【感想・ネタバレ】涅槃 上のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年03月10日

少し読み進めただけで、これは間違いない!と思わされた。他の方の評価はいまいちなようですが、私にとっては過去に読んだ歴史小説の中でもトップクラスの面白さだった。宇喜多直家、こんなに面白い武将がいたなんて。

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Posted by ブクログ 2022年02月20日

初期作品から、歴史小説転向後も読んでます。
読みやすいタッチでスラスラ進みます。
今回は結構なボリュームで濡れ場があり驚き…。

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Posted by ブクログ 2022年02月20日

完全に歴史小説の名手になったように思う。上巻だけで既にお腹いっぱい楽しませてもらっている。前半から中盤までは直家の人となりが醸成していく様を丁寧に筆致していて、後半は当主としての振る舞いを鮮やかに描写している。幼少期からの苦労した経験が活かされ、更に善定や紗代などの一角の人物との出会いを通して名君に...続きを読むなっていったのがよくわかる。色事に多くのページを割いていたが、単純に事象を書いているわけではない。蒙古タンメン中本の辛さの向こう側が見えるのと同じような感覚を味わえて驚いた。情報と経済を極めて重視しており、そして事前の準備と最悪の状況も想定して行動している点、そして言葉に嘘がないという点は非常に魅力的に感じた。それにしても興家の親としても当主としてもダメっぷりが凄まじい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年11月24日

宇喜多直家の歴史小説。一族を滅ぼされ、福岡の豪商・阿部善定のもとで過ごすことになった幼少期から、武士になり、城を持ち、戦に勝ち、備前において、その地位を固めていく30~40代くらいまでのところまで。
垣根さんの女性観が、この小説でもハッキリ現れていて面白い。紗代さんのキャラクター設定とか。
商人とし...続きを読むて生きたかった直家の設定も、切ないが面白く読めた。宇喜多直家の事は、正直、あまり知らなかったのだが、とても興味を覚えたし、彼の感覚は、当時としては変わっていたのかもしれないが、現代としては仕事できる人そのものであり、もっと知られていても良いはずなのにな、と思った。
『歴史は、常に勝者の都合によって捏造され、喧伝される。』っていうのは、ホントにそうなんだろうね。勉強になるわぁ。

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購入済み

宇喜多直家というお題

2021年10月25日

宇喜多直家。個人的には大好きな真田昌幸と同等の武将。でも主役として扱われた話が少ない。
そんな中での本書。ましてや幼少時からのお話。面白くない訳がないと思い読み進めたらまじで面白い。
あっという間に上巻読破。
さっさと下巻に行きます。

マジで面白いです。

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Posted by ブクログ 2024年03月20日

雑誌のインタビューで著者自身が次のように語る。「斎藤道三・松永久秀と並んで悪名高き備前の戦国大名・宇喜多直家の生涯。悪人である宇喜多直家は、言われているほど非道でもなく、むしろとても現代的でモダンだ。いわゆる武将の枠をはみ出す異色の経歴。いち早く戦国の世において武士道的な非合理性より経済合理性を追求...続きを読むするその姿勢。かつて司馬遼太郎の『竜馬がゆく』が無名だった坂本龍馬の位置づけを変えたように、本作は日本史上の宇喜多直家の位置づけを転換させる大胆な解釈を施す」

歴史好きだけではなく、恋愛小説としての読みどころもある第一級のエンタメだと。『信長の原理』や『光秀の定理』で有名な垣根涼介氏。私はこの二作も読んだが、本作も面白くないわけがない!という一作。まだ上巻だが、期待を裏切らない。

触れ込み通り、主役の宇喜田直家に行為的、同情的なストーリー展開ゆえ、作者の意気込みがそのままネタバレっぽい気もするが、展開が織り込み済みなのは歴史小説ゆえのご愛嬌だろう。尚且つ、戦国時代ならではのスリリングなドラマ、何故か過度にエロティックな官能小説風味なシーンもあり〝エンタメ“を意識したサービス精神も感じる。下巻も楽しみに読めそうだ。

