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Posted by ブクログ
孝謙称徳天皇の時代は恵美押勝の乱があったり道鏡事件があったり、つまり女帝が特定の家臣を極度に愛してしまいそのため政治が混乱をきわめるという、そんな歴史的イメージを持つ天皇である。
しかしながらこの小説ではそんな悪いイメージを払拭してくれるばかりか、なぜ後世に女帝の悪い印象が残されたのかその理由も明確に示してくれている。
孝謙女帝が主人公だが、女帝が崩御されるところから話が始まる。女帝に仕えた女官の和気広虫の視点でストーリーが語られていく。光明皇后に引き立てられ絶大な権力を握った藤原仲麻呂がどのような生涯を送ったのか、道鏡がどのように女帝を救ってどう寵愛されたのか、女帝亡きあと誰によるどんな力で皇太子が定められたのか。あの時代に起こったさまざまなできごとの流れとその背景が解き明かされる。
もちろんこれは小説なので作者の脚色もあり、話に花を添えている。広虫に届いた飾り緒が誰からの贈り物なのか最後にわかる場面があり、思わず涙が出てしまった。
残念なのは、女帝の政治を通して作者は現代における男女平等社会の推進を強く主張しているように見える点である。男女平等はよいのだが「男の社会は悪、女の社会は善」と決めつけたような話の流れがやや鼻につくのと、皇室にも女性・女系天皇を容認すべきという主張が見え隠れしているようで、そこは少し不満を感じた。
最後まで読んだあとでもう一度冒頭の部分を読んでみると話の伏線がいくつか張られていることに気づく。ペルシャ猫が最初から登場しているではないか。
Posted by ブクログ
広虫(狭虫)視点、弟が糺した宇佐神託に一文加えたがために女帝の信頼を損なう。女帝死後許され都に戻るが、女帝をめぐる死の謎を解く過程で奈良朝政争の歴史が語られる。
言葉の力を信じる女帝。名は体を表す、文字は魂を宿す。
罪に落とす前に道祖王=麻度比(惑う)、黄文王=久奈多夫禮(愚か)、和気清麻呂(別部穢麻呂)
女帝は唐に憧れる(則天武后かも)元号が4文字、官職が唐風改称(言葉にこだわる)
作品では母と愛を競った仲麻呂の権力の元は光明子の宮職(749紫微中台)の長官となり、兵を掌握し、詔勅を独力で実施できる、新羅征討も計画、新天皇(淳仁天皇=淡路廃帝)も私邸で囲うなど権力を集中していたが、光明皇后死後、権力の根底を失う。新天皇と保良宮行幸の時に病の孝謙上皇を看病した道鏡(看病禅師)は呪術と最新知識で信頼を得て、藤原氏私欲のための政治を行う仲麻呂と淳仁天皇から政治を取り上げる決意を固めた孝謙上皇を吉備真備と共に支える。(作中解釈)
面白い!
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