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  • カラスは飼えるか(新潮文庫)
    4.6
    カラスはペットにできないの? カラスの肉って食べられるの? 頭の良さで知られながら嫌われもする身近な野鳥。彼らを愛してやまない研究者がその生態と魅力を熱く語る。フクロウや渡り鳥の秘密。伝説となったドードー。カラスじゃない鳥類についても考察しつつ、気が付けばまたアイツの話に――。カラス博士による愉快でためになるエッセイ集。あなたのカラスの見方がきっと変わる!
  • カラマーゾフの兄弟(上中下)合本版(新潮文庫)
    -
    物欲の権化のような父フョードル・カラマーゾフの血を、それぞれ相異なりながらも色濃く引いた三人の兄弟。放蕩無頼な情熱漢ドミートリイ、冷徹な知性人イワン、敬虔な修道者で物語の主人公であるアリョーシャ。そして、フョードルの私生児と噂されるスメルジャコフ。これらの人物の交錯が作り出す愛憎の地獄図絵の中に、神と人間という根本問題を据え置いた世界文学屈指の名作。 ※当電子版は新潮文庫版『カラマーゾフの兄弟』上中下巻をまとめた合本版です。
  • 仮釈放
    4.3
    1巻649円 (税込)
    浮気をした妻を刺殺し、相手の男を刺傷し、その母親を焼殺して無期刑の判決を受けた男が、16年後に刑法にしたがって仮釈放された。長い歳月の空白をへた元高校教師の目にこの社会はどう映るか? 己れの行為を必然のものと確信して悔いることのない男は、与えられた自由を享受することができるか? 罪と罰のテーマに挑み、人間の悲劇の原型に迫った書下ろし長編小説。

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  • カリ・モーラ(新潮文庫)
    3.4
    マイアミに暮らす美貌のカリ・モーラは25歳。故国のコロンビアでの凄惨な過去を背負い、移民として働きながら、獣医になることを夢見ている。彼女は麻薬王の邸宅管理のバイトがきっかけで、屋敷に隠された金塊を狙う犯罪集団の作戦に巻き込まれ、彼らと対立する臓器密売商の猟奇殺人者シュナイダーの妄執の的にもなってしまい――。極彩色の恐怖と波乱の展開に震える傑作サイコ・スリラー。
  • 華麗なる一族(上)
    4.2
    1~3巻825~902円 (税込)
    業界ランク第10位の阪神銀行頭取、万俵大介は、都市銀行再編の動きを前にして、上位銀行への吸収合併を阻止するため必死である。長女一子の夫である大蔵省主計局次長を通じ、上位銀行の経営内容を極秘裏に入手、小が大を喰う企みを画策するが、その裏で、阪神特殊鋼の専務である長男鉄平からの融資依頼をなぜか冷たく拒否する。不気味で巨大な権力機構〈銀行〉を徹底的に取材した力作。

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  • 華麗なる一族(上中下) 合本版
    5.0
    1巻2,596円 (税込)
    業界ランク第10位の阪神銀行頭取、万俵大介は、都市銀行再編の動きを前にして、上位銀行への吸収合併を阻止するため必死である。長女一子の夫である大蔵省主計局次長を通じ、上位銀行の経営内容を極秘裏に入手、小が大を喰う企みを画策するが、その裏で、阪神特殊鋼の専務である長男鉄平からの融資依頼をなぜか冷たく拒否する。不気味で巨大な権力機構〈銀行〉を徹底的に取材した力作。 ※当電子版は『華麗なる一族』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • かれが最後に書いた本
    4.0
    世界をおおった未曾有の蟄居の日々、友だちはあっちの世界に仲間入り。でも、本を開けばまた会える。かれらとのつながりは、いまのほうがつよく感じられる。樹木希林、鶴見俊輔、池内紀、橋本治、和田誠、加藤典洋、古井由吉、坪内祐三、平野甲賀……ページのむこうにある記憶の重なり。希代の本読みの読書案内、しみじみと完結。
  • 彼の生きかた
    4.3
    〈俺は人間の世界が嫌や。言葉も不自由やし……俺もお前たちの中に入りたいわ〉 ドモリで気が弱いために人とうまく接することができず、人間よりも動物を愛した福本一平は、野生の日本猿の調査に一身を捧げる決意をする。しかし、猿の餌づけに精魂をかたむける彼の前には、大資本が、無理解な人間たちが立ちふさがる。一人の弱い人間の純朴でひたむきな生きかたを描く感動の長編。

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  • 枯葉の中の青い炎
    3.6
    1巻605円 (税込)
    老いた名投手の悲願を叶えるため、災いが襲うことを承知で呪術を使う男の話「枯葉の中の青い炎」。一カ月だけ愛人と同棲したい、という夫の望みを聞き入れる妻が妖しい「ちょっと歪んだわたしのブローチ」。奇妙な匂いに誘われて妻の妹をレイプしてしまった男のモノローグ「水いらず」など、濃密な味わいを持つ六つの物語。
  • 可愛いエミリー
    3.8
    「勇気を持って生きなさい。世の中は愛でいっぱいだ」。最愛の父の遺した言葉を胸に、みなし子になったエミリーはニュー・ムーン農場に引きとられた。孤独で夢見がちな彼女は、伯父伯母から変わった子供だと言われながらも、書くことに熱中し、詩人か小説家になろうと決心する。著者は『赤毛のアン』シリーズで親しまれているが、より自伝的だとされるエミリー・シリーズの第一作。

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  • かわいい女・犬を連れた奥さん
    3.9
    演出家の妻になると、夫と共に芝居について語り、材木商と結婚すれば会う人ごとに材木の話ばかり。獣医を恋人にもった魅力的なオーレンカは、恋人との別れと共に自分の意見までなくしてしまう。一人ぼっちになった彼女が見つけた最後の生きがいとは――。一人のかわいい女の姿を生き生きと描いた表題作など、作者が作家として最も円熟した晩年の中・短編7編を収録。
  • 可哀想な蠅
    3.7
    1巻1,705円 (税込)
    近所で目撃した光景をツイートしたのをきっかけに絡んできた、粘着質なアカウント。芽衣子は、彼をスマホの中で「飼う」ことに決めるが――。SNSで、会社で、家の中で。どこからか湧いてくる、哀れな人たち。蓋をしてしまいたい感情。日常の裏で誰もが「見て見ぬふり」をしているものを突き付ける、ブラックな短篇集。
  • 変わったタイプ
    3.6
    月旅行を目指す高校からの四人組。西部戦線帰還兵のクリスマス。変わり者の億万長者とその忠実な秘書。男と別れたばかりの女がつい買ったタイプライター。ボウリングでセレブに上り詰めた男――。「良きアメリカの優しさとユーモアにあふれる短篇集」と各紙で賞賛された、人生のひとコマをオムニバス映画のように紡ぐ17の物語。
  • 川と星―東日本大震災に遭って―
    -
    2011年3月11日14時46分。多くの運命が変わったその日。ふらりと東北を訪れた私は、気ままな一人旅を楽しんでいた。でも、その瞬間、大きな揺れとともに、目の前の現実は無残に壊れていった……。背後に迫る津波、なぎ倒された建物、海に呑み込まれた街。そして入った原発の爆発事故のニュース。「小説新潮」に発表され、衝撃的な内容が大きな話題となった体験記が電子書籍として登場。

