代小説集。 馬廻りを務める高梨家の娘・織江は、縁談の話が来てもおかしくない年齢になっている。あるとき彼女は、城下のはずれで行われる荒神さまの祭礼に出かけるのだが、思わぬ事態になり・・・・・・(「ぬばたま」)。 茅乃の夫・保科定八は勘定方の下役頭を務めているが、このところ顔色が冴えない。ある日彼女は夫から、藩政に関わる一大事を知らされて・・・・・・(「背中合わせ」)。 中老を務める小野寺家に嫁いだ雪絵は、兄から若い長身の男を小者として抱えるよう頼まれる。この男の出現が、彼女に思いがけぬ影響を与えていく(「嵐」)ほか全七話。 収録作品:ぬばたま/背中合わせ/嵐/緑雲の陰/深雪花/縄綯い/あねおとうと 【著者略歴】 砂原浩太朗(すなはら・こうたろう) 1969年生まれ。兵庫県神戸市出身。早稲田大学第一文学部卒業。2016年「いのちがけ」で第2回決戦!小説大賞を受賞。21年『高瀬庄左衛門御留書』で第9回野村胡堂文学賞、第15回舟橋聖一文学賞、第11回本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞。22年『黛家の兄弟』で第35回山本周五郎賞を受賞。他の著書に『藩邸差配役日日控』『霜月記』『夜露がたり』『浅草寺子屋よろず暦』『雫峠』『烈風を斬れ』『冬と瓦礫』など。 -
楊花の歌
1941年、大阪松島遊廓から逃走して、日本占領下の福建省廈門に辿り着いたリリーは、抗日活動家の楊に従い、カフェーで女給として働きながら諜報活動をしていた。あるとき、楊から日本軍諜報員の暗殺を指示され、その実行者として、琥珀色の瞳と蛇の刺青が印象的なヤンファという女性を紹介される。ヤンファに惹かれていくリリーにとって、彼女と過ごす時間だけが生への実感を持てるひとときになっていた。しかし、楊から秘密裏に課されていた指令は、暗殺に失敗した場合はヤンファを殺せというものだった・・・・・・。戦時下を舞台に流転する女性たちの愛と葛藤を描く、圧巻の熱量を放つ第35回小説すばる新人賞受賞作! -
貧乏神あんど福の神
売れない絵師の家に 厄病神が同居!? 貧乏で災難続き、 おまけに事件まで…… 大名家のお抱え絵師だった葛幸助は、 今、大坂の福島羅漢まえにある 「日暮らし長屋」に逼塞中だ。 貧乏神と呼ばれ、筆作りの内職で糊口を凌ぐ日々。 この暮らしは、部屋に掛かる絵に封じられた 瘟鬼(厄病神)のせいらしいのだが、 幸助は追い出そうともせずに呑気に同居している。 厄病神が次々呼び寄せる事件に、 福の神と呼ばれる謎の若旦那や丁稚の亀吉とともに、 幸助が朗らかに立ち向かう。 (書下し痛快時代小説) 第一話 貧乏神参上 素丁稚捕物帳 妖怪大豆男 第二話 天狗の鼻を折ってやれ -
しらゆきの果て
仏画、絵巻、浮世絵――美に魅了された人々の営みを描いた歴史小説集 六十路を越した老境の絵師・喜平治(宮川一笑)は、肉筆美人画の名手・菱川師宣の曾孫である姉弟と知り合う。絵描きを志す弟の伊平の面倒を見ることになった喜平治は、幼いながらも確かな筋の良さに感嘆するが、折しも町絵師の宮川一門と表絵師の狩野家の間で諍いが起きてしまい……。(表題作「しらゆきの果て」) 鎌倉、戦国、江戸、幕末 時代と歴史を超えて、 人々を狂わせ、神仏さえも惑わせる、 あらゆる「美」の真髄を描く5つの物語 装画/原裕菜 装幀/長崎綾(next door design) -
おんなの女房
ときは文政、ところは江戸。武家の娘・志乃は、歌舞伎を知らないままに役者のもとへ嫁ぐ。夫となった喜多村燕弥は、江戸三座のひとつ、森田座で評判の女形。家でも女としてふるまう、女よりも美しい燕弥を前に、志乃は尻を落ち着ける場所がわからない。 私はなぜこの人に求められたのか――。 芝居にすべてを注ぐ燕弥の隣で、志乃はわが身の、そして燕弥との生き方に思いをめぐらす。 女房とは、女とは、己とはいったい何なのか。 いびつな夫婦の、唯一無二の恋物語が幕を開ける。 第10回野村胡堂文学賞、第44回吉川英治文学新人賞、二冠の作品がついに文庫化! カバーイラスト/おかざき真里 -
