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大坂商人の吉兵衛は、風雅を愛する男伊達。兄の逝去により、将軍をも巻き込んだ相続争いに巻き込まれてしまう。吉兵衛は大坂商人の意地をかけ、江戸を相手に大勝負に挑む。第22回司馬遼太郎賞受賞作。
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Posted by ブクログ
時の権力に叩き潰されそうになりながら、文字通り不撓不屈で挑む主人公。大団円とは言い切れない結末も、続きが読みたくなる一冊
大坂豪商 辰巳屋の跡目争いが、大岡越前守、吉宗公を巻き込む騒動になっていく。 さすが朝井まかて、一気に読んでしまった。 時代小説の好きなところは、ストーリーも楽しめながら当時の文化や風習、経済など知らなかったことがわかるところ。 主人公は木津屋吉兵衛の視点で進んでいくが、知らず知らず応援していた...続きを読むほどキャラクターが魅力的に描かれている。 残り50ページになったとき、ここからどうやって挽回できるのか、するのか、とハラハラしてしまった。 誰が悪玉なのか、捉え方によって異なる。 大阪大学教授 高島先生の解説は本編を読んだ後に読むとよい。 当時の金銀貨の価値、経済、裁きなどなど着目点がわかりやすくまさに“解説”。 また読みたくなった。 朝井まかての作品は、読後が本当に良い。
大坂の商家の後継ぎ問題に大坂町奉行だけでなく幕府の中枢まで関与するなんて壮大なフィクションだなと思っていたら、後書によると詳細は別として大筋は史実だったのですね。 銀を基準とした商人の町 大坂と金が流通する武家社会の江戸との間で発生する、両替差益による経済の浮沈を巡る攻防が興味深い。 現代に生きる自...続きを読む分としては商人側を応援したくなりますが、幕府体制の安定が第一義である武家の理屈も理解できます。 そんな中で、大岡越前守が裁きの名手としてではなく、苦悩する役人として描かれているところも良かった。 司馬遼太郎賞受賞に納得です。
これは恐れ入った。 吉宗の時代、大疑獄事件になった、辰巳屋の相続のもつれ。 主人公の吉兵衛は、辰巳屋に生まれたが別家に養子に出された次男。辰巳屋の主人だった長男が亡くなり、養子がまだ若く不甲斐ないために、辰巳屋の跡を継いだ。 これが不当として奉行所に訴えられ、一旦は治ったものの、今度は江戸の目安箱に...続きを読む訴えが及び、江戸での訴訟となる。 吉兵衛の人となりが今ひとつ好きになれず、前半はとてもダラダラ読んでしまった。 訴訟となり、牢に吉兵衛が入ってからは、俄然面白くなり、一気に読み終えた。 彼が訴えられたために、確かに辰巳屋を潰したと言えるから、悪玉なのだろう。しかしながら、本当にダメだったのは彼なのか?そんな疑問がじわじわ。 制度の悪、慣習の悪、辰巳屋がいないほうが都合がいい者の悪、与えられた役割から逃げた悪、ちょっといろいろあって書ききれない。 養子が抱いた外聞の悪い恥を、訴訟の場でずっと黙っていた吉兵衛が、何とも粋だと思った。 この疑獄のおかげで多数の刑死者も出たわけだが、本当に悪かったのは吉兵衛なのかどうか。 作品中の敵役はたぶん唐金屋になるが、この唐金屋もなかなか曲者。 最後はそうきたか!とまた清々しくしてやられたので、読んで満足した。 正直なところ、辰巳屋の養子だった乙之介が、きちんと仁義をわきまえていれば、刑死者が出ることもなくおさまっただろうに、と思った。 吉兵衛は事件に連なって死んだ人にも思いを馳せたが、乙之介はどうだったのだろう。 何も感じずにただ被害者意識でいるなら、本当の悪は愚かな頭脳と覚悟の甘いこいつだわ、と感じた。 馬鹿は罪。
大坂商人の木津屋吉兵衛は優雅な生活を送っていたが、実家の辰巳屋久佐衛門の急逝で物語が展開する.大番頭の与兵衛に牛耳られていた辰巳屋の跡目争いで本命の乙乃助が与兵衛と組んで良からぬ企みを企ていることを察知した吉兵衛が動き始める.久佐衛門の満中陰は無事に終えたが、乙之助が訴訟を起こし最終的に吉兵衛は江戸...続きを読む送りとなる.牢名主らとうまく立ち回る吉兵衛は、自白はせず事件の拡大を横目で見ながら、最終的に黒幕の唐金屋与茂作との交渉で、遠島の沙汰を減じてもらうことになる.大坂商人の辛抱強い気質と多くの人を巻き込む人柄が最終的な勝利につながる物語だが、江戸時代の風景が滲み出てくるような記述には、著者の力量を感じた.