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  • 川のある下町の話
    -
    恵まれぬ大衆の生活の重みと苦しみが渦巻いて虚無の雑音によどむ庶民の街――これは、そこに住む貧しい医学生、清純な女学生、薄幸の美少女、知性の優れた女医、キャバレーの孤独な青年など、善意に満たされた人々の人間讃歌であり、また人間の脆さ、哀れさを奏でて死を思わせる虚無の歌でもある。頽廃と死をつきぬける青春の愛の姿に、いのちの美しさの極致を描く。

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  • 姦

    -
    1巻495円 (税込)
    土呂島には古代貴族の血を引くと伝えられる部族が住んでおり、奇妙なならわしが残っている。未婚のまま亡くなった女性は、高天原によみがえりができぬという。彼女らに施す「帰幽の法」とは……? 僻地に脈々と語り継がれて来た独特の因習とエロティシズムを見事に融合させた表題作「姦」をはじめ15篇の掌編小説を収録。
  • 考えすぎた人―お笑い哲学者列伝―
    3.7
    「ソクラテスより頭の強い人間はいますか」聞き間違えた神託のせいで頭突き勝負が始まって(「ソクラテスの石頭」)。論理学の講義が苦痛で仕方がない未来の大王は……(「アリストテレスの論理が苦」)。若く美しい婚約者とモメた四十男のヘーゲルは思慮深すぎる手紙を書くが(「ヘーゲルの弁証法的な痴話喧嘩」)。哲学史に燦然と輝く巨星たちを笑いのめし、叡智の扉へと誘うユーモア小説。
  • 考えられないこと
    4.0
    大阪大空襲で生家が焼けたことも知らず、終戦から半年後に復員してきた兄。混みあった電車のなかで、「君、結婚は?」と声をかけてきた兄の友人は、すでに戦死していた。誰にも言うなよと言って聞かされたその話を、語っておきたい――。若き戦没者たちを哀しむ表題作など八十七歳で書かれた三つの短篇に、詩三篇、日記を付す。
  • 考える障害者(新潮新書)
    3.9
    往々にして世間は障害者を汚れなき存在のように扱う。一方で、表には出てこないが、「厄介者」扱いする人もいる。そんな両極端の捉え方ってなんかヘンじゃないか――身体障害者芸人として20余年活動してきた著者は、偽善と建前を痛烈に嗤い、矛盾と盲点を鋭く衝く。「24時間テレビ」「バリバラ」「乙武氏」「パラリンピック」から「やまゆり園事件」まで、本音度100パーセントで書き尽くした、前代未聞の障害者論。
  • 考える親鸞―「私は間違っている」から始まる思想―(新潮選書)
    3.0
    右翼から左翼、文学者や哲学者まで、近代以降の論客がその魅力や影響を語り続けてきた国民的高僧・親鸞。「懺悔の達人」「反権力の象徴」「宗教の解体者」など、それぞれの親鸞論を読み解き、「絶対他力」「自然法爾」といった思想の核心に迫る。日本人の“知的源泉”に親鸞あり――。気鋭の研究者による、親鸞論の決定版!
  • 考える短歌―作る手ほどき、読む技術―
    4.1
    どうすれば気持ちを正確に伝えることができるのか。短歌上達の秘訣は、優れた先人の作品に触れることと、自作を徹底的に推敲吟味すること。ちょっとした言葉遣いに注意するだけで、世界は飛躍的に広がる。今を代表する歌人・俵万智が、読者からの投稿を元に「こうすればもっと良くなる」を添削指導。この実践編にプラスし、先達の作品鑑賞の面からも、表現の可能性を追究する。短歌だけに留まらない、俵版「文章読本」。

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  • 管見妄語 大いなる暗愚
    完結
    4.0
    郵政民営化も時価会計も医療改革も市場主義万能論も米国の策略である。Jリーガーよ、紳士たれ。政治家は国民に迎合するな──国を憂えるプロフェッサー藤原は、日本人に警鐘を鳴らす一方でギョウザ、英国人の美風、文語、浮世絵、健気な教え子、ひばりの歌……素晴らしいものは褒めちぎる。勿論、自らの魅力に満ちた風貌と人格を自覚し、ハニートラップへの注意も怠りないのであった。
  • 韓国窃盗ビジネスを追え―狙われる日本の「国宝」―
    4.0
    長崎県壱岐島の安国寺、兵庫県の鶴林寺……日本各地の寺院から次々と盗まれる高麗仏画や経典。それらは韓国で高額で売買され、一部が堂々と国宝に指定されたという疑惑も。「元々は我々のもの、取り返して何が悪い」と開き直る古美術商や、彼らからの注文を受け暗躍する窃盗団たち。竹島だけではない、日韓の“火種”に迫る。

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  • 韓国 超ネット社会の闇(新潮新書)
    -
    新大統領・尹錫悦がネットで犯した致命的なミス、日本の政治家もマネしたくなる30代政権党トップのSNS術、PSY、BTS、『イカゲーム』を生み出したコンテンツ力、反日不買の震源地となるなど世論を動かす「オンライン・コミュニティ」の実態、鬼畜化するデジタル性犯罪……。朴正煕、金泳三の両大統領によって蒔かれたIT大国の種がいかに萌芽したのか。その光と陰を余すところなく映し出す。
  • 韓国への絶縁状―変見自在セレクション―
    4.8
    レーザー照射での「逆ギレ」、慰安婦問題の「捏造」、徴用工裁判での「タカり」に、挙句は天皇陛下への謝罪要求という「傲慢」ぶり……政治も司法も平気でウソをつき、好意を悪意で返す「僻み返し」の国民性。こんな「人格破綻」国家とは、もはや国交を絶つしかない。大人気シリーズ選りすぐりの30本が「迷惑千万な隣国」の本性を明かす!
  • 韓国民主政治の自壊(新潮新書)
    4.0
    文在寅大統領は在任期間中、一貫して民主政治を壊そうとしていた。三権分立を無視した検事総長の解雇、検事や裁判官を捜査するための「ゲシュタポ機関」創設、「メディア懲罰法」制定の試み……。そのすべては「従中・反米・親北」という政治路線と符合していた。文在寅にクビにされたその検事総長が新大統領に就任した今、果たして韓国は変わるのか。朝鮮半島「先読みのプロ」による冷徹な観察。
  • 関西赤貧古本道
    3.4
    入口の均一台を見逃すな。絶版文庫を探せ。古雑誌の山に向かえ。検印紙も魅力のうち。書き込み本を無視するなかれ。古書目録は面白い。古本祭りには攻略法がある。ネット・オークションに参加したら。いつか売る日はやってくる。……自慢じゃないが、金はない。しかし誰より古書が好き。この三十年、「均一台の鬼」となり、赤貧古本道をまっしぐら。安い本には滅法強い著者の執念と超絶技巧の数々。