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Posted by ブクログ 2022年12月22日

宇喜多直家かあ、
さすが垣根涼介は目の付け所が良い。
西から毛利、東から織田の足音が聞こえてくる下巻へ。

作品紹介・あらすじ
死後440年、蹴りに蹴り続けられた男、宇喜多直家。その実像を浮き彫りにする。『光秀の定理』『室町無頼』『信長の原理』――歴史小説界に革命を起こし続ける著者が描く、戦国史上最...続きを読む悪と呼ばれた梟雄の素顔。自分は何故、零落した武門に生まれたのか。どうして自分は、このような孤独な星のもとに生まれたのか……答えは出ない。豪商・阿部善定は、没落した宇喜多家の家族をまるごと引き取る決意をする。まだ幼い八郎の中に、稀有な非凡さを見い出したがゆえである。この子であれば、やがて宇喜多家を再興できるのではと期待を寄せた。一方、八郎は孤独な少年時代の中で、商いの重要性に早くから気付き、町や商人の暮らしに強く惹かれる。青年期に差し掛かる頃、年上の女性・紗代と深く関わり合うことで、自身の血に流れる宿命を再確認する――八郎は、やがて直家となる。予め定められた星の許に生まれ、本人が好む好まざるにかかわらず、常に極彩色に血塗られた修羅道を突き進むことになるだろう。歴史は、常に勝者の都合によって捏造され、喧伝される。敗者は、彼岸にて沈黙するのみである。少年は、運命から自由になりたかった。だが、幼少の頃から武門の再興を定められていた。織田と毛利を天秤(はかり)にかけ、夢と現(うつつ)の狭間をあがき続ける。宇喜多家の存続のためには、どんなことでもする。我が死でさえも、交渉の切り札に使う。世間でいう武士道など、直家にとってはどうでもいい。そんなものは、犬にでも呉れてやる。直家は宇喜多家を再興し、石山城(岡山城)を国内商業の拠点と定める。同時に、近隣の浦上や三村と激しくつばぜり合いをくり返し、彼らの背後にいる巨大勢力の毛利・織田の狭間で、神経を削りながら戦い続ける。直家の生来の臆病さを良く知る妻のお福。生涯の恩人となった阿部善定。旧縁である黒田満隆と官兵衛の親子。直家が武士に取り立てた商人・小西行長……様々な人との関わりから、直家は世の理(ことわり)に気付いていく。――人の縁で、世は永劫に回り続けていく。

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Posted by ブクログ 2022年07月19日

面白いんだけど、直家のうらやまけしからんエピソードに引っ張られた感はある。
もっと男臭くい話で良いかとも思いました。やっぱりうらやまけしからん。

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Posted by ブクログ 2022年04月17日

ちょっと隆慶一郎っぽい。しかし垣根涼介節。
ちょっといい男すぎだろー、という。
前半、中盤、盛り上がる。
宇喜多直家のことは名前しか知らないレベルだったので、今後戦国時代を別の目線で見られるかも。

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Posted by ブクログ 2022年03月22日

宇喜多直家の城を追われてから元服しお家再興を果たし明禅寺崩れに勝利するまで。
幼少期に商家で庇護されたことで、独特の合理的思考と計算力、人物眼に優れる。
八郎が一生懸命ひたむきに物事に当たるので周りがつい手助けする様子が微笑ましい。槍の稽古は当然としても女性への手ほどきまで恐れ入る。
郎党がいないと...続きを読む知って助けた柿谷の心情が特に心に残った。

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Posted by ブクログ 2022年03月17日

父親の不甲斐なさや継母の仕打ちが酷すぎて読むのやめたくなりそうでした。
槍の師匠の柿谷。初陣に助力してくれて結局…泣けました。紗代との出会い。「足るを知る」

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Posted by ブクログ 2022年02月14日

垣根涼介さんの「信長の原理」が大好きでこちらも読んでいます。

とつぜんびっくりするくらいの濡れ場があるので、じゃっかん人にオススメしにくいですが面白くなるだろうと思って読んでる。

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Posted by ブクログ 2022年02月05日

戦国時代の小説は実に面白い。本書は宇喜多直家の幼少時第から一国一城の主となり四十代になるまでの物語だ。極貧の幼少年期、兜首を取り一国一城の主そして策略によって大きく領土を広げ三村との戦までの前半の話だ。やはり戦国時代の人物小説は手に汗握り面白いな❗️

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Posted by ブクログ 2022年01月22日

信長の野望、大河ドラマ、他の歴史小説でその存在に興味を持っていた宇喜多直家の事を深く知る事ができた。置かれた立場によってそれぞれに正義はある。弱者の戦略、商人的な合理的な考え方、自家の存続の為に自分が悪者になる潔さ、なかなかに好感の持てる人物であった。
歴史の脇役からの視点で有名な歴史上の人物や出来...続きを読む事を見るのも違った解釈ができて面白い。
かなりのページ数だが、夢中で読んだ。

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Posted by ブクログ 2022年01月19日

「戦国三大悪人」のひとりと言われる宇喜多直家の生涯。
没落した宇喜多家は商人の阿部善定に引き取られ世話を受ける。
善定のような商人になりたかったと語る八郎(直家)を描く。
善定と出会ったことで直家の運命は良い方へ流れたと思いたい。
下巻へ

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Posted by ブクログ 2021年12月04日

親父が城を失い、商人の家で育つ。
長じて浦上家の被官となり、備前に勢力を伸ばす。西方からの毛利、三村連合軍を明善寺合戦で破るとこまで。

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Posted by ブクログ 2022年10月28日

戦国時代の梟雄、宇喜多直家を描く歴史小説。

上巻は、宇喜多家の衰退と直家による再興を経て明善寺合戦まで。
気になる点の一つは、沙代の秘事指南と彼女への想いの深さが詳細に描かれていたこと。
後のお福とその間にできる秀家との話に大きな影響を与えるや否や。
もう一つは舅を殺めるなどを含めての謀略について...続きを読む、致し方ない理由が付けられていること。
最後に、明善寺合戦前の三村家親の暗殺に触れず、合戦まで家親が生きていること。
ダークな判断に至るまでの苦悩は描いてもいいが、卑怯な謀略は謀略として行ってしまったことはしっかり描いてほしいです。
とはいえ、人間 宇喜多直家としては面白いと思いますので下巻に期待です。

