無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
1901年から、満州の広大な土地を巡ってさまざまな思惑が動いていく物語。
歴史上の出来事をもとに、その中で生きる人々が歴史の教科書のように平面でなく、立体的に浮かび上がってくるようで、ゾワゾワした。
そこに理想郷を築き上げようとした日本人。
あくまで満州国として現地の人々が統治することを望み、日本に石炭を輸入してもらおうとするが
軍はそうはしなかった。
日本が奪い取った土地で日本人がなにをしてもいいだろう!現地のものには働き口を与え、住まわしてやる!くらいの勢い。
やがて大きな戦争をひきおこし、最悪の結末になることも知らずに‥
後半が楽しみ。
はたして、須野明男はどんなことに関わってくるのか?
いままで亡くなっていった人々の思いは繋がっていくのか?
ただ1人教会を守り続け、誰であろうと助け続ける牧師に未来はあるのか?
Posted by ブクログ
歴史に疎く、これまで戦争を扱った作品はほとんど読んでないので、この作品は敬遠していた。
でも、高木という男の戦争に対する心情を読んだ瞬間から、物語の中へ完全に没入した。
そこからは面白くて途中でやめられず、朝方まで一気に読んでしまった。(それでワールドカップは起きられず…)
「満洲」の架空の都市を舞台に、理想の国家や都市を築こうとする人々と、その裏にある戦争の狂気が描かれている。
「自分の命よりも重要。でなければ滅びる」という高木の心理が心に突き刺さる。
自分の命より国が大事だなんて今の時代にはとても理解できない。
歴史の知識としては知っていたつもりだったけど、一人の人間の切実な思いとして読まされると、その異様さに改めて言葉を失う。
戦争の中で、なぜこんなにも人間性を失ってしまうのか。おかしいと思ってる人もいたはずなのに。
まさか事実であってほしくないと思っていた作中の出来事が、検索してみると日本人が実際に行っていたことだと知り、大きなショックを受けた。
本物の歴史の中に、架空の街や、架空の人々が必死に生きている。
この史実と虚構のブレンドが絶妙で、気づけば私のような歴史に疎い人間でも夢中になっていた。
さらに、私の大好きな「クセの強い変な人間」もしっかりと登場するので、純粋に面白くてページをめくる手が止まらなくなる。
気づけば『一人 小川哲さんフェア』も12冊目。小説ではこの作品が最後になってしまった。
歴史ものということで最後まで避けてきたけど、これまで読んできた小川作品の魅力がたくさん詰まっていた。
寝不足だけど、早く下巻を読みたい。
Posted by ブクログ
出てくる地名や川の名前に場所の注釈が無く
自分の不勉強のつけがとうとう回って来たなと思いながらも
背表紙に世界地図を描き、地名を調べながらプロットしていく始末(架空の地名も幾つかありました)
やっているうちに、楽しくなってしまい
この1冊のプロになってやるというスイッチオン
知らない単語に丸をつけ、余白に解説を書き込む
上下と読み切るまでに四日と時間を要しましたが、圧巻の小説でした
同じ直木賞受賞作品でもある「同志少女よ敵を撃て」でお馴染み、歴史的事件をミクロな視点で描く本作品は、それぞれの正義、視点が描かれており最後まで楽しめました
また、日露戦争について学び直すきっかけにもなり面白さもさることながら、為になる1冊となりました
大河ドラマ好きにおすすめ!
Posted by ブクログ
小川哲の直木賞受賞作。
満州というかつて様々な国の思惑が重なった地図に、様々な背景の人間が心を描く群像劇。
全部読み終えた今、高木が小刀を頑なに手放さなかったのは何故だろうと考えてみる。小刀が指す意味は『拳』であり、つまり戦争である。高木は葛藤の末、その拳を手放さなかった故に細川が命の危険に陥るものの、細川はその拳を回収することに成功する。
この物語において、戦争は決して肯定されるものではないが、その拳がなければ高木が決死の戦線に向かって死線を守ったように、今がこの形で存在していたかはわからない。戦争において、拳は必ず必要なものなのだ。
しばらくして、その細川によりオケアノスの意味を持つ名前を授かった須野明男が生を受け、明男はその小刀に興味を持つものの、母の恵子により取り上げられてしまう。
つまり、明男が請け負った使命は、拳を使用せずにオケアノスを目指すことだ。オケアノスを発見することはかのアレキサンダー大王すら成し遂げていない偉業であるにも関わらず、その手段である拳は取り上げられてしまった。そこで、明男は次なる手段として『建築』を習得していくことになる。
以上の流れから、小刀とは拳、つまり戦争の象徴であり、小刀を持たない明男は、戦争とは無縁の、平和を建築するための人物として育っていくこととなる。
さて、明男はこの惨劇の製造機である戦争のその先に、平和を築くことはできるのだろうか―――
Posted by ブクログ
最初は独特な世界観や登場人物の多さに戸惑い、難しい作品だと感じた。しかし、100ページを超えたあたりから徐々に世界観に慣れていき、気づけば物語に飲み込まれてページをめくる手が止まらなくなった。
名もない人間たちが生き、そして死んでいく。その一人ひとりの人生が積み重なり、一つの国家が形作られていく。その中には、それぞれの思惑や思想、理想や欲望が複雑に絡み合っている。
特に、大義を成すためには犠牲が必要なのかということを強く考えさせられた。大きな理想や国家のために犠牲になるのは、決して「ただの一人」ではなく、その人自身の人生なのだと思う。
上巻を読み終えて、これまで積み重ねられてきたものが、この先の満州でどうなっていくのかが非常に気になる。最初の難しさを乗り越えてからは、一気に引き込まれた作品だった。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
少女・女性マンガ
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