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  • かんじき飛脚(新潮文庫)
    3.8
    江戸老中松平定信から、内室同伴という前例のない宴に招かれた加賀藩主前田治脩。それは治脩の内室が病床にあることを知った定信が、藩を意のままにしようと企てた陰謀だった。窮地に陥ったお国の命運を救うため、選ばれたのは16人の飛脚。彼らの任務は、病の特効薬「密丸」を運ぶこと。行く手には、大雪、荒海、刺客が立ち塞がる――戦う男たちの心意気に圧倒される、骨太の傑作時代長編!(解説・児玉清)
  • 漢字のいい話(新潮文庫)
    4.0
    「道」という文字には怖い意味がある。「女」「母」「婦」「妻」などの文字からわかる古代人の女性観は? 「為」は昔、中国に象がいた証拠! 甲骨文字の由来や筆記用具と書体の密接な関係、ローマ字に比べ「遅れた文字」とされてきた漢字が、コンピュータやスマホの時代には意外に便利で新しいことなど、日本人が日常的に使う表意文字の面白さと奥深さを、漢字学の第一人者が縦横無尽に語る。(解説・阿刀田高)
  • 患者が知らない開業医の本音(新潮新書)
    3.4
    まさかの脳動脈瘤発症、大学病院で働けなくなった著者に残された道は「開業医」だった。貯金少なめ、経営知識ゼロでどうする? 飛び込むとそこは開業医だけが知る医療のワンダーランド。患者の取り合い、鼻血から小児難病まで、クレーマー、高額な医師会費、コロナで収入激減。「よう、儲かってる?」なんて聞かないで――。医師の実力とは、と問い続けながら日々奮闘する舞台裏を、ユーモアを交えて明かす。
  • 歓声から遠く離れて―悲運のアスリートたち―
    3.9
    類い稀なる才能を持ちながら、勝ち切れなかった人がいる。勝利の女神に翻弄され、己を見失った人がいる。栄光を手にする選手の陰で、最後のピースを探し、暗闇の中で彷徨う彼ら。勝敗が全ての世界で、彼らは何を考え、その果てに何を見つけたのだろうか。人生のままならなさに、懸命に、ときにしなやかに立ち向かう5人の軌跡。文庫オリジナルで贈る、傑作スポーツノンフィクション。
  • 邯鄲の島遥かなり 上
    4.1
    1~3巻2,530~2,695円 (税込)
    神生島にイチマツが帰ってきた。神か仏のような人間離れした美貌の一ノ屋松造は、島の女たちと次々に契る。そして生まれた子供には、唇のような形の赤痣が身体のどこかにあった。またその子供たちにも同じ痣が――。明治維新から「あの日」の先までを、多彩な十七の物語がプリズムのように映し出す。
  • 官邸は今日も間違える(新潮新書)
    3.8
    コロナ禍の日本政治は迷走が続いた。突然発表された全国一斉休校に、閣議決定をやり直した一律給付金、アベノマスクと揶揄された布マスクの配布……。現場に混乱を生み、国民の信頼を損なう政策はなぜ生まれたのか。原因は「官僚主導」から「官邸主導」への変化に、政治の仕組みが対応できていないことにある。元厚労省キャリアが、もつれた糸を解きほぐし、政治と官僚、国民のあるべき姿を提示する。
  • 寒灯
    3.9
    1巻1,144円 (税込)
    「ぼく、おまえをずっと大切にするから、今後ともひとつよろしく頼むよ」ようやく手に入れることが叶った恋人との同棲生活。仲睦まじく二人で迎える初めての正月に、貫多の期待は高まるが、些細な事柄に癇の虫を刺激され、ついには暴言を吐いてしまう。あやうく垂れ込める暗雲の行方は――。待望の〈秋恵〉シリーズ最新作。

