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Posted by ブクログ
戦争では、なぜ人はここまで人間性を失ってしまうのだろう。
下巻で、その理由が少しわかった気がした。
とても印象的だったのは、死と隣り合わせの時にある人物が、戦争とは何の関係もないことを思い浮かべる場面。
あまりにも何気ないその思考が胸に残った。
もし自分が同じ状況に置かれたら、きっと私もそんなことを考えている気がする。
極限状態では、人はそうやって自分を保つしかないのかもしれない。
小川さんは、あえて戦争を劇的なドラマとして描いていない。
普通なら感動的な言葉が出てきそうな場面でも、あえてそう描かない。
そこにリアリティがあると思ったし、ドラマチックに感動させようとしないところが小川作品の好きなところでもある。
一人ひとりに人生があるはずなのに、戦争では消耗品のように失われていく。その現実が、恐ろしいほどリアルに感じた。
読み終えて、この一文の重みを改めて感じた。
「必要なのかわからぬ戦いのために、必要に違いない命を懸けて。」
Posted by ブクログ
上巻に引き続き時代は移ろう。
1932年満州国が建国。明男もまた建築を請け負うことになる。理想の国をまっさらなところから、築き上げていく。やりがいのあるプロジェクト。
しかしその一方で抗日感情が激しくなっていく。
我が者顔でのさばる日本人に現地の若者は拳をあげる。そして世界のあちらこちらでも戦争が激化していく。さらに領地を広げようと右往左往する。
教科書では数行の出来事ではあるが、その歴史は
間違いなくあったことで、その中で生きていた人々がいた。物語のようにいつまでも続くものと思う者もいれば、必ずや全て失うと予測していた者もいたのだろうか。
ひととき歴史の渦の中で揉まれた気分を味わえたかもしれない。
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