無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
時代が変われば、生き方も変わるのだろうか――。
武士の世が終わりを告げたとき、“最後の武士”が下した決断とは。
一生を、命を、そして武士の矜持を懸けて挑んだ、日本史上最後の仇討ち!
日本中が開国と攘夷に揺れる時世。
西洋式兵術の導入を進めていた秋月藩執政・臼井亘理は、ある夜、尊攘派により妻もろとも斬殺された。
だが藩の裁きは臼井家に対し徹底して冷酷なものだった。
息子の六郎は復讐を固く誓うが、明治に入り発布された<仇討禁止令>により、武士の世では美風とされた仇討ちが禁じられてしまう。
生き方に迷い上京した六郎は、剣客・山岡鉄舟に弟子入りするが――。
時代にあらがい、信念を貫いた“最後の武士”の生き様が胸に迫る歴史長篇。
「青空を見よ。いかなる苦難があろうとも、いずれ、頭上には蒼天が広がる。そのことを忘れるな――」
※本作品は 2017年12月20日まで販売しておりました単行本電子版『蒼天見ゆ』の文庫電子版となります。 本編内容は単行本電子版と同じとなります。
Posted by ブクログ 2020年09月09日
これは驚きました。苦手な時代小説、それも「最後の仇討ち」という実話をもとにしたカチカチのものをこんなに楽しく読めたことに驚いた。
幼い頃に父母を尊攘派に殺され、復讐を誓って生きる主人公が仇討が禁止となった明治になって本懐を遂げるという話、というか実話。 時代小説が苦手な理由は単純にいわゆる歴史があん...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年06月10日
まるきりフィクションかと思って手に取ったが、実話をもとにして、作家の想像力を膨らませた歴史小説だそうだ。
日本最後の仇討をしたという臼井六郎が主人公。
しかし、著者は書中で、山岡鉄舟にこう言わせる。
「わしらが目にしているのは、最後の仇討ではない。最後の武士の生き様だ」
年下の者が年上の者の仇を討つ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月27日
幕末、秋月藩執政の臼井亘理は、尊攘派により、理不尽に、妻とともに寝込みを襲われて、斬殺されてしまう。息子の臼井六郎は、山岡鉄舟のもとへ弟子入りし、明治の御代に、ついに仇撃ちを果たす。
最後の武士として。
いかなる苦労があろうとも、いつか頭の上には、青い空が広がるから、それを忘れるな。
蒼天を見よ。...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月30日
うーん、自分が読んできた葉室麟のなかでは、今一つの感がある作品。幕末の秋月藩の執政臼井亘理は、小藩が生き残るために西洋式兵術の導入を進める。そして、大政奉還後の京において、大久保利蔵や公家らと渡り合って、秋月藩への圧力を跳ね返す。しかし、藩主の不興をかい、任を解かれ国許に帰されたところを、不満分子に...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月18日
「最後の武士」の物語。
裏表紙も解説も前情報を何も読まずに、読み進めて行ったら、主人公と思っていた臼井亘理が前半で殺されてしまいます。
「え?主人公が死んじゃうの?何これ?」
って思い、裏表紙を読むと、ここからが神髄でした(笑)
その亘理の息子、六郎の仇討ちの物語でした。
江戸時代には美徳とされ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月17日
ほぼフィクションに実在の人物を登場させて描いたものなのかと思っていたら、「日本最後の仇討ち」は実話だそう。
それにしても、六郎の父、臼井亘理が惨殺されたのが、大政奉還の翌年、鳥羽伏見の戦いの年だと言うことが、何とも言えず残念でならない。もう、国の進む道は決まっていたと言うのに。
亘理が惨殺される...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年01月05日
最後の仇討ちを行った人の話。
仇討ち本懐、恩赦で罷免された後、世捨て人の様な生活の中でも晴れない心、「家族の所に生きて帰る奴が一番偉い、家族を泣きの涙で暮らさせちゃあ、男じゃない。どんなに手柄を挙げても人を殺すのは鬼。鬼のまま死ぬより、せめて人で生きて戻ってきたほうがいい。」
父の教えである蒼天を...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年12月30日
時代が変わりゆく中、時代の先を読んで自分達の藩の生き残りをかけた武士が妬まれて非業の死を遂げる。しかも、自分の同じ藩から…武士道ならぬ殺され方。どの時代にもこんな人達はいるもんだ。出る杭は打たれて、お調子者が世を大きな顔をして世を渡っていく世界。
時代が変わっても、信念を通す息子の姿は親の仇を討ちに...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。