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  • カンパニー(新潮文庫)
    3.9
    あなたって、どこでも傍観者なのね。家を出た妻にそう告げられ、47歳の会社員・青柳誠一は呆然と佇む。そして災厄は会社でも――。窓際部署に異動か、社が後援するバレエ団への出向、どちらかを選べと迫られた青柳は「白鳥の湖」公演の成功を目指すことに。スポーツトレーナーの瀬川由衣や天才バレエダンサー・高野悠らと共に突き進むが、次々と困難が……! 読めば力湧く崖っぷちお仕事小説。(解説・藤田香織)
  • 完黙の女
    3.6
    1巻2,310円 (税込)
    小4男児が自宅を出たまま失踪した。時効目前の15年後、子供の骨を持ち運んでいた女が殺人容疑で逮捕される。女は苛烈な取り調べにも沈黙を貫き、判決は無罪。――やがて別の失踪事件との間に奇妙な共通点が浮上する。実在の未解明事件をベースに、あの福田和子にも擬された「沈黙の魔性」を描く実話ミステリーの新境地。
  • 還暦老人ボケ日記
    -
    1巻550円 (税込)
    60歳になったのを機に絶筆宣言をするも、「これが無いと暮せない」ため書き続けたという、還暦後の生活を綴った日記。競馬に野球に、ショッピングと、活動的な毎日を溌剌とした文章で書き綴る。「男性自身シリーズ23」として出版された。
  • カーテンコール
    4.0
    結婚からわずか4年。幸せな毎日を送る女優を襲ったのは、治療困難といわれる「肝内胆管がん」 だった──。治療法を探し求めたセカンドオピニオン。覚悟して臨んだ腹腔鏡手術。手術前夜に病室で綴った「遺書」。そして、夫が書き記す、激やせ騒動と衝撃の死の真相。最後まで「川島なお美」を演じきった、ある女優の生き様。
  • カーテンコール!(新潮文庫)
    4.2
    閉校が決まった私立萌木女学園。単位不足の生徒たちをなんとか卒業させるべく、半年間の特別補講合宿が始まった。集まったのは、コミュ障、寝坊魔、腐女子、食いしん坊……と個性豊かな“落ちこぼれ”たち。寝食を共にする寮生活の中で、彼女たちが抱えていたコンプレックスや、学業不振に陥った意外な原因が明らかになっていく。生きるのに不器用な女の子たちの成長に励まされる青春連作短編集。(解説・岩田徹)
  • 骸骨巡礼―イタリア・ポルトガル・フランス編―(新潮文庫)
    3.7
    ローマの教会やリスボンの墓地、パリの大聖堂。南欧の明るい日差しの下、理性的なはずの欧州に、骸骨で部屋を飾りつけた納骨堂や日本では見かけないような奇妙な墓がある。日本人とヨーロッパ人との身体感の相違に着目し、自然と社会における森羅万象に思いを馳せる。意識と感覚の関係を考察し、無言の死体と格闘する「修行」を通じて辿りついた悟りともいえる新境地! 『骸骨考』改題。(解説・髙橋秀実)
  • ガイズ&ドールズ(新潮文庫)
    NEW
    -
    賭け事にとり憑かれた生粋のギャンブラーが一目惚れしたのは、魂を救済するため布教活動に従事する清廉な美女だった――。『ガイズ&ドールズ』の題名でおなじみのミュージカルや映画の原作者として知られ、ブロードウェイを舞台に悲喜こもごもの人間喜劇を描き続けたデイモン・ラニアン。ジャズ・エイジを代表する短篇の名手の歴史的デビュー作品集を、オリジナル収録そのままに紹介する。(解説・小森収)
  • 画家とモデル―宿命の出会い―(新潮文庫)
    3.8
    生涯独身を貫き、人知れず青年のヌードを描いたイギリス屈指の肖像画家サージェント。身分違いの女公爵への恋文を絵に潜ませた宮廷画家ゴヤ。遺伝性疾患のために「半人半獣」と蔑まれた少女を描いたイタリアの画家フォンターナ。15年にわたり人妻と密会して描き続けたリアリズムの巨匠ワイエス……。不世出の画家たちが画布に刻みつけた、モデルとの濃厚にして深淵なる関係を読み解いた論集。(解説・諏訪敦)
  • 学生を戦地へ送るには―田辺元「悪魔の京大講義」を読む―
    3.8
    日米開戦前夜、京都大学の哲学教授・田辺元は学生たちに「悠久の大義のために死ねば、永遠に生きられる」と熱く語りかけ、その講義録『歴史的現実』はエリート学生のバイブルとされた。若者たちを死に至らしめた巧妙なロジックとは? 田辺の矛盾と欺瞞を暴き、〈戦前回帰〉の進む現代に警鐘を鳴らす、佐藤優渾身の合宿講座全記録。
  • 楽隊のうさぎ
    3.6
    「君、吹奏楽部に入らないか?」「エ、スイソウガク!?」――学校にいる時間をなるべく短くしたい、引っ込み思案の中学生・克久は、入学後、ブラスバンドに入部する。先輩や友人、教師に囲まれ、全国大会を目指す毎日。少年期の多感な時期に、戸惑いながらも音楽に夢中になる克久。やがて大会の日を迎え……。忘れてませんか、伸び盛りの輝きを。親と子へエールを送る感動の物語。

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  • ガサコ伝説―「百恵の時代」の仕掛人―
    3.7
    1960年6月。部数百万の国民的芸能誌「平凡」に、一人のアルバイトが雇われた。彼女の名は折笠光子、通称「ガサコ」。男勝りのバイタリティと細やかな気遣いで瞬く間に活躍の場を得た彼女は、七〇年代アイドルスター全盛時代を動かす仕掛人にまでなったが……。伝説の編集者の栄光と挫折の生涯を追った感動のドキュメント。

