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Posted by ブクログ
完全に歴史小説の名手になったように思う。上巻だけで既にお腹いっぱい楽しませてもらっている。前半から中盤までは直家の人となりが醸成していく様を丁寧に筆致していて、後半は当主としての振る舞いを鮮やかに描写している。幼少期からの苦労した経験が活かされ、更に善定や紗代などの一角の人物との出会いを通して名君になっていったのがよくわかる。色事に多くのページを割いていたが、単純に事象を書いているわけではない。蒙古タンメン中本の辛さの向こう側が見えるのと同じような感覚を味わえて驚いた。情報と経済を極めて重視しており、そして事前の準備と最悪の状況も想定して行動している点、そして言葉に嘘がないという点は非常に魅力的に感じた。それにしても興家の親としても当主としてもダメっぷりが凄まじい。
宇喜多直家というお題
宇喜多直家。個人的には大好きな真田昌幸と同等の武将。でも主役として扱われた話が少ない。
そんな中での本書。ましてや幼少時からのお話。面白くない訳がないと思い読み進めたらまじで面白い。
あっという間に上巻読破。
さっさと下巻に行きます。
マジで面白いです。
Posted by ブクログ
宇喜多直家かあ、
さすが垣根涼介は目の付け所が良い。
西から毛利、東から織田の足音が聞こえてくる下巻へ。
作品紹介・あらすじ
死後440年、蹴りに蹴り続けられた男、宇喜多直家。その実像を浮き彫りにする。『光秀の定理』『室町無頼』『信長の原理』――歴史小説界に革命を起こし続ける著者が描く、戦国史上最悪と呼ばれた梟雄の素顔。自分は何故、零落した武門に生まれたのか。どうして自分は、このような孤独な星のもとに生まれたのか……答えは出ない。豪商・阿部善定は、没落した宇喜多家の家族をまるごと引き取る決意をする。まだ幼い八郎の中に、稀有な非凡さを見い出したがゆえである。この子であれば、やがて宇喜多家を再興できるのではと期待を寄せた。一方、八郎は孤独な少年時代の中で、商いの重要性に早くから気付き、町や商人の暮らしに強く惹かれる。青年期に差し掛かる頃、年上の女性・紗代と深く関わり合うことで、自身の血に流れる宿命を再確認する――八郎は、やがて直家となる。予め定められた星の許に生まれ、本人が好む好まざるにかかわらず、常に極彩色に血塗られた修羅道を突き進むことになるだろう。歴史は、常に勝者の都合によって捏造され、喧伝される。敗者は、彼岸にて沈黙するのみである。少年は、運命から自由になりたかった。だが、幼少の頃から武門の再興を定められていた。織田と毛利を天秤(はかり)にかけ、夢と現(うつつ)の狭間をあがき続ける。宇喜多家の存続のためには、どんなことでもする。我が死でさえも、交渉の切り札に使う。世間でいう武士道など、直家にとってはどうでもいい。そんなものは、犬にでも呉れてやる。直家は宇喜多家を再興し、石山城(岡山城)を国内商業の拠点と定める。同時に、近隣の浦上や三村と激しくつばぜり合いをくり返し、彼らの背後にいる巨大勢力の毛利・織田の狭間で、神経を削りながら戦い続ける。直家の生来の臆病さを良く知る妻のお福。生涯の恩人となった阿部善定。旧縁である黒田満隆と官兵衛の親子。直家が武士に取り立てた商人・小西行長……様々な人との関わりから、直家は世の理(ことわり)に気付いていく。――人の縁で、世は永劫に回り続けていく。
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