辛夷の花

辛夷の花

小説・文芸
759円 (税込)

3pt

3.9

九州豊前、小竹藩の勘定奉行・澤井家の志桜里(しおり)は嫁いで三年、子供が出来ず、実家に戻されていた。ある日、隣家に「抜かずの半五郎」と呼ばれる藩士が越してくる。太刀の鍔(つば)と栗形(くりかた)を紐で結び封印していた。澤井家の中庭の辛夷の花をめぐり、半五郎と志桜里の心が通う。折しも小竹藩では、藩主と家老三家の間で主導権争いが激化していた。大切な人を守るため、抜かずの半五郎が太刀を抜く!

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辛夷の花 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    葉室麟の女性を主人公に描いた傑作の一つだと思う。面白い。
    離縁された志桜里が迷い惑いながらも自分の信じる道を歩んでいく姿が本流にあるのだが、物語の展開は昭和の時代劇ドラマのよう。悪家老たちに追い詰められる殿様、殿様の命を受け悪家老たちの過去の不正を探る勘定奉行の志桜里の父 澤井庄兵衛、澤井家の隣に越してきて志桜里と澤井家を助ける「抜かずの半五郎」と呼ばれる剣の達人、などなど善も悪も多彩な人物が登場して息をつかせぬ展開が続く。
    志桜里と半五郎の煮え切らない関係もヤキモキさせる。
    解説に、「清廉な男と凛とした女、葉室麟が描き続けた理想の人々がここにいる」とあったが、まさにそんな作品だと思う。

    0
    2023年05月13日

    Posted by ブクログ

    葉室作品はどの作品を読んでも人の心を巧みに描く
    自分はこんなに一途になれるだろうか自分は自分の道をこれ程真剣に考えてきただろうか
    少し悲しくなる

    0
    2026年01月16日

    Posted by ブクログ

    こんなひどい家臣がいるのかと思いましたが、最後は人の絆、意地をみせ、この世の中も、捨てたものじゃないなという本でした。

    0
    2022年04月19日

    Posted by ブクログ

    自作品に和歌を効果的に取り入れる著者は、この小説でもその手法を用い主人公たちの心情を表出する。
    子供が出来ず離縁され実家に戻った志桜里が主人公。
    隣家に越してきた半五郎と、辛夷の花を介し、互いの心が通うようになる。
      時しあればこぶしの花もひらきけり
       君がにぎれる手のかかれかし
    志桜里に婚家への出戻りの話が起き、半五郎との間で思いが揺れ動く。現代では陳腐ともいえる彼女の躊躇は、その家を守るという嫁の役割を第一とする、今とは違う結婚観ゆえだろう。
    自分の気持ちを二の次で、嫁としてなすべきことを重視する彼女に、婚家の姑鈴代が教え諭す。
    「わたしは生きていくうえでの苦難は、ともに生きていくひとを知るためのものではないかと思うのですよ」
    「何を守るかは女子自身がきめることなのです」
    心を決めた志桜里が、自分の信じた道を守るため戦うクライマックスは、カタルシスが一挙に解放される。
    藩内では、藩主と家老三家との抗争が激化し、藩主側の志桜里の父親を抹殺せんと、三家が襲いかかる。
    「ひとへの思い深き者は勝つ」との言葉を胸に、志桜里とその家族を助けんとする家の子郎党と半五郎が、獅子奮迅の活躍をする。
    著者の小説は、読者のこうなってほしいという思いがそのままに叶う、珠玉のエンターテイメントといっていい。

    0
    2022年03月30日

    Posted by ブクログ

    面白かった
    ハッピーエンドで終わる勧善懲悪の鉄板ストーリ

    ストーリとしては、
    九州豊前の小竹藩の勘定奉行澤井家の長女志桜里と隣家に引っ越してきた「抜かずの半五郎」との物語。
    志桜里は嫁ぐも子供ができず、実家に戻されたある日、隣家に半五郎が引っ越してきます。二人の心は惹かれあいながらも微妙な距離感。そんな中、藩主頼近と家老三家の間で主導権争いが激化していきます。
    三家に対抗する頼近と澤井庄兵衛、半五郎は表から、裏から澤井家を助けていくことになります。

    そして、いよいよ上意討ちとして、澤井家に三家が押し入ってきます。
    澤井家はどうなるのか?
    抜かずの半五郎は太刀を抜きます。
    それぞれが信じるもののため、守るために闘います。
    そして、そこに至るまでの、当時の女子としての覚悟。
    半五郎と志桜里の関係はどうなる?

    澤井家での戦闘シーンは熱くなります。
    清廉な男、凛とした女といういつものパターンですが、武家での女の覚悟が伝わってきます。
    とても格好いい!

    ということでとてもお勧め!

    0
    2020年04月12日

    Posted by ブクログ

    志桜里と半五郎の距離が、近付くようでなかなか縮まらないのがもどかしく、まさに“辛夷の花”のような似た者同士の二人ですね。
    理不尽で横暴な家老三家に立ち向かう、澤井家の人々とそれを支援する、半五郎や幸四郎の姿がカッコいいです。

    0
    2019年12月09日

    Posted by ブクログ

    7月-18。3.5点。
    武士の娘、嫁ぎ先から離縁され、出戻り。
    隣に独身の武士が引っ越してくる。何か密命を帯びた風の隣人。
    面白い。いつもの葉室節で最後はホロリとさせる。

    0
    2019年07月25日

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