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  • 楽毅(一~四)合本版(新潮文庫)
    -
    古代中国の戦国期、「戦国七雄」にも数えられぬ小国、中山国宰相の嫡子として生まれた楽毅は栄華を誇る大国・斉の都で己に問う。人が見事に生きるとは、どういうことかと。諸子百家の気風に魅せられ、斉の都に学んだ青年を祖国で待ち受けていたのは、国家存立を脅かす愚昧な君主による危うい舵取りと、隣国・趙の執拗な侵略だった。才知と矜持をかけ、若き楽毅は祖国の救済を模索する。 ※当電子版は新潮文庫版『楽毅』一~四巻をまとめた合本版です。
  • 学校の近くの家
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    先生たちのキャラクター。男子と女子の攻防。隣の学区への小さな旅。PTAと子ども会。行事をめぐる一喜一憂。父との微妙な距離感。連続誘拐殺人事件の影。深まる母の謎――。小学生自身の視点で克明に立ち上がる、ノスタルジーも無垢も消失した、驚くべき世界像! 三島賞作家による、スーパーリアルな「小学生小説」。
  • ガラシャ
    3.8
    明智光秀の娘として美しく成長した玉子。主君である織田信長の媒酌で、細川藤孝の子・忠興と華燭の典を挙げ、平穏な日々を送っていた。だが、突如発生した本能寺の変。実父の犯した罪により蟄居を命じられた玉子は、幽閉先で出会った男に惹かれてしまう。愛の何たるかも知らず妻となった女を苦しめる恋の業火──。絶世の美女と謳われた細川ガラシャの人生を描く華麗なる戦国純愛絵巻。
  • ガラス玉演戯(上)
    -
    ガラス玉演戯――学問と、美の崇拝と、瞑想という三つの原理の融合――の名人ヨーゼフ・クネヒトの、芸術的香気の高い理想郷カスターリエンにおける活躍と現実世界でのさまざまな苦悩とを描いて、戦争と雑文的文化に明け暮れる二十世紀文明に対する反極として構成された、ヘッセの芸術と知恵との最高の結晶。上巻。
  • 硝子戸の中(新潮文庫)
    NEW
    4.0
    硝子戸の中から外を見渡しても、霜除けをした芭蕉だの、直立した電信柱だののほか、これといって数えたてるほどのものはほとんど視野に入ってこない――。宿痾の胃潰瘍に悩みつつ次々と名作を世に送りだしていた漱石が、終日書斎の硝子戸の中に坐し、頭の動くまま気分の変るまま、静かに人生と社会を語った随想集。著者の哲学と人格が深く織りこまれている。(解説・石原千秋)
  • 硝子の葦(新潮文庫)
    3.9
    道東・釧路で『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が交通事故で意識不明の重体となった。年の離れた夫を看病する妻・節子の平穏な日常にも亀裂が入り、闇が溢れ出す――。彼女が愛人関係にある澤木とともに、家出した夫の一人娘を探し始めると、次々と謎に直面する。短歌仲間の家庭に潜む秘密、その娘の誘拐事件、長らく夫の愛人だった母の失踪……。驚愕の結末を迎える傑作ミステリー。(解説・池上冬樹)
  • ガラスの靴(新潮文庫)
    4.5
    まま母と二人の義理の姉にこき使われても明るく暮らす16歳の少女エラ。お城から舞踏会への招待状が届くが、まま母の意地悪でエラは留守番。悲しみに暮れる彼女に、美しい妖精が魔法をかけて――。輝く宝石と煌めくドレス、珍しいご馳走、不思議な道化、無邪気なダンス、極上の砂糖菓子、そして王子のキス。夢のように魅惑的な言葉で紡がれた、ときめきと幸せが溢れだす永遠のシンデレラ物語。
  • ガリンペイロ
    3.3
    この場所を明かした者は死を覚悟すべきである――。生意気な新入り《ラップ小僧》、殺人の前科者《縮れ男》、ゴミ箱で発見された捨て子《マカク》……。アマゾン最深部にある非合法の金鉱山は、「掟」に従うならば、どんな人間でも受け入れる。泥に塗れ黄金を探す男たち(ガリンペイロ)の虚栄と嘘、微かな真実。NHKスペシャル、待望の書籍化!
  • ガリヴァ旅行記
    3.9
    船員ガリヴァの漂流記に仮託して、当時のイギリス社会の事件や風俗を批判しながら、人間性一般への痛烈な諷刺を展開させた傑作。
  • 贋作・桜の森の満開の下
    4.0
    1巻330円 (税込)
    ヒダの匠の弟子である耳男と山賊のマナコ、素性を語らないオオアマの3人は、ヒダの王家の夜長姫と早寝姫のために仏像を彫ることを命じられた。しかし、3人の仕事は一向に進みそうになく―。坂口安吾の「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳男」を下敷きに、人間と鬼が混在するという設定のユニークさや言葉遊びをふんだんに織り交ぜて描かれた作品。
  • がん征服
    NEW
    -
    平均余命15カ月。手術や抗がん剤、放射線では治せない悪性脳腫瘍「膠芽腫」に3つの最新治療法が挑む。原子炉・加速器を使うBNCT。楽天の三木谷浩史が旗を振る光免疫療法。そして「世界最高のがん治療」と礼賛されるウイルス療法。産学官を横断して取材を重ね、「がんvs.人間」の最前線をまるごと描き出すノンフィクション。
  • ガンに生かされて
    3.9
    映画「Life 天国で君に逢えたら」原作。「天国で、逢おう」妻と幼い子ども4人を残し、38歳の著者は逝った――。末期ガンの宣告を受けた世界的プロウィンドサーファーが、最期の場所としてハワイを選び移住。家族との間に生まれた深い心の交流に、「ガンになってよかった」と思い、日々を生きた――。余命宣告期限を超えて188日、死ぬ間際まで綴りつづけた“命の記録”がここに! 「最後まで、生かされた、生きようとしていた、と感じた」――妻の付記も収録した感涙必至の一冊。

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  • がんの消滅―天才医師が挑む光免疫療法―(新潮新書)
    4.5
    原理はシンプル――だがその画期的機構から「第五のがん治療法」と言われ、世界に先駆け日本で初承認された「光免疫療法」。研究者たちが「エレガント」と賞賛し、楽天創業者・三木谷浩史が「おもしろくねえほど簡単だな」と唸った「ノーベル賞級」の発見は、なぜ、どのように生まれたのか。各メディアが取り上げた天才医師に5年間密着、数十時間のインタビューから浮かび上がる挫折と苦闘、医学と人間のドラマ。
  • 雁の寺・越前竹人形
    4.3
    1巻528円 (税込)
    “軍艦頭”と罵倒され、乞食女の捨て子として惨めな日々を送ってきた少年僧・慈念の、殺人にいたる鬱積した孤独な怨念の凝集を見詰める、直木賞受賞作『雁の寺』。竹の精のように美しい妻・玉枝と、彼女の上に亡き母の面影を見出し、母親としての愛情を求める竹細工師・喜助との、余りにもはかない愛の姿を、越前の竹林を背景に描く『越前竹人形』。水上文学の代表的名作2編。
  • 岩盤規制―誰が成長を阻むのか―(新潮新書)
    4.0
    数十年の長きにわたって、この国をがんじがらめにしてきた岩盤規制。一九八〇年代の土光臨調以来、昨今の獣医学部新設問題まで、それを打ち砕く試みは繰り返されてきたが、道はまだ半ばだ。なぜ岩盤規制は生まれ、どのように維持され、今後の日本経済の浮沈にどうかかわるのか。そして、官僚とマスコミはこの旧弊をどう支えたのか。現場の暗闘を知るトップブレーンが、改革の現状と未来をわかりやすく指し示す。
  • ガン病棟の九十九日
    -
    ガン患者が感ずる死への恐れも生への希望も、自己不信も、医者・家族に対する疑惑も、すべてがここにはある――田中金脈追及でジャーナリストとしての力を見せ、将来を期待されながら急逝した著者が、ガン病棟で死と闘う自身の姿を、冷静な筆致で描き出した最後のルポルタージュ。表題作のほかに、絶筆となった「さるのこしかけ」、「闘病ノート」、正子夫人の「手記」を収録した。
  • キアズマ
    4.0
    ふとしたきっかけでメンバー不足の自転車部に入部した正樹。たちまちロードレースの楽しさに目覚め、頭角を現す。しかし、チームの勝利を意識しはじめ、エース櫻井と衝突、中学時代の辛い記憶が蘇る。二度と誰かを傷つけるスポーツはしたくなかったのに――走る喜びに突き動かされ、祈りをペダルにこめる。自分のため、そして、助けられなかったアイツのために。感動の青春長編。
  • 黄いろい船
    -
    1巻539円 (税込)
    長年つとめた会社を解雇された男の沈鬱な心情は、ゆったりと童話じみて大空を浮游する黄いろい飛行船に幼時の夢の幻影をうつし出した――中年の男の心の中に生きる《少年》への愛惜と訣別を描く表題作。ほかに『霧の中の乾いた髪』『こども』など、幼い遊びや反抗期と問題児、初恋と性の目覚めなどを弾力のある観察でとらえ、少年期の微妙な心を鮮やかに描く中短編全5編を収録。
  • 黄色い目の魚
    3.9
    1巻693円 (税込)
    海辺の高校で、同級生として二人は出会う。周囲と溶け合わずイラストレーターの叔父だけに心を許している村田みのり。絵を描くのが好きな木島悟は、美術の授業でデッサンして以来、気がつくとみのりの表情を追っている。友情でもなく恋愛でもない、名づけようのない強く真直ぐな想いが、二人の間に生まれて――。16歳というもどかしく切ない季節を、波音が浚ってゆく。青春小説の傑作。