雫峠
神山藩が舞台の『高瀬庄左衛門御留書』『黛家の兄弟』『霜月記』に連なる最新作。 国を棄てるかもしれぬ。 だが俺が知らぬ顔したら、義妹は死ぬ。 武士の理にあらがった二人の逃避行を描く表題作を含む、 四季薫る神山の原風景と、そこに生きる人々の気品が漂う作品集。 山本周五郎賞作家が織りなす、色とりどりの神山のすがた。 「半夏生」 国の堤を支える父と弟。彼らの背中は清く大きかった。 「江戸紫」 藩主の病が招く騒擾を防ぐ妙案はいかに。 「華の面」 能を通じて思い知る、同い年の藩主の覚悟。 「白い檻」 神山の厳冬。流刑先での斬り合いに漂う哀愁。 「柳しぐれ」 町を駆ける盗人の、一世一代の大仕事。 「雫峠」 神山を出ると決めた、二人の間に芽生えた思い。 ~「神山藩シリーズ」とは~ 架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された世界観で物語が紡がれる。 -
蔦屋
2025年、NHK大河ドラマは「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」。 その主人公である江戸の出版プロデューサー・蔦屋重三郎の波瀾万丈人生を描く、傑作歴史長編小説! 寄る年波には勝てず、店仕舞いしようとしていた地本問屋・丸屋小兵衛のもとを、才気迸る若い男が訪ねてくる。この店に毎年二十両払うから、雇われ人となって自分を手伝ってほしい、という申し出に面食らう小兵衛。 「一緒にやりませんか。もう一度この世間をひっくり返しましょうよ」 その男こそ、吉原随一の本屋、飛ぶ鳥を落とす勢いの蔦屋重三郎だった――。 飲むときはとことん飲み、遊ぶときはとことん遊ぶ。商売の波に軽々と乗り、つねに新しいものを作りたい、と意気込む重三郎。重三郎の周りには、太田南畝、朋誠堂喜三二、山東京伝、恋川春町ら売れっ子戯作者や狂歌師が出入りするが、腐れ縁の絵師・喜多川歌麿には、特別な感情をもっている。 やがて松平定信による文武奨励政治が始まると、時代の流れは予期せぬ方向へ――。 蔦屋重三郎の型破りの半生を、父親ほども年が離れた小兵衛を通して描く。最強バディが江戸の街を闊歩する、極上エンターテインメント小説。 単行本を大幅に改稿し、著者によるあとがき「文庫化までの長い言い訳」を特別収録。 単行本 2014年4月 学研パブリッシング刊 文庫版 2024年10月 文春文庫刊 ※この電子書籍は、文春文庫版を底本としています。 -
ソコレの最終便
【戦争×鉄道エンターテイメントの傑作】 大戦末期、ソ連軍の奇襲侵攻を受け崩壊の危機に瀕する満洲国。 特命を帯びた装甲列車(ソコレ)が、混乱の大地を駆け抜ける! 昭和二十年八月九日、日ソ中立条約を破棄したソ連軍が突如として満州国へ侵攻を開始。国内全体が未曾有の大混乱に陥るなか、陸軍大尉・朝倉九十九率いる一〇一装甲列車隊「マルヒト・ソコレ」に特命が下った。それは、輸送中に空襲を受けて国境地帯で立ち往生してしまった日本軍唯一の巨大列車砲を回収し、はるかかなたの大連港まで送り届けよ、という関東軍総司令官直々の緊急命令であった。 疾走距離2000km、タイムリミットは7日間!! 【佐藤賢一氏推薦】 昭和二十年八月、終戦間際の満洲を装甲列車(ソコレ)が走る。 迫真の戦争小説と転変のロードノベルが合体 ――おののかされ、引き回されて、もう一気に読まされた。 【著者略歴】 野上大樹(のがみたいき) 1975(昭和50)年生まれ。佐賀県在住。防衛大学校卒。『霧島兵庫』名義で第20回歴史群像大賞優秀賞を受賞し、2015年『甲州赤鬼伝』(Gakken→新潮社)にてデビュー。その他の著作に『信長を生んだ男』(新潮社)、『二人のクラウゼヴィッツ』(「フラウの戦争論」より改題)(新潮社)、『静かなる太陽』(中央公論新社)がある。2023年『野上大樹』へ名義変更。『ソコレの最終便』が名義変更後初の刊行作となる。 -