大岡越前守忠相日記に辰巳屋一件と記される実際にあった事件を作者が江戸対大阪、幕府の経済政策という観点から捉え直した歴史小説。 大阪の商家の相続争いがなぜ、江戸で裁かれ、死罪の者まで出ることになったのか?登場人物のくっきりとした人物像と相まって、納得できるストーリーになっている。 カバーはなぜ牡丹の...続きを読む花なのか?「悪玉」とどう関係するのか?最後まで読むと、そこに複数の意味が込められているのがわかる。
これは・・・忖度。 そりゃご政道は綺麗ごとでは済まないでしょうし、忠相の推察通りならそれは私利私欲ではないのだろうけど、吉兵衛の立場に立ってみれば何たる理不尽、不正義、悪逆非道。色々あっても概ね評価の高い将軍吉宗や大岡越前が何故に?と悲嘆にくれる思いです。(それだけ面白かった、と言うことです。念の...続きを読むため。) 唐金屋の大義は何だったんでしょうかね。商人のメンツとありますが、もしや単なる親馬鹿ではないのでしょうが。。。都市再開発のための地上げですか? とっても不思議ちゃんのお瑠璃が最後に少し、救いになりました。
第一章 満中陰 第二章 甘藷と桜 第三章 白洲 第四章 鬼門 第五章 依怙の沙汰 第六章 辰巳屋一件 第七章 波紋 第八章 弁財天 悪玉の一代記と思っていたら、もっと悪い奴がいっぱい出てきた。吉兵衛は「悪玉で無い」と言えないとは思う...続きを読むけどね。
大阪商人の跡目争い。 大阪東町奉行の裁きで一件落着した…はずだったが・・。 何故か将軍・吉宗直々の声がかりで、江戸にて再審の運びとなる。 背後で蠢く大きな力、 そして、 それぞれの思惑とは… 大阪、京を股にかけ、湯水の如く銀子を使い放蕩の限りを尽くし、己の身代を食いつぶす主人公・木津屋吉兵...続きを読む衛は、生家である薪問屋・辰巳屋を継いだ実兄・久座衛門の急死の知らせを受け駆けつけるが、かねてより反りの合わない辰巳屋大番頭・与兵衛が全てを取り仕切り、吉兵衛を蚊帳の外へ追いやる。 兄の娘・伊波の婿にと養子に迎えていた乙之助を操り、辰巳屋の身代を我が物にすべく策を弄する与兵衛だったが、吉兵衛によって全て封じられ、乙之助は行方を晦まし与兵衛は辰巳屋を追放される。 辰巳屋の跡目を継いだ吉兵衛は心を入れ替え、遊ぶ間も惜しんで兄亡き後の始末に奔走するが、実は莫大な武家への貸し付けで辰巳屋の身代も傾いている事が判明する。 そして、 ある日突然、大阪東町奉行に訴状が出され、吉兵衛は辰巳屋乗っ取りの嫌疑で裁かれる事になる。 訴人は、あの乙之助だった。 兼ねてから、同好の士として深く関わってきた馬場源四郎(大阪東町奉行・稲垣淡路守の用人)との関係もあり、無事お咎めなしの裁定が下るが、この事が後々想像を絶する大きな禍根となる。 社会の、理不尽極まりない力に翻弄される一人の男の凄まじい意地…矜持 ◯木津屋(辰巳屋)吉兵衛…辰巳屋の次男坊。十三歳で木津屋に養子に入る。放蕩三昧で木津屋の身代は潰える寸前。 ◯三郎太…吉兵衛の二十歳の頃からの遊び仲間。道頓堀の格式高い芝居茶屋・升屋の主人。異国の珍しい食べ物や、酒、品物にら通じている。武家と商人との「お手つなぎ」で小遣い稼ぎ。 ◯大和屋惣右衛門…同じく吉兵衛の遊び仲間。中之島指折りの両替商。 ◯馬場源四郎…大阪東町奉行・稲垣淡路守の用人。吉兵衛の文人仲間。 ◯唐金屋与茂作(右衛門佐政則)…泉州佐野浦の廻船問屋の主人。乙之助の父親。 諸国大名への貸付を始め、岸和田藩の財政まで握り、将軍・吉宗とも昵懇。 ◯大岡忠相…江戸町奉行から寺社奉行へ出世し大名格となった。大岡越前。 ◯伊波…吉兵衛の姪。乙之助とは反りが合わず、吉兵衛の次男・綱次郎に想いを寄せるが… ◯乙之助…伊波の婿として辰巳屋に養子に入った唐金屋与茂作の息子。実は男色。 ◯辰三…吉兵衛が江戸で勾留された牢の添役。切れ者で何かと吉兵衛にアドバイスをくれる。 ◯お瑠璃…親娘ほど歳の離れた後妻。島原の遊郭で禿をしていたのを一目惚れし、前代未聞の額で落籍た。
大阪炭問屋の主・木津屋吉兵衛は風雅を愛する伊達男。家業を顧みず放蕩の限りを尽くしていたところ、兄の訃報が舞い込む。店を我が物にしようと企む大番頭の策略で相続争いに巻き込まれた。
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