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天下を治めるのは、型破りな行動を引き起こす「破棄と気迫」か? それとも、感情を抑え、礼式を尊び、格式を重んじる「品位」か? 歴史上の謀反事件として最も名高い「本能寺の変」に題材をとったこの小説は、個々の事件における信長と光秀両者の内面を浮き彫りにし、主従の心の葛藤を鮮やかに描き出した。なぜ、忠臣は天才的主君を討ったのか。初の独白形式で迫る歴史巨編!
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Posted by ブクログ
織田信長と明智光秀が主人公。それぞれの立場や考えを本人が独白するという珍しい形式の小説。読んでみると織田信長の独白は、『なるほど!』ということが多くて参考になった。対する明智光秀の葛藤なども分かりやすかった。たまたま、フジテレビの新しい月9ドラマで『信長協奏曲』が始まったので、ドラマと対比しながら下...続きを読む巻も読んでいきたい。楽しみです!
この本は、上・下巻の二冊で一作品です。 歴史小説の中でも異色の作品。 信長と光秀の独白が、交互に現れ、物語を構成します。 同じ場面を、信長が見た場合と光秀が見た場合を巧みに対比させ、両者の違いを浮き彫りにします。 時代の先駆者たる信長が光秀をどう見たのか、そして、信長の生き方を光秀はどう感じたの...続きを読むか? 光秀人間である私には、深く頷く場面がしきりです。
織田信長と明智光秀が、それぞれ同じ事件や光景を見て独白する形式で書かれた本です。信長のような主観性の強い天才の思いと行動を解き明かすために、信長自身に語らせ、それを批判する記述を補うために、光秀の当時の常識豊かな口述を借りるという、画期的な本です。
もともと通じているようないないようなボスと右腕の関係が、些細な事から、または、単にごまかされて来たズレの表出により、急速に壊れていく。 やはりボスは開拓者、世界を創る人。 右腕は右腕、頭ではない。 開拓者になりたい。 なれたら、殺されないようにちょっと注意。
信長と光秀がそれぞれ独白をしているという、珍しい小説。同じ出来事に対して、全く異なる見方、考え方をしている様は、人間がお互いを理解することは難しく、現代の人間関係にも大いに通じるなと、感慨深く思いました。 それぞれの正義、信念があるのに、どうしてそれを理解し合うことができないのか。信長、光秀に対し...続きを読む、もうちょっと別の言い方、やり方があるんじゃない?と言いたくなってしまいます。 下巻はどんな話になるのか、楽しみです。
天下を治めるのは、型破りな行動を引き起こす覇気と気迫か。それとも、感情を抑え、礼式を尊び、格式を重んじる品位か。歴史上の謀反事件として最も名高い本能寺の変を題材にとったこの小説は、個々の事件における信長と光秀両者の内面を浮き彫りにし、主従の心の葛藤を鮮やかに描き出した。初の独白形式で迫る歴史巨編小説...続きを読む。 この小説では、信長と光秀が、同じ事件、同じ光景を互いに独白するというユニークな形式となっている。物語は、天正10年3月14日信濃浪合にて、武田勝頼の首を確認するところから始まる。以後、過去を回想しながら、本能寺の変、山崎の戦いまで進む。 単行本は1989年の刊行ということもあり、部分的に古い部分(桶狭間の戦いや長篠の戦い、斎藤道三など)もあるが、武田信玄について、本書の信長の見方として大局を読めない田舎大名としており面白い。(逆に光秀の見方としては、従来どおり高評価をしている。) 残念なのは、小説とはいえ、参考文献が明示されていないところである。通説とは異なった部分も多々あるので、何を参考にしたのか興味深いところである。
織田信長と明智光秀、相対するふたりの思考や心理描写が上手く表現された小説です。特に信長の描写はお見事!人間味を残しつつ、彼の個性が上手く書かれていると思います。
天下を治めるのは、方破りな行動を引き起こす「覇気」と「気迫」か?それとも、感情を抑え、礼式を尊び、格式を重んじる「品格」か?歴史上の謀反事件として最も名高い「本能寺の変」に題材をとった、この小説は、個々の事件における信長と光秀両者の内面を浮き彫りにし、主従の心の葛藤を鮮やかに描き出した。なぜ、忠臣は...続きを読む天才的主君を討ったのか。初の独白形式で迫る歴史巨編!
信長の余りにも抜きん出た独創性と、光秀の哀れなまでの凡人さが鮮やかに対比された秀作。お互いに配慮しているのに、それぞれの個性がすれ違わせているのがなんとも哀しい。
上下巻まとめてレビュー。 信長と光秀の独白体のみで展開する斬新な構成だが、内容は革新者・信長と保守的な光秀の食い違いが続くのみで、ドラマが生まれないのが残念。 文体でドラマをつくれる作家ではない。 光秀の最後は、信長様、など言わずに「信長」と唾棄するくらいの迫力がほしかった。 信長が志したのが「民...続きを読む衆の安心を土台にした政治」という視点はなるほどと感じた。 また、光秀がいかに事前の準備が無策だったかも、いまさらながら学ばされた。
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