せき越えぬ(新潮文庫)

せき越えぬ(新潮文庫)

649円 (税込)

3pt

東海道箱根の関所には、曰くありげな旅人が訪れる。離縁され故郷に帰る女。江戸から夜逃げをした夫婦……。実直な番士武藤一之介は、親友の騎山市之助から関所に関する法外な依頼をされる。一之介は逡巡するも決断する。友の人生の岐路に際し何もしないのは裏切りも同然。たとえこの身に害が及んでも必ず友を助けなければならない――。関所をめぐる人間ドラマを描いた圧巻の人情時代小説。(解説・末國善巳)

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せき越えぬ(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    直木賞とってからさらに多くの本が出版された本屋の棚は溢れんばかりだ。手に取って読むとまた新しい違う文体で、やっぱり面白い。最初から面白いから。現代の闇を、事件を江戸時代に置き換えて描いたものが多くてわかりやすいね。箱根関所を超える物語はたくさん見てきたが、関所を守る務めるのは初めてだから、こんな役職

    0
    2023年10月23日

    Posted by ブクログ

    西條奈加さんの描く登場人物の、対峙する人の心中を推察してその中心にあるものをなるべく大切に汲み取ろうとする様が素敵で夢中になって読んでいます。
    武一の関所でのお勤めの日々、様々な問題に直面します。そのひとつひとつに心を動かし、時に怒り不貞腐れ、やきもきしたり。でもそんな日常の中でも心の内で決して動か

    0
    2023年07月30日

    Posted by ブクログ

    若者達が友人を信じ、家を超えて助け合う物語。この若者達の友情が清々しくて爽快だ。
    小田原藩の軽輩の息子と重臣の息子が剣道場を通じて、身分の垣根無く付き合ってきた。この気持ちが続き、関所の足軽や関所で同様にトラブルとなった同輩達とも親しく付き合うようになる。それを通じて関所の不正を協同で質したことによ

    0
    2022年04月04日

    Posted by ブクログ

    武士が主人公のお話は堅苦しそうで、どうかなと思いながら読み始めたが、武一や彼の父親と道場の師匠など身分にこだわらない人々のおかげで楽しげな会話が多く、宿場町で気軽に呑む場面も良い。
    箱根の関という、有名だが実態を見聞きしたことがあまり無かった機関が細かく描かれて興味深い。関所での少し退屈な日常業務と

    0
    2021年10月22日

    Posted by ブクログ

    「箱根の関所破り」である。
    タイトルからして派手な冒険話になりそうだが、そうではなかった。逆に、そうではないからこそ、リアルなのかもしれない。
    キャラ立てが良く、続編が出たら読みたい。

    0
    2023年06月01日

    Posted by ブクログ

    文庫本の表紙絵からは、時代小説の形を借りたライトノベルの様相。しかし、内容はしっかりとした小説。
    思わぬことから箱根関所の番士を命じられた「武一」と、親友の「騎市」とを中心に話が進められる。
    表題作の『関越えぬ』は、武一と呼ばれる若者が、出会った女性に一目惚れをする話し。
    2編目の『氷目付』。箱根関

    0
    2021年12月31日

    Posted by ブクログ

    「そこがうらやましくもあり、眩しくもある。わからぬと言いながら、おまえの描く先々には、必ず望みがあるからな」

    0
    2021年12月23日

    Posted by ブクログ

    202110/箱根の関所を舞台に関所役人・関所を超えようとする人達のエピソードを描いた短編連作集。主人公の「武一」こと武藤一之介が律儀で実直だけど、堅苦しさはなく能天気という性格なのも良かった。それぞれの章タイトル(せき越えぬ/氷目付/涼暮れ撫子/相撲始末/瓦の州/関を越える者)も見事。関所役人の日

    0
    2021年11月24日

    Posted by ブクログ

    せき越えぬ/氷目付/涼暮れ撫子/
    相撲始末/瓦の州/関を越える者

    武藤一之介 武一と呼ばれる彼は、文より武が得意。柔らかなその頭で考えながら物事に対処していく。相手の地位を横において人として付き合う姿勢には好感しかない。
    彼は友の難題にどんな対応をしていくのか……清々しくて嬉しくなった ふふふ

    0
    2021年11月01日

    Posted by ブクログ

    箱根の関所役人の日常が、いつの間にか二宮金次郎やシーボルトまで登場する史実混じりの憂国の志士の物語に変わっていた。
    でも、主要人物の造形が中途半端なのかイマイチ盛り上がりに欠けたなぁ。

    0
    2023年04月26日

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