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  • 消えた警官(新潮文庫)
    3.5
    小幡弘海巡査部長は、二年前に忽然と姿を消した。生活安全課に異動した矢先のことだ。綾瀬署に所属する、柴崎令司警務課長代理、上河内博人警部、高野朋美巡査の三人は、小幡についての捜査を始める。ひき逃げ。老女の不審死。女子高生絞殺。足と頭脳で難事件を解決しながら、三人は底知れぬ謎へと迫ってゆく。警視庁が放棄した失踪事件に果てはあるのか。あなたの胸を貫く本格警察小説。
  • きえもの
    3.6
    1巻1,870円 (税込)
    ネクター・ハチミツ・鳩サブレー……。幾つもの「きえもの」=「たべもの」を切り口に、ありふれた日常の風景の中に非日常への扉を描き出す。現実と夢、有と無、わかるとわからない、重なり混じり合う境界線を飛躍するその一瞬を、鮮やかに切り取ってゆく。ドゥマゴ文学賞を受賞した気鋭の歌人による、燦めく言葉の万華鏡。
  • 奇貨
    4.0
    男友達もなく女との恋も知らない変わり者の中年男・本田をとらえたのは、レズビアンの親友・七島の女同士の恋と友情だった。女たちの世界を観察することに無上の喜びを見出す本田だが、やがて欲望は奇怪にねじれ……。熱い魂の脈動を求めてやまぬ者の呻吟を全編に響かせつつ、男と女、女と女の交歓を繊細に描く友愛小説「奇貨」と、著者26歳の時に書かれた危うい思春期小説を併録。
  • 飢餓海峡(上)
    3.8
    1~2巻649円 (税込)
    樽見京一郎は京都の僻村に生まれた。父と早く死に別れて母と二人、貧困のどん底であえぎながら必死で這い上がってきた男だ。その彼が、食品会社の社長となり、教育委員まで務める社会的名士に成り上がるためには、いくつかの残虐な殺人を犯さねばならなかった……。そして、功なり名を遂げたとき、殺人犯犬飼多吉の時代に馴染んだ酌婦、杉戸八重との運命的な出会いが待っていた……。

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  • 祈願成就(新潮文庫)
    NEW
    3.0
    凄惨な事故死を遂げた郁美。その葬儀を機に、大人になった幼なじみ四人が再会した。小学生の頃の郁美は、仲間たちそれぞれの願いを叶えるため、雑木林でおまじないの儀式を行なっていた。彼女の死を境に、儀式に参加した四人は不気味な影に悩まされ、おぞましい事故や原因不明の災厄に見舞われる。無邪気な遊びに潜む恐ろしい罠とは――平穏な日常が暗転する、絶望に満ちたオカルトホラー。
  • 危機の外交 岡本行夫自伝
    4.7
    コロナ禍で命を落とした不世出の外交官は、秘録と呼ぶべき経験と日本の課題、そして真の脅威についてつぶさに書き遺していた。世界を巻き込んだ湾岸戦争、イラク戦争における外交の舞台裏。幻の普天間基地移設プラン――外務官僚の枠を超え、難題の真っ只中に自ら飛び込み続けた「特命外交官」による圧巻のノンフィクション。
  • 菊慈童
    -
    人が“老いて生きる”とは何なのだろうか。養女夫婦に家を追い出され、若い男に情愛を傾け死んでいった八十四歳の田之内せき。菊水を飲み、八百年美童の姿を保ったという「菊慈童」を八十歳を過ぎた今、最後の力で演じようとしている能役者桜内遊仙。七十半ばの女流作家香月滋乃の眼に映る様々な“老い”の姿を通して、老年の内部に潜む妖しい妄執を描き、芸術と官能の深奥を探る。
  • 菊月夜
    3.6
    四年間の江戸詰めの間に許婚・小房の父が狂死し家族は追放されるという運命に遭った信三郎が、事件の決裁に疑問をいだいて真相をさぐり、小房と劇的に再会するまでを描いた「菊月夜」。周五郎が年少の読者に向けて、母の愛とは何かを感動的に語りかけた「花宵」「おもかげ」。ほかに「柿」「一領一筋」「蜆谷」や、名作「青べか物語」の原型となった「留さんとその女」「蛮人」など全10編。