まんまこと
麻之助、ついに後妻をとる――!? 江戸町名主のお気楽者の跡取り息子・高橋麻之助が、幼なじみで町名主を継いでいる色男・八木清十郎、堅物の同心・相馬吉五郎とともに、さまざまな謎ともめ事の解決に挑む、好評連作短篇シリーズ「まんまこと」第8弾。 かつて恋女房を亡くした麻之助。 彼のもとに、縁談が3つもやってきた! しかも、ひとりは江戸一と謳われる美人。そして、どの縁談も妙なところがあるようで……。 麻之助たちは、なぜ不思議な縁談ばかり集まったのか調べることに。 果たして、麻之助の縁談の行方は……。 他にも、相馬家が吟味方与力に昇進したり、高橋家の支配町が増えたりと、今回も麻之助たちは大忙し! 急展開の第8巻。 文庫解説・大矢博子 ※この電子書籍は2021年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
諸葛亮
ずいぶん『三国志』について書いてきた。だが、そこに登場するひとりを選んで、大きな構想に移植するのは、これが最初であり、最後となろう。そのひとりとは、諸葛亮以外に考えられなかった――(日本経済新聞連載開始にあたっての「作者の言葉」より) 大河小説『三国志』全12巻完結からはや10年。この「作者の言葉」に、宮城谷作品ファンのみならず、日本中の歴史小説愛好家が期待をふくらませているに違いない。 「三国志」にはあまたの個性的な名将、名臣が登場するが、日本で最も名を知られるのが諸葛亮(孔明)であろう。冒頭の「作者の言葉」はこう続いている。 ――かれの人気は、おそらく劉備や関羽などをしのいでおり、たぶんどれほど時代がかわっても、最高でありつづけるにちがいない。通俗小説である『三国志演義』が、諸葛亮を万能人間、いわば超人にまつりあげてしまったせいでもあるが、そういう虚の部分ををいでも、多くの人々の憧憬になりうる人物である―― 「三顧の礼」「水魚の交わり」「出師表」「泣いて馬謖を斬る」「死せる諸葛、生ける仲達を走らす」といった名言・名句はそのままに、諸葛亮の実像に迫ろうとするこの作品の冒頭はこのように始まる。 ――春を迎えて八歳になった。かれは景観から音楽を感じるという感性を備えている―― 乱世に生きながら清新さ、誠実さを失わない、今まで見たことのない諸葛亮がここにいる。 -
海の祭礼
日米の青年が見た「鎖国から開国へ」 ペリー来航五年前、鎖国中の日本に憧れたアメリカ人青年ラナルド・マクドナルドは、ボートで北海道の利尻島に単身上陸し、アイヌたちに発見される。不法入国者として長崎に収容されたマクドナルドから、若き長崎通詞・森山栄之助は活きた英語を学ぶ。オランダ語には通じていても英語を習得する者の少なかった通詞のなかにあって、森山はペリー一行の首席通詞を務めるなど、開国を迫る諸外国との交渉のほぼ全てに関わっていく。日本とアメリカ、森山とマクドナルド、鎖国と開国、交錯する運命は時代に翻弄されてゆく――。 彼らの交流を通し、開国に至る幕末期の日本の意外な史実が描かれた、傑作歴史長篇小説。 解説・曾根博義 ※この電子書籍は、2004年12月に刊行された文春文庫版を底本にしています。 -
博覧男爵
日本に始めて博物館を創り、 知の文明開化を成し遂げた挑戦者! 幕末の巴里(パリ)万博で欧米文化の底力を痛感し、 武力に頼らないに日本の未来を開拓する男がいた! 日(ひ)の本(もと)にも博物館や動物園のような知の蓄積を揃えたい! 黒船の圧力おびただしい幕末。信州飯田で生まれ育った田中芳男は、巴里(パリ)で 行なわれる万国博覧会に幕府の一員として参加する機会を得た。その衝撃は 大きく、諸外国に比して近代文化での著しい遅れを痛感する。 軍事や産業を中心に明治維新が進む中、日の本が真の文明国になるためには、 フランス随一の植物園ジャルダン・デ・プラントのような知の蓄積を創りたい。 「己れに与えられた場で、為すべきことをまっとうする」ことを信条とする芳男は、 同じ志を持つ町田久成や大久保利通らと挑戦し続け、現代の東京国立博物館や 国立科学博物館、恩賜上野動物園等の礎を築いていく……。 -