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Posted by ブクログ 2022年09月01日

上下巻の作品なので挫折するかと思いながら読み始め、戦国時代は好きだけど、宇喜多直家はなじみがなくどの様に生きてきたかわからない
下巻を楽しみに続けたい

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Posted by ブクログ 2021年12月24日

宇喜多直家が宇喜多家を再興し、領地を広げていく。
それにしても、性の修行、長すぎた!笑
下巻に続く。

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Posted by ブクログ 2021年10月20日

木下昌輝さんの「宇喜多の捨て嫁」を読んで以来、気になっている宇喜多直家。
仕物(暗殺)を得意とし、特に娘を嫁がせてはその家を滅ぼすという、武士としてはダークなやり方にネガティブなイメージを持っていた宇喜多直家を木下さんは様々な視点で新たな印象に変えてくれた。

今回の垣根涼介さんの「涅槃」は450ペ...続きを読むージ超上下巻という大作。
上巻では不遇の少年時代から宇喜多家再興までを描く。

木下版ではサラッと描かれていた少年時代に130ページを割いている。落城した砥石城から落ち延び、豪商・阿部善定に庇護された数年間は直家の人間形成や考え方の基礎を作ることになる。
父・興家は全く頼りにならないばかりか善定の娘と懇ろになり二人の息子まで儲けた末、宇喜多家の再興を直家に託し自害。直家は武士になることに希望を持てず、むしろ善定のように商いをすることに興味を示す。
だが宿命には逆らえず武士として仕官することが決まり、慌てて武芸に励む。
不遇の少年時代を過ごしたが、様々な人々との出会いがあり人の慈悲を受けるありがたさを知る。
だからこそ直家は槍働きが苦手で、だが商いを起点とした政治が上手く、家臣や民をまとめるのが上手い。

次の青年期では紗代という運命の女性との日々が描かれる。結局は結ばれない彼女との性愛の日々を何故執拗に描くのかは疑問だが、別れた後も紗代が直家の心に居座っているために、逆に直家の正妻や娘たちに対する淡白さが理解出来るように仕向けてあるのだろう。
つまり直家にとっての女性は紗代であり、正妻は武士として断れぬ相手から持ち込まれた縁組で娶っただけで、間に生まれた娘たちにしても大した思い入れはない。さらに言えば家を継ぐべき嫡男を儲けるつもりもなく、弟・忠家の子どもを養子にしたいと考えている。

だからこそ、正妻の父・中山信正を仕物する時も正妻に対する後ろめたさは感じていない。正妻も直家に恨みを残しながら家を出ていく。
だが一方で中山信正や仇敵・島村盛実を滅ぼす原因は主君である浦上兄弟の短絡さにあり、直家が独断で行ったり己の利益だけのために行ったわけではないことも描かれている。
多分下巻でも様々な仕物が描かれると思うが、そこにもやむを得ない理由が付けられることになるのだろうか。

確か、垣根さんはこの作品を書く理由に宇喜多直家の再評価を挙げていたと思う。
一見、仕物という卑怯な手で成り上がった嫌なヤツというイメージの直家だが一方で家臣や民には随分と慕われていたらしい。つまりそれだけ家臣や民を大切にしたということだろう。
この相反する二つのイメージをどう折り合いをつけ新たな宇喜多直家像に結実させるのか。

上巻ではやっと宇喜多家再興を果たしたものの、周囲は大きな敵だらけで常に領地を脅かされている。この後、下巻ではどのようにこのピンチを乗り越えて行くのか、注目しながら読んでいきたい。
とは言え、まだ下巻は手元にないのだけれど楽しみに待ちたい。

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Posted by ブクログ 2021年10月14日

 殺し殺されは武士の常。
 男の妬みは女のそれより根が深い。

 ここは土豪が乱立する備前の国。
 有力豪族であった宇喜多家だが、同じ浦上家家臣の島村氏に夜襲をかけられて落城し没落していた。
 一戦もせずに逃亡を図った現当主、興家と妻、そして幼子の三人は備前福岡の商人の家で逃亡生活を送っていた。
 ...続きを読む何もすることのない日々。
 そのやるせなさに、八郎は鬱屈していた。

 武士になんかなりたくなかった。
 八郎は成長し、やがて再びかつての主君、浦上のもとに出仕する。
 女を知り、槍を学び、そして一城の主として乱世を生きる。


 そこらのビジネス本を読むよりは、よほど役に立つ歴史小説。
 今回のテキストは、裸一貫から一城の主となるには。
 下巻に続く。

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