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  • きげんのいいリス
    3.8
    ブナの樹の上に暮らす忘れっぽくて気のいいリス。知っていることが多すぎて、頭の重みに耐えかねているアリ。始終リスを訪ねてきてはあちこち壊す夢みがちなゾウ。思いとどまってばかりのイカ。チューチュー鳴くことにしたライオン。……不器用で大まじめ、悩めるどうぶつたちが語りだす、テレヘン・ワールドへようこそ!
  • 機巧のイヴ―新世界覚醒篇―(新潮文庫)
    3.3
    1巻693円 (税込)
    「あなたは、どなた?」少年が彼女の冷たい体を抱きしめるとき、運命の歯車が廻り始める――。1892年、万博開催を翌年に控え、空前の賑わいを見せる新世界大陸(ムンドゥス・ノーヴス)の都市・ゴダム。万博の利権を巡る人々の争いが繰り広げられる夜、パビリオン「十三層」の頂上で、機巧人形(オートマタ)・伊武(イヴ)が永の眠りから目覚めた。機巧と人間。本当の“心”を持つ者は誰か? 未曾有の世界に魂が震えるSF伝奇小説の傑作!
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)
    4.3
    天府城に拠り国を支配する強大な幕府、女人にだけ帝位継承が許された天帝家。二つの巨大な勢力の狭間で揺れる都市・天府の片隅には、人知を超えた技術(オーバーテクノロジー)の結晶、美しき女の姿をした〈伊武(イヴ)〉が存在していた! 天帝家を揺るがす秘密と、伊武誕生の謎。二つの歯車が回り始め、物語は未曾有の結末へと走りだす――。驚異的な想像力で築き上げられたSF伝奇小説の新たな歴史的傑作、ここに開幕!
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)
    4.1
    浪漫(ロマン)とモダニズムの花咲く1918年。美しき機巧人形(オートマタ)・伊武(イヴ)は、女学校の友人・ナオミとともに訪れた猫地蔵坂ホテルで、ある男と運命の出会いを果たす。恋の始まりを予感したそのとき、幸せな日常を引き裂く大震災が襲う。時代の波に翻弄され、廻り出す運命の歯車。そして物語の舞台は、大陸の新国家・如洲(にょしゅう)へ――。心を持たない人形が問いかける、愛とは、魂とは。日本SF小説史に残る圧倒的傑作。
  • きことわ(新潮文庫)
    3.6
    貴子(きこ)と永遠子(とわこ)。葉山の別荘で、同じ時間を過ごしたふたりの少女。最後に会ったのは、夏だった。25年後、別荘の解体をきっかけに、ふたりは再会する。ときにかみ合い、ときに食い違う、思い出。縺れる記憶、混ざる時間、交錯する夢と現。そうして境は消え、果てに言葉が解けだす――。やわらかな文章で紡がれる、曖昧で、しかし強かな世界のかたち。小説の愉悦に満ちた、芥川賞受賞作。
  • 起死回生―逆転プロ野球人生―(新潮新書)
    3.5
    このままじゃ終われない。俺はもっとやれる――。戦力外や飼い殺し、理不尽なトレードにも挫けず、必死でもがき続けるプロ野球選手たち。小林繁、栗山英樹、野茂英雄、矢野燿大……いずれも才能を新天地で開花させ、その実力を天下に知らしめた。「今に見てろよ」と歯を食いしばり、白球を追いかける彼らの姿は、いつだって見る者の胸を熱くさせる。ピンチをチャンスに変えて、栄光を掴んだ30人のサバイバル野球人生。
  • 騎士団長殺し(第1部~第2部)合本版(新潮文庫)
    4.5
    1巻2,508円 (税込)
    一枚の絵が、秘密の扉を開ける――妻と別離し、小田原の海を望む小暗い森の山荘に暮らす36歳の孤独な画家。緑濃い谷の向かいに住む謎めいた白髪の紳士が現れ、主人公に奇妙な出来事が起こり始める。雑木林の中の祠、不思議な鈴の音、古いレコードそして「騎士団長」……想像力と暗喩が織りなす村上春樹の世界へ! ※当電子版は新潮文庫版『騎士団長殺し』第1部~第2部の全4冊をまとめた合本版です。
  • 汽車旅12カ月
    4.5
    数字が羅列してあるだけの無愛想な時刻表も、じっとながめていると、汽笛の音や線路の響きが聞えてくる。〈国鉄全線の完乗〉、〈最長片道切符の旅〉をなしとげ、無類の鉄道好きとして有名な著者が、バッグ片手にふらりとローカル線の旅に出た。――旅先で出会う珍しい風物、人情の機微、思わぬ新発見。四季折々に移りかわる旅の風情を、ユーモラスに爽やかに綴る、汽車の旅歳時記。
  • 騎手の誇り(新潮文庫)
    -
    十二年前の落馬事故――。その真相を知るために、息子・和輝(かずき)も騎手となり、かつての父の好敵手で、不動のトップ騎手・平賀と同じ厩舎に入った。父は、本当は平賀に殺されたのではないか……。新人競馬担当記者・仁美(ひとみ)とともに事故の謎を追う中で、平賀のある秘密に気づいた和輝は、自らの身にも迫る危険を感じ取る。亡き父と息子の絆に涙する、長編ミステリ。『サイレントステップ』改題。
  • 鬼神の如く―黒田叛臣伝―(新潮文庫)
    4.1
    「わが主君に謀反の疑いあり」。筑前黒田藩家老・栗山大膳は、自藩が幕府の大名家取り潰しの標的となったことを悟りながら、あえて主君の黒田忠之を幕府に訴え出た。九州の覇権を求める細川家、海外出兵を目指す将軍家光、そして忠之――。様々な思惑のもと、藩主に疎まれながらも鬼となり幕府と戦う大膳を狙い刺客が押し寄せる。本当の忠義とは何かを描く著者会心の歴史小説。司馬遼太郎賞受賞。(解説・島内景二)
  • Kiss
    3.4
    全身が唇からとろけていきそうなくちづけ。待ち望んで待ち望んで、気が狂ってしまうのではないかと思うほど待っていたくちづけ。恋人を作り家を出て行った母が、父の亡骸と交わす最後のくちづけ。舌をからませることのない、淡い別れのくちづけ。人生でもっとも嬉しく、もっとも幸福だったくちづけ……。様々なくちづけが織りなす、男女の恋と愛、そして人生を描く、九つの恋愛小説。
  • 傷ある翼
    -
    乳、子宮、歯と、女性としての機能を次々に喪失した主人公・宗像滋子は、生身の人間であることよりも、むしろ空想や観念の生活の豊かさを自覚し、文学表現のなかで女と性とを開花させようと決意する。厳格な家庭や、烈しい時代の流れのもとでの、プロレタリア演劇活動、恋愛、そして打算的な結婚を描いて、鮮烈な一少女像を刻む。――「朱を奪うもの」の第二部をなす。
  • 傷―慶次郎縁側日記―
    3.7
    空き巣稼業の伊太八は、「身内に迷惑を掛けない」というのがモットーだ。豊蔵から共謀を持ちかけられ、目的の瓦屋に忍び込んだはよかったが、何とそこは豊蔵の弟の家だった。自らの信条に反する仕事をさせられた挙げ句、あらぬ罪まで着せられてお尋ね者になってしまった伊太八──彼の運命やいかに? 元南町奉行所同心の隠居・森口慶次郎が人々の心を潤す、粋と人情のお江戸事件簿。
  • 奇跡のはじまり―ある音楽家の革命的介護メソッド―
    -
    動けた、歩けた、絵が描けた! 半身の自由を失った妻の病床で、音楽家の夫は模索を開始した。既存のリハビリ術にはリズムもメロディも欠けてるんじゃないか……。「完治は百%無理」という医師の宣告をバネにして妻を一歩一歩蘇らせていった、創意と工夫の日々。音楽による介護に道を拓いた〈みつとみメソッド〉誕生の物語。
  • 貴族とは何か―ノブレス・オブリージュの光と影―(新潮選書)
    4.5
    不当な特権と財産を有し、豪奢で享楽的な生活を送る怠け者たち――このような負のイメージは貴族の一面を切り取ったものに過ぎない。古代ギリシャから現代イギリスまで、古今東西の貴族の歴史を丁寧に辿り、いかに貴族階級が形成され、彼らがどのような社会的役割を担い、なぜ多くの国で衰退していったのかを解き明かす。
  • 機体消失
    3.4
    百億円相当のコカインを、小型機で密輸しようとする犯罪グループ。沖縄・下地島の自然に抱かれ疲れを癒す、ふたりのパイロット。結びつくはずのない両者が出会ったとき、事件は全貌を現した。激しい台風の中、忽然と姿を消したセスナの謎。そして、追いつめられた男たちによる訓練用ジャンボ機のハイジャック。世界一不運な副操縦士・江波順一は、恐るべき難局を打開できるのか?
  • 北関東の異界 エスニック国道354号線―絶品メシとリアル日本―
    3.8
    群馬県高崎市から茨城県鉾田市まで北関東を横断する一本の道、誰が呼んだか「エスニック国道」は知る人ぞ知る異国飯の本場だ。外国人労働者が集まるレストランやモスク、ときには彼らの自宅で著者がふるまわれるのは、湯気立ち上る皿、皿、皿。舌鼓を打ちつつ目撃したのは日本の屋台骨を支える「見えない人々」の姿だった。この国道はひと味違うぜ!
  • 北朝鮮 核の資金源―「国連捜査」秘録―
    3.8
    厳しい国際包囲網の中、なぜ彼らは核兵器や米国にまで届くミサイルを開発できるのか。国連安保理の最前線で捜査にあたった著者が直面したのは、世界中に巣食う犯罪ネットワーク、それを駆使しての数々の非合法ビジネス、そして組織の中核で暗躍する日本人の存在だった――北朝鮮の急所を抉り出すスクープノンフィクション!
  • 「北朝鮮帰還」を阻止せよ―日本に潜入した韓国秘密工作隊―
    4.5
    「地上の楽園・北朝鮮」を謳い、日本支援の下に1950年代から始まった在日コリアンの帰還事業。その陰で、妨害工作のため特殊部隊が極秘裏に活動を始めていた――。日本人同化・諜報訓練を重ね、夜陰に乗じて日本に上陸、しかし直後、故国・韓国では政権が崩壊する。封印された実態を、生存者九人の証言から炙り出す。