とりどりみどり
万両店の末弟、鷺之介が齢十一にして悩みがつきない原因とは――。 時代小説の名手が描く、ホロリと泣かせる大江戸謎解き物語。 万両店の廻船問屋『飛鷹屋』の末弟・鷺之介は、齢十一にして悩みが尽きない。 かしましい三人の姉――お瀬己・お日和・お喜路のお喋りや買い物、芝居、物見遊山に常日頃付き合わされるからだ。 遠慮なし、気遣いなし、毒舌大いにあり。三拍子そろった三姉妹の傍にいるだけで、身がふたまわりはすり減った心地がするうえに、姉たちに付き合うと、なぜかいつもその先々で事件が発生し……。そんな三人の姉に、鷺之介は振り回されてばかりいた。 ある日、母親の月命日に墓参りに出かけた鷺之介は、墓に置き忘れられていた櫛を発見する。その櫛は亡き母が三姉妹のためにそれぞれ一つずつ誂えたものと瓜二つだった――。 -
長篠の四人
「織田の味方を一人も損ぜずに武田に勝て」強敵武田勝頼軍が迫るなか、信長から次々と無茶振りされる難題にふりまわされっぱなしの家康・秀吉・光秀の三人。ムダに熱く調子だけはいい秀吉、自分に責任が問われない場面ではかなり適当な光秀。「またこいつらと組むのか……」――家康の絶望は深い。 秀吉・光秀とは立場が異なる家康がもし判断を誤れば、三河・遠江七十二万石、総数二万をこえる将兵が一瞬で路頭に迷うことになる。勝頼軍一万五千が待ち構えるなか、戦国武将の意地をかけ家康が下す決死の決断――。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください -
マンガ 三国志
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ◎堀江貴文氏、推薦! ! “これからのビジネスに役立つ 最強のマンガだ! ” 歴史的名著 『三国志』がついに マンガで登場! ! 吉川英治の原作を 石森プロが渾身の コミック化! 個性豊かな武将たちが 覇権をかけて火花を散らす 中国歴史大河ロマンの傑作! 劉備はどうやって 台頭したのか? 宿敵・曹操と どう覇権を 争ったのか? 天才軍師・諸葛孔明が 劉備に惹かれた 最大の理由とは? 三国志の名場面やポイントを きちんと押さえているから 面白くてわかりやすい! 欄外には注釈があり 原作や原書との 比較も楽しめます! 三国志をなんとなく知っているけれど きちんと読んだことがないという方に ぜひおすすめです! ――――――――――――――――――――― 目次(一部抜粋) 桃園の誓い 黄巾の乱 漢室の危機 曹操の野望 独裁者董卓 曹操の台頭 呂布無残 劉備の志 男の中の男 関羽 劉備雌伏 水鏡先生 三顧の礼 孔明初戦 曹操侵攻 孔明対周瑜 十万本の矢 ほか -
荒城に白百合ありて
森名幸子から見て、母の鏡子は完璧な会津婦人だった。江戸で生まれ育った母は教養高く、武芸にも秀でており、幸子の誇りで憧れだった。 薩長軍が城下に迫り、白装束を差し出して幸子に自害を迫った時も、母の仮面が崩れる事はなかった。 しかし、自害の直前に老僕が差し出した一通の手紙が、母の、そして幸子の運命を大きく変えた。 手紙から視線を外し、再び幸子を見た母は、いつもの母とは違うものに変わってしまっていた。その視線を見て、幸子は悟った。 ――母は、この美しい人は、いまこの瞬間、はじめて私を「見た」のだ、と。 薩摩藩士の青年・岡元伊織は昌平坂学問所で学ぶ俊才であったが、攘夷に沸く学友のように新たな世への期待を抱ききれずにいた。 そんな中、伊織は安政の大地震の際に燃え盛る江戸の町でひとりさ迷い歩く、美しい少女と出会う。あやかしのような彼女は聞いた。 「このくには、終わるの?」と。伊織は悟った。「彼女は自分と同じこの世に馴染めぬいきものである」と。 それが、伊織の運命を揺るがす青垣鏡子という女との出会いであった。魂から惹かれあう二人だが、幕末という「世界の終わり」は着実に近づいていて――。 この世界で、ともに生きられない。だから、あなたとここで死にたい。 稀代のストーリーテラーが放つ、幕末悲劇、いま開幕。 -