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  • 北朝鮮に消えた歌声―永田絃次郎の生涯―
    3.0
    1960年1月29日、新潟港を出港する「北朝鮮帰国船」のデッキの上で、《荒城の月》を朗々と歌った男がいた。《蝶々夫人》日本初演でピンカートンを歌い、一世を風靡した希代のオペラ歌手、永田絃次郎(金永吉)。だが、その後の消息は、誰も知らない……。初出資料と貴重な証言で描かれる慟哭のスクープ・ノンフィクション!

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  • 北の岬
    3.0
    1巻440円 (税込)
    日本に二年の歳月を待ちこがれる婚約者がいるにもかかわらず、パリからの帰途、修道女マリ・テレーズと運命的な邂逅をした留学生“私”の内面を通して、永遠の光に照らされた至純の愛への覚醒を描く表題作。ほかに、晴朗な筆致で現代人の陥ち込んだ、この不確かな生、曖昧な生に、豊かな生命の息吹きを吹き込む珠玉の短編「ランデルスにて」「風塵」「円形劇場から」「叢林の果て」全5編を収録する。
  • 闇の黒猫―北町奉行所朽木組―
    4.8
    腕が立ち、情にも厚い定町廻り同心・朽木勘三郎と、彼に心服する岡っ引たちは、商家の盗難騒動、茶問屋跡取り息子失踪事件を鮮やかに解き、いよいよ江戸の闇夜に跋扈する「黒猫」の正体へと迫ってゆく……。
  • 吉祥寺があぶない 「住みたい街No.1」の知られざる現実
    3.5
    「キラリナ京王吉祥寺」オープン、そして「ユニクロ」の大型店や「ヤマダ電機」などの大型商業施設の出店ラッシュが続く吉祥寺。しかし、家賃は高騰して個人商店はやってゆけない状況で、ユニークな店はどんどん消える。ランドマークだった「いせや」公園店も改装されて普通の居酒屋になり、100周年を迎える井の頭公園の池からは廃棄自転車が200台で、殺人事件も起こった。「空洞化」が進む、かつての「若者の街」の現在に迫る。
  • 吉祥寺があぶない ラスト・バウス あるミニシアターの終焉
    -
    日本国内の映画館の1年間の興行収入はたったの2000億円。もはや「産業」と呼べる規模ではなく、生き残れるのはシネコンのみ、という段階に入った。そんな中、65年間の歴史を持つ「吉祥寺バウスシアター」が閉館する。単に封切りを公開するだけではなく、『ロッキホラーショー』のパフォーマンス付上映や『ストップ・メイキング・センス』など多彩な番組を提供し、音楽・演劇の拠点だったユニークな映画館の閉館が意味するものとは。
  • 吉祥寺の百日恋
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    この恋は偽り、それとも真実?──若き錫乃介はその美貌ゆえに放蕩の日々。かつて道ならぬ恋にあった義姉・永遠子にけしかけられ、侯爵家の令嬢・深雪を百日で籠絡出来るかの賭けをする。手練手管で誘惑し、念願の褒美を得るはずだったのだが……。大型新人がラクロの古典文学を基に斬新な視点で描く、現代猫版〈危険な関係〉。
  • 機長からアナウンス
    3.6
    旅客機機長と言えば、誰もが憧れる職業だが、華やかなスチュワーデスとは違い、彼らの素顔はほとんど明かされない。ならばと元機長の作家が、とっておきの話を披露してくれました。スチュワーデスとの気になる関係、離着陸が難しい空港、UFOに遭遇した体験、ジェットコースターに乗っても全く怖くないこと、さらに健康診断や給料の話まで――本音で語った、楽しいエピソード集。

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  • 橘花抄(新潮文庫)
    4.0
    両親を亡くした卯乃は、筑前黒田藩で権勢を振るう立花重根に引き取られたが、父の自害に重根が関与したと聞き、懊悩のあまり失明してしまう。前藩主の没後、粛清が始まった。減封、閉門、配流。立花一族は従容として苦境を受け入れるが追及は苛烈を極め、重根と弟・峯均に隻腕の剣士・津田天馬の凶刃が迫る。己の信ずる道を貫く男、そして一途に生きる女。清新清冽な本格時代小説。
  • キッチン・ブルー(新潮文庫)
    3.6
    つまんない子、いつもそう言われてきた――。灯(とも)は飲み会も女子会もNG、とにかく他人と食事を共にすることができない「会食不全症候群」。この性分のせいで職を変え、恋にも無縁。けれど仕事で知り合った蝦名(えびな)から夕食に誘われて……。食べることは生きること。「食」に憂鬱を抱えた6人が、ユニークでタフな方法で、悩みに立ち向かってゆく。つい頑張ってしまう人に贈る、幸せごはん小説!(解説・乾ルカ)

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