お宿如月庵へようこそ
時は江戸。 火事で姉と離れ離れになった少女・梅乃が身を寄せることになったのは、お宿・如月庵。 如月庵は上野広小路から湯島天神に至る坂の途中にあり、知る人ぞ知る小さな宿だが、もてなしは最高。 かゆいところに手の届くような気働きのある部屋係がいて、板前の料理に舌鼓を打って風呂に入れば、旅の疲れも浮世の憂さもきれいに消えてしまうと噂だ……。 梅乃は部屋係として働き始めるが、訪れるお客は、何かを抱えたワケアリの人ばかり。 おまけに奉公人達もワケアリばかり。 美人で男好きな部屋係に、いつもパリッとしているがやたらと強い中居頭。 強面で無口だが心は優しい板前、宿に来るお客を全て覚えている下足番。 そしてそれらを束ねる女将。 個性豊かな面々に囲まれながら、梅乃のもてなしはお客の心に届くのか? そして、行方不明の姉と再会は叶うのか? -
やっと訪れた春に
男は、生きるのがどこまでも下手だ。 二人の藩主を擁する橋倉藩。 割れて当たり前の藩を割れさせぬ――重すぎる命を課された近習目付たちの命運は。 名もなき武家と人々の生を鮮やかな筆致で映し出す。 橋倉藩の近習目付を勤める長沢圭史と団藤匠はともに齡六十七歳。本来一人の役職に二人いるのは、本家と分家から交代で藩主を出す――藩主が二人いる橋倉藩特有の事情によるものだった。 だが、次期藩主の急逝を機に、百十八年に亘りつづいた藩主交代が終わりを迎えることに。これを機に、長らく二つの派閥に割れていた藩がひとつになり、橋倉藩にもようやく平和が訪れようとしていた。 加齢による身体の衰えを感じていた圭史は「今なら、近習目付は一人でもなんとかなる」と、致仕願を出す。その矢先、藩の重鎮が暗殺される。いったいなぜ――隠居した身でありながらも、圭史は独自に探索をはじめるが……。 -
読んで旅する鎌倉時代
蛭が島:若き源頼朝が流された伊豆の地。当時の支配者は北条氏。 真珠院:頼朝との悲恋の末に八重が命を落とした地。 伊豆山神社:頼朝と北条政子が結ばれた地。 石橋山:頼朝が源氏復興ののろしを上げるも、大庭景親、伊東祐親らの平家軍に大敗した地。 黄瀬川:奥州から駆けつけた義経が頼朝と再会した地。 願成就院:北条時政が頼朝の奥州平泉討伐戦勝祈願のため建立した。 銭洗弁財天:頼朝への宇賀福神の夢のお告げを元に、宇賀福神を祀り神仏の供養を行なったのが創建の由来。 三島大社:頼朝が源氏復興を祈願して旗揚げをした神社。 梶原山公園:頼朝の信任厚かったが、その死後に滅ぼされた梶原景時終焉の地。 鶴岡八幡宮:鎌倉幕府とともにあった彼の地のランドマーク。 伊豆修善寺:頼朝の嫡男・頼家が暗殺された地。 など、鎌倉殿(鎌倉幕府)をめぐる13の地を舞台に、歴史時代小説の手練れ13人が切れ味鋭い筆をふるう。 13の掌編を自宅でじっくり味わうも良し、地図と写真を手がかりに今に残る歴史の現場を訪ねるも良し。 -
麒麟児
慶応四年三月。鳥羽・伏見の戦いに勝利した官軍は、徳川慶喜追討令を受け、江戸に迫りつつあった。 軍事取扱の勝海舟は、五万の大軍を率いる西郷隆盛との和議交渉に挑むための決死の策を練っていた。 江戸の町を業火で包み、焼き尽くす「焦土戦術」を切り札として。 和議交渉を実現するため、勝は西郷への手紙を山岡鉄太郎と益満休之助に託す。 二人は敵中を突破し西郷に面会し、非戦の条件を持ち帰る。だが徳川方の結論は、降伏条件を「何一つ受け入れない」というものだった。 三月十四日、運命の日、死を覚悟して西郷と対峙する勝。命がけの「秘策」は発動するのか――。 幕末最大の転換点、「江戸無血開城」。命を賭して成し遂げた二人の“麒麟児”の覚悟と決断を描く、著者渾身の歴史長編。